【83時限目】 author アーキスケット 出口
「もしもし、お役所物件なのですが、建築見積書をチェック(査定)してもらえませんか?」
と、不動産仲介業者から電話があり、
「ハイ、結構ですよ!」
と、あまり深く考えずに二つ返事。
その後、
『でも、お役所仕事の建築見積書のチェック(査定)を依頼して来るとは、
どんな理由なんだろう?』
と思いつつ、
設計図面や建築見積書を送付してもらいました。
そして、
送られてきた建築見積書を見ると、
建物自体は、
鉄骨平屋建ての、建築費が2千万程度の案件です。
そして、私の勝手な推察ですが、
『これは、談合物件の、お付き合いの建築見積書だな!』
そして、
『何らかの事情で、予定された会社がアウトになり、繰上げで仕事が廻ってきたんだな!』
と、直感です。
建築見積書の中身をチェック(査定)してみると、
同じ建物の同じ階にある、
”事務所”部分と”店舗”部分で、
建築見積書の内訳の書き方(書式)が全く異なります。
各工事単価を見てみると、
流石に役所工事だけあって、
資料として市販されている”標準価格”をほとんど下回っています。
しかし、”事務所”部分と”店舗”部分で、
工事単価が違うところがイッパイあります。
例えば、同じ工事である鉄骨工事の鋼材費を見ると、
”事務所”部分の建築見積書の内訳では、9万円/t
”店舗” 部分の建築見積書の内訳では、7万4千円/t
です。
同じ会社が建築見積書を作成すれば、こんな食い違いはありません!
『どうせ、受注出来ない案件だから、
見積作業を数社で分担して、合算させて入札すればいいや!』
なんて、やり取りが有ったんでしょう。
昔々、
談合物件で、
お付き合い建築見積書を提出しなくてはならない状況で、
社員総出で、
談合で決定している施工会社から渡された建築見積書を、
価格だけ少し直しながら写したことが思い出されます。
当時は、パソコンも無かった時代だったので、
出来上がった、”お付き合い建築見積書”は、
”字体”がマチマチの、お粗末でバレバレのものです。
でも、お役所は、
『見て見ぬ振りをしているのか?』
スンナリ、予定通りの施工会社が落札しました。