【231時限目】 内覧会同行 アーキスケット 出口
ここは、超高層マンションのバルコニー。
PC(コンクリートの工場製品)の梁や柱やスラブが
ふんだんに使用されています。
そのPC梁は、センタージョイント方式。
梁の中央部分で鉄筋をつなぎ、
その部分だけが現場でコンクリートが打設されます。
「逆梁外側タイル部分では、PCジョイント部分にジョイント目地がありますが、
逆梁天端とバルコニー側の吹き付け塗装部分には
ジョイント目地を設けなかったのですね?」
と、施工会社の立会者に確認します。
「見栄えを優先し、ジョイント目地を設けませんでした。」
確かに、この部分に目地を設けると
『いかにも、この位置でPCをジョイントしているぞ!』
という感じで見栄えとしては良くありません。
ただし、2年後、5年後、10年後・・・・はどうなるのでしょうか。。。。
「この部分は、PCと現場打ちコンクリートの打ち継ぎ部分であり、
後々、肌別れする可能性もありますよね!」
「そういった仕様で売主や設計事務所が決めています。」
「それでは、肌別れについての見解書を後日いただけますか?」
「解りました!」
後日、送付されてきた見解書
『構造部材を重くしないため為、
シーリングをするのに必要なフカシ(構造体の断面欠損を無くす)は
行っていません。
また、打ち継ぎ部は高強度コンクリートを使用しているので、
収縮も少なく肌別れはないと考えている。』
へえーーー。。。。
コンクリートのフカシをしていないんだあー。。。。
フカシをしていないんだったら、断面欠損になるため目地棒は入れられないよなあー。。。。
でも、それって、構造計算のことしか考えていないよなあー。。。。
しかし、マンションに要求されるものは、構造計算だけではありません。
肌別れするのを防ぐ、あるいは、
肌別れしても、雨水の浸入を防ぐといったことも重要なんじゃないの!
そういえば見解書では、
『高強度コンクリートを使用しているから肌別れはしない。』
と書いてあるんだった!
でも・・・・・本当に・・・・・
高強度コンクリートって収縮が少ないの???
逆でしょっ、逆!
高強度コンクリートって、
セメントの水和反応に起因した自己収縮によるひずみ量が大きくなるんですよ!
と、日本建築学会の本に書いてあります。
まあー、しかし、肌別れするかしないかは結果論。
「後々、肌別れが生じた場合は、手直ししてくれるんでしょうか?」
と、改めて見解書を求めます。
改めて送付されてきた見解書。
『アフターサービス業務基準表により、
柱のコンクリート躯体の亀裂・破損については10年の保証となります。
但し、構造耐力上影響のあるものに限ります。』
この但し書きの、
『構造耐力上影響のあるものに限ります。』
というのが曲者。
逆に言えば、
ほとんどの肌別れについては直さないと言っているようなもの。
内覧会以降、
こんなやり取りを、売主・施工会社vsご依頼者・私で行っていました。
そして、1か月半後の再内覧会。
「この逆梁の天端に濡れた跡のようなものがありますが・・・・」
「肌別れが発生していたので、エポキシ注入をした跡です。。。。」
内覧会以降、
設計事務所と施工会社で全所帯を検査したら、
相当な数の肌別れが発見されたそうです。
もっと、見栄え良く手直ししてください!