【176時限目】 author アーキスケット 出口
ここは、高層マンションのバルコニー。
新宿、渋谷の超高層ビル群が遠くに一望できます。
マンション内覧会の検査で、
このバルコニーのアルミサッシ周りの外壁タイルを眺めていると、
何だかチョット変。。。。
1.ALC壁に貼られたタイル伸縮目地シールのピッチが70cm。
2.アルミサッシ際から5cmのところに伸縮目地シール。
この2つの『チョット変』にピンときたあなたは鋭いです!
こんなところに、タイル伸縮目地シールはありえないのです。
今どきの高層マンションのバルコニーや共用廊下では、
外壁としてALCが採用されているケースがほとんどです。
パンフレットなどでは、断熱効果を謳い文句にしていますが、
実は、施工をしやすくし工期短縮のためというのが本当のところです。
このALCは、
巾が60cmの工場製品であり、
非常に軽い素材で、
それを現場でパタパタと建て込んでいくものです。
そして、防水のために、
ALCのジョイント部分にシールをします。
アレッ???
ALCのジョイントシールは60cm巾なのに、外壁タイルの伸縮目地シールは70cm巾?
これでは、
ALCのジョイントを外壁タイルが跨いでいるということでタイルが割れてしまいます。
アレッ???
アルミサッシ際のタイル伸縮目地が5cmにあるということはALCの巾は5cmしかないの?
これでは、
ALCの最低巾15cmが確保できていないということでALCが割れてしまいます。
このことを、
マンション内覧会に立ち会った施工会社のベテラン社員(?)に指摘すると、
お決まりの謳い文句
『私には解りませんので、所長に確認します!』
結局、
タイル伸縮目地の70cmについては、
「外壁タイルを剥がし取ってALCジョイントの位置を確認し、
そのジョイント位置に合わせタイル目地シールを行います。」
との回答。
アルミサッシ際のALC5cm巾については、
「ALCの制作間違いをしてしまいました。
この部分は、アンカーを打ってモルタルを詰めています。」
との回答。
施工会社としては何とも恥ずかしい回答です。
一見、素人の方から見ればよく出来ている外壁。
しかし、伸縮目地1本の位置から、
目に見えないALCの不具合などの不具合を発見することもあります。
高層マンションというのは、
上下階で同じパターンの施工の繰り返し。
こんな不具合を発見すると、
他のお部屋は大丈夫?
と心配になってしまいます。