【52時限目】 author アーキスケット 出口
「この80平米のテナントビル、気に入ったので契約したいのですが・・・」
「それじゃあー決まり! ところで、床のカーペットは
前の借主が残していったんだけど、このままで使う?」
「ハイ、汚れてもいないし、Pタイルより良いですね!そのままで借ります。」
「解りました。」
「ところで、テナントビルを借りる場合、住宅を借りるのと異なり、
借主は保護されず、原状回復費が多額になると聞いたんですが・・・・」
「大丈夫!このテナントビルでは、
通常、原状回復費が80万円くらい発生するんだけれど、
貸主と借主の折半で40万円で良いですよ! 」
そんな経過を経て、無事、賃貸借契約が交わせれましたが、
この契約期間中、テナントビルのオーナーが替わってしまいました。
そして、2年程で借主のテナントビルを移転することとなった時、
新賃貸人から、
「床のカーペットおよびPタイルの張替、壁クロスの張替、天井の張替など、
その他もろもろで、原状回復費150万円。」という請求書が出されました。
「床カーペットは残置物だし、それも含め天井、壁も汚していないし・・・・
話が違うんじゃないの?」
ということで、原状回復費に関する協議の場を持たれました。
「口約束かもしれないけど、前の貸主とは床の件や、
その他の原状回復について話をして契約したんだけれど・・・・」
「そうですか・・・ 私どもは、前のテナントオーナーから何も聞いておりませんが・・・」
「それじゃあー 前のテナントオーナーに確認してみてください!」
「解りました。確認してご回答します。」
「ひとつ付け加えますが、賃貸借契約書には、
『通常の使用による磨耗、汚れ等については、賃借人の責ではない。』
と記載されていますよね!
従って、壁クロス・天井の全面貼替えもオカシイんじゃないですか?」
「それも含めて、回答します。」
後日、改めて原状回復費の請求書が送付されてきましたが、
賃借人が納得の、約30万円の請求(看板の付け替え費用)に留まりました。
それにしても、
物分りの良い新テナントオーナーであったことが幸いしました。
しかし、こんな物分りの良いテナントオーナーは残念ながら少数派です。
口約束という契約も基本的には有効なのですが、
後々、言った言わないで、トラブルの元となります。
賃貸借契約書の特記事項として、
是非、『書面で証拠を残す』ことが、トラブルを避ける有効な手段です。
次回は、【分譲マンション 土地の持分を確認しましたか?】
を予定しています。
それでは、次回をお楽しみに・・・・・・・お疲れ様でした。