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2009年08月 アーカイブ

2009年08月30日

内覧会★同行日記 【床下は切断クズがプーカプカ】

【269時限目】                              author アーキスケット 出口

建売住宅の内覧会検査です。

土台の防蟻処理、断熱材の敷き込み状況、設備配管の接続状況などを検査しようと、
キッチンにある床下点検口を開けてみます。

すると、
断熱材のウレタンフォームを切断したクズが、
水溜まりの上に、プーカプカと浮いているのです。

まるで、沼に浮かんで漂う水草の様です。

汚い! もうちょっと丁寧に掃除してほしいよな!

改めて、頭を床下に突っ込み、懐中電灯を照らして確認。

すると、見渡せる限りの床一面、
ウレタンフォームの切断クズがプーカプカ浮いているのです。

んっ、待てよ!何で水溜まりが???

深さ、5mmから1cm程度はありそうです。

もしかして、給水管や配水管からの漏水?
で、
キッチンの水道を全開。

しばらく、頭を床下に突っ込みながら状況を確認します。
だんだん頭に血が上り、もう限界。
でも、設備配管からの漏水は確認できません。

そうなると、
床下に水が溜まっている原因として考えられるのは、
雨によるものか?地下水によるものか?


建売住宅メーカー立会い者にこのことを告げると、

「もしかしたら、床下を水洗いしたのかもしれませんね!」

「この段階で床下を水洗いなんかしませんよ!」

ここで建売住宅内覧会同行のご依頼者。
「私たちも水が溜まっているのを見ましたが、
 ”乾けば良いのかな?”と簡単に考えていました。」

「床下で水が溜まっている状態ですと、
 結露によるカビの発生、水が腐っての臭気、虫が湧くといった可能性が高くなります。」

「実際にはそんなことが起きるとは思えませんが・・・・」
と、建売住宅メーカー立会い者の無責任な発言。

「トラブル事例を見たことが無ければそう思うかもしれませんが、
 実際に見てみると、ヒドイものですよ!」

「・・・・・・」

「先ずは、漏水の原因と場所の特定が重要ですね。
 その上で対策を立て、水溜まりができないようにしてください。
 もちろん、ウレタンフォーム切断クズの清掃もお忘れなく!」

「ハイ。。。。」


後日、建売住宅内覧会同行ご依頼者からのメール。

『建売住宅メーカー立会い者が別な棟を検査したところ、
 やはり、床下は同じ状況だったそうで、
 先日のゲリラ豪雨のせいということです。
 ネットで調べてみると、
 床下に水漏れがあると、カビが発生する等の重大な問題であることを認識しました。
 建売住宅メーカーの手直しも、
 ただ水を拭き取り乾燥させて完了となるような気がして心配です。』

建売住宅メーカーの立会い者は、
”ゲリラ豪雨だから仕方がない。”
ということを言いたいのだろうか?

でも、内覧会の前日は普通の雨だったよなあー。。。

いずれにせよ、
雨による漏水ということを認めているということであり、
漏水しないよう手直しがされなくてはなりません。

でも、
床下に溜まった水を乾かし、
雨が降りだしたジャストタイミングで床下を検査し、
そして漏水箇所を特定し、
防水手直しを行うのは大変だろうなあー。。。。


以下余談。

今回の原因は、
基礎耐圧盤(床)と基礎立上り壁のコンクリート打ち継ぎ部分からの
漏水ではないかと考えられます。
(もしかしたら、仮設の水抜き穴からの逆流による漏水?)

コンクリート工事というのは、
1回で全てのコンクリートを造るということができず、
数回に分けて行われます。(今回は、基礎耐圧盤と基礎立上り)

その時、
固まったコンクリートの上に新しいコンクリートを流し込むため
肌別れしている箇所(隙間)がある可能性が大きく、
外部に面するところでは
漏水する可能性のある危険個所となります。

マンションなんかでは、
地中内では止水板、地上ではシーリングなどといった
防水処置を行うのが当り前なのですが、
一戸建て住宅の基礎コンクリート打ち継ぎ部分では、
防水処置をすることがほとんど見受けられません。

過去において漏水事故が少ないということかもしれませんが、
やはり、
外部に面するコンクリート打ち継ぎ部分には防水処置が望まれます。


2009年08月26日

内覧会★同行日記 【内覧業者の評判】

【268時限目】                              author アーキスケット 出口

大手デベロッパーが売主のマンション内覧会です。

お部屋の検査の立会いは、
施工会社に任せっきりということも多いのですが、
このデベロッパーのマンション内覧会では、
必ず売主として検査立会いが行われます。

お部屋の検査も進み、
途中、内覧会同行のご依頼者がトイレ休憩に入ったのを機に、
売主担当者が声を掛けてきます。

「この数年、内覧業者さんが増えましたねえー。
 そのお陰で、お部屋の出来栄えも以前と比べると本当に良くなりました!
 我々の方も、売主検査を厳しく行うようにもなりましたし。。。」

「内覧業者も、少しはマンションの品質向上に貢献しているということでしょうね。」

「我々の中で内覧業者の情報を交換していますが、
 評判の良いところ、評判の悪いところ、いろいろありますね。」

「そうなんですかあー。。。」

「内覧業者Aなんかは評判が悪く、
 自分が偉いと思っているのか、わずかなことでも怒鳴りながら指摘するんですよ。」

「へえー。。。怒鳴ることはないですよね。」

「内覧業者Bはとにかく検査時間が長い。私なんか9時間付き合わされましたよ!」

「へえー。。。そんな長い時間検査をするんですか。」

「内覧業者Cは、ありゃー知識がない!キズ・汚れしか指摘できない。」

「へえー。。。内覧業者といっても実力は様々でしょうね。」

悪い評判ばかりが出てきます。

ドキドキ、ドキドキ・・・・
目の前にいるのは内覧業者ですよ!!!

でも、話が続きます。

「我々の中で評判が良いのは、内覧業者D、内覧業者E、内覧業者Fですね。」

あー良かった!

「内覧業者Dは、人によって実力は様々みたいですが、
 業界大手らしく話し方など対応は良いですね。」

「へえー。。。社員教育がしっかりしているんでしょうね。」

「内覧業者Eは、年配者が多く、大きな指摘がないので対応が楽です。」

「へえー。。。でも、それってマンション購入者にとっては問題ですよね。」

次は・・・・・
ドキドキ、ドキドキ・・・・・
一体どんな評判になっているんだろう・・・・・

「内覧業者Fは、・・・・・・・・・・・・・・・」

と、・・・・・・・・・・な評判にホッとします。

「その内覧業者Fというのは、私なんですが。。。。」

「へえー。。。そうだったんですか!!!
 でも、検査姿や話のやり取りを聞いていて納得しますよ!!!」


でも、もし私が内覧業者AかBかCだったとしたら・・・・・
噂話は身内内だけで行った方が良いですよ!


検査終了後、
このデベロッパーのマンションとしては重たい指摘事項がいくつか挙がります。

この売主担当者は、
ひとつひとつの指摘事項に頷き、
「我々としても納得する指摘ばかりですね!勉強になります!」

でも浮かれている場合ではなく、
「手直しはしてくれますよね!」と厳しい念押し。

「ハッ、ハイ。。。」


2009年08月23日

内覧会★同行日記 【露見したビスピッチ】

【267時限目】                              author アーキスケット 出口

ツーバイフォーの一戸建て住宅の内覧会検査です。

いつものように2階から内覧会検査スタートです。

主寝室に付随したウォークインクローゼットの扉を開けると、
枕棚の下の壁ボードが目に飛び込んできます。

枕棚の下はクロスを貼らないのだろうか?
いやいや、
このボードはしっかりとパテ下地処理がされているので
クロス貼りは間違いない!
何か問題でもあったのだろうか???

後で確認することとし、再び内覧会検査を進めます。

2階の各洋室 → 1階リビング・キッチン → 洗面室 → ユニットバスの天井裏・・・・

ん?、ん?、ん?、この一戸建て住宅の耐力壁、大丈夫だろうか?


一通りの内覧会検査を終了し、
ご依頼者と施工担当者へ指摘事項の説明です。

先ず、主寝室ヨコのウォークインクローゼット。

「この壁のクロスが貼られてませんが何かあったんでしょうか?」

ご依頼者
「私たちも気付きましたが、当り前すぎて指摘すらしませんでした。。。」

施工担当者
「???、クロスが貼られていないことすら知りませんでした。。。」

と、予期せぬ回答。

真下のフローリングのキズには施工会社の自主検査の付箋が貼られているのに。。。
壁クロスが貼られていないことを気付かないとは。。。

木を見て森を見ず。

「ところで、クロスが貼られていないのでビスが見えていますが、
 ボードビスピッチが150mm程度で良いのでしょうか?
 貴社の耐力壁のビスピッチの基準は何でしょうか?」

「耐力壁のボードビスピッチは75mmピッチです。
 しかし、ここは耐力壁ではありません。」

特記仕様でビスピッチを確認し、図面で耐力壁の位置を確認し、
「そうみたいですね。」

ここで、ツーバイフォーのボードビス留めピッチのお勉強。

一般的に木造住宅で採用されている仕様書『住宅金融公庫基準』では、
耐力壁の1枚貼りボードは外周部100mm、中間部200mmとなっています。

売主仕様の耐力壁ボードのビスピッチ75mmは、
施工誤差等を考慮した仕様なのでしょう。。。

では、
「次はユニットバスの天井点検口から見えるボードを見てください。
 片面の壁ボードのビスピッチは150mm程度。
 もう一方の壁ボードのビスピッチは200mm程度。
 ここは、図面を確認すると耐力壁となっていますが。。。」

「・・・・・・、確かにビスが不足していますね。。。」

「この壁ボードのビス増し打ちをするとなると、
 ユニットバスのパネルを解体しないとできませんね。」

「パネルを解体してでもビスを打ち増しします。。。」

「見えるところでビスが不足しているとなると、
 クロスが貼られているところは『大丈夫なのか?』と不安を持ってしまいますよね。」

「・・・・・・、他の耐力壁部分のクロスを全部剥がして確認します。。。」

施工会社の担当者も相当ショックを受けている様子。

ここで、
「早急な回答ではなく、
 貴社の技術担当者や構造設計者に相談し、
 ユニットバス周りの壁が、
 本当に100mmのビスピッチが必要な箇所なのかどうかの確認と、
 もし、必要な個所ならば、
 どのような対策を取るのかを検討してから回答してください。」

「そういたします。。。」

「他の耐力壁部分の確認についても、
 全部クロスを剥がすということではなく、
 先ずは抜き取り検査(30%程度)で確認するといった対策も考えられます。
 いずれにせよ、これについても相談したうえで、
 貴社としての対応の見解を出してください。」

「そういたします。。。」

大きな手直しとなるような指摘については、
他の者のチェックも必要です。
だって、
限られた内覧会検査時間
限られた内覧会検査資料
なので、
大きな勘違いすることだってあるんですから!

ユニットバス周りの壁は、
もしかしたら、ボード2枚貼りとなっているかも・・・・
あるいは、
ボード端部に見えているのが実は直行方向の壁に隠れて中間部なのかも・・・・

などなど。
その場合、ビスピッチの基準が異なってきます。

でも、この一戸建て住宅を実際に監督した施工担当者が、
「確かに、ビスが不足していますね。」と認めていることが、
やっぱり不安ですが・・・・

2009年08月19日

内覧会★同行日記 【住宅性能評価 等級ダウン】

【266時限目】                              author アーキスケット 出口

マンション内覧会同行のご依頼者から送付されてきた資料を確認すると、

≪設計住宅性能評価書についてのご案内≫

  プレミアムグレードの各住戸で、
  設計住宅性能評価書記載の「高齢者等への配慮に関すること」の中の
  「高齢者等対策等級(専用部分)の等級が「3」から「1」に変更となる予定です。

といった内容の案内文が添付されています。

この等級の数値が大きいほど、
その項目に関しての設計配慮が大きいのですが・・・・

等級ダウンということは、
高齢者等への配慮の度合を下げた!
ということで、
「何で?」といった疑問が浮かびます。

ここで、住宅性能評価書とは、

マンションや住宅の以下の項目に対し、
建築の素人の方に解り易いように
通信簿を付けているようなものです。

 ・構造の安定に関すること
 ・火災時の安全に関すること
 ・劣化の軽減に関すること
 ・維持管理、更新への配慮に関すること
 ・温熱環境に関すること
 ・空気環境に関すること
 ・光、視環境に関すること
 ・音環境に関すること
 ・高齢者等への配慮に関すること
 ・防犯に関すること

ただし、
住宅性能評価を取っているから”良いマンション(住宅)”
と勘違いされている方も多いのですが、
あくまでも通信簿を付けてもらったということで理解してください。


さて、マンション内覧会当日、

「プレミアムグレードのお部屋では住宅性能評価の等級がダウンしているんですね!」

「そうみたいですね!でも、うちはプレミアムグレードではないですから・・・・」

「えっ? プレミアムグレードのお部屋では???」

「うちは、Pタイプだから・・・・、あっ!プレミアムグレードでした。。。」

「仕様変更で等級ダウンしたとのことですが、どんな仕様変更をしたかご存じですか?」

「さあー???」

「では、後で直接売主・施工会社に確認しましょう!」


で、マンション内覧会検査終了後に、

「住宅性能評価の高齢者等への配慮の等級が下がった理由は何でしょうか?」

「ユニットバスの扉の仕様で、
 ポリカーボネイト折り戸を強化ガラスの方開きにしたところ、
 枠の床段差が出たためです。」

この説明と現物を見て納得!!!

でも、・・・・

「マンション購入者の中には、
 グレードよりも性能を優先したいと思われる方もいるのでは・・・・
 途中変更に対し何か言われる方もいるんじゃないですか?」

「ご契約時に説明していますので大丈夫です!」

「そうだったんですか!」と、

再び納得!!!

 (マンション内覧会同行のご依頼者は、
  自分とは無関係のお部屋と勘違いして説明を受け流していたのでしょう。)

でも、マンション購入者の中には、
”やっぱり、高齢者等への配慮を優先してほしかった!”
と思われる方もいるかもしれません。

グレードを取るか、等級を取るか、
売主として、悩ましい決断だったと思います。


2009年08月14日

内覧会★同行日記 【L字溝切り下げ逆転現象】

【265時限目】                              author アーキスケット 出口

この暑い時期、
最寄駅から徒歩15分ほどの一戸建て住宅の内覧会に向かいます。
検査道具の入った重たいキャリーケースを
コロコロ、コロコロ・・・
バス通りの狭い歩道を引っ張って行きます。

この歩道、まっ平らと思いきや、
道路との段差が20cmで、
家ごとに歩道切り下げがされているので結構凸凹。
チョット気を抜くと、
キャリーケースが倒れそうになることもあるのです。

で、ようやく目的の一戸建て住宅に到着。
タオルで汗を拭きながらご依頼者を待ちます。

この間、
建物外観、外構の仕上がり具合などを何気なくチェック。

すると、
駐車スペースの乗り入れのL字溝の切り下げがされておらず10cmの段差です。

駐車スペースの横は植栽のスペースなのですが、
フェンスなどは何もなく、
L字溝の高さに合わせて土が盛られています。

で、こちらのL字溝、
切り下げ用の高さ5cmのものが使われています。

これじゃー、
L字溝切り下げの逆転現象!

しばらくすると、
売主担当者、一戸建て住宅内覧会同行のご依頼者が到着。
早速、売主担当者に尋ねます。

「このL字溝の切り下げは、駐車スペース入り口と植栽部分で反対ではないでしょうか?」

「このL字溝は既存のものですし市の所有のものです。当社はいじっていません。」

「でも、通常は新築に合わせてL字溝のやり替え申請をするのではないでしょうか?」

「この地域だと、申請してから3か月から6か月かかります。
 当社では新築の工期が短いのを売りにしているので対応していません。」

確かに、確認申請・許可から3か月で建物が完成しています。
でも、優先順位が違うんじゃない???

「ここから見える範囲の他のお宅はすべてL字溝が切り下げられていますよ。」

「他はどうか知りませんが、当社では全ての物件でL字溝切り下げはしていません!」

ここで、一戸建て住宅内覧会同行のご依頼者から、
「今からL字溝切り下げの申請しては遅いのでしょうか?」

「申請はいつでも出来ますが、
 駐車スペースの土間コンクリートが高いL字溝に合わせているので、
 土間コンクリートのやり替えも必要になってきてしまいます。」

「当社では、現況でのお引渡しです。
 ホームセンターなんかで売っている乗り入れブロックを使われればいかがでしょうか。」

「そうするしかないんですかねえー。。。。」


一戸建て住宅の図面では、
L字溝の切り下げまでは記載されていないことがほとんどです。
このようなケースだけには限りませんが、

住宅購入者は、図面に記載されていないことは、

”当然、こういうふうになるんだろうなあー。。。”

と売主の常識を信頼しています。

しかし、実際出来上がったものを見て、

”思っていたものと違うじゃないかあー!!!”

と不満のやり場の無いことに悔しい思いをするケースが多々あります。
売主には、常識ある施工をしてほしいものです!

でも、常識って何???
永遠のテーマのような気がします。。。。

2009年08月10日

内覧会★同行日記 【ハツリ仕上げ爆裂リスク】

【264時限目】                              author アーキスケット 出口

内覧会のご依頼者とともにマンションに向かうと、
そこには、
15階建てのコンクリートの打ち放し化粧がふんだんに採用された
デザイナーズマンションが現れます。

外壁はよく見かけられるベニヤのコンクリート打ち放しだけではなく、
バラ板という昔ながらの型枠手法を使ったものや、
ハツリ仕上げという電動ハンマーとノミでコンクリート表面を目荒らしした手法が
雰囲気よくデザインされています。

マンション内覧会場で受付を済ませると、
先ずは共用部分からの案内順序です。

ゴミ置き場 → 駐輪場 → 駐車場と見学しますが、
どの部屋の壁もコンクリート打ち放しで、
東京お土産名物の雷おこしのようなジャンカやコールドジョイントといった
コンクリートの不具合は見られず、
見事な出来栄えであり、
細心の注意を払ったコンクリート打設であったことが伺えます。

さて、お部屋の中に入りバルコニーから検査スタート。

このバルコニーの隣戸境いにもコンクリート打ち放しの袖壁が採用され、
しかもその袖壁はバルコニーより出っぱており、
その先端は0cmから30cm程度のランダムに出っぱり・引っ込みのある
ハツリ&壊しのデザインとなっています。

この部分をよくよく見ると、
微細ながらも多数のクラックが・・・・

しかも、
ハツリ部分には撥水剤の塗布もされていません。

上下階との境を見ると、
打ち継ぎ目地がハツリ取られてシーリング防水の処置は何処へやら・・・・

これでは将来的に、
クラックやコンクリート打ち継ぎの肌別れ部分から雨が浸入し、
中の鉄筋を錆びさせコンクリートの爆裂に繋がりかねません。


チョット待てよ!!!

この袖壁の先端部分が、
0cmから30cm程度ハツリ取られているということは、
この部分に縦に通っているはずの鉄筋が無い!

せめて横筋は入っているんじゃないかと再確認しますが、
横筋を切断した痕跡も見られず、

もしかして、”無筋” だあー!!!

検査に立ち会った売主担当者に、

「ここの袖壁先端部分には鉄筋が入っていないんじゃないでしょうか?」

「そうですね、この形状からすると入っていないと思われますね。。。。」

「コンクリートの打ち継ぎ目地もハツリ取られているので
 シーリング防水もされていませんね!」

「こういった形状だと打ち継ぎ目地の入れようもありませんね。。。。」

「今すぐどうにかなるということではありませんが、
 10年後、20年後、コンクリートが爆裂して落下するリスクがあるかもしれませんね!
 しかも、下は人の通る駐車場ですし。。。」

「大丈夫だとは思いますが・・・・・検討します。。。」

でも、今更どうしようもない???
駐車場の上にネットでも張るしかないのだろうか?
それともリスクを冒してでもそのままとし、デザインを優先させるのだろうか?


設計者の中には、
何が何でもデザイン優先という考え方をする者、
施工というものが全く解っていない者、
本当に大勢います。

最優先すべきことは構造や防水などといった基本的性能であるべきです。
そして、施工を理解し、
そのうえで最大のデザイン力を発揮してもらいたいものです!!!

2009年08月08日

内覧会★同行日記 【雪止め金物は何のため?】

【263時限目】                              author アーキスケット 出口

夏真っ盛り!
世間一般的には夏休みスタートです。
今回は、
季節ハズレの雪のお話で少しでも涼んでいただければと思います。

一戸建て住宅の内覧会もいよいよ終盤。
建物外観の検査です。

切り妻屋根を見ると、
一方の屋根には雪止め金物が設置されているのですが、
もう一方の屋根には設置されていません。

総勢6名もいる売主立会者の中の施工担当と思しき人に、
「立面図どおりではあるんですが、
 何で片側の屋根には雪止め金物が付いていないんですか?」
と尋ねます。

すると、私ではなく内覧会ご依頼者に向かって、
「あの金物は工事中の足場の為ですので必要のないものですよ!」

「・・・・・・・」
工事中の足場の為のもの???

ご依頼者も、その他大勢売主立会者も
ただただ呆然。。。。


ここで、私事余談。

昔、新潟県の豪雪地帯で有名な越後湯沢で
超高層リゾートマンションを造っていたときのことです。

夜、大雪になって、
宿泊や料理でお世話になっていた宿のご主人が、

「ログハウスの方が心配だから、ちょっと見てくるわ!」
と宿を飛び出します。

豪雪地帯では雪降ろしなんて日常茶飯事なのです。

ところが、このご主人がなかなか戻ってくる気配はありません。
大雪で道路が通れなくなってでもいるのかな?

で、翌日の早朝、
ログハウスの屋根から落下した雪の下敷きになり
亡くなっているご主人が発見されます。。。


雪止め金物とは読んで字のごとく雪を止める金物であり、
屋根からの落雪事故を防ぐためのものなのです。

首都圏では大雪が降る機会も少なったため仕方のないことなのか、
若手施工担当者の雪止め金物に対する認識不足。


「雪止め金物とは落雪事故を防ぐものであり工事用の足場ではありませんよ!」

「・・・・・だから雪止め金物と言うんですね。。。」

「で、片側の屋根に雪止め金物が付いていない理由はなんでしょうか?」

「南面の屋根はすぐに雪が溶けるからじゃないですか。」

と、懲りずに思いつきだけの回答。

「この屋根は東面ですよ!」
まるで、漫才のやりとりのようです。

他の大勢いる売主立会者にも答えられる者はおらず、
「設計者に確認してください!」
と再内覧会までの宿題です。

で、再内覧会での回答。

「東面の屋根の面積の方が西面の屋根より小さいからです!」

確かに屋根面積は若干異なるものの大差はありません。

「設計図に書き忘れただけではないのでしょうか???」

2009年08月02日

内覧会★同行日記 【畳の常識・非常識】

【261時限目】                              author アーキスケット 出口

昔ながらの本格和室、良いですよねー!

天井には杉柾、竿縁天井に廻縁、
壁には長押、鴨居にジュラク塗り、
床の間には床柱、床框に落し掛け、
開口部には障子、襖に天袋、
そして床には板の間、畳寄せに本畳。

しかし今時、
マンションどころか一戸建て住宅でも見かけません。

今回、その和室の畳のお話です。

昔ながらの日本家屋では、
畳の形状は長方形であり切り込みなんてなかったのですが、
マンションの柱形や壁段差に対応せざるを得なく、
切り込みされた畳を見ることも多くなりました。

最近の畳はスタイロ畳などといった化学畳であり、
工場加工も容易なのが
安易に畳に切り込みをしている原因とも思えます。

今時、畳の切り込みも常識!?

さて、マンション内覧会で和室の検査です。

そこには開いた口が塞がらないほどの非常識が・・・・・

入口の引き戸枠や押入れの襖枠の縦枠が
壁面や敷居より20mm出っぱている(専門用語でチリ)ため、
畳が枠の出っぱている部分の大きさで切り込みがされているのです。(4箇所)
しかも、枠を境に
畳が敷居部分と畳寄せ部分で10mmの段差になっています。

この畳の切り込みは工場加工の成せる技!

と感心している場合じゃありません。

あまりにも複雑で細かい畳形状のため、
縦枠周りには大きな隙間が生じています。

しかも、その歪みが原因なのか、
壁のあちらこちらの畳寄せとの取り合い部分で
4mm程度の隙間が生じています。

ついでに、無理やり畳を押しこんで敷いたのが原因なのか、
ところどころで畳が浮いています。

さすがに、マンション内覧会同行のご依頼者も
この隙間や浮きに気づき指摘を挙げますが、

そもそも、こんな切り込みだらけの畳が非常識とは知りません。

検査に立ち会った施工会社の若手担当者に指摘をしても、
和室の知識は持ち合わせておらず、

検査後の内覧会場で所長の登場!

でも、この所長も結構若い。。。

「和室の畳が隙間だらけですね。
 畳が切り込みだらけで、こんなの見たこともありません。
 本来、縦枠の出、畳寄せ、敷居を同面にするべきじゃないですか!」

「ハイ、やはり売主からも指摘がされており、どうするか検討中です。。。」

「本来の姿にするためには、
 引き戸枠や襖枠の造り替えになるんじゃないですかね!」

「・・・・・」

「いつから検討しているんですか?」

「・・・・・」

「内覧会のタイミングでは、現実造り替えは難しいですよね!」

「見栄えは良くするつもりです。。。」

一体、どんな手直しがされるんでしょう???

その手直しが非常識なものとならなければ良いのですが・・・・


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