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2007年07月 アーカイブ

2007年07月30日

内覧会★同行日記 【ゲーム感覚の内覧会検査】

【87時限目】                              author アーキスケット 出口

内覧会同行の依頼者である若い夫婦に、
一通りの内覧会検査の注意点・指摘事項について説明した後、
”いざ内覧会検査開始”

すると、奥さんの方が、可愛いバッグの中から、
当社のサービスである、『自分で出来る内覧会チェックリスト』を取り出し、
主婦の牙城であるキッチンから検査をスタート。

余りにも、この、『自分で出来る内覧会チェックリスト』を
真剣に見比べながら検査を進めていくので、

「自分で作った内覧会チェックリストを、そんなに真剣に見られると少し恥ずかしいですよ!」
と言うと、

「高い買い物ですから、真剣に検査し、指摘します!」
と、キッパリ。

少しすると、
「ねーねー!あなた、ここのサッシのビスが抜けているわよ!」
と早くも指摘事項を発見。

「本当だ!よく見つけられたね!」
と、旦那さんより、お褒めの言葉。

そして、続けざまに、
「見て見て!あなた、こっちの壁のクロスにキズが有るわよ!」
と、叉また指摘事項を発見。

「本当だ!スゴイ!」
と、叉また、旦那さんより、お褒めの言葉。

それに気を良くしたのか、
この若い奥さんは、
時には、検査道具を駆使しながら、
時には、這いつくばりながら、
注意深く検査を進め、
次から次ぎへと指摘事項を挙げていきます。

若い旦那さんの方は、
自分で検査するどころではなく、
奥さんの発見する指摘事項に、タダタダ頷き、感心するのに終始しています。

『キズや汚れといった指摘事項は、若い女性の方が向いているなあー!』
と、ある意味反省です。

最終的には、
この若い奥さんが内覧会検査での指摘事項は、約60箇所。
ちなみに私の内覧会での指摘事項は、約30箇所。

最後に、
「内覧会検査の感想はいかがでしたか?」
と尋ねると、

若い奥さんは、満足気な顔で、
「まるで、宝探しの様で、”ゲーム感覚”で出来ました!」

2007年07月26日

内覧会★同行日記 【日経新聞からの取材依頼】

【86時限目】                              author アーキスケット 出口

日経新聞の記者の方から取材を受けた。
これで、1月の取材に続き2度目。

うーん、確か前回のテーマは、
『”マンション大丈夫か・・・・賢く売買』 
   (モデルルーム見学同行・内覧会同行の意義)
                              1月25日夕刊生活面

そして、今回のテーマは、
『消費者困惑? マンション購入、ネット風評の功罪』(仮)
                              掲載予定 8月上旬

で、記者の方からこんなメールをもらった。
                   (実は、内覧会同行の依頼者でもある。)


「新築マンションを購入する際、
 ネット上の掲示板、ブログ、サイトなどを参考にする消費者が増えています。
 ・・・・・( 中略 )・・・・・
 消費者は、こうした情報に振り回されている面もあるのではないでしょうか。
 今後、消費者はこうしたマンション関連サイトにどの様に対応していけばよいかを
 今回の記事では考えてみたいと思っています。・・・・・」

  ・マンションコミュニティー
  ・住まいサーフィン


で、こんな回答(資料)を用意し取材に応じた。
但し、相手が”日本経済新聞”ということで、
非常に固苦しい表現になっているのでご勘弁!


“マイナス情報の入手の一つの手段”として有効に活用
 デベロッパーが用意する情報は、“プラス情報”ばかり。
 “マイナス情報”も得られる情報源として有効に活用し、
 マンション購入や内覧会での一つの判断基準にすることはメリットがある。

■正当な価値判断による“ネット情報の選別”が必要
 “ネット情報”の中には、無責任な風評の内容のものもあり、
 “マイナス情報”を過大評価し、
 読者の不安を煽っている内容のものが有るのも事実。
 冷静に、自分の価値観と社会通念上の常識に照らし、
 “ネット情報の選別”が必要。
 また、実際に自分の目で確かめてからの判断が大切。

“悪さ・不具合の程度問題の判断基準”が曖昧
 設計基準や仕様書、管理基準に表記されていない
 “悪さ・不具合”についての線引きが難しい。
 マンション購入者が、“悪さ・不具合”と感じる度合いは人様々である。
 また、対応するデベロッパーの担当者によっても見解が異なること様では、
 過度な風評に対し、対抗することが難しい。
 自己防衛の為にも、デベロッパーによる、より詳細な基準作りが求められる。
 
 例)
 外壁タイルの貼り方が凸凹でヒドイ出来。
 しかし、見る人によっては、気にならない場合もある。
  
“様々な立場の情報投稿者”を見極める
 情報提供者には、様々な立場の人達がいる。
 ?単純に情報の交換を求めているマンション購入(予定)者
 ?善意ある第三者のアドバイザー
 ?不安を煽ろうとする第三者の愉快犯
 ?宣伝に利用しようとしている業者(内覧会同行業者等)
 ?マイナス情報を解消しようとするデベロッパー担当者

 これらの立場の違いは、投稿文章を読めば大体は推察出来る。
 立場が異なれば、投稿内容も異なる。
 マンション購入者の立場に立った善意ある投稿を見極めることが必要

■ネット情報に踊らされ、”自らクレーマー”になるな
 ひとつのマンション情報コミュニティーの中に、
 一人から数人の先導者的役割を果たしている投稿者がいる。
 マンション購入や建築の知識が少ない閲覧者は、
 往々にして感化され、
 これらで得た情報が正しいと信じクレーマーになってしまうケースが見られる。
 
 例)
 床PC版の下部に、工事上の水抜きの為、
 仮設でφ1cm程度の穴を数箇所開けたことを、
 『構造上問題がある。耐震的に不安なマンションである。』と煽り立てられ、
 マンション購入者は、『穴を開けるなんて大きな問題』と単純に信じ込み、
 皆がみな、内覧会で指摘している。

■デベロッパーは、“情報の共有化による集団圧力”を恐れている。
 トラブル等に対し、個別対応で解決出来ていたものが、
 ネットの普及によるマンション購入者の“情報 の共有化”により
 集団圧力となってきている。
 明らかに不当と思われる要求に対しても、
 デベロッパーの評判の低下を恐れ、
 やむなく対応せざるを得ない状況に追い込まれることも見受けられる。

 例)
 ネットコミュニティーの議論で、
 バルコニーに取り付いている隔て板と壁との間に5cm程度の隙間があり、
 隣のバルコニーから覗かれる。
 これは、『設計の段階で考慮されるべきで設計ミス』として是正を求め、
 デベロッパーは全戸数の隙間をアルミ板で塞がされた。
  
 上記例は、設計図・モデルルーム通り造られているマンションである。
 仕様というものは様々あり、
 設計図通り出来たものに対し仕様変更を求めることは、
 少々、やり過ぎと思われる。

 例)
 地下に駐輪場があるマンションで、
 スロープの勾配が建築基準法ぎりぎりの1/8勾配となっている。
 『大型バイクを手押しで昇降させることが出来るか?』と
 ネットコミュニティーで議論されていたが、
 実際、急勾配すぎて困難。
 デベロッパーは、設計の配慮不足を認め、改善策を取る。

 上記例は、設計図通り施工ではあるが、
 現実問題として使用に支障が生じるものである。
 このケースでは、
 メリットのある情報として、マンション引渡し前にデベロッパーに対し、
 無償で改善を求めることが出来た例。


【急募】
アーキスケットの内覧会同行立会いサービスをご依頼いただいた方の中で、
ネット風評の、
『良かったこと・悪かったこと』について
記者の取材に協力しても良いと思われる方、
ご連絡くさい。!(メール)

ネットオタクの”○○さん” ヨロシク!


2007年07月24日

建築費★講座 【ケチで欲張り見栄っ張りの強欲老夫婦】

【85時限目】                              author アーキスケット 出口

長年、勤めていた会社を定年になり、
コツコツ貯めたお金で”隠居住宅+賃貸アパート”を建て、
悠々自適の老後生活を夢見た老夫婦からのご相談です。

計画している、”隠居住宅+賃貸アパート”は、
2階建ての延床面積50坪です。

有名ハウスメーカー数社に、
「”隠居住宅+賃貸アパート”を総建築費(予算) 2000万円でお願いします!」

ハウスメーカー担当者はあっけに取られ、
「・・・・・・・」

「坪単価40万円も出すんだから、良いものが出来ますよね!」と老夫婦。

「いやー・・・・・ うちでは、坪単価で100万円くらいになりますよ!」
内心、『こりゃー、話しにならない! 早く帰ってくれえー!』とハウスメーカー営業マン。

そこで、この老夫婦は、大手ハウスメーカーは諦め、
安普請が心配ながら、
チラシ広告で、坪単価40万円を謳い文句にしている地元の小さな工務店3社に、
”隠居住宅+賃貸アパート”の建築費の見積依頼。

この老夫婦は、
当然のごとく、『地元の工務店だったら飛びついてくる。』と思っていたのに、
その回答は期待に反し、

「うちの坪単価は、あくまでも建築本体価格の建築費だけですよ。
 設備工事費や外構工事費、地盤改良なんかを考えると、
 総建築費(予算)なんかじゃー とても無理無理!
 勝手に他へどーぞ!」


そんな経緯を綴ったメールが当社に送られてきたので、
”坪単価の裏事情”
と、総建築費が2000万円というのは厳しい価格ということを伝えると、


”ケチで欲張り、見栄っ張りの強欲老夫婦です!”
色々とご相談に乗っていただき、有難うございました。

という返信メールが届きました。

『”老後の夢”破れたかなあー???』

2007年07月19日

住宅検査★立会い日記 【新築住宅なのにクラックだらけ!】

【84時限目】                              author アーキスケット 出口

「もしもし・・・・2年前に新築の一戸建て住宅を購入したんですが、
 住宅の外壁がクラック(ひび割れ)だらけなんです。
 売主や施工会社も適当な検査や手直しばかりで、もう信用出来ません!」

と、今回の欠陥住宅検査の依頼者である奥さんの悲痛な叫び!

そして、問題の一戸建て住宅にお伺いし、住宅の外壁を一見すると、

『うーん、なるほどクラックだらけ。
 一部補修されていますが、 
 アチコチにミミズが這っている様なペンキの補修跡です。』

「このクラック補修跡は、一年目のアフター定期検査の時に行ったもので、
 今回は、二年目のアフター定期検査です。
 アフターサービス期間も終わってしまうので、
 ちゃんとした住宅検査を行い、欠陥を補修をしてもらいたいんです!」

と奥さんが、これまでの経緯と実状を説明。

この一戸建て住宅の売主は、名の知れた大手デベロッパー。
施工会社も名の知れた準大手ゼネコン。

これらの担当者に、
住宅の外壁検査の為、外部足場を組んでもらうよう指示し、
後日、改めて詳細にクラック検査を行ってみると、

なっなんと、クラックの数だけでも、140箇所。

これは、もう、まさに、”欠陥住宅”

原因は、不明ながら、
 ・プレミクス軽量モルタルの練り混ぜ不良 (水量のミス?)
 ・モルタル未乾燥の状態での、吹付け塗装の施工
 ・モルタルの所定厚さ不足

などが考えられます。


「これじゃー、塗装での一部補修どころではなく、
 全てのクラック部を樹脂注入で補強し、
 住宅の外壁全面、吹付け塗装のやり替えが必要なんじゃない?」

と、売主と施工会社の担当者に目を向けると、

「・・・・・・」

住宅検査の後の協議の場で、

「アフターサービスの期間を、今から2年間延長とする”覚書”を交わして下さい!」
そして、
「私の住宅検査立会いの費用についても負担願います!」

と、厳しい要求をすると、

「・・・・・・」

しばらく時間が経った後、やっとのことで、

「私の一存では・・・・ 上司に相談して回答します。」


結局、全ての要求が認められ、
最終的には、

”住宅の外観は、まるで新築の時の様にピッカピカです。”


〔関連情報〕
クラック補修・詳細情報


2007年07月15日

建築見積書★講座 【談合?見え見えのお付き合い建築見積書】

【83時限目】                              author アーキスケット 出口

「もしもし、お役所物件なのですが、建築見積書をチェック(査定)してもらえませんか?」
と、不動産仲介業者から電話があり、

「ハイ、結構ですよ!」
と、あまり深く考えずに二つ返事。

その後、
『でも、お役所仕事の建築見積書のチェック(査定)を依頼して来るとは、
 どんな理由なんだろう?』
と思いつつ、
設計図面や建築見積書を送付してもらいました。

そして、
送られてきた建築見積書を見ると、
建物自体は、
鉄骨平屋建ての、建築費が2千万程度の案件です。

そして、私の勝手な推察ですが、
『これは、談合物件の、お付き合いの建築見積書だな!』
そして、
『何らかの事情で、予定された会社がアウトになり、繰上げで仕事が廻ってきたんだな!』
と、直感です。

建築見積書の中身をチェック(査定)してみると、

同じ建物の同じ階にある、
”事務所”部分と”店舗”部分で、
建築見積書の内訳の書き方(書式)が全く異なります。

各工事単価を見てみると、
流石に役所工事だけあって、
資料として市販されている”標準価格”をほとんど下回っています。

しかし、”事務所”部分と”店舗”部分で、
工事単価が違うところがイッパイあります。

例えば、同じ工事である鉄骨工事の鋼材費を見ると、
”事務所”部分の建築見積書の内訳では、9万円/t
”店舗” 部分の建築見積書の内訳では、7万4千円/t
です。

同じ会社が建築見積書を作成すれば、こんな食い違いはありません!

『どうせ、受注出来ない案件だから、
 見積作業を数社で分担して、合算させて入札すればいいや!』
なんて、やり取りが有ったんでしょう。


昔々、
談合物件で、
お付き合い建築見積書を提出しなくてはならない状況で、
社員総出で、
談合で決定している施工会社から渡された建築見積書を、
価格だけ少し直しながら写したことが思い出されます。

当時は、パソコンも無かった時代だったので、
出来上がった、”お付き合い建築見積書”は、
”字体”がマチマチの、お粗末でバレバレのものです。

でも、お役所は、
『見て見ぬ振りをしているのか?』
スンナリ、予定通りの施工会社が落札しました。

2007年07月11日

内覧会★同行日記 【どうするの?アフターメンテナンス】

【82時限目】                              author アーキスケット 出口

「今日はお天気が良くて、よかったですねー!」
と、一戸建て住宅の内覧会立会いの依頼者と会話をしながら、
目的地に着くと、

売主の住宅販売会社の担当者が5名と、
施工会社の担当者が2名が、

「今日は、ヨロシクお願いします。」とご挨拶。

『それにしても、どうして一戸建て住宅の内覧会では、
いつも販売側の立会い者が多いのだろうか?』
と不思議に思いつつ、
総勢10名が、一戸建て住宅の中へ。

リビングに入ると、
20畳程の広さで、1階・2階・屋根裏と吹き抜けで、
天井までは、8mもあろうかという大空間です。

『何と広々としたリビングだろう!』

しかも、吹き抜けの上部に設けられた”明り採り窓”から
日が燦燦と入り込み、とても明るく雰囲気が良いのです。

上を見上げると、
斜め天井には、”ダウンライトが20個程も取り付けられており、

『夜には、星の様に輝くのだろうなあー』

と思いを馳せます。

『んっ? チョット待てよ?・・・・』

こんな高い位置のダウンライトの球の取替えや、
明り採り窓のクリーニングは、
ハシゴを使っても出来ません。

「ところで、このダウンライトの球が切れた場合、
 どうやって取り替えるんですか?」

と売主側の立会い者に尋ねると、

「業者に頼んで取替えて下さい!」との回答。

「明り採りの窓のクリーニングは、どうやって行うんですか?」

と更に売主側の立会い者に尋ねると、

「業者に頼んでクリーニングしてください!」との回答。

『業者とは、施工会社のことなのかなあー?』と、ありえないとは思いつつ、

「施工会社の方が、ずっとアフターメンテナンスをしてくれるんですか?」

と施工会社の立会い者に話しを向けると、

「いやいや、お近くの電気屋さんやハウスクリーニング業者に頼んでください!」とのこと。


『ダウンライトの球が切れる度毎に、数万円掛かってしまうんだろうなあー・・・・』

と思っていると、
この一戸建てを購入した内覧会立会いの依頼者が嘆きの一言。

「ダウンライトは使わないで生活します!」


2007年07月05日

内覧会★同行日記 【偽装された変更説明】

【81時限目】                              author アーキスケット 出口

マンション内覧会では、よく、
パンフレットと現状の相違点について変更説明がされます。

本来、相違点は有るべきではないのですが、
変更の理由によっては仕方が無い場合もあります。

 ・パンフレットの記載ミスによる変更
 ・役所等からの指導による変更
 ・購入者にとって、より改善された変更
 ・施工ミスを帳消しにする為の変更


先日のマンション内覧会でのことです。
施工会社の担当者(とは言っても、60歳を過ぎたこの施工会社のOB)が、
内覧会検査の前に、変更について説明を開始!

「パンフレットでは、ここに線が無く、梁が無い様になっていますが、
 実際は梁が出てきます。」

うーん。これは、どう考えても梁形は出てくるので、
単純なパンフレット記載ミスであり、しょうがないなあー・・・・・・

続いて、
「ここの壁の位置は、隣の部屋に合わせ、内側になりました。」

オイオイ。そんなの理由になってないんじゃないのおー?・・・・

と思い、

「隣の部屋に合わせる必要はなく、これでは部屋が狭くなってますよ!」

「そうですねー・・・・」

「他の理由があると思うんですが、どうでしょう?」

「私は、この現場担当ではなく、応援なので解りませーん・・・・」

ガムを”クチャクチャ”しながら、開き直った言い方やめてほしいなあー!・・・・・

「だったら、解る人に確認してください!」

やがて、現場主任らしき人物が現れ、
変更理由を求めると、

「・・・・・ どうして、こうなったんでしょうねー???」

と、シラを切った態度で、逃げの一手。 (そうでなければ、無能な現場主任か?)

「単純にアルミサッシの額縁の寸法間違いでこうなったんじゃないの!」と尋ねると、

「・・・・・・・」

「納得出来る理由を示せないのであれば、パンフレット通りの壁の位置に直してください!」

と決着。

それにしても、
”施工ミス”を、他の理由で偽装する変更説明を、よく平気で出来るよな!

2007年07月02日

内覧会★同行日記 【無知識=犯罪?!】

【80時限目】                              autor アーキスケット 出口

マンション内覧会のチェックが終わり、
指摘事項を一通り説明した後、

「最後に確認ですが・・・
 バルコニーや共用廊下の柱際の袖壁に構造スリットが見当たらないのですが、
 構造設計上、必要ないのですか?」

とマンション内覧会チェックに立ち会った施工会社の現場主任に問いかけると、

「えっ???・・・構造スリットって何ですか?」

という驚くべき回答です。

※構造スリット : 地震時に、柱(短柱)が、せん断破壊しない様に壁と縁を切る為に設ける隙間

逆に、

「えっ! 構造スリットも知らないでマンションを造っているんですか?」

「・・・・・・・」

そこで、現場主任は携帯電話を取り出し、

「もしもし、所長ですか? 構造図を持って応援に来て欲しいんですが・・・・!」

しばらくすると現場所長が現れ、
現場主任が構造スリットについての指摘について説明すると、

「構造図では、確かに構造スリットが入るようになっています。
 この壁はタイル仕上げなので見えなくなっているだけです!
 コンクリート壁には、ちゃーんと入っているから大丈夫です!」

と苦渋に満ちた顔で現場所長が説明します。

通常は、構造スリット部のタイルが割れない様に目地を設けるのですが、
見た目(意匠)を重視し、タイル面に目地を設けない場合もあるので、

「本当ですね! それでは、このパイプシャフト内のコンクリート壁はどうなんでしょうか?」

ここは、タイルが貼られない部分なので、構造スリットの有無が一目瞭然です。

「・・・・・・・」

こうなると、タイル面も疑わしくなったので、
現場所長の同意のもと、
一部タイルを剥がし確認すると、構造スリットは、”案の定”ありません。


これでは、構造スリットを設けることが前提の構造計算が成り立っていません。
極端な言い方をすれば、『耐震偽装』にも匹敵するものです。
悪意は無かったにせよ、

  無知識 = 犯罪

になりかねません!


結局、マンション内覧会チェックを行った部屋だけの手直しだけでは意味が無いので、

「このマンション全体の構造スリットの有無を確認し、是正・手直しします。」

と現場所長も言わざるを得ません。


後日、マンション内覧会同行の依頼者から、
その部屋部分だけの是正写真が送付されてきましたが・・・・・・・・


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