【156時限目】 author アーキスケット 出口
ここは、東京の一等地に建つ高級マンション。
マンション内覧会のご依頼者から事前に送付していただいた
”オーナーズスタイリング変更図面”を片手に内覧会検査を進めていきます。
南側のバルコニーからリビングダイニング、キッチン、洗面室・・・
そして、北側に配置された洋室の扉を開けます。
すると、景色が見えるはずのアルミ窓に乳白色のガラスがはめ込まれています。
高級マンションなのに、何ともいえない閉塞感。。。
念の為、”オーナーズスタイリング変更図面”を確認してみると、
ガラスの種類までは記載されていません。
窓を開けてみると、
右半分はマンション周辺の景色が見えるのですが、
すぐ左側には違う部屋のバルコニーがあります。
このマンション形状はL字形で、
ここは、その入り隅部分に配置されたお部屋なのです。
『この乳白色のガラスは、
向こう側のお部屋のプライバシーを配慮した設計仕様なのだなあー。』
そして、
『今回のマンション内覧会のご依頼者も、解っていて購入しているんだろうなあー。』
と思っていました・・・・
検査を終了し、
大手デベロッパーが販売する高級マンションにしては、
重たーい指摘事項も多数あったのですが、
「全て手直しをします。」ということでマンション内覧会を終了。
■その夜、このマンション内覧会のご依頼者からのメール
『本日見ていただいたBedroom (1)という部屋の窓が
全面不透明ガラス(フィルム)となっていました。
この件は事前に口頭で説明を受けていなかったので、
クリアガラスに変更したい旨を伝えたところ、
隣接した部屋とのプライバシーに配慮したもので、
共有部分のため費用を私が負担するとしても
変更は受けつけないと言われました。
契約の頃に渡されたマンション全体の各階図面に、
適応される窓には小さく丸がつけてあり、その図面を提示されましたが、
各部屋の図面には何の印も記入もなく、まったくもって不親切です。
本日見るまで全く知りませんでした。
私ととっては部屋の閉塞感がとてもひどく、
何とかクリアガラスにできないものかと強く思っています。
専門家の目から見たアドバイスなどいただけないでしょうか。』
■私からの返信メール
『不透明ガラスの仕様は売主が決定しているものであり、
変更をする場合、
今の段階としては、訂正図の承認などで、
他のマンション購入者の了解を得なければなりません。
そして、ご入居後となると、
窓ガラスは共用部分であり個人の判断で変更することはできなくなり、
変更するには、マンション管理組合の承認(過半数)が必要となります。
しかし、関係する所帯は限られており、
また、対面の部屋からすれば不透明な方が良いため、
承認されるのは難しいかと思われます。』
■マンション内覧会のご依頼者からの再メール
『不透明ガラスの件は勝算がなさそうですね。
部屋の使用の仕方のプランを変えるなど、考えてみたいと思います。
あの部屋を倉庫にするほどの余裕はないのですが。。。』
マンション購入者にとっては、
『こんな重要なことちゃんと説明してよ!専門的な図面を見たって解らない!』
マンションデベロッパーにとっては、
『マンションに関する全ての説明は無理です!質問を受ければ答えます!』
結局、解決することのない永遠のテーマなのかもしれません。。。。