【34時限目】 建物調査 アーキスケット 出口
私が建設会社で建物を建てていた頃、
建物が完成する度に、
『やっと苦労が実って建物が完成したあー!』と
まるで、子供が生まれたかの様に、何日も感慨にふけっていたものです。
それこそ、建築主にとっては、それ以上の感激が有ることでしょう。
しかし、もし完成した建物が欠陥だらけであったなら・・・・・・
建築主の期待は裏切られ、
建築業者に対して怒りすら湧き起こってくることでしょう。
これから、いくつかの講座で、
ある企業からの、
初めて造った自社工場の欠陥建物についてのご相談の実話をもとに、
『建物を造ることによる建築主のリスク』を考えていきます。
今回は、『床コンクリートのひび割れ』についてです。
依頼された工場の検査すると、
全てのスラブにと言っていい程、コンクリートにひびが入っています。
ひび割れの入っている位置・ひび割れの方向を観察し、
また、施工中の鉄筋の写真などを調べると
以下の様な原因によってひびが発生したものと推察されました。
?方向性から、基本的にはコンクリートの乾燥収縮によるひび割れ。
?乾燥収縮を最小源に留める”目地切り”が施工されていない。
(設計図には記載がある。)
?土間配筋の鉄筋の高さ方向の位置が適正でない。(下側に偏り過ぎ)
?開口部の鉄筋の補強がされていない。
?施工中における設計以上の荷重 (重機を載せる等)
この工場は、既に機械等が設置され稼動しています。
これらのひび割れを根本的に直すということは現実的ではなく、
エポキシ注入などの応急処置で対応せざるを得ません。
従って、建築主は、今後もひび割れの補修跡を見て仕事をすることとなります。
『コンクリートのひび割れは、
一度発生したら大きくなることはあっても、決して消滅することは無い!』
ということを建築主の方には知っておいて頂きたいのです。
そして、コンクリートのひび割れを回避する為には、
必ず発生するコンクリートのひび割れ(コンクリートの性質)に対し、
『被害を最小源に食い止めるための設計の配慮がされているか?』、
また、『施工の管理が確実に行われているか?』
ということが、非常に重要なことなのです。
次回は、【雨の日の内覧会はチャンスと思おう!】を予定しています。
それでは、次回をお楽しみに・・・・・・・お疲れ様でした。