【145時限目】 author アーキスケット 出口
一戸建て住宅の内覧会で、
ご依頼者と一緒の車で目的地に到着すると門前で、
バシッとスーツに身を固めた大手ハウスメーカーの営業マンらしき人物と、
洗濯したての作業着を着た施工担当者が、
「お待ちしておりました。今日は、よろしくお願いいたします!」
と、深々と頭をさげてお迎えです。
『さすが、大手ハウスメーカーの対応。』
と感心感心。。。
しかし・・・・・
リビングダイニングに入りご依頼者が、
「結露が心配なんですけど、このお家の断熱はどうなっていますか?」
とハウスメーカー担当者に質問。
「この壁クロスの内側はボードがあり、
その次ぎに防湿シートを隙間なく貼り付けてあります。
そうすることにより部屋で生じる水蒸気を遮断しています。
そして、その次ぎに断熱材であるグラスウールが埋め込まれているので、
結露対策は万全です!」
と、教科書どおりの回答です。
実際は、このグラスウールは見えなくなっているのですが、
先ほどの説明もしっかりとした回答だし、
大手ハウスメーカーだから大丈夫だろうと。。。
検査を進めていき、
2階の天井点検口から屋根裏を覗くと、
天井に敷き詰められている座布団上のグラスウールを包んでいるビニールが、
ところどころ破れています。
これをハウスメーカー担当者に指摘すると、
「点検口から天井裏に上がり降りするときに破れてしまったようですね!
でも、この程度なら断熱性能に問題はありませんよ!」
と、先ほど壁の断熱仕様を説明した同じ人の回答とは思えません。
それを横で聞いていた内覧会同行のご依頼者が不安げに、
「ビニールが破れていても大丈夫なんですか?」
と私に聞いてきます。
「ビニールは防湿層です。
破れていれば、水蒸気がグラスウールを湿らせ断熱性能を下げてしまいます。」
すると、ご依頼者は少しだけ目を吊上げ、
ハウスメーカー担当者の方に振り返ります。
プレッシャーのかかったハウスメーカー担当者は、
「破れたグラスウールは交換します・・・・」
と回答せざるをえません。
ここで性格の悪い私(?)は、
「ビニールで囲まれた座布団上のグラスウールを敷き詰めるだけでは、
それぞれの隙間から水蒸気が屋根面まで行き、結露する可能性はありますよね!
先ほど壁の断熱仕様の説明で、
防湿シートを隙間なく云々と力説していたのにいかがなものでしょうか?」
「屋根裏はそういった仕様ですから・・・・・」
確かに、そういった仕様にしているハウスメーカーが多いのも事実です。
でもやっぱり、防湿シートを全面隙間なく貼り詰めた上に、
グラスウールを敷き込んだほうが良いのです。
「そういった仕様ということであれば仕方ありませんね。。。
でも、万が一結露した場合は手直ししてくれますよね!」
「2年間は、アフターサビス基準で瑕疵責任がありますから対応します。」
そんなやり取りがあった一戸建て住宅内覧会の数日後、
ご依頼者から電話があり、
「屋根の断熱は、破れた箇所だけ交換するのではなく、
今貼られているグラスウールの上に、
新たに、防湿シートを隙間無く貼り、
その上に更に新たなグラスウールを敷き詰めてもらえるということを
ハウスメーカーから言ってきました!」
「そうですか!大手ハウスメーカーの意地ですかね?」