【197時限目】 author アーキスケット 出口
マンション内覧会の七つ道具として、
”打診棒”というものがあります。
これは、棒の先に、
直径1.5cm程度の鉄球が付いているもので、
外壁タイル面などを転がし、
音の違いによりタイルの浮きを発見するものです。
さて、マンション内覧会のバルコニーでの検査です。
この七つ道具である打診棒で、
外壁や梁のタイル貼り部分を検査していると、
アルミサッシ周りや梁底などで、
軽い音がするとことが確認できます。
箇所数でいうと、7ヵ所。
タイルの枚数でいうと、60枚程度にもなります。
施工会社の立会者にタイルの浮きを指摘をすると、
「本当ですね。手直しします。」
と、当然のごとく回答です。
しかし、
今回、発見できたものは良いのですが・・・・・
タイルの浮きがあると、
タイルの裏の部分に雨水が入り込み、
その接着力を弱め、
時が経つと共に浮きの範囲が広がっていきます。
現在、あるマンションの12年時の大規模修繕工事の
コンサルティングおよび監理を行っています。
このマンション、
70所帯の決して大きくないマンションなのですが、
タイルの浮きの数を調べると、
なんと、3万枚を超える浮きが発見されました。
タイルの貼り替え単価は、
1枚あたり560円
全部貼り替えとなると1750万円以上にもなります。
1所帯25万円程度の負担です。
そして、売主・施工会社には、
瑕疵担保責任を基本的には問えません。
それよりも何も、
外壁タイルが剥がれ落ち、
通行人などに被害が及ぶ可能性もあり、
この場合、
1次的にはマンション所有者の管理責任を問われかねないのです。
さて、マンション内覧会検査終了後の内覧会場で、
「ひとつのお部屋のバルコニーで、こんなにもタイルの浮きが発見されました。」
「申し訳ありません。。。」
「この比率で考えると、マンション全体のタイルの浮きの数は莫大になりますよ!」
「そういったことは無いと思います。検査してますから。。。」
「検査しているんだったら、こんな数のタイルの浮きが見られないはずでは?」
「・・・・・」
「現況、足場もないので全数は確認できませんよね。」
「ハイ、その通りです。」
「瑕疵担保責任としては通常2年ですが、大規模修繕まで期間延長というのは、
検討できませんか?」
「・・・・・検討します。」
でも、やっぱりダメだろうな???
こういった問題、
本当に、売主や施工会社の施工途中の品質管理を信頼するしかありません。
ただただ、他のお部屋や共用部分で、
タイルの浮きが無いことを祈るのみです。
ちなみに、
連チャンで別なお部屋の内覧会検査を行ったのですが、
ここでは、
バルコニーや外廊下の外壁タイルの浮きは見られませんでした。
ホッ!
その代りといっては何ですが、
このお部屋のバルコニーで、タイルの割れが2枚発見されました。