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敷金返還★講座【身障者にとって本当に辛い敷金返還トラブル】

【32時限目】                        author アーキスケット 出口

恥ずかしながら、
私は、身障者の方がマンションライフを送る上で、
どんな支障があるのかを真剣に考えたことがありませんでした。

そんな私を戒めようとしたのか、
たて続けに身障者の方から、敷金返還トラブルのご相談がありました。

「車椅子で生活している為、部屋中にキズを付けてしまっており、
 原状回復請求がどのくらいの額になるのか不安で、
 退去時検査の立会いをしてほしい。」とのご依頼でした。

依頼者のマンションに入ってみると、
まだ、入居して8年程なのですが、
30年位経っているのではないかと思われる程の状態です。

壁のクロスは、キズというよりも剥がれた状態がほぼ全面です。
しかも、清掃等ままならず、カビさえ生えています。

床のフローリングや絨毯も車椅子で全面磨耗しており、
また、室内にある木製の扉や枠も車椅子がぶつかったキズで、
枠ごと取替えなくてはいけないのではと思われる程です。

廊下やユニットバスには、手摺が取付けられており(貸主の了解済み)、
これらも原状回復して貸主に返さなければなりません。

原状回復するためには、下地以外の全てを改修する必要があり、
百万円単位の額となると思われます。

通常、借主が負担しなくてはならない原状回復費は、
『借主の故意・過失によるもの。』です。
そして、この依頼者の原状回復費の負担はこれに該当するものと思われます。

建築の教科書では、『車椅子が通る幅は、80cm以上あれば良い。』
などと書かれていますが、
車椅子の寸法は、65cmはあります。
すなわち、余裕は片側7.5cmしか無いのです。
また、マンション室内の扉は開き戸がほとんどで、
「車椅子の人は、どうやって開けたらいいの?」と疑問が湧いてきます。
「キズ付けずに生活しろ!」というのは所詮無理な話なのです。

他人事ではありません。
そして想像してみてください!
『もし、自分が車椅子の生活になってしまったら・・・・・・・』


『設計者は、基準さえクリアーして設計すれば良いのかなあー???』

平成7年に、
「高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築に関する法律」
通称、『ハートビル法』が制定されましたが、
『マンション』に対して、その強制力の有無については、
”努力義務”に留まっています。

確かに、マンション等の建物全てを身障者の方に照準を合わせることは
難しいことだと思います。
しかし、『それを補う何か』 (支援・補助)が
あっても良いのではないでしょうか・・・・・・


次回は、【マンションの値引き販売 既購入者のあなたは許せますか?】
を予定しています。
それでは、次回をお楽しみに・・・・・・・お疲れ様でした。

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2007年05月18日 18:42に投稿されたエントリーのページです。

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