内覧会同行ブログ 【免震タワーマンションの心得】
【181時限目】 マンション内覧会同行 アーキスケット 出口
今回のマンション内覧会同行は、
今、流行の免震タワーマンション。
「もしもし、
今度、免震タワーマンション内覧会があるんですが、同行していただけませんか?」
「ハイ!予定させていただきます。」
「当初の設計図にある免震装置の配置が間違っていたとのことで、
構造説明会もあったんですが、
素人の私たちには、全く解りません。」
最近、各デベロッパーは競って免震タワーマンションを造っています。
しかし、個人的には、
この免震タワーマンションは、もともと長周期建物であり、
費用対効果という点で疑問点が残ります。
そして、
タワーマンションで免震装置を採用するリスクを心得ておく必要があります。
で、マンション内覧会同行のときの免震装置に関するやり取りです。
「免震装置の配置が間違っていたことについて説明してください。」
「積層ゴムの免震装置とすべり支承の免震装置の配置が間違っていました。」
図面を確認すると、
当初の免震装置の配置では、
すべり支承が建物外周部に配置されています。
「訂正図と見比べると、単純な図面記載ミスのようですね。。。」
「ハイ!その通りです。」
「ところで、この免震タワーマンションは、
アスペクト比(間口と高さの割合)が大きいのですが、
地震時に引張り力はかからないのですか?」
「ハイ、大丈夫です!
大きな地震時には引張り力はかかりますが、杭が抵抗します。」
「杭は解りますが、積層ゴムの免震装置は大丈夫ですか?」
「・・・・・、構造設計者に確認します。」
ここで、積層ゴムの免震装置とは、
ゴムと鉄板を加硫接着をしたものです。
圧縮力(建物の重さ)に対しては、
このゴムと鉄板が組み合わされた免震装置は強いのですが、
地震時などに転倒モーメントが働き、引張り力が生じる場合、
非常に弱いものなのです。
何せ、ゴムと鉄板を加硫接着しただけですから・・・・
従って、タワーマンションの免震設計では、
・免震層の周期を十分長くし、上部構造への地震力を減らす。
・建物外周部に軸力を集めて免震装置への過大な引張り力を生じさせない。
といった配慮が必要です。
で、質問に対する回答。
「構造設計者に確認しましたところ、
最大100t程度の引張り力がかかるということです。
そして、免震装置はそれに耐える設計になっているそうです。」
「そうですか。。。」
この免震タワーマンションも、
超大手ゼネコンの設計でもあり、
偉い先生方の評定も通っているので問題はないはずです。
ここで言いたいのは、
ゼネコンの現場担当者には、
難しい免震タワーマンションの構造計算の理解とまではいかなくても、
積層ゴムやすべり支承の免震装置は、『引張り力には弱い。』という認識
は心得ていてもらいたいということです。
今回の免震タワーマンションでは、
ゼネコンの誰かが免震装置の特性を心得ており、
設計図の配置記載ミスに気付いたから良かったものの、
もしかしたら、当初の設計図どおりに施工されていた場合のことを考えると、
ゾッとします。