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2009年04月 アーカイブ

2009年04月24日

内覧会★同行日記 【手直しも結果が全て!】

【237時限目】                              author アーキスケット 出口

ここは、東京都心の一等地。
超高級マンションの購入者からのご依頼です。
でも今回は、内覧会ではなく、
引き渡し後の検査です。

「地下にあるトランクルームでカビが発生しているんです。
 一度、施工会社に手直ししてもらったんですが、
 ただ、ペンキを塗り直しただけなんです。
 その後もカビが発生し、もう施工会社を信用できません。
 一度、現地の検査をしてもらえないでしょうか。。。」

ということで、超高級マンションに向かいます。

道路から半地下にあるエントランスロビーに降りる階段で、
踏面のタイル目地から何やら水が浸み出しています。

エントランスロビーで待ち合わせしていたご依頼者に、
「階段で漏水していますね。。。」
とお話すると、

「ハイ、みっともないですよね。。。
 ここは、共用部分ですので、マンション管理組合から申し入れします。」

ついでということで、地下駐車場に案内されると、
そこには、高級車がズラリ。

「この床の塗装は手直ししてもらったばかりなんですが・・・・」

高級車から視線を床に落とすと、
手直しされてピカピカの塗装が、あちらこちらに水膨れ。
指でその膨らみを押すと、
水が、”ピュッ”と飛び出します。

「床表面を十分に乾燥させないで手直しした結果、同じ現象が出たんでしょうね。。。」

「ここも、共用部分ですので、改めてマンション管理組合から申し入れします。」

続いて、廊下を通り目的のトランクルームへ!

廊下を進んでいると、ご依頼者が、
「この廊下も湿気で”ムウッー”としていてカビ臭いんです。」

「本当にそうですね。」

そして、6畳ほどあるトランクルームに入ると
廊下以上に、”ムウッー”としています。
そして、あちらこちらの壁にカビが・・・・

施工会社の調査報告書では、

原因の推定
・据え置きの除湿器が適正に機能していなかった。

 そもそも、引き渡し前から、
 家電量販店で販売されている除湿器が置いてあること自体が???

・二重壁上部が開放状態にあり、この部分から湿気が浸入した。

 天井裏から二重壁内を覗くと漏水は見られません。
 排水溝も乾いています。
 
対策工事
・二重壁上部の開放部分を塞ぐ。

 本当に、こんな対策でカビは抑えられるのだろうか???
 トランクルームに限らず、地下部分の換気が不十分なんじゃないの?

今後の維持管理
・十分な居室環境が確保された空間ではないため、
 貴重品を収納することはお勧めしません。

 貴重品って何?
 カビが付いてよい品なんか無いと思いますよ!


今回の問題は、施工会社も想定外だったと思います。
換気計画や法的基準はクリアーしていたとしても、
マンション購入者にとっては、
結果が全て!

何度も何度も、同じ過ちを繰り返していては、
名だたる施工会社の信用失墜に繋がりますよ!


 

2009年04月19日

内覧会★同行日記 【検査目標は指摘100項目だ!】

【236時限目】                              author アーキスケット 出口

今回のマンション内覧会は、
モデルルームとして使用されていたお部屋です。

不動産不況のこのご時世、
こういった売れ残りマンションの内覧会検査のご依頼が増えています。

事前の打ち合わせで、

「売主から現状渡しと聞いていますが、指摘はできないのでしょうか?」

「マンション購入契約のこれまでの経緯もあるかと思いますが、
 明らかに、施工中の不具合は指摘として挙げられると思っています。」

「キズや汚れといったものは、判断が難しいですね!」

「とりあえずは、ご自身で気になるところは指摘を挙げ、
 後で売主と協議されれば良いと思います!」

さて、マンションに到着すると、
マンション販売代理店の担当者がお出迎え。

「いらっしゃいませ。お待ちしておりました!」

続いて、
施工会社の担当者2名が待機しており、

「本日、私達が内覧会検査立会いをさせていただきます!」

完成後6か月が経っているのですが、
わざわざ、この日のために来てくれたとのことです。

ここまでは良かった・・・・・

ご依頼者と施工会社担当者2名で内覧会検査を進め、
私は、別行動で内覧会検査を進めます。

クロスやフローリングは思いのほか綺麗なのですが、
やはり、施工ミスや経年劣化と思われる指摘事項は色々と出てきます。

 ・テラスの排水溝のウレタン防水がかなりの範囲で浮きが生じている。

 ・テラスの擁壁(半地下による土留め)に、大きな白華が生じている。

 ・誘発目地の入れ忘れにより、コンクリート手摺にクラックが生じている。

 ・アルミサッシの開閉時に大きな異音が生じる。

 ・ペアガラスにキズがある。

 ・トイレの便器が、かなり使用されていたようで汚れやキズがある。

そんな指摘事項を当社内覧会シートに記載しながら検査を進めていると、

ドタ、ドタ、ドタと足音が近づいてきて、
「出口さーん!出口さーん!」
と、顔に怒りを表しながらご依頼者がやって来ます。

「この施工会社の立会者、指摘を挙げてもウンザリ顔で、やる気が無いんです!
 一泊して検査してでも、目標は指摘100項目だ!
 いくらでも支払いますから、出口さんも付き合ってください!」

施工会社の担当者はというと、もうオドオドしてご依頼者の後を追って来ます。

よほど、施工会社立会者の対応が悪かったのかな?

「指摘が挙がったものは、とりあえず内覧会シートに記載してください。
 協議が必要なものは、こちらで売主と協議しますから。。。」

と、施工会社立会い者に耳打ちします。

「解りました。。。」

そして、内覧会検査を再開。

ご依頼者も、だんだん冷静さを取り戻ししたものの、
指摘事項はあっと言う間に100項目を超えていきます。

ちなみに、私の指摘および確認事項は25項目。

内覧会検査終了後に、
「今回、指摘させていただいた項目で直せないものはありますか?」
と、施工会社の担当者に尋ねます。

「全て手直しします。。。」

検査時間は約3時間。
もちろん、一泊二日にはなりませんでした。


  


2009年04月14日

内覧会★同行日記 【偽装された?防火区画写真】

【235時限目】                              author アーキスケット 出口

超高層マンションの構造体は、
柱、梁、床はコンクリート造が一般的。
しかも、そのほとんどがプレキャストで工場製品です。

バルコニーや廊下側の壁はというと、
そのほとんどがALCや耐火遮音間仕切りボードが一般的。
構造体工事の完了後、後付け工法で施工です。

理由は簡単。
工期を早くするためと、建物の重さを軽くするためです。

しかし、厄介ごとが・・・・

後付けするということは、どうしても隙間が生じてしまいます。
そして、防火区画といった理由から、
その隙間を有効に塞ぐことが法律上、義務付けられています。

さて、超高層マンションの内覧会。
内廊下にあるメーターボックスの扉を開け、
その防火区画処理がちゃんとされているか確認です。

この超高層マンション内廊下の壁はALC。
そして、隙間を埋め易いように、
コンクリート構造体と敢えて2cm程度の隙間を設け、
ロックウールという綿みたいなもので隙間を埋める設計になっています。

しかし、このお部屋のメーターボックス内を覗くと、
上部の床コンクリートと壁ALCの隙間に、
ロックウールが顔を出していません。
非常に狭く、しかも配管が多いため覗きこむことが困難なのですが、
点検鏡や懐中電灯を駆使しても、
やっぱり確認することができません。

他のお部屋のメーターボックス内ではどうなっているかと、
向こう三軒両隣を確認すると、
一目瞭然!
ロックウールが綺麗に顔を出しています。

それではと、
ユニットバスの天井点検口から覗きこみ、
もしかして、廊下の照明の光がもれていないかと確認してみますが、
残念!
ユニットバス回りの壁に遮られ確認できません。

そこで、施工会社の立会い者に、
「このメーターボックス内のALC上部の隙間にロックウールが見えません。
 防火区画は大丈夫でしょうか?」

「確かにロックウールが見えませんね。
 でも、消防中間検査を受けていますから大丈夫です!」

「消防中間検査だって見落としはありますよ!」

「そんなことはありません!」

「向こう三軒両隣では、ロックウールを確認できますよ!」

「本当ですね。。。」

「ALCの奥のほうにロックウールが入っているのかもしれませんが、
 所定の厚さの確保だって必要です!
 改めて確認しておいてください。」


そして、後日、
マンション内覧会のご依頼者より写真添付の転送メールが届きます。

『内覧会でご指摘のありましたメーターボックス内の防火区画につきまして、
 当社(施工会社)で確認いたしました。
 写真にあるように、
 間違いなくロックウールを詰め込まれ、防火区画がされておりました。』

で、その添付写真を見ると、
一目瞭然!
ロックウールが綺麗に顔を出しているのが解ります。

そして、私が撮影しておいた写真と見比べると、
明らかに異なった写真。

もしかして、偽装写真?

いやいや、ロックウールを詰め直して写真を撮ったのでしょう。。。。

2009年04月09日

内覧会★同行日記 【内覧レディーのイラダチ】

【234時限目】                              author アーキスケット 出口

”マンション内覧会のご案内”

1.マンションロビーの内覧会場で受付
2.変更・訂正事項のご説明
3.お部屋内、住設機器(インターホン等)のご説明
4.お部屋の内覧
5.手直しについての確認
6.共用部分のご説明
7.カーテン採寸など

こんな流れが一般的です。

さて、マンション内覧会。
開始時間は、午後2時ジャスト。
受付を済ませ、
内覧会場で、他のマンション購入者と合同で変更・訂正の説明があるとのことで、
テーブルに着席。

すると、担当の内覧レディーが、
「カーテンの採寸業者は何時にくるんですか?」

「4時30分から5時の間に来るようにしています!」

「えっ!そんなに遅いんですか?」

「内覧会の検査が終了してからと思いまして。。。」

「検査時間はそんなにかからないでしょう!!!」

「はあー???」

「今から、カーテン業者に電話して、もっと早く来るように話してください!」

私も、”4時30分から5時の間”というのは、
遅すぎではないと思いましたが、
内覧レディーの迫力に思わず傍観してしまいます。

マンション内覧会同行のご依頼者が、
カーテン業者に電話をすると、

「あっ、そうですか。」
と電話に出たカーテン業者が担当者に連絡を取るとのことで一旦電話を切ります。

ここで、
合同の変更・訂正の説明開始と思いきや、

トルルルル・・・・トルルルル
と、携帯の呼び出し音。

で、
「カーテンの採寸時間の変更をお願いしたいんですが・・・」

「でも、売主側がそう言っていますし・・・」

「ご都合はあるかと思いますが、何とかお願いします・・・」

このやり取り時間が思いのほか長く(?)、5分程度。

この間、内覧レディーを見ると、
両腕をテーブルの上に挙げ、
両手の人差し指を、
トントントントン・・・・トントントントン・・・・

表情はあからさまに、
待っているんだから、早くしてよーーー!!!

そして、たまりかねて、
「再内覧会もあるんですから、その日に変更してもらえば良いんじゃないですか!」

さすがに相手の都合もあるので、
出来るだけ早く来るということで決着した模様。

で、ようやく30分遅れで、
変更・訂正の合同説明会開始!

開始時間が遅れた原因をつくったのが自分であるとも気にせずに、
他のマンション購入者の冷たい視線もどこへやら。

内覧レディーは、説明者の話に合わせ資料をめくっていきます。

そして、ようやくお部屋のチェック。

出来栄えは非常に良く、
指摘事項も少なかったので、検査所要時間は約1時間30分。
そして、その後の協議等で30分。

で、なんだかんだで、
カーテン業者とのご対面が5時近く。

きっと、このカーテン業者は、
いらだちながら待っていたのに間違いありません。


2009年04月05日

内覧会★同行日記 【壁の穴・穴・穴・穴】

【233時限目】                              author アーキスケット

マンション内覧会検査もいよいよ終盤。
最後のお部屋の洋室に入ります。

バルコニー側のコンクリート壁には穴が開けられ、
このお部屋の為の換気口とクーラースリーブが取り付けられています。

続いて、
パイプシャフトの壁にある点検口を開けると、
お隣の洋室の為のクーラー実装配管がされ、
やはり、コンクリート壁には穴が開けられクーラースリーブが取り付けられています。
ここまでは、ごくごく普通。

しかし、
このパイプシャフト内のコンクリート壁に、
10cm程度の円形で、補修用スプレーで吹き付けられたウレタン跡があります。

『一体、何の理由でウレタン補修がされたんだろう?』
と、そのウレタン補修跡に針金を刺してみます。

すると、その針金が10cm程度の深さで入り込みます。
どうやら、クーラースリーブの位置を間違え、
コンクリート壁に穴をあけてしまったんだなあーと解ります。

本来、間違えたコンクリート壁の穴は、
モルタルで完全に塞ぎ、
その後からウレタン吹付けをするべきなのです。

しかし、
穴が開いたまま外壁にウレタンを吹き付けをしてしまい、
その後に間違いに気が付き、
わずかなモルタル埋めでウレタン補修を行っているのです。


引き続き、洋室の検査を進めます。
同じ洋室の壁を、懐中電灯で横から照らしてみると、
今度は、クロスに10cm程度の円形の跡がくっきりと浮かび上がります。

『なんじゃーこりゃ?』

施工会社の立会者を呼び、
先ずは、先ほどのパイプシャフト内のウレタン補修跡を見てもらいながら、

「この跡は、クーラースリーブの位置間違いでもしたんでしょうか?」
と尋ねます。

「うーん・・・・、予備スリーブだと思います。」

次に、懐中電灯を照らし、
壁に浮かび上がった円形の跡を見せると、
施工会社立会者も、マンション内覧会同行のご依頼者も、

『なんじゃーこりゃ?』

という顔をしながら唖然としています。

「ここのクロスを破って良いですか?」

「どうぞ。。。」

ということで、このクロスを破ってみると、
壁のプラスターボードは円形に穴が開いており、
外壁には、10cm程度のウレタン吹き付けのスプレー補修跡が見えます。

「これも、予備スリーブですか?」

「だと、思います。。。」

「そもそも、クーラースリーブの予備スリーブなんか聞いたこともありませんよ!」

必要なクーラースリーブの穴は、
このお部屋とお隣のお部屋の分で2箇所のはずです。
それが、
合計4か所の穴・穴・穴・穴

それを、予備スリーブと答えるなんて非常識。

間違いは間違いで仕方がありません。

しかし、
その間違った穴の処理として、
・確実なモルタル埋め
・外壁側の防水処理
・所定の厚さのウレタン吹付け
・穴の無いプラスターボード貼り
を、ちゃんと行ってもらいたいものです。


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