【118時限目】 author アーキスケット 出口
私がゼネコンの中堅社員のころ、
その時のマンション現場所長から、
「マンションを建てるのには、直角・平行が大事なチェックだ!」
と教えられました。
それ以降、現場を見て廻るときは、
直角平行・直角平行・直角平行・・・・・
と念仏を唱えるようにチェックしていたものです。
すると、部屋の直角や平行の精度が3mm程度悪いと
何かオカシイな?と気付くようになっていました。
ここで、”直角・平行のチェックのコツ”を伝授!
実は簡単なことで、他の何かと比較して観察することがチェックのコツなのです。
さて、あるマンション内覧会で、
洋室にあるウォークインクロゼットの引戸を見ると、
「何かオカシイな?」
そして、じっくり見ると、どうも引戸の枠が斜めに取り付いています。
何故解ったかというと、
床のフローリングの切り目と引戸枠のレール部分が平行になっておらず、
9mmも曲がっていました。
次に、玄関扉の横の外壁をみると、
90度に曲がる壁(デザイン上クランクしている。)が、どうも直角でないように見えます。
何故解ったかと言うと、
外壁タイルの見え方が、左側は1枚丸々見えるのに、
右側は10mmくらいタイルが見えなくなっていました。
直角・平行のチェックのコツといっても、
タネを明かせば簡単なことですね!
マンション内覧会の施工会社の立会い者に、
この2つの指摘を言うと、
本当に困った顔で、
直接私にではなく、マンション購入者に、
「直さないとダメですかねー?」
すると、
「絶対にダメ!」
マンション施工会社の立会い者が困った顔をした理由は、
ウォークインクロゼットの引戸枠の斜めを直すのには、
壁一面を壊し、それに取り合うフローリングを剥がし、
もう一度、LGS壁下地からやり直さなければならないからです。
また、外廊下の外壁は、
せっかく貼られたタイルをハツリ取り、
左官屋さんで、壁のコンクリート下地をモルタル補修し、
タイルを貼り直さなければなりません。
本当に手直しが大変なのです。
マンション内覧会立会い同行のご依頼者は、
手直ししないと絶対ダメと言ったものの、
「壁を壊しても、構造的に大丈夫ですか?」と心配顔で質問してきます。
「部屋内の間仕切り壁も、曲がっている部分の外壁コンクリートも
構造体ではないので大丈夫ですよ!」