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2008年07月 アーカイブ

2008年07月29日

内覧会★同行日記 【ふぞろいなダウンライトたち】

【173時限目】                              author アーキスケット 出口

マンション内覧会で、
リビングダイニングから廊下・玄関方向の天井を眺めてみると、
一番手前のダウンライトがビミョーに一直線上に配置されていません。

キッチンはどうかなあー?
と、キッチンの天井を眺めてみると、
やはり一番手前のダウンライト(さっきと同じ)がビミョーにズレています。
そして、感知器もビミョーにズレています。

念の為、パンフレットの間取り図を見てみると、
寸法が記載されていないものの、
一直線上に見映え良く配置されています。

設計図では、そこまでの位置というのは明確に記載されていないのですが、
ゼネコンは見映えを考慮しながら
これらの配置を考え施工図を作成しパンフレットに反映されます。


「このキッチンのダウンライトは廊下のダウンライトとが3cm程度ズレていますね!」
と施工会社担当者に指摘すると、

「キッチンと廊下ではダウンライトの配置に関係はありません!」
と、安易に即答です。

「関係ないんですかあー???
 キッチン側方向もズレていますよ!しかも、感知器までも!」

「ダウンライトと感知器は取り付ける業者が違うからです!」
と、またまた、安易に即答です。

「業者が違うと、何で取り付け位置が違うんですか?」
と、更にツッコミます。
 
「業者がやることですから。。。」
と、トーンが少し下がってきます。

「パンフレットでは、ダウンライトも感知器も一直線上に配置されていますよ!
 それぞれの業者にどんな指示をしたのか教えて下さい。」

「・・・・・」

だんだん可哀想になってきたので、これまで!!!

「パンフレットと異なるんですから直してもらえますよね!」

「ハイ、直します!」


このやり取りを聞いていた、マンション内覧会同行のご依頼者は、

「スゴーイ!絶対、私達じゃー気付かないです!」
と、奥さんが言います。
「入居してからも一生気付かないかも!」
と、ご主人が言います。

内覧会検査をしていると、ご依頼者によっては、
『一生気付かないような指摘』
を挙げる場合があります。

そんな時、
『チョット、厳しいのかなあー?』
と、思ってしまう時があります。。。。

いやいや、そんなことは無い!
だって、パンフレットと違うんですから!

2008年07月22日

内覧会★同行日記 【そっぽを向く施工会社の立会い者】

【172時限目】                              author アーキスケット 出口

今回のお話は、
竣工引渡しに開催される通常のマンション内覧会ではなく、
いわゆる売残り物件の引渡し前の検査です。

ご依頼者と一緒にマンションエントランスに入ると、
売主担当者と施工会社担当者が引越作業に邪魔にならぬ様
お待ちかね。

売主から、
「お部屋を検査していただき、何か指摘がありましたら、
 この検査シートに記載し、指摘箇所に付箋を貼って下さい!」
と、検査シートと付箋をご依頼者に渡しながら事前説明。

「施工会社さんは検査に立会いしないのでしょうか?」
と私が催促すると、

「通常の内覧会ではないので、基本的には検査に立会いませんが、
 ご希望があるのでしたら、検査に立会います!」
と快く売主担当者が引き受けてくれます。

でも、当の施工会社の担当者は、
この説明を聞いているのか?いないのか?
そっぽを向いています。

ということで、
施工会社の立会い者と一緒にお部屋に入り、
今度は、私が検査の進め方について説明します。

「ご依頼者は施工会社の立会い者と一緒にお部屋を廻ってください。
 私が挙げさせていただく指摘事項につきましては、
 ひとつひとつ検査終了後に説明します。」

ふと、施工会社の立会い者を見ると、
この説明を聞いているのか?いないのか?
そっぽを向いています。

「お手数ですが、施工会社立会い者さんは、
 この時、検査シートに追記するのと付箋を貼ってください!」

でも、そっぽを向いています。

「施工会社さんお願いしますね!」
と念を押すと、

「何のことでしょう?」

「今、説明したことを聞いていなかったのですか?」

「・・・・」

「指摘事項を検査シートに記載してくださいということです。」

「私は検査に立会いませんが・・・」

「エントランスロビーで検査立会いをお願いしましたよね!」

何やらブツブツブツブツ。。。

そして、ふてくされながら検査シートを受け取り、
訳もわからず違う部屋に行ってしまいます。

たぶん、電話でもしに行ったのでしょう。

その隙にご依頼者から、
「まったくやる気が無いみたいですね。担当者を替えてもらいましょう。」
との提案。

「では、先ほどの売主に連絡してください。」

しばらくすると、
先ほどの施工会社の立会い者が、

「誤解を招いたようです。申し訳ありません。。。」
と、引きつった笑みを浮かべながら釈明をします。

何が誤解なのか解りませんが、
今までの態度をご依頼者も許しません。

結局、売主から指名されたのか、
施工会社の責任者である現場所長に選手交替です。

こんな経緯があった為かこの現場所長、
何を指摘しても、
「ハイ!手直しさせていただきます!」
と満面の笑みで返事をします。

でも今夜、
施工会社の現場事務所では、
この現場所長の顔が、
鬼の形相に変わることでしょう。。。

2008年07月19日

内覧会★同行日記 【マンション衝動買い】

【171時限目】                              author アーキスケット 出口

マンション内覧会同行の依頼者と
最寄り駅に内覧会開始30分前に待ち合わせ。

『少し早いなー。』
と思いながらもご依頼者の要望です。

それより15分ほど早く最寄り駅に到着したにもかかわらず、
「アーキスケットの出口さんですか?」
と見るからにキャリアウーマンの方から声がかかります。

「少し早く来ていただいていたのは、内覧会の前にご相談したいことがありまして・・・」

で、内覧会までにはかなりの時間があるので、
近くの喫茶店に2人で入ります。

「実は、内覧会の検査で色々と指摘をしてもらって、
 何とか契約破棄にしたいんです!」

「えっ!それはまたどうしてですか?」

「モデルルームを見ているとき、
 素敵な雰囲気だったんで、つい衝動買いしてしまいました。」

「でも、モデルルームに行ったということはマンションを探していたんですよね!」

「確かにそうなんですけれども、そうでもないんです。」

うーん?よく解らない回答ですけど、
この衝動買い、ちょっとだけ解るような気がします。

モデルルームでは
素敵な家具や高額なオプションが、
「素敵なお部屋でしょ!」
と待ち構えています。

モデルルームを見学に来た人達の中には、
この素敵な空間に空想を抱き、
つい衝動買いをしてしまう方がいるかもしれません。

しかし、冷たいと思われるかもしれませんが、
それと内覧会検査とは別です。

「内覧会同行検査というのは、ケチをつけるためのものではなく、
 契約どおり適正なお部屋の引渡しを受けるためです。
 このマンションの出来が良いかどうかは解りませんが、
 私としては通常の検査しかできませんよ。」

「やっぱり、そうですよね。。。」
と、あきらめ顔。

そして、内覧会検査。

このマンション、
外観は良いのですが、お部屋の中の仕様は中の下。
バルコニーなんかは今どきの分譲マンションでは珍しい1m巾です。

でも、内覧会の指摘としてはごくごく普通の出来映え。
仕様の低さを指摘するわけにはいきません。

しかし、このご依頼者は売主立会い者に、
「なんか、賃貸マンションみたい!
 モデルルームでは、もっと素敵に見えたのにー!
  もう、ショック!
   解約はできないんですか!」

と、やり取りをやっていました。
このやり取り、私としては静観するしかありません。。。

2008年07月18日

内覧会★同行日記 【溶融スラグコンクリートが心配。。。】

【170時限目】

巷では、牛肉やうなぎなどの食品偽装が問題になっています。

建築に関しては、
姉歯元一級建築士による構造計算書改ざんによる耐震偽装が
記憶に新しいところです。

そして、またまた今回の溶融スラグコンクリート偽装問題

コンクリートの原価を下げる為(?)、
それともリサイクル材使用による環境配慮の為(?)に、
コンクリートに含まれる砂や砂利といった骨材の代わりに
溶融スラグを使用したといった事件です。

溶融スラグコンクリートはまだまだ歴史も浅く、
長期性状の変化が不透明です。
従って、マンションなど現場打設されるコンクリートでは
一般的には使用されていません。
やはり、承認された配合計画に基づくコンクリートが打設されるべきなのです。

生コン工場で配合偽装がされていれば、
売主や施工会社には監理責任があるとはいえ、
それを見破るといったことはほぼ不可能に近く、
ポップアップ(コンクリート表面の剥離など)といった
経年劣化現象が出てきて初めて解る
というのが実情でしょう。。。

そして、売主や設計・施工会社は、
『とんでもないことに巻き込まれた!』
というのが本音のところでしょう。。。

私がこれまでにマンション内覧会に同行させていただいたご依頼者数名から、

「無事に内覧会は終了しましたが、
 このマンション、
 溶融スラグコンクリートが使用されている可能性があるようです。
 どうしたら良いでしょうか?」

「もう、入居してしまっていますが溶融スラグコンクリート問題で、
 今後どうなるか心配です。。。」

などなど、悲痛なメールが送られてきます。

今後、売主や施工会社による、
・コンクリート材料の成分分析による使用箇所の特定
・コンクリート試験片採取による強度試験
などが調査され、
今後の対処策が出てくるかと思われます。

しかし、メールの中には、
売主から、
「住宅の主要構造部分には溶融スラグコンクリートは使用していない。」
との発表がありましたが、
この発表も本当かな?・・・と疑心暗鬼です。

といった内容のものまであります。

くれぐれも、
売主および施工会社には偽装の上塗りはせず、
マンション購入者に対し、
『安心と納得いく』十分な説明責任を果たしてほしいと思います。

そして、姉歯問題のように、
マンション購入者に
負担がかかるようなことにならぬ様
ただただ、祈るばかりです。。。

2008年07月15日

内覧会★同行日記 【見逃しません!その行動】

【169時限目】                              author アーキスケット 出口

ここは、都内の高級マンション。
上下階同じ場所の2つのお部屋を親子で購入したご依頼者から
2日連チャンの内覧会同行依頼です。

1日目の途中から応援に駆けつけてきた施工会社の副所長が、
2日目は最初から立会い者として付きっ切り。

「今日も何を言われるのかドキドキです!」
と愛想よくご挨拶です。

私としては、何も特別な指摘をしているつもりは無いのですが・・・・

この副所長には、マンション購入者の検査に立ち会ってもらい、
私は、黙々と一人でバルコニーから検査を進めます。

アルミサッシのガラスにキズは無いかと眺めていると、
リビングダイニングで、
副所長が右足のかかとで床のフローリングを強く踏みしめているのが
ガラス越しに見えます。

『どうやら、フローリングのきしみ音でもするんだなー。』
と、その行動を見逃しません!

ご依頼者と副所長が洋室の検査に行っている間に、
そのフローリング部分を歩いてみると、
『ギー、ギー』
と、強く踏みしめなくてもきしみ音がします。
しかし、指摘事項の目印である付箋は貼られていません!

その後、キッチンで検査を進めていると、
ご依頼者と副所長が廊下からリビングダイニングに戻ってきます。

その時、入口の木製建具の床が、
『ギー、ギー』

ご依頼者は一瞬立ち止まり、ふと目を床に落としますが、
そのまま素通りしてしまいます。

一通りの検査終了後、
私の指摘事項の説明です。

「この木製建具の床見切りのところで、フローリングのきしみ音がしますね。
 先ほど、○○さんもお気づきになったかと思いますが・・・」

「やっぱりそうですよね!」
 でも、指摘として挙げられていません。

「次ぎにリビングダイニングのこの部分のフローリングでもきしみ音がしますね。
 先ほど、副所長もお気づきになったかと思いますが・・・」

「ハイ。気付きました!」

「付箋が貼られていませんが、内覧会シートに記載はしないんですか?」

「自分の手帳にメモしました!」

「何故、内覧会シートに記載しないんでしょうか?」

「・・・・」

「他に、副所長が気付いた指摘事項はありませんか?」

「ハイ、分電盤が傾いて取り付いていることも手帳にメモしました!」

「他には?」

「ありません!」

メモしたということは、ちゃんと手直しをする意志があったと思いますが、
だったら、内覧会シートに記載をして、
情報の共有化をするべきだと思いますよ!

2008年07月12日

内覧会★同行日記 【手アカ汚れは100番、100番】

【168時限目】                              author アーキスケット 出口

ご依頼者である親子二人とマンション内覧会場に入ると、
内覧レディーから内覧会検査の進め方の説明があります。

「お部屋を見ていただき、もし、ご指摘があれば、
 付箋に番号を書いて指摘箇所に貼って下さい!
  そして、この内覧会シートにその番号と指摘箇所、指摘内容を記載してください!」

ということは、
売主も施工会社も立ち会わないということであり、
『勝手に検査して報告してよ!』
ということだ!

でも、素人の方にとっては、
建築知識も少なく、言葉すらわからない場合があり、
相手にわかる様に指摘事項を内覧会シートに記載するというのは
至難の業なのです。

こんな場合、内覧会に同行した私は大変なことに。。。。

「内覧会シートに記載するのは私が行いますから、
 ご自身で気付かれた指摘箇所に付箋を貼っていって下さい!」

「ハーイ!」
と、付箋を片手にお部屋をチェックしていきます。

私は、自分自身で発見した指摘事項とともに、
ご依頼者が貼っていく付箋部分の指摘事項も
内覧会シートに記載していきます。

それにしても、このお部屋、
手アカ、のり汚れ、シール汚れ、壁入り隅部分のホコリ・・・・と汚い。

そして、ご依頼者は目ざとくこれらの汚れ部分に付箋を貼っていきます。

1番 バルコニーの床が逆勾配
2番 バルコニー床の長尺シートの溶着がされていない
3番 室外機の転倒防止アンカーが不足
などなどと少々専門的な指摘事項の合間に、
4番 リビングの壁手アカ汚れ
5番 リビングの壁のり汚れ
6番 リビングの壁シール汚れ
7番 キッチンの壁ホコリ汚れ
8番 キッチンの壁鉛筆跡汚れ
 ・
 ・
 ・     
と、ご依頼者が貼った付箋の指摘事項が続きます。
そして、あっと言う間に74番。
でもでも、内覧会シートを書き終えるのに先が見えません。

『これじゃー、専門家としての内覧会検査がおろそかになりかねない!』
と一大決意。

「スイマセーン!内覧会シートに記載するのにキリがありませんので、
 汚れの指摘に関しては、付箋に全て100番と書いて貼ってもらえますか!」

「ハーイ!」と返事しながら、
ご依頼者は更に100番と書いた付箋はあちらこちらに貼っていきます。

そして私は内覧会シートに、

100番 各室・各所壁、床、天井に手アカ、のり汚れ、ホコリなど汚れ多数

と一行で内覧会シートに記載して終了。

もし、ひとつひとつを内覧会シートに記載していったら、
200番台に突入したかも知れません。

2008年07月09日

内覧会★同行日記 【ベントキャップ 羽の向き大丈夫?】

【167時限目】                              author アーキスケット 出口

今回のマンション内覧会は
郊外にある400所帯を超える大規模高層マンションです。

バルコニーから検査を進め、
『ベントキャップ周りはちゃんとシーリングがされているかな?』
と目視検査。
このベントキャップ周りのシーリング、
雨掛かり部分でも、たまにやっていないケースを見受けるので要注意。
でも、期待に反し(?)このお部屋ではしっかりシーリングがされています。

しかし、羽の向きがチョット変。。。

ベントキャップとは、
レンジフードや24時間換気の排気口で、
外壁などに取り付いている金物のことです。

ということは、
ご入居後、このベントキャップから汚れた空気や煙が排気されるということです。
もし、ベントキャップの羽の向きが
壁や柱の方向に向いていれば、
時と共にその美しい仕上げを汚していきます。

現在、あるマンション管理組合の大規模修繕のお手伝いをしているんですが、
そのマンションのベントキャップ周りは見るも無惨な汚れ方です。

さて、
「ここのベントキャップの羽の向きは、直ぐ横にある壁に向いていますよ!」
と、施工会社の若手担当者に指摘すると、

「・・・・」と、何を言っているのか解らない様子。

「今は良いけど、将来、壁が汚れてしまうんじゃないかなあー。」
との一言で、
「そのとおりですね!」と納得の様子。

「このお部屋だけではなく、他のお部屋も大丈夫か確認する必要がありますね!」
と追い討ちをかけると、
「確認します!」
と元気よく返事が返ってきます。

「それじゃー、お願いしますね!」と無事解決。

次の日、
2日連続で同じマンション内覧会に同行。
すると、
偶然にも昨日の施工会社の担当者が今回も立ち会うことに。。。

私がバルコニーから検査を進めていると、
その施工会社の担当者がやって来て、

「全てのお部屋のベントキャップを確認しましたが、
 羽の向きが違っていたのは、あのお部屋だけでした!」
と、早速のご報告です。

「それでは、あのお部屋のベントキャップの向きは直してもらえるんですね!」

「ハイ、直します!」

「ところで、1日で400所帯を超えるお部屋全部を確認したとはスゴイですね!」

「・・・・・」

1年後、薄汚れたマンションになっていないことを期待しております。


2008年07月05日

内覧会★同行日記 【見解が異なる構造スリット】

【166時限目】                              author アーキスケット 出口

梅雨の合間の晴天の日。
マンションゲートから敷地内に入ると、
自然木が生い茂った中に数棟のマンションが
配置よく建ち並んでいます。

エレベータで3階へ上がり、
内覧会場の棟まで、この自然木に囲まれた渡り廊下を渡っていきます。
眼下には、アジサイの花が満開で私たちを迎えており、
まるで山間部の吊橋を渡っているかのようです。

こんな気分よく始まったマンション内覧会ですが・・・・

バルコニーに出てみると、
柱と袖壁の間に設けられた構造スリットがどうも解らない。
この袖壁は巾525mmあるのですが・・・・

「ここの構造スリット、柱際に垂直方向に設けられた完全スリットと、
 梁下と床上の設けられた部分スリットが混在してますね!」

「そうですね!」

「部分スリットのほうは、鉄筋は通っていますか?」

「通っていません!」

「完全スリットのほうは、当然鉄筋は通っていないはずですから、
 そうするとこの袖壁はコーキングで支えているんですかね?」

「構造のほうは詳しくないので、内覧会場で確認します。」

ここで、構造スリットとは何か?

構造計算をする場合、
計算を簡易化するために雑壁は柱に付いていないとして計算します。
一見、壁が付いていたほうが強いと思われがちですが、
実はこの壁が曲者で、
地震の時など柱に悪さを働いてしまう場合があります。

そこで、柱と壁の縁を切る必要があり、
それが構造スリットと呼ばれるものです。
表面上の見た目は、シールがされているだけなので、
建築の素人の方にはそれほど重要なものには見えないかもしれません。
しかし、所定の構造スリットが入っていないと構造計算書が成り立っておらず、
極端なお話、耐震偽装に匹敵するような重要なものです。

更に専門的になりますが、
完全スリットというのは、
壁が大きい場合、柱と壁を完全に縁を切ってしまうものです。
部分スリットというのは、
壁がそれほど大きくない場合に、
壁の一部分を切り欠いて柱への影響を小さくしてしまうものです。

さて、内覧会場にて、
立ち会った施工担当者の上司と思しき人が登場!

「先ずは、部分スリットの場合も鉄筋は入っていないと聞いたのですが?」

「壁のダブル配筋を部分スリットではシングル配筋にしています!」

「そうでしょうね!でなければ壁が空中に浮いた状態ということにないますからね。」

「さて、袖壁が500mm以上の場合、御社の基準では完全スリットですよね!」
 このお部屋の袖壁は525mmなのですが、
 サッシの欠き込みが70mm程度あった場合はどうでしょう?」

「サッシの欠き込みは関係なく完全スリットです!」

「先日、違うお部屋の内覧会で確認したら、
 サッシの欠き込み寸法を差引いた寸法で判断するという説明でしたよ!
 そして、そのお部屋は部分スリットになっていました。」

「・・・・確認します。」

「次ぎに確認したいのは、
 ここのお部屋では完全スリットと部分スリットが混在していたことです。
 どういったことでしょうか?」

「即答はできませんので、後日、見解を述べさせていただきます。」

袖壁長さが525mmでサッシ欠き込みがある壁の場合、
完全スリットなのか?
部分スリットなのか?

『解らないから両方入れてしまえ!』
ということなのだろうか?

こんなやり取りを、
壁に張り付いたクワガタ虫が見守っていたのには、
ビックリでした!

2008年07月03日

内覧会★同行日記 【クロス仕上げはブツブツ仕様】

【165時限目】                              author アーキスケット 出口

超高層タワーマンションの内覧会。
建物中央部には吹抜けがあり、
内側にある共用廊下にわずかな光が差し込んでいます。

そして、今回のお部屋は、
超高層といっても下の方の階で、しかも玄関の前には
立体機械駐車場が”でーん”とあります。

お部屋に入ると、
この吹抜け側に配置された洋室は昼間だというのに真っ暗。

「内覧会なのに、仮設照明もつけていないんですか?」
と、立会いをしている施工会社担当者に苦情です。

「スイマセン。直ぐに照明をつけます!」と
素早く携帯で電気屋さんを手配してくれます。

しばらくすると、
「お待たせしましたー!」
と電気屋さんが裸電球40wを取り付けてくれます。

でも暗い。。。。

この裸電球によってほのかに明るくなった天井をみてみると、
クロスのあちらこちらに、にきび状のブツブツが照らし出されています。

壁面はどうかな?と、
検査道具の秘密兵器
とはいってもただの懐中電灯を取り出し、
壁面を横方向からサーチライトのように照らしてみると、
壁4面全てにもブツブツが照らしだされます。

しかも、その数たるや・・・・
とてもとても、指摘事項を示す付箋を貼っていくレベルではありません。
正確に数えたわけではありませんが、
数百箇所はあろうかというものです。

もう見た目は、『キモイ』としか言いようがありません。

このクロスのブツブツは、業界用語でその名のとおり、『ブツ』と言います。

下地のボードのジョイント部分やビス止め部分をパテで平にするのですが、
その材料がダマ状になりクロスの裏側に残ってしまっているのです。
本来、丁寧にペーパー掛け(ヤスリ掛け)を行えばなくなるものなのです。

懐中電灯を照らしながら、
「クロスのブツが酷いですね!
 この状況は丁寧かどうかではなく、ペーパー掛けを忘れていますね!」

「懐中電灯で照らされたら何も言えませんね。。。」

「おいおい、そういうことじゃないだろう!
 真っ暗なんで、施工会社の検査も忘れていたんじゃないの?」

と、皮肉も言いたくなります。

あまりにもショックを受けたマンション内覧会同行のご依頼者から
再内覧会同行のご依頼を受け、
後日、真っ先にこの洋室のクロスのチェック!

今回は、照明も明るくしてあり、
懐中電灯で照らしてみてもクロスにブツは見られません。

「綺麗に直してありますね!」と言うと、

「いさぎよく、クロス全てを貼り替えました!」


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