【28時限目】 author アーキスケット 出口
妻 : 「ねーあなた、この壁の向こうから何か聞こえない?」
夫 : 「気のせいじゃないの?もう寝かせてよ。」
妻 : 「ねえってばあー、チョット聞いててみてよ。」
すると、『カチャン・・・カタカタ・・・』と
何か物音がするではありませんか。
(実はこの物音は、クロゼットのパイプにハンガーを掛ける音でした。)
ここはマンションの寝室、お隣とは寝室同士が隣り合ったプランです。
妻 : 「もしかして、こっちの話声なんかお隣に聞こえていないでしょうね?
パンフレットでは、遮音性能がD値55の壁って書いてあったけど、
本当なのかしら?」
夫 : 「そうだな、売主に調べてもうらおう。」
ということで、夫は売主に連絡をして施工業者に
遮音性能の確認をしてもらうことにしました。
計測の結果、D値50を少し下回る結果となり、
『パンフレットどおりの性能じゃない!』と怒り爆発です。
ここで、遮音性能とは、メーカーなどが一定の条件の下に実験した値であり、
色々な条件や環境が異なる個別のマンションでは、
その遮音性能の数値が必ずしも確保できるとは限らないのです。
また、物音は夜の方が聞こえ易い性質をもっています。
しかし、このマンション購入者は、
「そんなことは知らない。D値55を確保しろ!」と納得しません。
壁の遮音性能の目安
D値40 隣人の会話などが小さく聞こえる
D値45 隣人の会話などはほとんど聞こえない
D値50 隣人の会話は通常では聞こえない
D値55 ピアノなどの特に大きな音が静かな時に聞こえる
D値60 ピアノなどの特に大きな音がほとんど聞こえない
売主と施工業者は、結局、『悪い評判が立ってはいけない。』と考え、
「対応しますけど、他のマンション購入者には黙っていて下さい。」とお願いをし、
壁に鉛遮音シートを貼ることによって遮音性能を確保しました。
遮音性能は、壁の仕様だけで決まるものではなく、
以下の様なことによって低下します。
□GL工法と呼ばれるコンクリート壁にボードを貼ることにより、
太鼓現象(音の共鳴)により音が増幅する。
□隣との戸境壁にスイッチボックスなど、壁を切り欠くものがある場合、
その部分の壁厚が小さくなり、音の通路となる。
□超高層マンションなど、戸境壁に遮音ボード壁が使用されている場合、
隙間(特に端部)の遮音コーキングの施工不良で音の通路となる。
あなたの住むマンションの戸境壁の遮音性能はいくつですか?
また、隣の話声や物音が聞こえたりしませんか?
次回は、【不良施工が営業戦略という身勝手な考え方】を予定しています。
それでは、次回をお楽しみに・・・・・・・お疲れ様でした。