【189時限目】 author アーキスケット 出口
大手ハウスメーカーの一戸建て建売住宅の内覧会。
2階洋室の壁の傾斜をレーザーレベルで測定すると、
何と、床から天井までの間で12mmも傾斜しています。
ここで、壁傾斜の許容値について。
『住宅の品質確保の促進等に関する法律』では、
傾斜3/1000未満 ・・・構造耐力上主要な部分に瑕疵が存する可能性は低い
3/1000以上6/1000未満・・・ 同 上 一定程度存する
6/1000以上 ・・・ 同 上 可能性が高い
と、基準を定めています。
各デベロッパーやハウスメーカーでは、この基準を基に、
一番厳しい3/1000を各社の許容値と定めているケースが多くあります。
さて、ハウスメーカーの内覧会立会い者に、
「ここの壁の傾斜は、3/1000を越えていますね。」
と、レーザーレベルとスケールを当てながら確認してもらいます。
「本当ですね。。。手直しします。」
と、回答をもらい内覧会を終了。
後日、ハウスメーカー立会い者から、
「壁のボードをめくってみたら、構造体である柱も12mm倒れていました。」
と電話でご報告。
「で、どうするんですか?」
「柱の倒れも手直しします。」
「で、どうやるんですか?」
「内装材、外装材を撤去し、屋根をジャッキで支え、壁を引込みます。」
「大変な工事になりますね。」
ハウスメーカーより、
この手直し工事のピンポイントでの第三者監理の依頼を受け、
後日、柱を引込んだ段階での検査に行くと、
洋室部分の骨組みが無惨にも露になっています。
柱の傾斜をレーザーレベルで測定すると、
2mm以内に納まっており合格!
しかし、
事前に防水への影響を考え打合せをしていたにもかかわらず、
外装の防水シートは破れまくり、
端部シールは非常に雑。
防水機能を果たすようにはどうしても見えません。
手直し工事前に、
外装防水への影響と手直し方法について
打合せ指示したにも関わらず。。。。
しかも、この時は、
ハウスメーカー側は、本社の技術部、品質管理部など、
一級建築士、一級建築施工管理技士など、
技術者が6人も居たのにこの結果。
「事前の打合せどおり、
破れた防水シートの上に新規防水シートを貼りこみ、
外装モルタルとの取合いは、丁寧なシーリングをしてください!
このシーリングが命なんですから!」
「ハイ。。。」
通常ならば、ここで終わるのですが、もう一話!
この洋室の横にある廊下で、
むき出しになった天井裏を見てみると、
あるはずの断熱材が見当たりません。
「ここの断熱材はどうしたんですか?」
「天井ボードを剥がしたときに取れてしまったんですかね?」
「それでは、取れてしまった断熱材はどこにありますか?」
「・・・・」
「手直し工事をするごとに、
本来見えない部分で新たな不具合が見つかるとは不信感を持ってしまいますよね!」
「・・・・」
後日、
「赤外線による非破壊検査で、断熱材の確認をしました!」
「で、結果はどうだったんですか?」
「妻側外壁でも、一部断熱材が入っていないことが確認できました!」