【171時限目】 author アーキスケット 出口
マンション内覧会同行の依頼者と
最寄り駅に内覧会開始30分前に待ち合わせ。
『少し早いなー。』
と思いながらもご依頼者の要望です。
それより15分ほど早く最寄り駅に到着したにもかかわらず、
「アーキスケットの出口さんですか?」
と見るからにキャリアウーマンの方から声がかかります。
「少し早く来ていただいていたのは、内覧会の前にご相談したいことがありまして・・・」
で、内覧会までにはかなりの時間があるので、
近くの喫茶店に2人で入ります。
「実は、内覧会の検査で色々と指摘をしてもらって、
何とか契約破棄にしたいんです!」
「えっ!それはまたどうしてですか?」
「モデルルームを見ているとき、
素敵な雰囲気だったんで、つい衝動買いしてしまいました。」
「でも、モデルルームに行ったということはマンションを探していたんですよね!」
「確かにそうなんですけれども、そうでもないんです。」
うーん?よく解らない回答ですけど、
この衝動買い、ちょっとだけ解るような気がします。
モデルルームでは
素敵な家具や高額なオプションが、
「素敵なお部屋でしょ!」
と待ち構えています。
モデルルームを見学に来た人達の中には、
この素敵な空間に空想を抱き、
つい衝動買いをしてしまう方がいるかもしれません。
しかし、冷たいと思われるかもしれませんが、
それと内覧会検査とは別です。
「内覧会同行検査というのは、ケチをつけるためのものではなく、
契約どおり適正なお部屋の引渡しを受けるためです。
このマンションの出来が良いかどうかは解りませんが、
私としては通常の検査しかできませんよ。」
「やっぱり、そうですよね。。。」
と、あきらめ顔。
そして、内覧会検査。
このマンション、
外観は良いのですが、お部屋の中の仕様は中の下。
バルコニーなんかは今どきの分譲マンションでは珍しい1m巾です。
でも、内覧会の指摘としてはごくごく普通の出来映え。
仕様の低さを指摘するわけにはいきません。
しかし、このご依頼者は売主立会い者に、
「なんか、賃貸マンションみたい!
モデルルームでは、もっと素敵に見えたのにー!
もう、ショック!
解約はできないんですか!」
と、やり取りをやっていました。
このやり取り、私としては静観するしかありません。。。