【122時限目】 author アーキスケット 出口
ここは都内の超高層マンション。
立て続けに4件のマンション内覧会同行のご依頼を受けました。
全般的には、非常に良く出来たマンションで、
4件の内1件のお部屋では、私の内覧会検査の指摘数が
過去最少の7箇所といった出来映えです。
しかし、いくつかの矛盾が・・・・・
「バルコニーの長尺シート端部の部屋側はシールがされてますが、
袖壁側の長尺シート端部にシールが行われていませんね。」
と、検査立ち会った施工会社担当者に尋ねると、
「そういった仕様ですから!」
確かに、4件とも共通でシールが行われていません。
「長尺シートの端部シールは何の為にするんですか?」と尋ねると、
「雨水が入らないようにするためですよ!」
「こちらの袖壁側も水上側で雨水が当る場所ですよね!」
「・・・・・」
「洋室のクーラースリーブの中にロックウールが詰められていませんね。」
と尋ねると、
「そういった仕様ですから!」
このロックウールの目的は遮音の為です。
せっかく遮音等級の良いサッシを使用していても、
直ぐ脇にあるクーラースリーブから音が入ってきてしまいます。
ただ、ここまでの配慮がされているマンションは少数派です。
「でも、他の部屋クーラースリーブはロックウールが詰められていますよ!」
「・・・・・」
「この洗面化粧台の天板(石)と水返し(立上りの石)の間にシールがされていませんね。」
と尋ねると、
「そういった仕様ですから!」
普通に考えれば、水がその隙間から入ってしまいます。
「でも、システムキッチンの天板(石)と水返し(立上りの石)はシールがされていますよ!」
「・・・・・」
「洗面室の床点検口下を覗くと、グラスウールが置かれていますが何の為ですか?」
と尋ねると、
「そういった仕様ですから!」
グラスウールは、遮音材であり、二重床などに用いられ、
上下階の遮音性能を高めています。
「でも、30cm角程度の小片が3個置かれているだけで遮音性能に影響すると思えませんが。」
「・・・・・」
結局、施工会社の担当者の回答では、明確な答えが聞けず、
内覧会会場で、売主や施工会社の上司に確認。
長尺シートのシールについて、
「水上ですし、ごもっともです。指摘されたお部屋はシールをします!」
と売主責任者が回答。
「マンション全てのバルコニーでは行わないんですか?」
「・・・・・」
クーラースリーブ内のロックウール詰めについて、
「このマンションでは、ロックウールを詰める仕様にはしてません!業者が勝手にやりました。」
と施工会社の上司が回答。
「でも、ロックウールが詰められている部屋とそうでない部屋があるのは矛盾ですよね!」
「・・・・・」
洗面化粧台天板のシールについて、
「洗面化粧台の天板は石に折り返し加工があり、水は漏れないようになっています!」
と施工会社の上司が回答。
「そうですか。念の為、洗面化粧台の制作図を見せて下さい。」
しばらくして、
「申し訳ありません。石に折り返し加工はありませんでした。」
「キッチンの天板の小口を見ると、折り返し加工がないと思っていましたよ!」
「・・・・・」
内覧会を終え、
マンションから駅に向かう途中、
ツカツカツカと駆け寄る足あとが聞こえ、振り向くと、
内覧会会場のやり取りを横で聞いていた売主の若手担当者がいます。
「先ほどは、色々と教えていただき有難うございました!」