【21時限目】 author アーキスケット 出口
個人的な好みなのですが、
私は、川の見える景観が大好きです。
小さい頃、夏休みになると
田舎の川辺にある叔母のところで川遊びに興じていたことが、
私の住む場所を決めるひとつの大きな要因となっています。
(残念ながら現在は、川の流れ代りに電車の流れが見えてます。トホホホホ)
少し前のことですが、内覧会の立会いで理想のマンションに出会いました。
目の前には、川が流れ、土手には桜並木、
そして、その遠くに見える背景は都会の超高層ビル群です。
空気が澄み切っていたら富士山も見えるかもしれません。
何とも羨ましかったです。
しかし、『もし、その景観が奪われてしまったら・・・・・・』
さて、『国立マンション景観訴訟』に判決が出ました。
これは、「国立市にある大学通りの桜並木の景観が、
マンションによって損なわれる。」という訴えです。
一審二審では、近隣住民の主張する「景観利益」が勝利し、
「マンションの20m以上の部分を撤去せよ!」というものでした。
もう、完成しているマンションということもあり、
思わず、『ほんまかいなー』と第一声。
法令をクリアーしての建設でもあり、
結末がどうなるのかと興味津々でした。
(撤去が決まった場合は、デベロッパーも黙ってはいないはず。
建築を許可した役所への損害賠償請求となる?)
しかし、最終的には、「近隣住民」の敗訴となり、
このマンションは、命を永らえることが出来ました。
この結果に、「近隣住民は怒り爆発」と思いきや、
『地域住民には、景観利益はある。』との一文になぜか満足。
今後は、この一文が景観を損ねるマンション建設に歯止めをかけることになる
ということでしょう。
裁判所も、『うまい判決をしたものだ。』と感心いたしました。
この裁判で、損害を被ったのは一体誰でしょう?
きっと、今後建設計画に制約を受け、
土地価格が下がるかもしれない土地所有者だと思います。
しかし、桜の景観は、『国民全員の利益に値する。』けど、
国民の価値感覚も様々です。
銀杏や杉だったら、どうなるのでしょうね?
次回は、【建築主の意向を無視した設計者の自己満足】を予定しています。
それでは、次回をお楽しみに・・・・・・・お疲れ様でした。