2010年09月02日

内覧会★同行日記 【ご依頼者の内覧業者選び】

【357時限目】                              author アーキスケット 出口

マンション最寄駅の北口ロータリーで
マンション内覧会同行のご依頼者と待ち合わせ。

10分ほど待っていると、
シルバー色の高級車がロータリーを時計回りで進んできて、
私の前で止まります。

運転手が降りてきて、
「はじめまして。〇〇です。」とご挨拶。

年齢は40才前後と思われますが、
高級そうなジャケットにパンツ姿。

「はじめまして。今日はよろしくお願いいたします。」

ベンツの助手席に乗り込むとシートはもうフカフカ。
別世界の雰囲気です。

「マンションはやはり高額なので、以前から専門家に見てもらおうと思っていました。」

「私が内覧業者を行っていることを別にしても、
 絶対に行った方が良いと思います。
 やはり、色々な指摘が挙がるケースもあり、
 そんな時は、ちゃんと直してもらう必要があります。
 指摘がほとんど挙がらない場合でも安心料と考えていただければと思います。」

「それにしても、インターネットで内覧業者さんを探すと、
 本当にたくさんの内覧業者さんがあるんですね!」

「そうですね。私は選ばれる立場ですが、
 マンション購入者にとって
 インターネットだけで内覧業者を選ぶというのは難しいでしょうね。
 お金をかけた綺麗なホームページもたくさんありますし。。。
 でも、綺麗なホームページだからといって、
 良い内覧業者とは限りませんし。。。」

「実は私、IT関連の会社経営をしているんですが、
 ホームページをじっくり見ると色々と解ることもあります。

 やはり一番はマンション内覧会に同行していただける方がどんな人かです。
 アーキスケットさんは、出口さんの経歴も掲載しているし、
 それに、”内覧会同行ブログ”を読んでいると人柄も解ります。」

「そう言っていただけると嬉しいです。」

「でも、それだけじゃないんです。」

「それは何でしょうか?」

「他の内覧業者さんのホームページの中には、
 ”料金は検査後に現金でいたただきます”
 と掲載されているところもありますが、
 『税金を納めているの?』
 って疑いたくなります。

 アーキスケットさんは、
 料金振り込み先の銀行名も記載していますし口座名義も会社名なので、」
 税金をちゃんと納めているということが解ります。」

「そんなところまで見ているんですか。
 内覧業者の中には、確かに納税の疑わしいところもありますね。」

「ホームページのドメインに”CO”を使っていることも、
 法人格を取得しているということが解りますね。」

「そんなところも見ているんですか。
 内覧業者の中には、確かに会社設立登記や個人事業主届の疑わしいところもありますね。」


しかし、この銀行口座名義やドメインの件は、
私が起業しホームページ作成の時に、

”絶対に後ろ指を差されないようにしよう!”

と考えていたものです。

やっぱり、見る人が見れば解ってくれる!

「ところで、アーキスケットさんのインターネット宣伝は、
 スポンサーサイトがメインですよね。
 ホームページのSEO対策はしないんですか?
 私の会社では、SEO対策のお手伝いもしていますよ!」


SEO対策をしていないのがバレバレだ。。。
でも、
これって、営業?

2010年08月29日

内覧会★同行日記 【気にしない!気にしない?】

【356時限目】                             author アーキスケット 出口

「もしもし、格安な値段のお気に入りの住宅が見つかったので、
 まだ、契約前なんですけど
 購入判断のために住宅内覧会検査をお願いできますか?」

「契約前の住宅内覧会検査はとても良いことだと思います。
 検査させていただいた結果を購入判断のご参考にしてください!」

で、事前に送付されてきた資料を前日にチェックです。

平面図、立面図、矩計図などの図面。
仕様書、仕上げ表。
チラシのコピー。
確認済証のコピー。

チラシのコピーを見ると、確かに格安なお値段。
確認済証の申請年月日を見ると、平成19年11月。

何と、2年半もの間、売れ残っていた未入居住宅だ!


住宅内覧会検査当日、最寄駅から現地までの会話です。

「駅近で販売価格も安いのに、何で2年半もの間、売れ残っていたんですかね?」

「どうも、”違法建築”みたいなんです。」

「えっ? 確認済証は出ていたのに完了検査を受けなかったんですかね?」

「施工中、設計変更をして、
 1階と2階の中間にある収納スペースの面積を大きくしたので、
 違法建築になってしまったらしいんです。」

「そりゃー、建築基準法上、
 階数・面積に算入しない収納スペースの天井高・面積は制限がありますからね。。。」

「そうなんですか。。。でも、私にとっては収納スペースが広くなっていて魅力があります。」

「そもそも、施工途中にそんな設計変更すること自体がオカシイ。」

「そのほうが売れると思ったらしいんです。
 検査済証が無いと何か問題になることがあるんですか?」

「役所に発覚すれば、建前上、”是正勧告”がされる場合だってあります。
 将来、住宅を売却することも難しくなりますね。。。」

「役所の是正勧告は想定外でしたが、
 売却は将来的にも考えていないので、気にしないです!」


そして現地に到着。
でも、売主側の立会い者はいません。
契約前なので、”勝手にやって”ということなのでしょうか?


先ずは問題の収納スペースを確認。
すると図面では9平米程度の広さが何と1フロアー全ての広さになっているのです。

これじゃー、3階建てだ!

容積率もオーバーだし、構造計算書だって必要です。

さらに住宅内覧会検査を進めると煙感知器や熱感知器がひとつも付いていない!
これも違法だ!

さらにさらに住宅内覧会検査を進めると、出るは出るは指摘事項がいっぱい。

ルーフバルコニーは歩くだけで床が、”ビキッ、ビキッ”ときしみ音。
これじゃー、いつFRP防水に亀裂が生じてもおかしくない。

壁や天井は、全てのお部屋の全ての面のほとんど全てのボードジョイント部において、
クロスの捻じれや亀裂。
これじゃー、クロスパテ処理程度の安易な手直しではいつ再発してもおかしくない。

その他、
・木製建具の戸当たり取付が全滅。
・クロスやフローリングのキズは数知れず。
・玄関床タイルは浮いている。
・ポーチの土間コンクリートに亀裂。
などなど、稀に見る指摘事項の多さです。


で、これらの指摘事項をご依頼者に説明すると、
さすがにショックを受けた様子。

こんな時は、こちらも辛い。。。


後日、ご依頼者からの電話です。

「先日は住宅内覧会検査で色々な指摘をしていただいてありがとうございました。
 でも、
 クロスの亀裂など、
 気にしなければ問題ないですよね!」


気にしないなんてありえない。。。


2010年08月24日

内覧会★同行日記 【バルコニー 水勾配は大丈夫?】

【355時限目】                              author アーキスケット 出口

ここは、マンション南西角部屋のバルコニーです。

バルコニーの形はというと、
南面も西面もバルコニーがあり、要するにL字形なのです。

ここまでは、何ら変哲もないバルコニー形状。
しかし、西面のバルコニーには排水溝が無いのです。

西面のバルコニーに吹き込んだ雨水はどうなるのだろう?
と確認すると、
床全体で水勾配を南側の排水溝へ取っています。

その距離5.55m。

水勾配を1/50確保するとすれば、
水下と水上の床高さの差は何と11cmにもなるのです。

でも、
雨水がちゃんと排水され、
モルタルが厚くなる分の重さを耐える構造検討がされ、
手摺高さも1.1m以上確保されれば良い。。。

と思っていると、
水上側にあるアルミサッシ下枠がモルタルに埋まっているのを発見!

そして、何故か?アルミサッシ下枠際の長尺シートが幅5cmほど撤去されており、
その部分だけはウレタン防水で化粧仕上げとなっています。

何でこんな仕上げにしているの?

考えること5分。

!!!、・・・・ということか!


検査終了後の指摘事項の説明です。

「このアルミサッシ下枠際の長尺シートが剥がされ
 ウレタン防水にしている理由はなんですか?」

「実は・・・・、
 網戸の開閉をすると長尺シートに当たってしまった為こうしました。」

「バルコニー全体の水勾配の取り方に問題があったということですよね。」

「でも、網戸の開閉ができないといけないですので。。。」

「こんな納まり、普通考えませんよ!
 見栄えだって重要です!・・・が、
 水勾配だって確保されていないんじゃないですか?」

「心配でしたので散水試験も行いました。水溜り跡も無いですよね。」

「そうですか?
 床自体の水勾配は確保できているのかも知れません。
 しかし、アルミサッシ下枠を見てください!
 ここに水抜き穴がありますよね。
 でも、水抜き穴の外側はモルタルで埋まってしまっているんですよ。
 これじゃー、レール部分に溜まった雨水や結露水は流れていきませんよね。」

「設計図上、アルミサッシの高さは決まっているし、
 バルコニーの水勾配を最低限確保すると
 どうしてもこうなってしまうんです。」

「設計のミスを補佐するのもゼネコンの仕事でしょっ!」

「・・・・・・、
 でも、レール部分に水が溜まったとしても問題ないと思いますが・・・・」

ただただ、呆れるばかり。。。

「ゼネコンとして恥ずかしくないですか!!!」

「・・・・・」

「西側バルコニーのモルタルを撤去してでも改善するべきでしょっ!」

「でも、こういう風にしかできなかったんです。」

「本当に床勾配が確保できないんだったら、
 西側バルコニーにも
 新たに排水溝・ドレーン・排水配管(縦樋)を設けるしかないのでは?」

「えっ。。。床モルタルの勾配を再度調整してみます。。。。」


後日談。

その後、
西側バルコニー全面の長尺シートを剥がし、
モルタルを撤去し、
再び水勾配を確保しながらモルタルを塗り、
再び長尺シートを貼ったら、
何とかなったらしい。。。


2010年08月17日

内覧会★同行日記 【熱中症対策は万全!】

【354時限目】                              author アーキスケット 出口

暑いですねえーーー。
連日、各地35℃を超える猛暑日のニュースが流れています。

そんな中、
一戸建て住宅内覧会のダブルヘッダーです。

最寄駅でご依頼者を待っている間に、
熱中症にかからないようにと、
自販機で買ったペットボトルの水を補給です。

その後、ご依頼者と一緒に現地へ向かいます。

「今日も暑いですねえーー。」

「本当に暑いですねーー。」

「マンションと比べると一戸建て住宅は余計に暑いんですよ。」

「どうしてなんですか?」

「マンションはコンクリート造なので熱容量が大きく、
 夜冷やされたのが長持ちするからなんです。」

「へえーーー。」

「一戸建て住宅は本当に暑いので、
 売主が事前に窓を開けておいてくれると良いんですが・・・」

「そのくらい気を配っているんじゃないですか?」

「だと良いんですけど。。。」


で、現地到着。
売主立会い者が先に来てお待ちかねです。

でも、残念。。。

案の定、窓は開いておらず、
シャッターまでもが閉め切られています。

「売主の〇〇です。今日はよろしくお願いします。
 それにしても暑いですねえー。」

「こちらこそよろしくお願いします。
 お部屋の中はもっと暑いでしょうねえー。」

この言葉の意味を汲み取ったかどうかは解りませんが、

「あっ、それでは私が先に入って窓を開けますから。。。」

とは言われたものの、
全員でお部屋に入り窓を全開にしていきます。


そして一段落してからご依頼者が鞄の中をゴソゴソと・・・・
すると中から水の凍ったペットボトルを取りだし、

私と売主立会い者に、

「暑いですから、どうぞ!!!」

こんな心遣いが本当にうれしい。。。

先ずは検査前に溶けた分の水をゴクリ。

そして窓の無い屋根裏収納へと入ります。
手持ちの温度計は43℃。

これを見た途端、
飲んだ分の水が汗として吹き出してきます。

途中、氷が溶けた分の水を飲みながら検査を進めますが、
その水は体を経由するだけで
下着とフェイスタオルに吸収されていきます。

でも、ペットボトル入りの氷のお陰で、
何とか熱中症で倒れることなく内覧会検査を無事終了。

そして、後半戦の一戸建て住宅内覧会に向かいます。

途中、駅のトイレで、
ペットボトル2本分の水を吸った下着を着替え、
また、すぐに汗が出てくるんだろうなあー。。。と思いつつ、
キオスクで買ったペットボトル入りのコーラを一気にゴクリ。

そして2件目の一戸建て住宅に到着です。
ここでは、
事前に窓が開けられており、”ホッ”
売主の心遣いが感じられます。
そしてご依頼者からペットボトル入りのお茶のプレゼント。

これで熱中症対策万全です!


2010年08月10日

内覧会★同行日記 【明日は引っ越し!】

【353時限目】                              author アーキスケット 出口

最寄り駅で住宅内覧会同行のご依頼者と待ち合わせ。
現地までの道すがらの会話です。

「お引き渡しはいつなんですか?」

「実は明日なんです。。。」

「そうなんですかあー。で、お引っ越しの予定は?」

「実は明日の午後なんです。。。」

「そうなんですかあー。手直しが無いくらいに綺麗に仕上げっていると良いですね!」


と言いつつも、
頭の中では、赤に近い黄色信号が点滅開始です。

内覧会検査では、少なからず指摘事項が挙がります。
その内容の大小はありますが、
その手直し期間を確保するために、
少なくとも1週間の余裕はほしいところです。

ところが、
引渡し日の前日が内覧会。
しかも、引渡し日にお引っ越し。

ということは、
工事期間が厳しくて
内覧会がギリギリのタイミングになってしまったということに違いない!


広い道から左に曲がり小道へ入ると、
そこは、この住宅メーカーが売り出した数棟から成る分譲住宅エリア。

作業用の車両が道を塞ぎ、
職人さん達がその隙間を行き交いながら作業を進めています。

どの住宅も外構工事がほとんど手付かず状態。

うーーーん。。。やっぱり!

ご依頼者が、玄関ポーチと駐車場を指さしながら
売主に、

「明日の午後には引っ越ししてきますけど、
 午前中にはコンクリートが出来るんですか?」

「コンクリートはすぐには乾きませんので、改めて調整させていただきます。。。」

今の状況からすると明日のコンクリートは無理。
でも、後日にコンクリート打設するにしても、
その時のお部屋への出入りは大変だ!

「お部屋の中は出来あがっているんでしょうか?」

「実は。。。
 バルコニーの手摺に付くアルミ笠木、物干し金物、網戸が未済です。
 でも、明日の午前中に取り付ける手はずになっています。。。」

取付け時間もそれほどかかるものではないので、
その程度だけであれば良いのですが・・・・


さて、お部屋に入ると、
一見、説明のあった未済工事以外は完了しているかのように見えます。

でも、
キッチンの吊戸棚には、”扉交換”の張り紙。

「扉の交換って何ですか?」

「色違いなんです。
 内覧会なので、とりあえず他の物件のものを仮に付けておきました。」

洗面化粧台下を覗くと、
排水管が接続されていません。

「この状況でご入居し、水を使用したら大変なことになりますね。」

「・・・・それも未済でした。。。明日午前中には接続します。」

その他、
明日の午前中までに手直しを完了するには
際どい指摘がいくつか挙がります。


「ところで、こんな状況で役所の完了検査は受けたんですか?」

「ハイ、受けました。」

「で、指摘は挙がらなかったんですか?」

「付くものも付いていない状況での完了検査でしたので、
 いくつか是正写真提出の指摘を受けています。」

「現地確認での再検査でなくて良かったですね。」

「・・・・・」


明日は引っ越し!
住宅の使用開始です。

でも、住宅を使用して良いという検査済証は出ていない。
もちろん、仮使用届けなんて提出していない。

せめて、
役所に提出する是正写真には、
引っ越し荷物が写っていないようにしてください。

2010年08月06日

内覧会★同行日記 【安全第一VS品質第一】

【352時限目】                              author アーキスケット 出口

ここは郊外にあるタワーマンション。
バルコニーから内覧会検査スタートです。

先ず目に飛び込んでくるのがこの街の景色。

ずいぶんこの街も変わったなあー。。。

昔々、この街で遊んでいたころを思い出します。

次に目に飛び込んできたのが外壁仕上げの出来栄えの悪さ。

仕上げは吹き付け塗装なのですが、
柱部分に70cm角程度の四角いひび割れ。
そして、その部分の吹き付け塗装は、
その他の部分と明らかに色や吹き付け模様(パターン)が違っているのです。

はて?、この四角い跡は何なのだろう???

内覧会検査終了後、施工会社の立会い者に説明を求めます。

「この柱にある四角い跡は何でしょうか?」

「タワークレーンのステー跡です。」

タワークレーンとはご存じのとおり、
PC板や鉄筋などの建設資材を上の階に運ぶものです。

ステーとは、
タワークレーンが倒れないようにするための支え金物であり、
タワーマンションの建設で外付けタワークレーンを使う場合に欠かせないものです。

そして、このステー跡は、
ベースプレートと言われる厚い鉄板を柱に埋め込んでいた跡だということです。

このステーを設ける箇所はそんなに多くはありませんが、
このお部屋は、
運悪く(?)、その箇所に当たってしまったということです。

「タワークレーンのステー跡だったんですか!
 私としたことが気が付きませんでした。。。
 
 現況、四角くひび割れが生じていますが、
 何で穴埋めをしたんですか?」

「無収縮モルタルです。。。」

「でも、結果としてひび割れが生じていますね。」

「・・・・・」

「この四角い部分は、他の部分とくらべ塗装の色は違うし、模様(パターン)も違いますね。」

「ここの部分は、ダメ工事(残工事)として後施工をしているため仕方がないんです。」

「施工上の理由は解りますが、
 マンション購入者からすれば、そんな理由は関係ありません。」

「・・・・・」

「無収縮モルタル施工後、十分に乾燥させたのでしょうか?
 そのうえで、ひび割れが生じたのであれば補修する必要があります。

 塗装だって、この一部分のみをダメ工事として残すのではなく、
 柱一面を残せば目立たないようにできたんじゃないですか?」

「柱一面をダメ工事として残すと高所作業となり、
 手摺を乗り越えて墜落事故の危険があります。」

「マンション購入者からすれば、そんな理由は関係ありません。
 手間はかかるかもしれませんが、
 ネットを張るなどして墜落防止を考えれば済むことです。」

「ネットを張ること自体も墜落事故の危険があります。」

「そんなことを言っていてはタワーマンションなんか施工できません。
 安全帯の使用だってあるし、その他の方法だって考えられます。」

「・・・・解りました。手直しします。」

決して安全を疎かに考えて良いということを言っているのではありません。

マンション施工会社にとって、

” 安 全 第 一 ”

そして、マンション購入者にとって

” 品 質 第 一 ”

どちらも大切なのです。

2010年08月02日

内覧会★同行日記 【設計競演?・・・その矛盾】

【351時限目】                              author アーキスケット 出口

郊外の一戸建て住宅の内覧会。

ここは大手デベロッパーによる大規模プロジェクトの住宅開発。
で、偶然にも同じ日の午前、午後で内覧会同行のご依頼があります。

事前に送付いただいた資料の設計図を見ると、

午前の住宅が準大手住宅メーカーの設計。
午後の住宅が準大手ゼネコン住宅事業部の設計。

と、2つの会社が設計競演しています。
大規模プロジェクトゆえの分業なのでしょう。。。

内覧会当日、現地に到着すると、
住宅形状は異なったものがあるものの、
外観、外構の造りなどなど、
全体的には同じ雰囲気を醸し出しています。

さて、午前の住宅内覧会検査を終え午後の住宅内覧会検査です。

玄関の前では、
案内役の準大手ゼネコンの立会い者が待ち構えています。

さすがに、
午前中の立会い者とは制服(作業着)が異なります。
しかし、
内覧会の進め方は午前中と同じ!
売主である大手デベロッパーのマニュアルどおりなのでしょう。

お部屋に入ると、
お部屋の雰囲気も午前中に見たのと全く同じ。
そして、
システムキッチンや洗面化粧台、浴室、トイレなどの住設機器類、
その他、アルミサッシや木製建具、フローリングなどなどの仕様も全く同じ。

カタログやインターネットの情報どおりの仕様となっています。


で、内覧会検査をスタート。
すると、

確か・・・午前中の住宅では、
クーラースリーブが固定されていたよなあー。。。
でも、こちらは全数未固定だ!

確か・・・午前中の住宅では、
木製建具の扉はアンダーカット10mmが確保されていたよなあー。。。
でも、こちらは5mmしかないや!

確か・・・午前中の住宅では、
バルコニーのオーバーフロー管にはメッシュ蓋が付いていたよなあー。。。
でも、こちらは付いていないぞ!

確か・・・午前中の住宅では、
屋根裏の断熱防湿シートが綺麗に貼られていたよなあー。。。
でも、こちらは貼っているとことろと貼っていないところがあるぞ!

これらは、単純なミス。
施工管理不行き届きだ!


さらに、内覧会検査を進めます。
すると、

確か・・・午前中の住宅では、
トイレや洗面室、廊下に将来用手摺下地が入っていたよなあー。。。
でも、こちらは入っていないぞ!

確か・・・午前中の住宅では、
ユニットバス周りの壁に遮音材のグラスウールが入っていたよなあー。。。
でも、こちらは入っていないぞ!


でも、これらは各社それぞれの設計図どおり。
同じプロジェクトの住宅で仕様が異なっても良いのかっ!?

この問いに売主は、

「大筋の仕様は当社で指示していますので同じです。
 しかし、細かいところでは、
 設計者によって異なるところがあるかもしれません。」

「そんなんで良いのですか?」

「その図面をお渡しし販売、契約をしているのですから。。。」


今回、同じ敷地内のプロジェクト。

でさえ、こんなことがあるのです。。。

住宅業界では、
こんなことがざらにあります。

だって、
同じ住宅メーカーの建物でも設計者が異なっているのですから。。。
致し方が無いことなのでしょうか?

2010年07月26日

内覧会★同行日記 【矩計図の有る住宅・無い住宅】

【350時限目】                              author アーキスケット 出口

「〇月〇日土曜日の午後に
 新築住宅の内覧会同行をお願いしたいのですが・・・」

「その日は午前に新築住宅の内覧会同行の予定が入っていますが、
 午後でしたら予定させていただきます。
 それでは次に示す資料のコピーを事前に送付してください。」

・建物概要 (チラシやパンフレットなど)
・図面関係 (仕上げ表、仕様書、配置図、各階平面図、立面図、断面図、矩計図)
・地図    (最寄駅から現地まで解るもの)
・オプション (セレクト表、注文書、カタログ等)


ここで、矩計図(かなばかりず)とは、
断面詳細図みたいな図面で、
外壁、屋根、床下の断熱材や仕上げ材、天井高さなどなど、
色々な情報が記載されているもので、
新築住宅の内覧会検査では本当に役立つ図面です。


後日、送付されてきた資料を確認すると、
簡単な平面図、立面図、配置図しかありません。

「これで足りますでしょうか?」
の問いに、

「仕上げ表、断面図、矩計図が不足しており、情報量が乏しいと言えます。
 要求しないと手渡されないことも多いので、
 売主に確認してみてはいかがでしょうか?」

で、後日の回答です。
「売主から、
 『仕上げ表、断面図はございません。
 矩計図はお客様にはお出ししておりません。ご了承ください。』
 との回答です。
 こんなものでしょうか?」

「入手できる図面・資料の中で精一杯検査させていただきます。
 内覧会検査当日、不明な点や質問事項が出てきましたら、 
 直接、売主立会い者に口頭確認させていただきます。」


内覧会当日です。

午前の新築住宅内覧会検査では、
矩計図や仕上げ表などの資料がほぼ揃っています。

そして内覧会検査の結果、
フローリングのキズ、玄関ポーチの床タイルの浮き、床下の断熱材施工不良など、
いくつかの指摘があったものの、
矩計図や仕上げ表、その他の図面との相違点もなく、
結構、良い出来の住宅です。


そして、最寄り駅が2つ先で行われる午後の新築住宅の内覧会検査に向かいます。

で、ご依頼者ともども、
売主営業立会い者と仲介業者にご挨拶。

「ところで、そちらの会社では矩計図を住宅購入者に渡さないのですか?」
と尋ねます。

すると、
「当社では矩計図をお渡ししておりません!」

「何で渡さないのですか?」

「企業ノウハウが記載されているため極秘なのです!」

「そうなんですかあー。。。?
 でも、今日午前中に内覧会検査した新築住宅は、
 偶然そちらの会社が売主でした。
 そこでは矩計図も仕上げ表もありましたよ!」

「・・・・・会社規定では渡さないことになっています。
 午前中の当社担当者を教えてください。罰則ものです。」

本当かいな?

これまで、この住宅メーカーの内覧会にいくつも同行しましたが、
「矩計図は渡せない。」
と言われた記憶はありません。

そして、矩計図に、
住宅購入者に渡せないような企業ノウハウが記載されていた記憶もありません。

とりあえず、
午前の新築住宅と同じシリーズなので同じ仕様のはず。。。
その記憶を頼りに内覧会検査を進めます。


で、内覧会検査終了後の指摘・確認事項です。

「この1階のトイレには手摺が付いていませんが、午前の新築住宅では付いていましたよ。」

「・・・・・付きます。これから取り付ける予定でした。」

「階段に手摺が付いていませんが、午前の新築住宅では付いていましたよ。」

「・・・・・付きます。これから取り付ける予定でした。」

その他、
・木製建具の戸当たりが全箇所取り付いていない。
・網戸が全箇所取り付いていない。
・給湯器カバーが取り付いていない。

などなど、
引渡しを1週間後に控え、最終クリーニングを終えているというのに、
いくつか取り付くべきものが取り付いていません。

でも、その度に、「これから取り付ける予定でした。」との回答。

本当かいな?

もしかして、
施工担当者にも、
矩計図や仕上げ表を渡していないんじゃないの?


それ以外は、
断熱材の仕様や仕上げ材などは他物件の矩計図・仕上げ表どおり。
そして、キズ・汚れも少なく、
見た目の仕上がり具合としてはそれなりに良い。

でも、
もし、午前の内覧会検査資料の矩計図や仕上げ表をもとに口頭確認していなければ、
住宅購入者は、
取り付くものが取り付いていないことに気が付かないまま
入居していたのかもしれません。。。。


2010年07月22日

内覧会★同行日記 【内覧業者はいい商売?】

【349時限目】                              author アーキスケット 出口

二世帯住宅の内覧会です。

お部屋に入ると、
ご依頼者夫婦と息子夫婦とご挨拶。

「しっかりと検査させていただきます。よろしくお願いいたします。」

その後、ハウスメーカー担当者から名刺交換を求められ、
「今日、検査をさせていただきますアーキスケットです。よろしくお願いいたします。」

相手の名刺を確認すると、
大手不動産会社の住宅事業部の社員です。

資格も記載されており、

 二級建築士
 一級建築施工管理技士

資格を持ち合わせない住宅施工担当者が多い中、
この住宅はラッキー(?)かもしれません。


すると、おもむろに、
「内覧業者って、いい商売ですよね!」

”いい商売”ってどんな意味で言っているのだろう???

とりあえず、
「決して楽な商売ではありませんよ。」

「実は、自分でも内覧業者をやってみようかと思っているんです。」

”ご依頼者のためになる”といった志があるのなら良いのですが、
楽でお金儲けができると思っているのなら勘違いしちゃっているかもしれません。


自分にどれだけの仕事の依頼があるのかなあー?

取らぬ狸の皮算用なんかしていたら人生狂ってしまいます。
内覧業者のホームページを見て、
年間一人当たりの検査回数をチェックすると参考になるかもしれません。


会社経費ってどのくらいかかるのかなあー?

事務所経費、営業経費、社会保険料、税金などなど、予想以上に出費してしまいます。
内覧業者の中には、
”検査当日の現金払い”で税金対策(?)なんてやっているところもあるようですが・・・・


自分の知識・技術力・交渉力は通用するのかなあー?

内覧会同行のご依頼は、一戸建て住宅、マンションですが構造は様々です。
そして交渉相手も様々な人がいます。
内覧業者がなめられないためには、肩書き(資格)、経験・経歴も重要ポイントです。


で、二世帯住宅の内覧会検査結果です。

・壁の傾斜が許容値を超えている
・アルミサッシ網戸枠が固定されていない
・AW額縁のビスキャップや引き戸枠のビスが抜けている
・物入折戸の開閉不良
・洗面化粧台横の巾木が付いていない
・境界杭が入っていない
などなど、
指摘・確認事項が28項目挙がります。

すると、ハウスメーカー担当者から、
「事前にしっかりチェックしたつもりだったんですが・・・・
いい勉強になりました!!!」


内覧業者で一番大事なことは、”不具合の発見力と誠意”です。

建築士や施工管理技士の資格を持っていれば出来る商売でもありません。

これほど指摘が多く挙がるようでは、
自分がやってみて、
”いい商売”と言える内覧業者になるまでには、まだまだ・・・かも。

2010年07月18日

内覧会★同行日記 【Wセカンドオピニオン】

【348時限目】                              author アーキスケット 出口

「もしもし、今度、マンション再内覧会があるんですけど、
 再内覧会からでも同行していただけますか?」
との問い合わせ。

マンション内覧会で、
ご自身で検査を行った結果不安に思われる方も多く、
再内覧会で検査依頼をいただくケースも結構あります。

「もちろん、同行させていただきます!」

「実は、最初のマンション内覧会の時も一級建築士の方に見てもらったんですけど、
 それでも良いですか?」

「普通は内覧会時に同行してもらった一級建築士の方にご依頼することが多いと思いますが、
 何かあったんですか?」

「・・・・・、やっぱり別な方が良いと思いまして。。。」

「では、事前に送付いただく資料として内覧会時の指摘事項記載シートも送付してください。」

「ハイ、解りました。」


で、送付いただいた内覧会時の指摘事項記載シートを見ると、

・バルコニーの隔板に隙間があり隣が見える。塞ぐ
・クローゼットの引き戸の引き残しが無い。危険
・洋室の給気口は防音型にすべき
・排気口ガラリの羽の向きが違う
・サービスバルコニーの排水でオーバーフロー管が設けられていない

などなど、設計や仕様上の指摘。

・サッシの気密不良
・バルコニータイルの浮き
・打ち込み断熱材の浮き
・サッシ水切り下のコーキング幅の不足

などなど、施工不良の指摘

その他、キズ・汚れ等を含めると、
合計60項目の指摘が挙がっています。

なかなか鋭い指摘。

でも、この指摘パターンはどこかで見たことがある。

この一級建築士って、もしかして・・・・


で、マンション再内覧会当日。

「はじめまして。本日はよろしくお願いいたします。」

「こちらこそよろしくお願いいたします。
 内覧会時の指摘事項記載シートを見させていただきました。
 なかなか鋭い指摘を挙げていますね。」

「そうですか。。。
 内覧会の時の一級建築士さんは知人の紹介だったんです。
 やはり不安もあり、
 今回はセカンドオピニオンとして別な一級建築士の方の同行を決めました。」

「内覧業者によっては見方が違います。
 やはり、多くの目でチェックすることも良いと思います。」


マンションに到着すると
受付では売主担当者と施工会社の所長が待ち構え、

私の顔を見て安堵した様子???

この売主担当者、以前お会いしたことがあります。

そして、お部屋に入る前にロビーで
内覧会時の指摘への対応説明があります。

その話の中の随所に、
「〇〇氏」といった名前が出てきます。

やっぱり!!!〇〇氏か!

まっ、私は私の検査をするだけです。

お部屋に入り、
ご依頼者は売主担当者と施工会社の所長と、
〇〇氏の指摘の是正確認を行っていきます。

私は、内覧会時と同様に
初めての検査としてお部屋をチェックしていきます。

で、
私のワンパターンではない指摘・確認事項が、
新たに20項目が挙がります。

ご依頼者にとって、
Wセカンドオピニオン大成功!!!(?)


 
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