【144時限目】 内覧会同行 アーキスケット 出口
「もしもし、今度マンション内覧会があるんですけど立会いしていただけますか?」
「ハイ!」
「本当は、自分達だけでマンション内覧会検査をしようと思っていたのですが、
立て続けに施工ミスが発覚して、
その度ごとに施工会社は、
”構造説明会”を行って言い訳(?)をしているんです。。。
もう、何だか信用できなくなったので、
マンション内覧会の専門家に立会いをしてもらって、
検査した方が良いと思いまして・・・・・」
と、不安げな声でマンション内覧会立会いを依頼されました。
「では、事前に送付いただくマンション内覧会資料に、
その構造説明会の資料も合わせて送付ください。」
「ハイ、解りました!」
そして、後日マンション内覧会の資料とともに
構造説明会に資料が送付されてきました。
第1回構造説明会資料
(1)『杭の本数が間違っていました。』
パンフレット作成段階で、別件のパンフレットを転用し、
杭本数の訂正をしていなかったとのこと。
建物形状や柱の数などから考えると、
単純に、杭の数の訂正ミスと思われますが・・・・
(2)『免震装置である、弾性すべり支承と積層ゴム支承の配置が間違っていました。』
間違った経緯については不明。
間違っていた免震装置の配置図を見ると、
地震時の横揺れに対し、引き抜きがある建物外周部の免震装置に、
弾性すべり支承が配置されています。
弾性すべり支承は、引き抜きを負担しないので、
これではマンションが倒れてしまいます。
訂正図では、外周部に積層ゴム支承が配置されたものとなっています。
ここで、個人的な疑問
今どきの設計では、
免震装置に引き抜きを負担させる設計になっているんでしょうか?
免震装置(積層ゴム)なんかは、
鉄板とゴムを接着剤で貼り合わせているだけなのに・・・・
鉛ダンパーなんかは、ベースプレートの鉄板に圧着しているだけなのに・・・・
そういえば、昔、ある免震装置メーカーの鉛ダンパーが、
小さな地震で、剥がれてしまった事件があったよなあー・・・・
その時は、
このメーカーが作成した日本中の免震装置の取替え工事を行っていたっけ・・・・
で、マンション内覧会時に施工会社の説明者に質問。
「この超高層マンションは、地震時に引き抜きは発生しないんですか?」
「・・・・」
構造設計者に電話連絡で確認後、
「100年に1度程度発生する、
レベル2(50カイン)の地震で、
100tの引き抜きがかかりますが問題ありません!」
「レベル3(75カイン)の地震ではどうなるんですか?」
「・・・・」
確か阪神淡路大震災の地震速度は●●カインだったよなあー・・・・・
ちょっと横道に逸れましたね!
第2回構造説明会資料
・『杭軸部を高強度異型PC鋼棒でスパイラル上に横補強は間違いで、
適切なせん断補強筋により横補強します。』
設計図の杭伏図が添付されていましたが、
作成日付が入っておらず、確認申請前なのか後なのか解りません。
確認申請後のコストダウンの為の変更でなければ良いのですが・・・・
第3回構造説明会資料
・『コア開けによる梁主筋の損傷の是正に関する報告』
是正方法については、詳細にかつ解り易く図面化されています。
一部、梁コンクリートを撤去し、新たに梁主筋を接続するものとなっています。
鉄筋は、エンクローズ溶接接合で、超音波探傷検査も行うとのこと。
コンクリートの撤去断面も、
後打ちコンクリートが密実に打設されるようテーパーがついています。
机上の是正方法論としては良いと思っていますが・・・・
偶然なのですが、
つい最近、私が現在監理しているマンションで同じようなことがありました。
ここでは、机上の是正方法が、”空論”でした。
それにしても、
色々と問題が出てくるものですね!
パンフレットの記載ミスはいただけませんが、
でも、こういった情報開示は良いことだと思いますよ!
姉歯事件の前までは、
こういった情報は、
隠蔽工作されるケースが多かったのですから。。。。