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内覧会★同行日記 【車椅子の父親との同居住宅】

【275時限目】                              author アーキスケット 出口

今回の内覧会検査は、
ご依頼者夫婦と車椅子生活をされているお父様が同居する注文住宅です。

現地へ行ってみると、
住宅自体は完成しているものの、外構工事は全く手つかず。
別契約で請け負ってくれる業者を選定中とのことです。

内覧会検査前、ご依頼者より、

「今まで細かい打ち合わせをしながら進めてきましたが、
 色々と問題がありました。」

「どんなことがあったんですか?」

「2階の窓の位置は間違えるし、
 バルコニーのFRP防水が不良で1階の父親の洋室に雨漏れするし、
 父親用の洗面室引き戸は、実際、車椅子が通らない大きさのものを付けるし・・・・」

その他たくさん、工事中の経緯の説明があります。
その後ろでは、注文住宅メーカーの担当者が憮然とこのやりとりを聞いています。

「現段階では、解決しているんですか?」

「一応、手直しはしてもらっています。。。」


何とも雰囲気の悪い中、内覧会検査のスタートです。

「このウォークインクローゼットの天井高さが図面と違いますね!」
と、注文住宅メーカー担当者に尋ねます。

「意匠図と構造図で整合性が取れていませんでした。
 〇〇さんには説明し了解をとりましたが、
 その代わりといって、洋室間の間仕切りに遮音仕様をサービスさせられました。。。」

「・・・・・・」

その他、指摘を挙げるたびに一言があり、
注文住宅メーカー担当者も、
色々と言い分が溜まっているようです。

お部屋の中の検査を終え、住宅の外観検査のために外に出ます。

玄関扉と道路との高さの差が60cm程度。
建物外壁と道路までの幅が50cmから70cm程度(斜めな形状)。
車椅子用のスロープが可能な長さは2m程度(車椅子の幅がぎりぎり確保できる幅)。

外構工事は契約外というものの、
これでは、車椅子用のスロープは出来ないんじゃないの?

バリアフリー設計では、
・スロープ勾配 1/12
・スロープ幅 80cm
程度が必要なのです。

「お父様が車椅子を使用されているのは知っているんですよね。
 これでは、スロープが出来ませんよ!」
と、注文住宅メーカー担当者に尋ねます。

「ハイ、知っておりました。
 でも、建物の位置を指定したのは〇〇さんで、
 スロープは現況で造れるもので造るから良いという指示です!」

「そういった指示はしたんでしょうか?」
と、ご依頼者に尋ねます。

「・・・・・、でも、車椅子で通行は出来ると思っていました。。。」

「設計者や住宅メーカーは専門家なのですから、
 例えご依頼者の指示があったとしても、十分な説明義務がありますよ!」

「でも、これまでの経緯の中で決めたことですから!」

ご依頼者も自分が指示した手前なのか?あまり強気ではありません。

どうしてなの?

その後、話を聞いていると、
隣の家の塀が越境しているので、
それに合わせた位置でスロープを造るつもりだったらしいのです。

「違法なスロープをそちらの住宅メーカーで請け負いますか?」

「当然、請け負いません!」

私からご依頼者に、
「違法なことは絶対にしないでください!」
と説得。

結局、現況でできるスロープということで、
手摺も取り付かない急勾配な車椅子用スロープを造るとのこと。。。。

お父様は、自力ではスロープを上がることは出来ず、
大人2名の手を借りなければ外出できません。

日中はご依頼者の奥さんしかいないというのに・・・・・

改善策が見つからない、
何とも後味の悪い検査結果となりました。


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2009年09月21日 13:23に投稿されたエントリーのページです。

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