【57時限目】 author アーキスケット 出口
「築50年の平家賃貸に4年住んでいて、今度、引越しを考えています。
周りの人に聞くと、
大家さんからの原状回復費の請求がされると聞いて心配です。
退去時の立会いをお願いできませんか?」
「ハイ、解りました。」
ということで、退去立会いの当日お伺いすると、
『うーん? これは、まるでお化け屋敷・・・・』 (失礼)
全て和室の3Kの間取りなのですが、
襖や障子は、全てと言って良い程破れまくっています。
床は板張りで、
キズが無数にあり、まるで、それが模様になっているかの様です。
壁には、ところどころ落書きがあり、木製の扉もキズだらけ。
唯一、畳だけが古いとは言え、まともな状態です。
流石、築50年の歴史が刻み込まれています。
「入居した時からこんな状態なの?」と、か弱そうな依頼者に尋ねると、
「猫ちゃんを飼っていて、襖は破れてしまいました。
それ以外は、入居した時からこの状態です。」とのこと。
すると、
「ピンポーン・・・大家さんの代理で退去立会いに来ましたあー」と
仲介業者がやって来ました。
立会いにおいて、
「借主が、キズや汚してしまったものは、襖だけですよ!」と伝えると、
「そうですよねー なんせ古い建物ですから・・・・
原状回復費は、襖の張替えだけは請求されると思います。」
とのことで、一安心。
と、ところがです・・・・・
数日後、借主に原状回復の請求書が届いたのですが、
襖の張替えだけではなく、
床の張替え、壁・天井の塗り替え、木製扉の修繕
などなどの請求が記載されています。
「話が違うんじゃないの?」
キズや汚れは、過去50年にわたり蓄積されたもので、
どの時点で、誰が付けたのか解らないのです。
それを、全て新品にする原状回復請求がされたのです。
例え、今の借主に責があり、負担割合があるにしても、
『経年劣化』という考え方があり、
全額負担にはならないのです。
妥協点を見つける為の協議が行われましたが、
いくら経っても、平行線です。
最後に、”伝家の宝刀”
「少額訴訟に訴えます。」の一言に、
襖の張替え費のみの原状回復の負担となりました。
皆さん!
賃貸物件を借りる時は、
家主立会いで、入居時検査もしておきましょう!
次回は、【内覧会 売主・施工業者の誠意のない勝手な都合】
を予定しています。
それでは、次回をお楽しみに・・・・・・・お疲れ様でした。