【54時限目】 author アーキスケット 出口
ある商社のオーナーが自社ビルを建てる計画でのお話です。
「設計図が20枚程度しか無いけれど、
こんなので、ビルが建つのかなー?」と疑問に思うオーナー。
「500円のプラモデルでも、設計図は1?2枚は有るはよねー。」
とオーナーの奥さん。
「大丈夫です。経験豊かな現場担当者が付きますから安心してください!」
と営業マン。
ここで、規模が小さいとは言え、
設計図が20枚程度で自社ビルが建つのでしょうか?
設計図には、
?営業段階での提案用の図面
?確認申請段階での申請用図面
?実際に施工するための実施設計図面
というものがあります。
しかし、枚数については規定は無いのです。
必要最低限の図面があれば確認申請も許可されてしまいます。
施工会社の中には、
実施設計図を作成せず、
確認申請用の図面だけで建物を建ててしまう場合すらあります。
やはり、設計図は多ければ多い程、実施設計図面の精度が高い程、
建築主も建物がどの様に造られるか理解できるし安心できますよね!
一方で、
建物を造るに当って、全ての内容を図面に記載することが必要かというと
そうでもありません。
例えば
「この場所に使う釘はどんな種類なのだろうか?」
「この壁の下地の桟は、どのくらいの間隔で入っているのだろうか?」
などなど、例を挙げたらキリがありません。
これらの項目は、個別の建物に限らず、
全ての建物で共通した決まりごとがあります。
そこで、これらの項目は、いちいち設計図に記載せず、
『標準仕様書』というもので、網羅することが一般的です。
『標準仕様書』には、
・施工会社やデベロッパー独自で作成しているもの
・社団法人公共建築協会の『建築建築工事標準仕様書』
・日本建築学会の『建築工事標準仕様書 JASS●●』
などといったものがあります。
「経験豊かな現場担当者」の能力に全てを頼るより、
これらの標準仕様書を採用・遵守させることをおススメします。
ちなみに、この自社ビルでは、
「そちらの会社では、標準仕様書は何を使っていますか?」の問いに対し、
「標準仕様書って何ですか?」とあきれた回答だったので、
社団法人公共建築協会の『建築工事標準仕様書』を採用し、
施工してもらう様、
『建築請負契約書』にその旨を記載してもらいました。
(一般的には、設計図の特記仕様書に記載されますが、
この自社ビルの設計図には、特記仕様書が無い。)
あなたの建物は、
壁の下地の桟の間隔は何センチですか?
次回は、【実体のない悪徳工務店の生き残り戦術!】
を予定しています。
それでは、次回をお楽しみに・・・・・・・お疲れ様でした。