【56時限目】 author アーキスケット 出口
「アレッ? この床の水勾配はキツ過ぎだよなあー」
まるで、平衡感覚が無くなったような感じです。
これは、あるマンションのサービスバルコニーでの
内覧会指摘事項です。
このバルコニーは、幅が80cm程度なのですが、
勾配が8cm程度となっています。
施工業者の立会い担当者に、
「このバルコニー床の勾配はキツ過ぎじゃない?」と言うと、
困った顔で、
「チョット、図面で確認してみますから。」と
携帯電話で、他の現場担当者に、「確認してくれ!」と依頼。
直ぐに回答の電話が入り、
自信ありげな顔で、
「図面では、そうなっていますよ!」との回答。
「図面は後で確認させてもらいますが、
それにしても、床勾配が1/10というのは、通常じゃありませんよね!」
「・・・・・・・」
部屋の検査が終わった後、
図面が用意され、
「この構造図のスラブ記号がCS2で、
床の厚さが8cm勾配になります。」との説明。
確かに、スラブ記号は間違っていませんでしたが、
幅2mのバルコニーでも、CS2というスラブであり(床勾配 2/100)、
基本的には、幅2mに対し8cmの水勾配を取るというものです。
ここで、こういった事が起きた原因として、
・構造設計者が、機能を考えず、安易に構造上安全側だからという理由で、
同じスラブ記号としてしまった。
・現場担当者が、「図面どおりに建物を造れば良い。」という安易な考えで
施工した。
図面だって間違いがあるのです!
今回のポイントは、雨水の水勾配を取るということであり、
8cmの床勾配ではなく、2/100の床勾配をとるということなのです。
建物を造るに当っては、
『図面に書いてあるからそれで良い。』ということじゃなく、
機能的な面など、様々な角度から検証してみるといった、
『気配り』が重要なのです。
結局、床を嵩上げし手直しをしてもらうこととなったのですが、
最後に、
「他のマンション購入者に解ると大変なことになるので、
ここだけ手直しをすることを、ナイショにしてください。」
との発言。
「・・・・・・」
言いふらすつもりはありませんが、
内覧会指摘事項の回答としてこれで良いのでしょうか?
次回は、【築50年の平家賃貸の原状回復義務はどうなるの?】
を予定しています。
それでは、次回をお楽しみに・・・・・・・お疲れ様でした。