【153時限目】 author アーキスケット 出口
いつものように、
マンション最寄り駅で内覧会同行のご依頼者と待ち合わせ。
少しだけ早く待ち合わせ場所に到着して、
電車から降りてくる人達の中から、
「このご夫婦かなー?それともあっちのご夫婦かなー?」
と、目をキョロキョロさせています。
すると、
小さなお子さんを乳母車に乗せた若い奥さんが自動改札機を通り抜け、
私の方へやって来ます。
「あのー・・・、アーキスケットの出口さんですか?」
「ハイ。」
「今日のマンション内覧会同行をお願いしました○○です!」
「よろしくお願いします!」
事前に送付いただいた資料や封筒には男の人の名前が書かれていたので、
「今日は、ご主人はいらっしゃらないのですか?」
と尋ねると、
「主人は、海外に単身赴任中なので来られないんです。。。」
「そうなんですか。内覧会なのに残念ですね。
海外でのお仕事なのにマンション購入されたんですか?」
「実は、マンションの購入契約をしたあとに、
会社の都合で海外へ転勤になってしまったんです。。。」
やっぱり、
『マンションを買うと転勤させられる。』
というジンクスはあるんだろうか?
本当は、『偶然の転勤』ということを信じたい!
「サラリーマンなので仕方ないんですが、でも、2年後には戻れるんです!」
「そうですか。それまでの辛抱ですね!」
「引渡しの時は主人が一時帰国するんですが、
主人ときたらやたらと細かい人なので、内覧会同行をお願いしました!」
なになに、それって責任転嫁ができるように???
何だか、すごいプレッシャーを感じてきます。
そして、目的のマンションに到着し、
いざ、お部屋の検査。
この奥さん、お子さんを畳の部屋に寝かしつけた後、
懐中電灯を片手に、
目を皿のようにしてキズや汚れがないかを隈なくチェックしていきます。
つられて私もいつも以上にキズや汚れをチェック。
本当は、ご依頼者によって差があってはいけないんですが・・・・
検査の結果はというと、
大きな指摘だけではなく、キズ・汚れといった指摘もほとんどありません。
「良い出来映えのマンションで良かったですね!」
と声をかけると、
「本当に良かったです!少しだけプレッシャーから開放されました!」
と満面の笑みで内覧会終了です。