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2009年03月 アーカイブ

2009年03月25日

内覧会★同行日記 【言い訳は、やっぱり誤記】

【232時限目】                              author アーキスケット 出口

覚えていますかあー?
219時限目で触れた
超高層マンション内廊下側の断熱材未施工。
続報です!

言い訳は、やっぱり、”パンフレットの誤記”でした!

しかし、このパンフレットに記載の断熱仕様は、
どう見ても、このマンションとしか思えません。。。

「誤記となった経緯はどうなんですか?」

「他のマンション物件のパンフレットを転用したので・・・・」
と、売主担当者の歯切れは良くありません。

「念のため、設計図を見せてもらえませんか?」
と、施工会社の立会者にお願いします。

しばらくすると、少々古く使い込まれた製本された設計図を持ってきます。
ということは、図面では誤魔化しはしていないということです。。。

特記仕様書の断熱仕様を確認。
しかし、明確に内廊下の断熱仕様については記載されていません。

続いて、共用部分各室の仕上げ表を確認。
しかし、表面の仕上げのみで、下地までは記載されていません。

続いて、断面詳細図を確認。
しかし、内廊下の断面図が見当たりません。

「設計図では、内廊下の断熱仕様について記載されているところはありませんか?」
と、施工会社の立会者に尋ねます。

「記載されているところはありません。」

その他の図面もひととおり確認しましたが、
どうも、記載されていないということは本当のことのようです。

「この図面で建物を造る施工会社としては、
 内廊下に断熱材があるとは解りませんね!」
と、施工会社の立会者に言うと、

「ハイ!私たちは認識していませんでした!」

「パンフレットを監修しているのはどこですか?」
と、売主担当者に尋ねると、

「設計事務所です!」

「すると、パンフレットも設計図も設計事務所が監修しているのであれば、
 設計事務所が設計図に明確に断熱仕様を記載しなかったことが原因ですね。」

「・・・・・」

「この件は、このマンション全体の仕様に関わることですが、
 他のマンション購入者に対しての説明はどうするんですか?」

「”確定・変更事項説明書”を、各マンション購入者に送付しております。」

「送付しただけですか? 説明もしないんですか?」

「ハイ・・・・」

送付された”確定・変更事項説明書”なるものを拝見すると、
押印欄すらありません。
そして、その内容は、

『空調システムを導入した計画であり、内廊下側の断熱については、
 当初より計画されていませんでした。
 パンフレットに一部誤記がございました。ここにお詫び申し上げます。』

なるものです。

現実問題、
今更、ウレタン断熱材を施工することはできないでしょうし・・・・

内廊下に空調システムがあるので、結露といった被害の可能性は低いでしょうし・・・・

マンション購入者も、諦めた(?)ようですし・・・・

人間だれしも間違いはありますし・・・・

それ以上の追及はしません。
しかしです。

「これって、宅建業法の重要事項説明の、
 未完成物件の完成時の形状・構造に関する変更事項なので、
 口頭による説明義務があるんじゃないですか?
 もしかしたら・・・、宅建業法違反になる?、かも???」
と尋ねます。

この最後の一言に、”ドキッ”

「確認して、必要であれば全マンション購入者に説明します。」

必要であれば・・・・・

いずれにしても、
当初から計画されていないということで、
パンフレットの誤記ならば、
正々堂々と、説明責任を果たしてほしい変更内容です。


2009年03月21日

内覧会★同行日記 【コンクリート収縮のウソ?ホント?】

【231時限目】                              author アーキスケット 出口

ここは、超高層マンションのバルコニー。
PC(コンクリートの工場製品)の梁や柱やスラブが
ふんだんに使用されています。

そのPC梁は、センタージョイント方式。
梁の中央部分で鉄筋をつなぎ、
その部分だけが現場でコンクリートが打設されます。

「逆梁外側タイル部分では、PCジョイント部分にジョイント目地がありますが、
 逆梁天端とバルコニー側の吹き付け塗装部分には
 ジョイント目地を設けなかったのですね?」
と、施工会社の立会者に確認します。

「見栄えを優先し、ジョイント目地を設けませんでした。」

確かに、この部分に目地を設けると
『いかにも、この位置でPCをジョイントしているぞ!』
という感じで見栄えとしては良くありません。

ただし、2年後、5年後、10年後・・・・はどうなるのでしょうか。。。。

「この部分は、PCと現場打ちコンクリートの打ち継ぎ部分であり、
 後々、肌別れする可能性もありますよね!」

「そういった仕様で売主や設計事務所が決めています。」

「それでは、肌別れについての見解書を後日いただけますか?」

「解りました!」


後日、送付されてきた見解書

『構造部材を重くしないため為、
 シーリングをするのに必要なフカシ(構造体の断面欠損を無くす)は
 行っていません。
 また、打ち継ぎ部は高強度コンクリートを使用しているので、
 収縮も少なく肌別れはないと考えている。』

へえーーー。。。。
コンクリートのフカシをしていないんだあー。。。。
フカシをしていないんだったら、断面欠損になるため目地棒は入れられないよなあー。。。。
でも、それって、構造計算のことしか考えていないよなあー。。。。

しかし、マンションに要求されるものは、構造計算だけではありません。
肌別れするのを防ぐ、あるいは、
肌別れしても、雨水の浸入を防ぐといったことも重要なんじゃないの!

そういえば見解書では、
『高強度コンクリートを使用しているから肌別れはしない。』
と書いてあるんだった!

でも・・・・・本当に・・・・・
高強度コンクリートって収縮が少ないの???

逆でしょっ、逆!
高強度コンクリートって、
セメントの水和反応に起因した自己収縮によるひずみ量が大きくなるんですよ!

と、日本建築学会の本に書いてあります。

まあー、しかし、肌別れするかしないかは結果論。

「後々、肌別れが生じた場合は、手直ししてくれるんでしょうか?」
と、改めて見解書を求めます。


改めて送付されてきた見解書。

『アフターサービス業務基準表により、
 柱のコンクリート躯体の亀裂・破損については10年の保証となります。
 但し、構造耐力上影響のあるものに限ります。』

この但し書きの、
『構造耐力上影響のあるものに限ります。』
というのが曲者。
逆に言えば、
ほとんどの肌別れについては直さないと言っているようなもの。


内覧会以降、
こんなやり取りを、売主・施工会社vsご依頼者・私で行っていました。

そして、1か月半後の再内覧会。

「この逆梁の天端に濡れた跡のようなものがありますが・・・・」

「肌別れが発生していたので、エポキシ注入をした跡です。。。。」

内覧会以降、
設計事務所と施工会社で全所帯を検査したら、
相当な数の肌別れが発見されたそうです。

もっと、見栄え良く手直ししてください!


2009年03月17日

内覧会★同行日記 【段々マンションの断熱落とし穴】

【230時限目】                              author アーキスケット 出口

マンション内覧会のご依頼者から、
事前に送付いただいた資料を見ると、
間取り図のほか、立面図が添付されています。

このマンション、
1フロアー毎に1住戸分セットバックしている段々マンションです。
妻側にあるお部屋は全てルーフバルコニー付き。
しかし、今回のお部屋はそのお隣です。

間取り図を見ると、
外壁面に直行するコンクリート戸境い壁には、
全ての方角で断熱の折り返し表記がされています。
そして、住宅性能評価の断熱評価も等級3.

さて、マンション内覧会の検査で、
見た目には解らない壁の断熱折り返し部分を拳骨でコンコン。

すると、しっかりと断熱材が外壁から45cmの範囲で、
コンクリート壁に埋め込まれているのが解ります。

引き続き、戸境い壁の上にある梁も拳骨でコンコン。

アレッ???

確かに、
外壁から45cmの範囲には断熱材がコンクリート壁に埋め込まれているのが解るのですが、
しかし、このお部屋のお隣の上はルーフバルコニー。
ということは、この梁はルーフバルコニーを受けている梁であり、
全ての梁の範囲が外部に面するので、
外壁から45cmの範囲だけではなく、
全ての梁の範囲でヒートブリッジ(熱橋)になっているのです。

梁の全ての範囲で断熱材が埋め込まれていなくてはいけないんじゃないの?


で、内覧会検査終了後の確認・協議の場で、

「このマンションの断熱仕様はどうなっていますか?」

「外部に面するところは、全て45cmの範囲で断熱材の折り返しがしてあります!」
と、現場所長が説明してくれます。

段々マンションの立面図を見せながら、
「では、このお部屋の梁は、全て断熱在が埋め込まれていないとおかしいですよね!」

一瞬、顔が青ざめたように見えた現場所長、
慌ててお部屋を確認しに向かいます。

しばらくすると、あわてて戻って来て、
「どうやって、梁に断熱材が埋め込まれていないのが解ったんですか?」

「拳骨でコンコンと叩けば解りますよ!」

一瞬、謎が解けたような顔になった現場所長、
改めてお部屋を確認しに向かいます。

そして、しばらくした後、
「確かに、梁に断熱材が埋め込まれていませんでした。」

「段々マンションなので、こういったお部屋がたくさんありますが、
 他のお部屋は大丈夫なんでしょうか?」

「他の部屋は全てに断熱材が埋め込まれています!」
と、確認もせずに即答。
とりあえずは、信用するしかありません。。。

「このお部屋の断熱材の埋め込みについては手直ししてもらえるんでしょうか?」

「責任を持って手直しします!」

「リビング、キッチン、クローゼット、洋室と、
 天井も下地から壊さないと施工ができませんよね!」

「ハイ。。。」

「手直し方法としては、コンクリートを削り取るのも現実的ではないので、
 断熱ボードを現況の梁に貼りつけることになるのでしょうか?」

「申し訳ありませんが、その方法で手直しさせていただきます。」

「当初の予定より梁形が大きくなってしまうので、圧迫感が出るのが心配ですね。」

梁形が大きくなることについては、
マンション内覧会同行のご依頼者も了承し、この方法で手直しすることに。。。

引き渡しも間近なので、
施工会社の現場所長には、大変失礼かと思いましたが、
「スラブの断熱折り返しも必要ですのでよろしくお願いします。」
と、念を押しておきます。


後日、その確認会にも同行。

仕上がって見えなくなってしまう部分の確認のために、
お願いしておいた、手直し工事中の写真を見せてもらいます。

・リビングの天井を壊し、壁のクロスが剥がれ、断熱材が梁・スラブともに貼られています。

・キッチンのレンジフード周りも断熱材が貼られ、幕板も加工をし直しています。

・クローゼットの上の部分も間違いなく断熱在が貼られています。

・洋室もリビング同様に手直しがされています。

写真を見ると、
本当に大掛かりな手直し工事ということが見てとれます。

心配していた、梁形が大きくなることによる圧迫感もほとんど感じられません。
施工会社には、誠意をもって対応してもらえたと感じます。

でも、マンション内覧会のご依頼者は、
「本当に他のお部屋は大丈夫なのでしょうか?」
と、不信感が今でも残っているようです。

段々マンションでは、こんな断熱材施工範囲の落とし穴があるので、
ご注意を!!!

2009年03月14日

内覧会★同行日記 【理由なき訂正】

【229時限目】                              author アーキスケット 出口

マンション内覧会検査および協議終了後、
当初契約図からの訂正について
売主側から説明があります。

「管理用の扉を追加しました。」
「ここに扉があることが当然ですので改善になりますね!」

「階段の回る方向が反対向きとなります。」
「単純な図面記載ミスですね!」

こういった内容で、
・当初図面から改善するためのもの
・役所指導により訂正となるもの
・明らかな図面表記ミス
などといったものは理解できます。
しかし・・・・

引き続き、
「このロビーに自動販売機を設置しました。」

「念のためですが、その自動販売機の管理はどこが行うのですか?」
「当社関連会社の管理会社が行います。」

「自動販売機から得られる利益はどうなるのですか?」
「管理会社のものとなります。」

「えっ?マンション管理組合のものとならないのですか?」
「ハイ。。。。」

「人の土地・建物内で、無償で商売をするということですか?」
「・・・・・」

「マンション管理委規約や契約書に記載はされているのですか?」
「いえ、記載はされていません。」

ここで、急遽、後ろでこのやりとりを聞いていた上司と思しき人が、
「自動販売機の利益は、マンション管理組合のものとさせていただきます。」

引き続き、
「2箇所ある階段下の扉を中止しました。」

「扉を中止したら、その階段下の倉庫(?)には、どうやって入るのですか?」
「入ることはできません。デッドスペースとなります。」

「扉を中止した理由は何ですか?」
「・・・・・、私には解りませんので、設計者を呼びます。」

で、設計者が登場。

「理由は・・・・、このスペースがあると容積率がオーバーするからです。」

「確認申請時の図面では、この扉は無かったのですか?」
「確認申請時の図面からありました。」

「それでは、承認されているのですよね。」
「・・・・・」

「扉を中止にする必要が本当にあったんですか?」
「面積がオーバーしますので。。。。」

「では、設計者である”あなた”のミスなのですね!」
「・・・・・」

引き続き、
「この植栽を中止し、砂利敷きにしました。」

「植栽を中止した理由はなんでしょうか?」
「上部に庇があって日陰になり、植栽が枯れてしまうからです。」

「では、このエントランスの庇の下やバルコニーの下の植栽部分も
 植栽を中止する必要があるんじゃないですか?」
「・・・・・」

「日陰になるという理由で植栽を中止するというのでは、矛盾しますよね!」
「・・・・・」


マンションでは、
当初図面から変更・訂正がされる場合が多々あります。
そして、その理由が妥当なものであれば良いのですが、

理由なき訂正がされる場合があります。

そんな時、
売主のミス、設計者のミス、施工会社のミス
が、見え隠れしています。

2009年03月12日

内覧会★同行日記 【クローゼットの棚は何枚?】

【228時限目】                              author アーキスケット 出口

マンション内覧会で、
洋室にあるクローゼットの扉を開けます。

すると、予想に反し、
クローゼットの下部の棚板が取り付いていません。

上部棚板は有り、その下側にはハンガーパイプ。
そのハンガーパイプにロングコートを掛けても、
下部の棚板が取り付くスペースは十分にあります。

「このクローゼットには、下部の棚板は取り付かないのでしょうか?」
と、施工会社の立会者に尋ねると、

「現況が正しいです!」
と、即答。

パンフレットや間取り図には、
クローゼットの棚板の数までの詳細情報は記載されていることが少ないため、

「モデルルームのクローゼットも下部の棚板は取り付いていないのですね?」
と、尋ねます。

ここで、
「モデルルームはどうだったかしら・・・・あったような気もしますけれど・・・・」
と、マンション内覧会のご依頼者。

「モデルルームのお部屋はこのタイプと異なるので比較はできません。」
と、かたくなに言い訳(?)。

こうなると、何が正しいのか確認ができません。

「他のお部屋でもクローゼットに下部の棚板は取り付いていないのでしょうか?」

「ハイ。取り付いていません。」

他のお部屋に勝手に入るわけにもいかず、
とりあえずは、施工会社の立会者を信用します。。。。

で、お部屋の検査を終了し、
マンションロビー内覧会場で協議を終え、
ひととおりのマンション内覧会同行を終了。

そして、私は、
引き続き、マンションロビーに留まり、
次のご依頼者を待ちます。

実は、この一日で、
偶然、同じマンションの内覧会同行のご依頼が3件たて続けなのです。

そして、
お部屋に入り、洋室のクローゼットの棚板を確認すると、
2件目も、3件目も、
全てのお部屋のクローゼットに下部の棚板が取り付いているではありませんか!

念のため、デジタルカメラで、”パシャッ”

内覧会検査終了後の協議・確認の場で、
現場所長に、
「このマンションの洋室にあるクローゼット棚板の取り付け枚数の仕様は
どうなっていますか?」
と尋ねます。

「基本的には、棚板2枚(上・下)+ハンガーパイプ1段です。
 主寝室で、クローゼットが2つ並び(扉4枚)の箇所は、
 片方が、棚板2枚(上・下)+ハンガーパイプ1段。
 もう片方が、上部棚板1枚とハンガーパイプ2段です。」

と、明確な回答をしてくれます。

「実は、午前中に他のお部屋も見させていただいたんですが、
 クローゼットには、下部の棚板がありませんでした。
 立ち会った施工会社の人の説明では、それが正しいと言っていましたよ!」

「立ち会った者がすべてを把握しているとは限りませんので。。。。」

「把握していないのならば、『確認します。』と回答するべきじゃないですか?
 『現況が正しい。』と、その場しのぎの言い訳をすることが問題ですよ!」

「・・・・・」

「ちゃんと、伝達して対応してください!」

「ハイ、解りました。。。。」

で、早速、1件目のマンション内覧会同行のご依頼者に、
携帯電話でその旨を伝達します。


***後日、1件目の方からのメール***

お伺いしたいことがあります。
内覧会後、ご連絡いただいた洋室のクローゼットの棚板の件です。
あの後、確認の電話を入れたのですが、
折り返し回答を頂いたところ、
やはり棚板は1枚の仕様とのことでした。
これはしょうがないですかね?

***返信メール***

現場所長の説明した仕様どおりになっている、
他の2件のお部屋のすべての洋室のクローゼット棚板の写真を
添付ファイルで送付します。

2009年03月09日

内覧会★同行日記 【販売代理人は敵?味方?】

【227時限目】                              author アーキスケット 出口

最近、完成済みマンションの内覧会同行のご依頼が増えています。
この1週間でも4件。
不動産不況による値下げラッシュで、
割安感が出ているのかもしれません。

で、完成済みマンションの販売事務所に行くと、
どこの販売代理人も、
お決まり文句の一言。

「現状有姿での引き渡しです!」

でも、この”現状有姿の引き渡し”という意味は、
一体どんなものなのでしょうか?


完成済みマンションの内覧会検査を終え、指摘事項の説明です。

「トランクルームの壁の薄塗りモルタルが剥がれていますね。」
「経年劣化によるものですので現状有姿での引き渡しです。」
「竣工1年でモルタルが剥がれるのは、経年劣化ではなく施工不良ですよ!」

「このガラス、火花による焼けが無数(百個以上)にありますね。」
「キズ・汚れは現状有姿での引き渡しです。」
「こんなのは、明らかに施工時のものですよ!」


ここで、指摘の内容にたまりかねた販売代理人、

「現状有姿での引き渡しなので、
 サッシの作動確認や設備の運転確認といったものだけにしてください。」

「通常のお部屋の使用(ここはモデルルームとして使用)での、
 ある程度のキズ・汚れといったものは理解もできますが、
 明らかに、施工による不具合は手直しされるべきではないでしょうか!」

「しかし・・・・」

「販売代理人は、施工会社の味方なんですか?
 本来、マンション購入者の味方であるべきではないんでしょうか!」

「・・・・・」
と、どうも納得いかない様子。

「明らかに施工のミスによる内容のものは、
施工会社も誠意をもって手直ししてくれるはずですよ!」


ということで、引き続き指摘事項の説明を再開。

「このアルミサッシ枠のビスが抜けていますよ。」
「・・・・・」

「バルコニーの排水溝のモルタル補修部がウレタン防水されていませんね。」
「・・・・・」

「縦樋支持金物周りのタイルが割れてしまっていますね。
 しかも、ワッシャーを外してあるので手直し途中だったみたいですね。」
「・・・・・」

「縦樋が外壁塗装材でベタッと汚れていますね。」
「・・・・・」

「バルコニーのアルミ手摺の下桟が大きく凹んだうえに曲がっていますね。」
「・・・・・」

「このクロゼットのボックスの補修跡が悪いですね。
 しかも、社内自主検査の印であるテープも残っていますよ!」
「・・・・・」

「押入れのフスマ下枠が大きく割れてしまっていますね。」
「・・・・・」

「洗面室の壁タイルが割れてしまっていますね。」
「・・・・・」

「玄関ドア枠の塗装で、ツヤ有りとツヤ無しが混在していますね。
 これは明らかに補修時の塗装材料の間違いですよ!」
「・・・・・」

その他、出るは出るは、45項目。
中には、経年によるクロスジョイントの隙間などの指摘もありますが・・・・・
この販売代理人も驚いたのではないでしょうか?


そもそも、
こんな内容の指摘が山ほど出るなんて、
施工会社の自主検査、デベロッパーの売主検査が
まともに行われていないとしか言いようがありません!

販売代理人の責任ではないのです。

それでも、”現状有姿での引き渡し”と言うのでしょうか?

是非、マンション購入者の味方になって、
施工会社との交渉をしてほしいものです。

それにしても、
あのお部屋がモデルルームだったということは・・・・・


2009年03月04日

内覧会★同行日記 【ヘアーワックス】

【226時限目】                              author アーキスケット 出口

マンション内覧会検査が終了し、
私の指摘事項をひとつひとつ説明していきます。

「このリビングの床のフローリングに大きなキズがありますね。。。」

「わっ、本当ですね。。。で、フローリングは貼り替えてもらえるんでしょうか?」
と、ご依頼者は施工会社の立会者に尋ねます。

「この程度のキズだと、補修して手直します。」

そうなんです。。。
ある程度のキズであれば、フローリングを貼り替えるということではなく、
樹脂を溶かし、そのキズに埋め込み、
平滑に削り取った後に、
お絵描きでもするように筆で色を付けていきます。
そして最後にワックス仕上げ。

「へえー、そうなんですか?」
と、少しだけ不満顔。

「手直しも職人の上手・下手があるので、
 再内覧会では、その出来栄えをしっかりチェックしてください!」
とアドバイス。

で、引き続き指摘事項を説明していきます。

「この洋室のフローリングにもキズがありますね。。。」

「本当ですね。。。
 何でこんな大きなキズを私達は気がつかなかったんでしょう。。。
 フローリングのキズを見つけるコツなんかがあるんでしょうか???」

「太陽光や照明を反射する角度でフローリングに顔を近づけて見ると解り易いですよ!」
と、コツを教えます。

「本当ですね。こうやって見ると解り易い!」
と、マンション内覧会ご依頼者の奥さんは速実行!

すると、
「キャッアアアーーー
 こんなところに髪の毛が埋まっていますよ。。。気持ち悪うーーい。。。」

「こんなものは、すぐ取れますので大丈夫ですよ!」
と、施工会社立会者の何気ない一言。

「”こんなもの”??? じゃなくて、
 誰の髪の毛かもわからないし、気持ち悪いじゃないですか!」

「・・・・・申し訳ありません。失言でした。。。」

で、他にもフローリングワックスに髪の毛が埋まっていないかを
全てのお部屋で確認開始。

「ここにもあるうーーー。」

「こっちもあるうーーー。」

もう、顔がフローリングにひっつきそうな勢いでチェックしていきます。

酷いところでは、同じ場所に5本の髪の毛がトグロを巻いています。
そして、そして、合計12本の髪の毛がフローリングワックスに埋まっているのを発見。

「こんなに髪の毛が埋まっているなんて信じられない!
 ワックスをかける前に掃除はしないんですか!」

「ワックスかけの前には清掃をしています。
 ワックス屋の髪の毛が落ちたんでしょうね。。。
 きっと、そのワックス屋の頭は禿げちゃっているかもしれませんね!」

雰囲気をわきまえないこの冗談に、
マンション内覧会ご依頼者の奥さんは、
冷たい視線を浴びせながら、

「ヘアーワックスなんて許しませんから!!!」
と、やり返します。

この奥さんも、ユーモアのセンスがあるのかも・・・・


2009年03月01日

内覧会★同行日記 【ご依頼者はお偉さん】

【225時限目】                              author アーキスケット 出口

今回のマンション内覧会は、
『大手デベロッパーの、大手ゼネコンによる、裕福層の為のマンション』

だからと言って、安心とは限らない。。。

人気エリアにあるマンション最寄駅でご依頼者と待ち合わせ。

すると、「出口さんですか?」と、名刺を差し出しながら挨拶されます。

その名刺を見ると、
誰もが知っている大手企業の重役です。

体格は良く、顔の血色も良く、着ているものも良い。
一見して、”お偉さん”といった風貌です。

マンションに到着し、
売主の内覧会担当者に、いきなり、
「どこか、部屋を取ってくれないか!」

「ハッ???・・・・ハ・・ハイかしこまりました。」

で、案内されたお部屋で内覧会検査について事前打ち合わせ。

その後、お部屋の前で待ち構えていたゼネコン担当者に、
やはり、名刺を渡して挨拶をします。

ゼネコン担当者は、
「申し訳ありません。。。名刺を持っておりません。」

「名刺も持っていないのか!
 ところで、お宅の会社の役員〇〇さんと付き合いがあるが、
 知っているかね!」

「・・・・・ い・・いえ。。。」

「君は役員の名前も知らないのかね!」

大手企業の下っ端の多くは、
『社長の名前は知っていても、役員の名前までは知らない。』というのが現実。

さて、内覧会検査スタート。
すると、
『大手デベロッパーの、大手ゼネコンによる、裕福層の為のマンション』
にしては出来が悪い。

「このガラス、火花焼けしていますよ!」と指摘。
「ハイ、ガラスの取り替え!」と相槌。
「取り替えます。。。」

「このサッシ、ビスが抜けていますよ!」と指摘。
「ハイ、ビスを入れること!」と相槌。
「ビスを入れます。。。」

「吊戸棚は擦りキズだらけですよ!」と指摘。
「ハイ、扉の取り替え!」と相槌。
「取り替えます。。。」

「トイレの蓋も擦りキズだらけですよ!」と指摘
「ハイ、蓋の取り替え!」と相槌。
「取り替えます。。。」

外壁タイルの欠け、アルミサッシのキズ、フローリングのワックスムラ、
巾木の割れ、長尺端部シールの不良・・・・
といった程度の指摘は数知れず。

でも、でも、微々たる指摘事項には動じる様子はありません。

しかし、
「この壁の倒れは許容値をオーバーしていますよ!」
「こんなこともあるのかね!」と困惑顔。
「手直しします。。。」

「ここにあるはずのピクチャーレールが取り付いていませんよ!」
「そんなこともあるのかね!」と呆れ顔。
「取り付けます。。。」

「共用EVホールの壁クロス、全面クロスが浮いていますよ!」
「施工会社としてマンション全体を確認すべきだ!」と怒り顔。

さすがに不安になったのか、
再内覧会同行をお願いされます。


後日の再内覧会。

売主、施工会社の工事関係、営業関係など立会い者が総勢7名。
まるで、大名行列のような再内覧会です。

きっと、ご依頼者とゼネコンのお偉さん同士で、
内覧会検査報告の情報交換があったのかもしれません。。。。

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