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2008年09月 アーカイブ

2008年09月28日

内覧会★同行日記 【バルコニー防水が危ない!】

【188時限目】                              author アーキスケット 出口

ここは、マンションのバルコニー。
外壁仕上げはコンクリート壁にタイル貼り。
そして、巾木部分は無く、タイルは床まで貼り下げられています。

マンション内覧会の検査でバルコニーを検査。
すると、
長尺シートの水上端部にシーリングがされていません。
しかも、凸凹タイルとの取合いは、
長尺シートの端部の切断面も隙間があったり、なかったりで見映えも悪い。

マンション内覧会検査終了後、

「この長尺シートの水上端部にシールはしないのですか?」
「このマンションでは、長尺シートの水上端部シールはしない仕様にしています。」

「そうですかあー。。。」
「長尺シートを貼るとき、接着剤を十分に付けていますので雨水が入ることはありません。」

「接着剤は、防水材とは違いますよ!
 しかも、接着剤が満遍なく塗られていることも確認できませんよね!」
「雨水が入り込んで長尺シートが剥がれたら、引渡し後の定期点検で直しますよ!」

ここで、
バルコニーに長尺シートが貼られるようになった歴史をお勉強です。

昔々、マンションのバルコニーは防水モルタル仕上げが主流でした。
しかし、防水モルタルも床のコンクリートも経年劣化でひび割れを生じ、
そのひび割れから雨水が下の階へポタポタなんてこともありました。

そこで、「それじゃーマズイ!」と、
グレー色のウレタン塗膜防水をするようになりました。
しかし、何とも見映えが悪いし滑り易い。

そこで、登場したのが長尺シートなのです。
見映えも良し。
防滑性も良し。
防水性も良し。
でも、お値段は少々高い。

話しを戻し、
長尺シートの端部シールは、やはり行うべきと個人的には思っています。
何故なら、
確率は非常に少ないのですが、
長尺シートの水上端部から入り込んだ雨水が、
コンクリート床のひび割れから下の階に漏れることも考えられるんですから。。。

でも、「そういった仕様ですから!」
には勝てません。(悲)

ここで反撃!!!

「この長尺シートとタイル壁の隙間を見ると、コンクリートが見えますよね!
 バルコニー床とコンクリート外壁の打ち継ぎ部分の防水はしていないんですか?」

この打ち継ぎ部分の防水をしていないと、
その隙間から、
雨水が部屋のフローリングの下に回り込む危険があるのです。

「・・・・」と、チョット時間が経過。
その後、
「パラテックス防水をしてあります。」

このパラテックス防水とは、
ウレタン防水みたいな色付きの塗膜防水材ではなく、 
無色の浸透性防水材で、
コンクリート自体を緻密にすることにより防水させるものです。

でも、コンクリートの打ち継ぎ部分に使用するのは、???

「これ以上言いませんが、
 雨水による漏水は、10年間瑕疵担保責任がありますのは知っていますよね!」

「ハイ・・・・」

このバルコニー。
奥行きが2mあるのが、せめてもの救いです。

2008年09月25日

内覧会★同行日記 【ハット目地にはっとする】

【187時限目】                              author アーキスケット 出口

ここは超高層マンション。
超高層マンションの宿命と言うべく、
戸境壁は耐火遮音間仕切り、
共用部分の中廊下との外壁も耐火遮音間仕切りで出来ています。

さて、パンフレットを見てみると、
▲マークで、ハット目地がところどころ配置されている設計になっています。

このハット目地とは、
一面の壁でコンクリート下地と耐火間仕切りボードなど、
壁下地が異なる部分で、
その振動の違いによりひび割れを防ぐ理由で設けられる、
巾3mm程度の溝のことです。

そして、このハット目地のチェックのためにキッチンの壁を見ると、
しっかりと、ハット目地が入っています。

念のため、パンフレットを見ていると、
外壁の耐火間仕切り壁がクランクしている部分に
耐火間仕切りの戸境壁が延びているのですが、
その取合い部分にハット目地を設けなくてはいけないところを、
外壁耐火遮音間仕切りのクランク部分にハット目地を設けてあります。
 (表現が解りづらく申し訳ありません。)

施工会社の担当者を呼びパンフレットを見せながら、
「キッチンにあるハット目地が、
 このパンフレットどおりの位置だったら間違いですよね!」

「本当ですね。廊下側の外壁を優先して耐火遮音間仕切りを施工してますから、
 パンフレットの位置では間違いですね。」

「このキッチンの壁にあるハット目地の位置は、一見してでは解りませんので、
 スケールで当ってみましょう!」

「ハイ、解りました。お手伝いします!」

ということで、
パンフレットに記載の壁位置の寸法や
耐火遮音間仕切りの厚さ寸法などの情報をもとに、
電卓をパチパチ。。。。

そして、
この壁からハット目地までこの寸法になるはず!

で、実際にスケールで計ってみると、電卓の数値にぴったり!

「最初指摘を受けたときにはっとしましたが(親父ギャグ)、
 施工上、間違えることはありません。パンフレットの表記ミスですね!」

と、施工には間違いが無いという自信の発言です。

「では、パンフレット訂正はお願いしますね!」

「ハイ、解りました!」

と、この場は無事解決。

「ところで、トイレの壁なのですが、
 コンクリート柱と耐火遮音間仕切りの取合いに、ハット目地が入っていません!
 パンフレットでは、▲マークがしっかりと表記されていますよね!」

「本当ですね。施工ミスです。手直しします。」

2008年09月22日

内覧会★同行日記 【タッチアップは迷彩模様】

【186時限目】                              author アーキスケット 出口

施工会社の立会い者に案内され、
マンション内覧会のご依頼者とお部屋に入ります。

先ずは、ご依頼者がリビングに進み、
窓からの景色(?)に言葉も発せず見入っています。

私もリビングに入り窓からの景色を見ると、
目に飛び込んできたのは素晴らしい景色などではなく、
コンクリートの手摺の吹付け塗装の迷彩(ミリタリー)模様です。

この吹付け塗装の迷彩模様は、
仕上がった塗装面をキズつけてしまった場合など、
凹みを下地補修し、再度その部分だけを塗装するのが原因です。

これを業界用語では、『タッチアップ』と言いますが、
塗装材の色が、
ロッド違いでなどの理由で色や艶が僅かに異なる為、
迷彩模様となってしまうのです。

そして、このお部屋のバルコニーでのタッチアップは、
刷毛でペロリと色を撫で付けた程度の雑な仕上げです。
しかも、なんと合計26箇所ものタッチアップ跡があるのです。

それにしても、26箇所のタッチアップがあるということは、
それだけ、キズ付けてしまったということになるのですが、
その数自体も異常に多い。
せいぜい2ヵ所、3ヶ所程度ならよくあることなのですが・・・・

続いて、リビングに入ってきた施工会社の立会い者に、

「あのコンクリート手摺の塗装タッチアップは悪いですね!」
と、指摘をすると、

「本当に酷いですね!」
と、同意の回答。

「売主や施工会社の事前検査では気付かなかったんですかね?」

「光の当り具合などによっても、目立つ・目立たないことがありますから・・・」

「確かにそうですね。」

「でも、この塗装タッチアップは酷過ぎますので手直しします。」

「手直し方法としては、壁一面全体を再塗装してくれますよね!」

「当然、そうさせていただきます。」

この、『タッチアップ』、
・晴れの日と雨の日。
・午前と午後。
・正面から見るのと斜めから見る。

などなどの状況で、見え方が全然異なります。
内覧会の検査では気付かなくても、
ご入居後、
『迷彩模様になっている!』
なんて気付くこともあるかもしれません。


2008年09月17日

内覧会★同行日記 【圧迫感ある柱形】

【185時限目】                              author アーキスケット 出口

マンションの内覧会検査をしていると、
お隣の洋室からご依頼者の話し声が聞こえてきます。

「この柱、思っていたより圧迫感を感じるわ。。。」
「ここに柱がある設計になっていますから・・・」
と、施工会社の立会い者が回答します。

「柱があるのは解っていたんですが。。。」
「・・・・」

「仕方ないんですよね。。。」
「ハイ、パンフレットどおりですから・・・」

で、ご依頼者と施工会社の立会い者と入れ替わりに、
洋室の検査をします。

『確かに、圧迫感ある柱形だなあー。』
と、思いつつ、
拳骨で柱面をコンコンとたたいてみます。

あれっ???

見た目はクロスで解らないのですが、
下地は、ボードで出来ています。

念のためパンフレットを見ると柱形表記は1本線。
ということは、コンクリート面にクロス貼りということになります。
断熱材+木下地+ボード+クロスでは、
パンフレットの柱形表記が2本線になるはずなのです。

そしてこの場合、柱の両サイド面を合わせると、
200mm程度も柱形の寸法が異なるのです。

ご依頼者と施工会社の担当者を呼び戻し、

「この柱形、ボード下地になっていますが・・・・」

すると、施工会社の立会い者も柱面を拳骨でコンコン。

「本当ですね!確か外壁に面するところなので断熱材を吹付け、
 木下地を組んでボードを貼っているんです!」

改めてパンフレットを確認し、
「外壁に面するのは壁の一部であり、
 柱の入り隅部分までの壁が2本線表記の断熱施工範囲になっていますよ。
 柱は、断熱材を吹付ける範囲ではありませんよね!」

「本当ですね。。。何か変更があったのかもしれません。」
「それでは、内覧会場で確認してください!」

そして、内覧会場。

設計図面・仕様を確認しても、断熱を吹付ける範囲ではない。
施工図の平面詳細図を確認しても、断熱を吹付ける範囲ではない。
上司に確認しても、変更理由は見当たらない。

「単純にこちらのミスと思われます。申し訳ありません。」
「手直し、よろしくお願いします!」

このやり取りを聞いていたマンション内覧会のご依頼者は、

「あー良かった!20cmくらい柱が小さくなるんですよね!」


2008年09月16日

内覧会★同行日記 【二重床の下は大丈夫?】

【184時限目】                              author アーキスケット 出口

ここは、大手ゼネコンが建設している中層マンション。

マンション内覧会同行のご依頼者と最寄り駅で待ち合わせをし、
目的のマンションに向かいます。

エントランスまで向かう道中、
マンションの外観や外構を注意深くチェックしていきますが、
遠目には、見事な出来映え!

これなら、共用部分やお部屋の仕上がり具合も期待できるかも・・・・

そして、エントランスで受付を済ませ、
内覧レディーが共用施設の案内。
そして、共用廊下を経てお部屋に向かいます。

その間、その出来映えをチェックしていきますが、
近くから見ても、見事な出来映え!

これなら、お部屋の中も大丈夫だろう!
と、玄関を開けお部屋に入ります。

そして、期待どおり!!!
お部屋の中も、第一印象は見事な出来映え!

ここからが、検査本番。

壁や床を細かくチェックしていっても、
キズや汚れは、ほとんど見当たりません。
マンション内覧会前に、
施工会社や売主の厳しいチェックがされていることが伺われます。

しかし・・・

システムキッチンの下部収納の扉を開くと、
施工会社の段取りよく、床下点検口が開けてあります。

『さすがーーー』、と感心しつつ、
その床下を懐中電灯で照らしながら確認すると、

ベニヤの切りくず、多数のビス、配線の切れっ端・・・・

うーん、残念。。。見落としもあったのか。

そして引き続き検査を進めます。

トイレに入り、手洗い下部収納の扉を開くと、
やはり段取り良く床下点検口が開けてあります。

ここは大丈夫だろうと、
その床下を懐中電灯で照らしながら確認すると、

まさかの事態!
またまた、ベニヤの切りくず、多数のビス、配線の切れっ端・・・・

うーん、残念。。。ここも見落としている。

でも、床下点検口をわざわざ開けておいてくれるんだったら、
その中がどうなっているか確認するんじゃないの?

このお部屋の床は全て二重床。
床下点検口で覗ける範囲はゴミだらけということは、

覗けない範囲の
二重床の下は大丈夫だろうか?
と、不信感を抱いてしまいます。

通常、フローリングを貼るときは、
その作業で出てしまうゴミの清掃は職人に任せざるを得ません。
ということは、
フローリング床下の清掃状況は、職人任せのノーチェック。

検査終了後、内覧会会場で、

「床下点検口から床下を覗くと、ゴミが多数ありましたよ!」
と、施工会社の担当者に指摘。

「大変申し訳ありません。。。」

「それも1箇所ではなく、3箇所ですよ。
 床下全体の清掃状況に不信感を持ってしまいますよね。」

「責任を持って我々がチェックし、清掃します!」
と、誠意ある(?)回答。

その回答に対し、その場では突っ込みませんでしたが、

全てのフローリング二重床下の清掃状況を、
どうやって確認するのだろう???

いずれにしても、
マンション内覧会で、不信感を持たれない受入れ態勢が望まれます。

2008年09月09日

内覧会★同行日記 【カーテン溜まりにコンセントが・・・】

【183時限目】                              author アーキスケット 出口

超高層マンションの内覧会。
ここはバルコニーに面する南側の洋室です。

ハイサッシの掃き出しアルミサッシが取り付けられており、
視界は良好!

そして、マンション内覧会同行のご依頼者のご夫婦が、
カーテン業者の持ってきたサンプルを比較しながら
『どのカーテンがいいかしら・・・・』
『そうだなあー・・・・、この明るめのカーテンなんか良いんじゃないか!』
『こっちの方が素敵じゃない?』
『そうだね。君の好きなほうを選んで良いよ!』
なんて、羨ましい夫婦の会話が弾んでいます!

その会話につられ、
アルミサッシを見ていると、
その横にある20cmくらいの袖壁にコンセントプレートが取り付けられています。

そして、カーテンボックスを見てみると、
15cm程度のカーテン溜まりが設けてあります。

このカーテン溜まりとは、
カーテンを全開にしたときのカーテンスペースで、
アルミサッシからの眺望も全開となります。

で、
「このカーテン溜まりの壁部分にコンセントがありますけど、
 火事なんかが心配ですよね!」
と、施工会社の立会い者に指摘です。

「わっ!本当ですね!設計ミスでしょう。
  こちらの壁に移動させていただきます。」
と、素早い回答。

しかし・・・・

「こちらの壁は、戸境壁ですよね!」

「ハイ・・・・」

「この戸境壁は、耐火遮音間仕切りで、
 コンセントなんかを取り付けたら、
 遮音性能も悪くなるし、耐火性能も確保できませんよね!」

「わっ、本当だ!どうしたら良いでしょうか?」
と、情けない回答。

「リビングとの間仕切壁にコンセントを付ければ良いんじゃないですか!」

「うーん、でも、そうなると配線工事が大変なんですけど・・・・」
と、煮え切らない回答

「売主と相談して、回答してください。」
と、一旦保留。

そして、後日、売主よりマンション内覧会同行のご依頼者へ、

『カーテンレールに留め金具を取り付けさせていただきます。』
と、なんとも安易で安上がりな手直し方法での回答です。

これじゃー、不要なカーテンレールが15cm程度見えたまま。
そして、何よりも、せっかくの眺望が、
カーテンで15cmほど遮られてしまいます。

結局、マンション内覧会同行のご依頼者から、
「売主からの謝罪もあったので、留め金物での手直しを受け入れました。」
とのご報告。

「そうですか・・・・、そうしたら、カーテンの採寸をもう一度した方が良いですね!」

「えっ?カーテンのサイズも変わってしまうんですか?」

「そうですよ!カーテン業者に早く連絡をした方が良いですよ!」

2008年09月03日

内覧会★同行日記 【本日は大雨・雷・洪水警報】

【182時限目】

ここんところ、関東地方で大雨が続いています。
そして、今回のマンション内覧会同行は、
大雨が最も酷い埼玉県北部のマンションです。
しかも、偶然にも同じマンションの内覧会同行のご依頼が立て続けに3件。

早朝、天気予報を確認すると、
「今日も、雷雨が予想され、大雨・雷・洪水警報に注意してください!」
とのTVアナウンサー。

どんよりとした空模様の中、
1時間半、列車に揺られながらマンション最寄り駅に到着。
そして、マンション内覧会同行1番手のご依頼者とご挨拶。

「雨が降らなければ良いですね!」とご依頼者。

「でも、雨のお陰で不具合が見つかることもあるんですよ!」
と、返事をしつつ、本音では、
『何とか夕方6時まで雨が降らないでほしい!』
と天を仰ぎます。

1番手、2番手のマンション内覧会同行の検査では、
天候も何とか持ちこたえていたのですが、
3番手の検査の頃になると、
遠くに真っ黒な雨雲が現れ、
雷光をピカピカ発しながらこちらに迫ってきます。

そして・・・、
『ドバッー』とバケツをひっくり返したような雨・雨・雨

とりあえずは、未だ部屋の中の検査。
でも、いっこうに雨が衰える気配はありません。

時間も経過し、
屋根があるから大丈夫だろうと覚悟を決め、
玄関ドアを開け外廊下に出ます。

すると、ここのお部屋の前だけ、
外壁から伝わった雨が洪水のごとくコンクリート手摺に落下していて、
その跳ね返りで服はびしょ濡れに。。。。

「雨が跳ね返ることは予想できなかったでしょうけど、
 跳ね返りのないよう対処していただけますよね!」
と施工会社の立会い者に申し入れると、

「対処します!方法については検討しますので任せて下さい!」
と、自分もびしょ濡れなので誠意ある回答です。

ふと天井を見ると、
リシンが吹付けられたコンクリート天井面が濡れています。

水切目地はしっかりと入っており、
外壁からの雨水の回り込みはシャットアウトされています。

「これは床からの漏水ですね!」
と施工会社の立会い者に指摘すると、

「今は調査も困難なので、後日、間違いなく調査して対処します!」
と、またまた、誠意ある回答。


今回は、この大雨のお陰で、
通常のマンション内覧会同行の検査では発見できない不具合を発見できました。
でも、この大雨のお陰で、
帰りの列車は、駅で1時間20分待ちとなりました。


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