【68時限目】 author アーキスケット 出口
今回の内覧会は、
制震構造のRC超高層マンションです。
依頼者は、
「絶対に近い将来、関東大震災が起きるから心配。」
ということで、制震構造のマンションを選んだそうです。
パンフレットでは、
「阪神大震災のデータを解析し、
同程度の大地震が発生しても耐えられるだけの構造を開発しました。
建物の構造部分には、『制振ダンパー』を採用。
制振は、強風時や地震時に建物に生じる振動をダンパーに吸収させて
揺れを制するシステムです。また、メンテナンスフリーという
高い信頼性もかなえています。」
と大々的に大地震に強い制震構造をアピールしています。
内覧会のときに、
「せっかくですから、制震ダンパーを見せてもらいましょーよ!」
マンションの購入者を誘い、施工会社に依頼しました。
「是非是非、見て下さい!当マンションの目玉ですから!」
と快く引き受けてもらいました。
そして、EVホールの脇にあるシャフト部分にある『制振ダンパー』とご対面。
施工会社からは、
「こちらが、メンテナンスフリーである鉄板と粘性体を用いた
『制振ダンパー』です。
この装置が各階2ヵ所取付けられています。」
と得意満面な説明の開始です。
「チョット待ってください!
この1m角の『制震装置』が1フロアーに2枚しかないんですか?
これじゃー大地震が起きても、効果ないんじゃないの?」
ここで、この建物の場合、1フロアー当りの建物の重さは数百トンです。
この重たいものが揺れたとき、
たった2?程度の鉄板と粘性体(水あめ状の液体)の摩擦力で、
地震の揺れに対し、減衰力が働くとは思えません。
ここで、施工会社の担当者は、
「この建物の『セイシン』の『シン』は、『震』ではなく『振』です。
ですから、地震には対応しておらず、『風による揺れを押えるもの』です。
構造計算においても、
『制震構造』ではなく、『耐震構造』で計算されています。」
といった開き直りの説明です。
「えー、このマンションは、『制震構造』ではないんですかー?」
と不安気な質問。
ごく一部の建築のプロならば、
『震』と『振』の違いが解りますが、
素人で、このことを知っている人はどのくらい居るのでしょうか?
しかも、
この程度の『制振ダンパー』では、風にも効果があるとも思えません。
結局、
『制振(震)構造』を販売戦略上の謳い文句にする為に、
効果の無い(ごく微小)、ダンパーを入れているに過ぎません。
これでは、
『制震構造』と思ってマンションを購入した人達への裏切り行為です。
あなたは、パンフレットの記載内容を、
宅建業法で禁止されている、『誇大広告違反』に
該当すると思いませんか?
次回は、
【『完成済みマンション』を選ぶメリット・デメリット】
を予定しています。
それでは、次回をお楽しみに・・・・・・・お疲れ様でした。