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2009年10月 アーカイブ

2009年10月26日

内覧会★同行日記 【リビングダイニングが狭い!】

【284時限目】                              author アーキスケット 出口         

「もしもし、マンション内覧会同行の依頼をキャンセルしたいんですが・・・・」

えっ・・・と思いつつも、
「1ヵ月以上も先の予定ですので良いですよ!」と答えます。

「で、話は変わりますが、
 間取り変更についてアドバイスしてもらいたいのですが・・・・」

「何かあったんですか?」

ということで、
マンション近くのファミレスで図面を広げながら話を伺います。

「マンション内覧会前なのですが、
 お部屋を見せていただいた時、リビングダイニングが、
 ”思っていた以上に狭い!”
 と感じました。。。」


内覧会同行をしていると、
この、”思っていた以上に狭い!”といった感想を持たれる方が
なんと多いことか。。。

通常、お部屋の平米面積に0.3025を掛けた数値が坪数で、
坪数に2を掛けた数値が畳の数となります。
数値的なものは間違いないと思いますが、
お部屋の形状や家具の有無によって、
やはり、感覚的に皆さんそう思ってしまうみたいです。

でも、今回は・・・・

 
「で、お部屋をよくよく見ると、
 和室の間仕切りの位置が45cmズレているんです。
 それまでは、売主も全く気づいていなかったみたいです。」

「もともとはメニュープランで、
 和室6畳を4.5畳に変更しリビングダイニングを広げたんですよね!
 だったら、間仕切りを90cm移動するのが正解ですね。」

墨出し間違いなのだろうか?
よく、スケールの当て方の理由で、
10cmズレてしまったという間違いがあるのですが、
45cmといった中途半端な数値の間違いはなんなんだろう?

どうやら、他のお部屋でも間違いがあったらしく、
墨出し間違いではないらしい。
施工図の間違いだ!
 

「で、売主も、『直します。』ということなんですが、
 リビングダイニングが10.5畳ではやっぱり狭いので、
 この際、和室をなくしてしまおうと思っています。」

「売主が了解するかどうか解りませんよ。」

「対応してくれるそうです!!!」


で、間取り変更のご相談。
和室を無くし、リビングダイニングを広くした平面詳細図まで用意されています。

しかし、
ただ単純に部屋を広げただけではいけません。
お部屋の使い方や家具の配置を考え、
細かいところの確認や変更をしなければならないのです。

・照明器具の位置変更
・マルチメディアコンセントの位置変更
・和室だった時の襖を引き戸にする仕様変更
・和室にあったアルミサッシ額縁の仕様変更
・木製建具の開き勝手の変更
・物入れの位置の変更

などなどをアドバイス。

しかし、この中には、
無償では変更してもらえないだろうな?
といったアドバイスもあります。

この辺は、重々説明し、
交渉戦略(秘密)も練りに練ってアドバイス。

全部が全部、無償を主張するのは不当かもしれませんが、
売主には出来るだけ対応してもらいたいものです。

だって、和室を造り直すより、リビングダイニングを広げる方が
安く、早く手直し出来るはずですから。。。

ご依頼者には、
多少有償なものがあっても変更することをお勧めします。

だって、後悔しそうだったリビングダイニングの狭さを
広くすることが出来るんですから。。。

あとは交渉次第!


 

            

2009年10月21日

内覧会★同行日記 【手付金放棄だー!違約金だー!】

【283時限目】                              author アーキスケット 出口

今回の内覧会同行のマンションは、
世に言う、アウトレットマンション。

例の如くマンション売主からは、
「大幅値引きをしているので、現状引き渡しです!」

でも、内覧会同行のご依頼者は、
「キズ・汚れは重々承知してますが、構造的な欠陥がないかどうかが心配!」

ということで、マンション内覧会検査スタート!

このお部屋は、
地下1階にテラス、リビングダイニング、キッチン、水周り、
1階にバルコニー、洋室
があるメゾネットタイプです。

さすが、アウトレットマンション!?

検査を進めていくと、
テラス外周の擁壁は、各所に錆び汁が流れ出し、
バルコニーの床は乾燥収縮によるひび割れが数か所、
また、水勾配が無く、壁際の長尺シートが端から端まで大きな水溜り跡、
極めつけが、
洋室に火災報知機が付いていない。
などの不具合が発見されます。

さすがにマンション売主も、
「火災報知機はすぐに取り付けます。その他の指摘は検討します。」


マンション内覧会同行のご依頼者に、
「その他、気になったことや質問はありませんか?」
と尋ねると、

「24時間換気の排気音が気になります!」

「???」 

このお部屋の24時間換気は付けていないのですが、
どうやら、お隣の排気音らしい。
ちなみに、窓を閉め切っても気になるとのこと。

耳を澄ましたのですが、私には聞き取れるかどうか程度の音です。

「私は音にスゴイ敏感で、だからこそ閑静な場所にあるこのマンションを選びました。
 でも、これって仕方のないことかしら。。。」


で、翌日、マンション内覧会同行のご依頼者から電話連絡が入ります。

「色々と不具合が見つかったこともありますが、
 やっぱり音が気になるので、マンション購入の契約解除をしようと思っています。。。」

「音は一度気になりだしたら、ずうっと気になってしまうかもしれませんね。
 いずれにしても、後悔のない決断をする必要がありますね。」

「でも、マンション売主に100万円の手付金放棄で契約解除の申し入れをしたら、
 『代金20%の700万円の違約金が発生します!』と言われました。。。
 あきらめるしかないのでしょうか。。。」


この段階で、本当に違約金となるのだろうか???

違約金が発生するのは、
相手方が契約の履行に着手した時からです。

ここで、”契約の履行に着手”とは何ぞや?

ということがポイントになります。

一般論で言うならば、
『客観的に外部から認識しうるような形で履行行為の一部をなし、
 または履行の提供をするために欠くことのできない前提行為をした場合』

うーん、難しい。。。

”外部から認識しうるような形”
の具体例としては、

・鍵の引き渡しがされた。
・所有権の移転登記(新築の場合は保存登記)がされた。
などで、これは明らかに、”契約の履行に着手”でしょう。

でも、悩ましいのが、”前提行為”

・契約から建物引き渡しまでの期間で解約申し入れのタイミングといった時間的経緯
・デベロッパー社内での業務進捗度
などで、ケースバイケースの諸事情が勘案されるのでしょう。

そして、当事者間で合意に至らない場合は、

最終的には裁判所の判断

マンション購入者にとって、
裁判にするか?しないか?悩みどころになってしまいます。


2009年10月18日

内覧会★同行日記 【外張り断熱は難しい!】

【282時限目】                              author アーキスケット 出口

外張り断熱って何?

読んで字のごとく、
外壁躯体(コンクリートなど)の外部側で断熱することです。
この外張り断熱は、
外部側で熱を遮断してしまうため、
お部屋の結露対策や温度環境を保つうえでは理想的です。

でも、一般的には、
外壁躯体(コンクリートなど)の部屋側でウレタン吹付などの断熱が行われます。

何故、外張り断熱が流行らないのか?


さて、マンション内覧会。
今回は、世にも珍しい外張り断熱マンションです。

で、早速、検査するお部屋のバルコニーに出ててみます。

構造断面としては、
コンクリート壁の外部側に、
断熱材が貼られたパネル(アスロック)が横張りされ、
タイル貼りで仕上げられています。

立ち会った施工会社担当者に、
「外張り断熱は、施工上、色々と納まりが難しかったんじゃないですか?」
と尋ねます。

「外張り断熱マンションを造るのは初めてです。。。
 でも、設計者が外張り断熱マンションを得意としているので問題ありません!」

と、挨拶がてらの会話から、
マンション内覧会検査スタート!

先ず気になってのが、
外張り断熱のパネルで全体の壁厚が大きいため、
AW(アルミサッシ)の水切りの出寸法が大きくなっていることです。

先端部分は床との隙間20mm程度にシーリングがされているのですが、
這いつくばって、パネル下部の隙間からAW水切り小口を覗きこんでみると、
奥の方でシーリングがされていないのを発見です。

これは、
外張り断熱パネルで邪魔をされ、
奥の方までシーリングが届かなかったのだろうと推察できます。

「AW水切り小口にシーリングがされていませんよ!
 これでは、雨が部屋に浸入する危険がありますね!」

「ウレタン防水を立ち上げているので大丈夫です。。。」

「AW水切り先端はシーリングがあるのに
 小口部分でシーリングがされていないことに矛盾がありますよね。
 しかも、ウレタン防水だって、
 水切り下20mm程度の隙間から奥行70mm程度のところを施工するのも、
 非常に難しいですよね!」

「・・・・・」

「そもそも、施工順序が違うんじゃないですか?」

一般的な内断熱マンションでは、
最後の最後にAW水切り下のシーリングを行えば良いのですが、
この水切り小口をシーリングするためには、
外張り断熱パネルを取り付ける前に、
ウレタン防水を行い、長尺シートを貼り、シーリングをしなければなりません。
これは、非常に無理のある施工順序です。

ということで、目をつぶってしまったのか?

「今更、外壁パネルを取り外すこともできないので、
 AW水切り小口際の外張り断熱パネル下部を15cm程度シーリングするなどで、
 AW水切り小口下がら雨水が浸入しないような対策をしてください!」


次に、外壁面を見ると、
バルコニーの天井と床部分で、
当然のごとく外張り断熱のパネルは遮断されています。

施工会社の担当者に、
「スラブ部分のヒートブリッジに対する断熱折り返しは見受けられませんが、
 部屋側の天井で折り返し断熱はされているのでしょうか?」
と、尋ねます。

「このマンションでは断熱の折り返しはされない設計仕様になっています。」

やっぱり。。。。


次に、共用廊下に出てみます。

「この共用廊下の外壁は、外張り断熱がされていませんが?」

「ハイ、ここは内部廊下で空調もしてありますので問題ありません。」

「そうですか。
 先ほど、ユニットバスの天井から洋室の横にあるエレベーターシャフトの壁を見ましたが、
 断熱材は無く、コンクリート壁が見えていました。
 エレベーターシャフト内も空調がされているのでしょうか?」

「・・・・・」


マンションでは、
本当に外張り断熱にするのは難しい!

ところどころで、ウレタン吹付けなどの内断熱を併用しなければ、
納まりきらないところがたくさんあるのです。

でも、併用するくらいだったら内断熱にしてしまったほうが良い。
だって、手間もコストもかかるから。。。。

だから、マンションで外張り断熱は流行らない!?

2009年10月14日

内覧会★同行日記 【防火区画に給排気口?】

【281時限目】                              author アーキスケット 出口

前回の内覧会ブログで記載した、
欠陥マンション検査の話題をもうひとつ。

界壁(戸境い壁)の遮音仕様の検査を終え、
玄関扉を開けお部屋の外に出ます。

そこは、ALCの壁に囲われた階段室。

ふと、お部屋側の壁を振り返ると、
玄関ドアの上に150Φの給気口や排気口が取り付いています。

でも、FD(ファイアーダンパー)が無い!

FD(ファイアーダンパー)とは、
2枚半円の鉄板が兆番で繋がれ合わさったもので、
火災の時、
ヒューズが溶け鉄板が開くことによって給排気口の穴を塞ぐものです。

建物内部で火災の広がりを防ぐために定められた防火区画や、
隣家などの火災の延焼を防ぐために定められた範囲に取り付けられます。

そして、ここはALC壁に囲われた階段室。
竪穴区画という防火区画なので、
各住戸と階段室では
火災の延焼を防止する措置が講じられていなければならないはずです。
そもそも、給水以外の設備配管の防火区画貫通があること自体がNGかも?

念のため、防火区画図を確認しようとしても、
防火区画図もありません。

これまた、建築基準法違反!?
さらに、消防法違反!?

だから、
中間検査も完成検査も受けられなかったのか?
だから、
完了報告もできず検査済証も未発行なのか?


でも、でも・・・・・
そもそも給気口や排気口が、
何でALC壁に囲われた壁に取り付いているの?

だって、
給気は外気から取り入れるものでしょう!
排気は外気に排出するものでしょう!

それとも、壁に囲われた内部階段でも外気というのだろうか?

では、図面ではどうなっているのだろうか?
ということで、
平面図や設備図を確認してみます。
すると、
当然のように外気に面したバルコニー側に取り付けることになっているのです。
しかも、延焼範囲に入っているのでFD(ファイアーダンパー)付きと明記。

これまた、建築基準法違反!?


界壁(戸境い壁)の仕様変更といい、
給排気口の位置の変更といい、
しかも、建築基準法や消防法の違反を犯してまで、

何で仕様や位置を変更したのだろうか?

今後、協議や法的手続きになる可能性のある相手に対し、
今の段階では確認のしようがありません。

2009年10月10日

内覧会★同行日記 【変更された界壁遮音仕様】

【280時限目】                              author アーキスケット 出口

「賃貸マンションを建設したんですが、
 どうも隣同志の部屋で音が気になります。
 設計仕様と異なるんじゃないか?と思うんですが検査してください。」

と、マンションオーナーから検査依頼です。

今回は、内覧会というタイミングではなく、
引き渡し後のマンショントラブル検査なのですが、
参考になるかと思いブログにしました。

この賃貸マンションは鉄骨ALC造で、
界壁(戸境い壁)の構造を図面で確認すると、
ALC厚さ100mm、両面モルタル15mm塗りとなっています。

検査当日、ひとつめのお部屋に入り界壁(戸境い壁)を見ると、
一見して、『ありえない!』ものが目に飛び込んできます。

それは、コンセント!

「コンセントなんて、壁にあるのは普通じゃないの?」
と、疑問に思われるかも知れませんが、
いえいえ、普通じゃないのです。

建築基準法では、
政令で定める遮音仕様の技術的基準を満たす、
国土交通大臣が定めた構造方法
または、
国土交通大臣の認定を受けた構造方法
としなければなりません。

このマンションの界壁は、
図面上、ALC厚さ100mm、両面モルタル15mm塗りであり、
国土交通大臣が定めた最低限の構造方法なのですが、
コンセントを埋め込むなど、
この壁に穴を開けたり切り欠いたりしては遮音性能が低減してしまいます。

で、
この壁を拳骨でコンコン、コンコン。
アレッ?
モルタルではなくボードだ!

設計図と界壁仕様が違うのです。

ユニットバスに行き、天井裏から点検してみると、
先ほどの部屋から遮音シートがはみ出てきているのが見えます。
モルタルの代わりに遮音シートに変更したのか?

でも、この遮音シートは、国土交通大臣の認定を受けた構造方法ではありません。
ということは、
建築基準法違反???

と、今だにユニットバスの天井裏に頭を突っ込みながら考えていると、
さらに、『ありえない!』ものが目に飛び込んできます。

それは、ALC素地!

このユニットバス部分の界壁は、
ALC壁にモルタル塗りどころか遮音シートすら貼られていないのです。
ということは、
建築基準法違反!!!


でもでも、
工事中の役所による中間検査や完了検査では気づかなかったのだろうか?

でも、見落とすことなんてよくあること!?

で、マンションオーナーに、
「これで、検査済証がよく降りましたね!」
と確認すると、

予想すらしていなかった、『ありえない!』回答がされます。

「検査済証は受け取っていません。。。」

「えっ!!!」

これは、
間違いなく建築基準法違反!!!


この賃貸マンション、
まだまだ、建築基準法に抵触する欠陥工事や手抜き工事、
コストダウンのための勝手な仕様変更が発見されていきます。

それらを含め、
今後、弁護士とも相談し、法的手続きへと続くのかもしれません。。。。

2009年10月07日

内覧会★同行日記 【内覧会キャンセル】

【279時限目】                              author アーキスケット 出口

マンション内覧会同行のお申し込み者から、
事前の電話相談が入ります。

「内覧会当日にご相談しようと思っていたんですが、
 事前にお伺いしておいた方が良いかと思ってご連絡しました。。。」

「ハイ、どんなことでしょうか?」

「家族の事情で、入居前にマンションのおトイレを2つに改修しようと考えています。
 簡単に出来るものなのでしょうか?」

「おトイレを2つにですか・・・・」

「リフォーム業者に見積もりを取ろうと思ったんですが、
 『トイレは2つには出来ないんじゃないの?』と言われて心配になりました。」

「そうですね・・・・
 どういうふうにトイレを設置するかにもよりますが、
 トイレの排水縦管や部屋内にあるパイプスペースの壁を壊したりすることとなると、
 簡単ではないと思いますよ。」

「そうなんですか。。。」

「排水縦管やパイプシャフトは共用部といって、
 居住者が勝手にいじって良いものではないんです。
 これは、区分所有法に定められているもので、
 もし、その共用部をいじるのであれば、
 マンション管理組合の総会決議による過半数の承認が必要ではないでしょうか。」

「そうなんですか。。。」

「その場合、個別の問題なのでマンション管理組合の承認が取れるとも限りません。」
 しかも、マンション管理組合の設立もだいぶ後になると思いますよ。」

「えーーーーー、それは困ります!
 マンション購入契約前に売主からは、『出来ますよ!』と聞いているんです!
 おトイレを2つに出来るということでマンション購入契約をしているんです!」

「本当に売主は、『出来ますよ!』と言っているんですか?
 もしかしたら、何か方法があるのかもしれませんね。
 でも、念のため確認しておいた方が良いですよ!」


今回はごく稀なケースではありますが、
マンション購入契約時のトラブルをよく耳にすることがあります。
その原因のひとつに、
マンション販売の営業マンはマンションを売りたいがために
マンション購入者の質問に安易に回答してしまっているケースがあります。

営業マンにとっては受け流してしまいそうな質問でも、
マンション購入者にとっては、
それはそれは重要な問題ことだってあるのです。
ですので、
『絶対に間違いのない回答』をしてほしいものです。

そして、今回のケースは・・・・


マンション内覧会1週間前、
マンション内覧会同行のお申し込み者から改めて電話連絡が入ります。

「売主に確認したところ、
 トイレを2つにするのは技術的には出来るということらしいです。
 これは、施工会社に聞いてそういう回答だったからだそうです。
 でも、
 それはあくまでも技術的にということで、
 後はご自身で、
 マンション管理組合の承認を取ってくださいということです。」

「やっぱりそうでしたか。。。
 この売主担当者は、区分所有法は頭になかったのでしょうね。」

「今ごろになってこんな回答されるなんて・・・・
 家族会議をした結果、マンション購入の契約解除をしようと考えています。
 直前で申し訳ありませんが内覧会同行のキャンセルをお願いしたいんですが・・・・」

「やむを得ない事情ですので、それは結構ですよ。」

「約1年もの間、いろいろと準備をしてきたのにやりきれません。。。
 精神的苦痛なんかで損害賠償請求はできるものなのでしょうか?」

「それは、私がどうのこうの言えるものではありませんので
 弁護士に相談された方が良いです。
 でもその前に、
 契約解除ができるかどうかが心配です。」

「えっ?」

「トイレを2つに出来ることが条件という書面はあるのでしょうか?」

「ありません。」

「これまでのやりとりから、売主の誠意ある対応をしてもらえると思いますが、
 先ずは、契約解除して手付金が戻ってくるのか確認した方が良いですよ!」

「早速、確認します!」


まだまだ戦いは続きます。
それこそ、手付金放棄による契約解除なんてことになったら、
踏んだり蹴ったりです。。。

2009年10月03日

内覧会★同行日記 【使えないマルチメディアコンセント】

【278時限目】                              author アーキスケット 出口

一戸建て住宅の内覧会で、
平面図を片手に2階の洋室に入ります。

この平面図、
住宅メーカーによって記載内容の密度にかなり差があるのですが、
今回は、マンションなんかで言うところの総合図レベルで
詳細に図面が作成されています。

そこには、
マルチメディアコンセントの位置やクーラー用コンセントなどなど、
取り付けられるべき器具の表記はもちろんのこと、
ベッドや家具の配置までを想定し破線で示してさえあるのです。


入口の扉を開けると、
正面にはバルコニーに出られる大きな掃き出し窓、
右手には街並みの景観が眺められる腰窓、
左手には隣の洋室と一体に使用できるための3連引き戸、
そして入口側は木製扉の横にウォークインクローゼットの扉があります。

そして、さっそく内覧会検査スタート!

キズや汚れをチェックしていくとともに、
平面図とにらめっこしながら相違点や仕様の確認を行っていきます。

なかなか良い出来栄え!

キズ・汚れなどの類でいうと、
指摘事項は壁クロスにブツ(ゴミクロスの下に噛んでニキビ状に膨らんだもの)が一つだけ。

図面との相違も見つからず、
住宅メーカー担当者の誠意が感じられます。

そして、この洋室の検査の最後に、
各壁面を1面ごとに、全体として眺めていきます。

最後の一面、
入口の扉とウォークインクローゼットの扉がある壁を眺めていると、
その扉間90cm程度の壁にマルチメディアコンセントがあるのに違和感を感じます。

改めて平面図を確認してもその位置に表記されており、
施工上のミスではありません。

しかし、
こんなところにテレビやパソコンを配置することは絶対にありえません。
せいぜい、掃除機の使用で電気コンセントが使えるくらいです。

「このマルチメディアコンセントの位置では実際に使えませんね!
 常識的に考えれば、
 掃き出し窓がある壁と、腰窓がある壁の入隅部分に取り付けるますよね。」

と、住宅メーカー立会者に指摘すると、

「確かに、使いづらい位置ですね。。。設計者に確認します。」

と、携帯電話で即刻確認です。

で、
「設計者に確認したところ、
 掃き出し窓と腰窓の間の壁入隅部分にはベッドが置かれることを想定しているので、
 その他のところでマルチメディアコンセントが取り付けられる位置としては、
 現況のところしかないとのことです。」

確かに、平面図には破線でベッドの位置が示されており、
そこにマルチメディアコンセントを取り付ければベッドの下に隠れてしまいます。

しかし、
絶対にテレビやパソコンデスクを置くことができない2つの扉に挟まれた90cmの壁に
マルチメディアコンセントがあっても仕方がありません。
延長コードを扉下の床に這わせなければならないのです。

だったら、まだベッドの下の方が良い。
そもそも、ベッドだって置くかどうかも解りません。

「マルチメディアコンセントの位置は変更してもらえるんでしょうか?」

「図面どおりですので・・・・」

ここで、内覧会同行ご依頼者から、
「この部屋にはテレビやパソコンを置く予定はありませんので、
 今の位置で良いですよ。」

この一言に、住宅メーカー立会者も胸をなでおろします。


今回は、たまたま結果オーライ(?)。

想定したベッドの配置が優先か?
使えるマルテメディアコンセントの位置が優先か?

設計者には、
限られたスペースで悩みどころと思いますが、
優先順位を間違えないでほしいものです。


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