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2009年11月 アーカイブ

2009年11月27日

内覧会★同行日記 【ユニクロマンション】

【291時限目】                              author アーキスケット 出口

ここは東京都との埼玉県の県境い近くのマンションです。
最寄駅までは少々歩くものの徒歩圏内、
都心までは30分程度の立地です。

マンション内覧会のご依頼者とともに、
玄関に入ると、

”広い!”

と、感じます。

平面計画はごくありふれた紋切り型の間取りなのですが、
玄関・廊下の幅が1.4m。
一般的な90cmと比較すれば1.5倍もの幅があります。

と、ところがです、
下足入れが無いのです。

「このマンションは下足入れは付かないのですか?」
と、ご依頼者に尋ねると、

「そういった仕様なんです。」

「下足入れ分広いだけなんですね。。。」


続いてリビングダイニングに入ると、

「このマンションのキッチンは吊戸棚も付かない仕様なんです。」
と、ご依頼者が説明してくれます。

お部屋を見渡し、
「このリビングタイニングや洋室は今時めずらしいソフト巾木なんですね。」
と、ご依頼者に言うと、

「そうなんですよ!
 この前、たまたまこのマンションの雑誌取材があり、
 私たちが取材を受けたんですけど、
 その時、取材の方が、

 『このマンションは、”ユニクロマンション”ですね!』
 なんて言ってました!」

うまい表現だなあー!!!

と感心しつつ、
改めてお部屋やテラスを見ると、

外壁はほとんどがタイルと比べれば安上がりな吹き付け塗装。
カーテンレールはオプション対応などなど、

建設費を安くするために、
徹底的に削れるものは削っている印象で、
今話題の”事業仕訳け”を連想してしまいます。

「ところで、このお部屋はいくらだったんですか?」

「80平米を超える広さなのに2900万円だったんです!」

「それは安いですね!
 その価格はクレヨンしんちゃんの街(私の学生時代のいた街)
 あたりの相場かもしれませんね。」


最近のマンションは、
年々グレードアップや新しい仕様などが備えられ完成度が高いものが多くなり、
それなりに値段も高いのが主流でした。

これからは、マンション業界でのユニクロ的発想も、
ひとつの考え方かもしれません。

しかし!!!
内覧会検査では、
売主・施工会社の立会いもなく、
検査後の内覧会場で、
「指摘はクロスのキズ程度ですかねえー。」
と、指摘事項記載表に目も通さず終了させようとした
ユニクロ的発想には賛成は出来ませんよ!!!

 

2009年11月23日

内覧会★同行日記 【仕様が違うんです】

【290時限目】                              author アーキスケット 出口

一戸建て住宅の内覧会。

内覧会同行のご依頼者と駅で待ち合わせをし、
現地までの会話です。

「お送りした図面で変更している点があります。」

「何を変更されたんですか?」

「1階の和室を洋室に変更しました。
 それと、2階と3階の洋室のコンセントの位置を使いやすいところへ移動しています。」

「そうなんですか。」

「建売なんですが、工事前の契約だったので変更ができました!」

「それは良かったですね!完成済みの住宅だと変更するにしても大変ですからね!」
 
で、目的地に到着。
早速、平面図と睨めっこしながら内覧会検査を進めます。


先ずは洋室の検査です。
天井面を見上げると、
図面では、天井付けの煙感知器となっているのですが、
取り付いていません。

壁付けに変更されているのです。(ちなみに他の部屋も全て共通)
これは、位置の変更はあるものの、
煙感知器設置基準に違反はしていません。

次に入口の木製建具のドアを見ると、
図面では、アンダーカット10mmmと記載されているのですが、
隙間は1から2mm程度。
アンダーカットが確保されていません。(ちなみにアンダーカットが必要な扉全て共通)

今度はおトイレの検査です。
図面では、床部分にフローリング貼り方向の矢印が記載されているのですが、
クッションフロアー仕上げです。(ちなみに1階・2階のトイレとも共通)

壁はというと、
図面では、壁に埋め込み収納ボックスが記載されているのですが、
取り付いていません。(ちなみに1階・2階のトイレとも共通)

今度は階段と廊下の検査です。
図面では廊下と階段の境いに三方見切なるものが記載されているのですが、
取り付いていません。(ちなみに1階・2階の階段・廊下とも共通)

今度はキッチン周りの検査です。
図面では、カウンター周りとキッチン入口周りに三方枠が記載されているのですが、
取り付いていません。

今度は洗面室の検査です。
図面では、アルミサッシ下部にカウンターが記載されているのですが、
取り付いていません。

今度は玄関周りの検査です。
図面では、玄関扉が親子タイプで記載されているのですが、
片開きの扉です。


図面とここまで違うかあー???

で、売主立会い者に、
「図面の記載と違っているところが多数ありますね。」

と、上記全てについて説明します。
すると、

「実は、この図面を書いたところは今は倒産しているんです。
 それをうちが買い取って建物を造っているんですが、
 仕様は違うんです!」

「仕様が違うというのは?」

「仕様は、”当社の仕様”で造っています。」

物が付くか付かないは、仕様とは異なるんじゃないの?
と、思いつつ、

「契約図面は、この図面ですよね!」

「そうです。でも、”当社の仕様”で造っています。」

「この変更されているのは知っていましたか?」
と内覧会同行のご依頼者に尋ねると、

「玄関ドアは知っていましたが、それ以外は知りませんでした。」


建物を造る経緯は色々あったのかも知れませんが、
基本的には、図面どおりの建物が引き渡されることが契約です。

図面と違う仕様にするならば、
契約前に住宅購入者に説明する必要があります。
そもそも、契約図面を直すべきなのです。

後は、住宅購入者の判断により協議してもらうことに。。。。

でも、24時間換気のためのアンダーカットは、
法律で定められているものであり、

”当社の仕様”
という理由は成り立ちませんよね!


2009年11月17日

内覧会★同行日記 【EVホール床勾配の理由は?】

【289時限目】                              author アーキスケット 出口

ここは東京のど真ん中の一等地。
完成済みマンションの内覧会です。

さすが高額マンションだからなのか、
竣工後半年を過ぎているにもかかわらず、
内覧会にマンション施工会社が立ち会ってくれます。

お部屋のある目的階のエレベーターホール・内部廊下は少々薄暗く、
床はカーペット敷きのホテルライク(?)な仕様です。

玄関の前まで行くと、
何となく平行感覚に違和感が・・・・

これは間違いなく床に勾配がついているな!
あとでレーザーレベルで確認しよっと!

で、ひととおりのお部屋の中の内覧会検査を済ませ。
玄関前の床勾配を測定します。

玄関ドア際の床は
設備配管のため60cm程度の幅で二重床になっており仕上げは床タイル。
その範囲は玄関ドアの沓摺り高さに合わせほぼフラットです。

ところが、
床タイルと取り合うカーペットの幅50cm程度の範囲で
12mmの段差があり床勾配がついているのです。

念のため、お隣の玄関前はどうかな?
と測定してみると、
やはり同じ床勾配がついています。

このカーペット部分の床下地はコンクリート床。

さては、コンクリートの高さを高く打設し過ぎたな!
そして、幅50cm程度の幅でコンクリートを削り取り、摺りつけたな!
と推察します。

立ち会ったマンション施工会社の担当者に、
「この部分の床に勾配がついていますね!」
と指摘をすると、
「エレベーターシャフトに雨水が入らない様にしているのでしょう。。。」

「ということは他の階でも同じようになっているんですね。
 上の階も見せてください。」

「このマンションはセキュリティーも厳しく、既に入居者もいますので出来ません。」

「では、設計図で床高さについて確認させてください。」

ということで、
ロビーに設置してあるテーブルで設計図を確認します。
しかし、図面上は床勾配をつけるようにはなってはいません。

ここで、事情を聞いていたマンション施工会社の年配者が登場!

「私がここの責任者です!
 設計図には記載されていませんが、
 エレベーターシャフトに雨水が入ってはいけないので
 床に勾配を付けています。」

確かにマンションによっては床勾配を付けています。
しかしそれは、
開放廊下型のマンションの
雨水がエレベータシャフトに入る恐れがある場合で、
床勾配を付ける場所はエレベーターの出入口部分なのです。

でも今回のマンションは内部廊下形式で雨水が入り込むことは基本的に無く、
しかも、床勾配が付いている範囲は各住戸の玄関前であり、
エレベーターホール・内部廊下全体はフラットなのです。

仮に非常階段の扉を開けた場合雨水が入り込むとしても、
相対的にフラットなので、
責任者が言うところの理由が成り立ちません。


「エレベーターシャフトに雨水が入らないように床に勾配を付けているというのであれば、
 売主も解っているのですよね。
 念のため理由書をもらえますか?」

「責任者である私の口頭説明ではダメですか?」

「売主名の文書としてもらえればと思います。」


マンションを施工するに当たって、
何が何でも施工精度をゼロにしてほしいと言っているのではありません。
そして、人間が造るものですからミスだって生じることは重々承知しています。

でも、その対処方法として、
適切な方法を取ってほしいのです。

今回の場合、
エレベーター自体の高さとお部屋の仕上げ高さに12mmという誤差が生じているため、
根本的に手直しすることは困難です。

そして手直し方法として、
コンクリートを削りとって高さを摺りつける範囲を
体感で解らない程度にしてもらいたかったということです。

果たして、どんな理由書が出てくることやら。。。。


2009年11月12日

内覧会★同行日記 【ゼネコン勤務者からの依頼】

【288時限目】                              author アーキスケット 出口

一戸建て木造住宅の内覧会同行のご依頼者から
事前に送付されてきた資料の封筒を開けるとお手紙が・・・・

『はじめまして。私は〇〇建設の積算部に勤めています。
 事務職なので建築の知識はありません。
 最初は同じ部署の人に頼もうと思ったのですが、
 受けてくれる人がいませんでした。
 よろしくお願い申し上げます。』

〇〇建設と言えば、ほとんどの人が知っている建設会社です。
で、受けてくれる人がいなかったことについて伺うと、
こんなやり取りがあったらしい。

「Aさん!一級建築士の資格をお持ちだったですよね!
 今度、うちの内覧会があるんですが、同行検査をお願いできないでしょうか?」

「いやあー。。。僕は積算一筋だから一級建築士を持ってはいるけど検査はどうも・・・・」

「Bさん!積算の前は現場施工をしていたんですよね!
 今度うちの内覧会があるんですが、同行検査をお願いできないでしょうか?」

「マンションだったら解るけど、木造住宅はどうも・・・・」

これは、体の良い断り方なのでしょうか???

内覧会検査を頼むんだったら、建築の資格を持っている人!!!

と思われてる方も多いと思います。
でも、内覧会の検査をするのに資格は必要ないのです。
この業界、
中には、本職が内装職人が行っているところ。
中には、本職がリフォーム業が行っているところ。
中には、本職がフロアーコーティング業が行っているところ。
すらあるのです。

でも、資格はあった方が良い!
それも建築施工管理技士よりは建築士!!
同じ建築士でも、二級建築士よりは一級建築士!!!

と思われている方も多いと思います。
でも、
一級建築士は何でも知っていると思われている方が何と多いことか。。。

確かに資格を持っていないより持っている方が良いでしょう。
先ずは最低限の知識あるという土俵に上がっていることに越したことはありません。

でも、一級建築士も医者の資格と同じで専門が分かれるのです。
耳鼻科医が外科手術はできないでしょう。
それと一緒で、積算専門の一級建築士が木造住宅の検査は難しいかもしれません。

住宅建物といっても、その構造や規模は千差万別。

構造体としては、
RC造、PC造、S造、SRC造、木造在来工法、ツーバイフォー工法などなど。

構造形式としては、
耐震構造、免震構造、制震構造などなど。

規模としては、
超高層、高層、低層、地下階の有無などなど。

そして、それらの組み合わせで住宅系建物の設計がされているのです。
一級建築士と言えども、
オールマイティーにこれらの知識を持っている人は、
そうそういないのではないでしょうか。。。。

内覧会同行をご依頼するときは、
その建物の規模・構造などにより、
業者名というよりはむしろ
実際に来てくれる同行者個人の知識と経験が大きく物を言うでしょう。


今回の一戸建て木造住宅の内覧会、
なかなか良い出来栄えでしたが、ユニットバスの天井裏を見ると
ボードを留めるビスピッチが不足しています。

もし、ゼネコン積算部署の方が検査していたならば、
気付かなかったかもしれませんね!

2009年11月09日

内覧会★同行日記 【こだわり住宅内覧会】

【287時限目】                              author アーキスケット 出口

住宅価格って解りづらいですねー!!!

超大手の住宅メーカーでは坪110万円前後、
良く知られた住宅メーカーでは坪80万円前後、
中堅どころの住宅メーカーでは坪65万円前後、
安さを売りにしている住宅メーカーでは坪50万円前後、
中には坪40万円前後なんていう住宅メーカーなんてものもあります。

一体何が違うんだろう???
住宅の見積書を査定・チェックしていると色々なカラクリが見え隠れします。

見積もり価格が高い住宅メーカーは、
やはりシステムキッチンや洗面化粧台、
ユニットバスなどの住設機器のグレードが良いという傾向があります。

見積もり価格が安い住宅メーカーは、
何でもかんでも徹底的にグレードが低いものを採用しています。

しかし、それだけで住宅価格がこんなに違ってくるのでしょうか?

答えはNOです。

住宅価格の違いのカラクリは、”構造体”の価格にあります。

特殊な金物を使っているとか、
工場組み立て加工するだとか、
技術開発料だとか、
何だかんだ理由を付けて価格が高くなっていることが多々あります。

でも、まだそれが理由ならまだ良い方。
ひどい住宅見積書なんかは、
ほとんど変わり映えのしない軸組み在来工法の構造体価格が、
素人には解りづらい、『一式 うん百万円』などと高額に記載している
坪80万円前後の大手ハウスメーカーだってあるのです。

で、内覧会に行ったりしてみると、
坪50万円の住宅メーカーとそんなに変わり映えしないなんてことも。。。。


余談が長くなりました。

さて住宅内覧会です。
事前に送付していただいた資料を見ると、
坪50万円程度の住宅メーカーの建物です。

そして資料には追加変更工事の見積書が山のように添付されています。

何とその総額、780万円!!!

その内容はというと、
・外装サイディングを標準仕様から重厚感あふれる最高級グレードへ。
・くつろげる空間としてバルコニーを増床。
・平天井を折り上げ天井にし雰囲気のあるリビングに。
・一般的なフローリング床をゴージャス感ある石調床材に。
・階段手摺をクロス仕上げの腰壁からデザイン性豊かな銘木を使用した洋風手摺に。
・システムキッチンや食器棚は奥さん好みのハイグレードに。
・玄関には部屋内だというのに坪庭を配置。
などなど・・・・書ききれません。

そして内覧会当日。

「それにしてもすごい額の追加変更工事ですね!」

「ハイ、いろいろと考えたんで結構楽しめました!」と、太っ腹なご依頼者。

お部屋に入ると、
「あなたのこだわっていた階段の手摺、思ってた以上に良いわねえー!」

「お前の選んだシステムキッチンも使いやすそうでデザインも良いね!」

「あなたの選んだこの石調の床なんか明るくてセンスあるわあー!」

「お前の考えた坪庭だって大正解!」

などと、思い通りの出来栄えに夫婦ともども大満足!!!

私の目から見ても、
こだわりのハイグレード注文住宅のようにしか見えません。

やっぱり、780万円の追加変更をしただけのことはあるよなあー!

でも、よくよく考えると、
坪当たり20万円程度のグレードアップ。
住宅価格全体で考えると坪70万円で出来ちゃっているんです。

大手住宅メーカー標準仕様のものよりずっと良い!

お見事!


2009年11月05日

内覧会★同行日記 【補助手摺下地はどこ太?】

【286時限目】                              author アーキスケット 出口

マンション内覧会でお部屋の検査終了後に、
私の挙げた指摘事項をひとつひとつその場所、場所に行って説明します。

そして最後のひとつ、施工会社立会者に確認します。

「カタログにある専有部分内部仕上げ表では、
 玄関、廊下、リビング・ダイニング、和室、洗面室、トイレに、
 将来用の補助手摺下地が取り付くことになっています。
 でも、どの位置に補助手摺下地があるのか解りません。。。。」

「そうですか。。。。」

「補助手摺下地の位置を示すものはマンション購入者に渡されないのですか?」

「その予定はありません。」

「それじゃー、マンション購入者はどうやってその位置を発見すれば良いのですか?」

「マンション管理組合への引き継ぎ図書として大工の造作図を渡すことになっています。
 それを見れば解ると思います。」

「補助手摺下地の位置が大工の造作図に記載されているというのは、
 マンション購入者はどうやって解るんですか?」

「・・・・・」

「大工の造作図では不親切ですよね。
 場所がちゃんと解るような説明資料が必要じゃないでしょうか?」

「売主と相談します。。。」

「ちなみに、この和室のどこに補助手摺下地があるんですか?」

「このアルミサッシの横だと思います。」

ここで、この内覧会ブログにたびたび目にする、”どこ太”くん登場!

この検査道具、針が出てきて下地がある場所が解るものです。

指示された場所に、
『プスッ』

”どこ太”くんの針は、石膏ボードを突き抜け空気層へ突入。

補助手摺下地なんかはありません。

「この位置には無いようですね。」

「内覧会場で設計図面で調べます。」

ということで、
マンションロビーに設営された内覧会場で設計図を確認します。

すると、
”手摺下地凡例図”なるものが記載されており、
平面図や展開図に補助手摺の位置が事細かに示されています。

なーんだ。この凡例図をマンション購入者に渡せば良いんじゃないの?

なんで、『大工の造作図を見てくれ。』なんて言うんだろう?

そして、その凡例図をよくよく見ると、
先ほど、”どこ太”くんで刺した場所ではなく、
アルミサッシの反対側に補助手摺下地があることになっています。

施工会社の立会者の勘違いだったんだあー。。。

と、思っているところに、
図面確認と並行して、
現地を確認しに行っていた現場所長らしき人が戻ってきて、
「リビングダイニングと和室には、補助手摺下地は入っていませんでした。。。」

「このお部屋だけではなく、このマンション全ての所帯も入っていないのでしょうか?」

「ハイ。全て共通です。。。」

この短い時間(10分程度)に、200所帯弱の全てを確認できたのだろうか?


すると、検査に立ち会った担当者の方が、
「補助手摺下地については、重要事項説明で記載されるべきもので、
 そこには補助手摺下地が記載されていません。
 ですから、カタログの、”表記ミス”だと思います。」

「補助手摺の取り付けは重要事項説明に該当するものではありません。
 追記として記載するかしないかは勝手ですが、
 マンション購入者には解らないことですよ!

 カタログにも明記されているし、
 設計図にも明記されているし、
 このマンションの設計思想ですよね!
 これは、”表記ミス”ではなく、”施工ミス”じゃないですか?」

「売主と相談し回答します。。。。」

一体、何を相談するのだろうか?

正当な理由があって補助手摺下地を取り止めているのなら、
ちゃんとマンション購入者全所帯に説明してほしいし、

施工会社の単純な、”施工ミス”なら、
デベロッパーは安易な妥協はしないでほしい。

でも、その場合、
所帯数が多いだけに大変だあー。。。

2009年11月01日

内覧会★同行日記 【継ぎ足されたアルミ手摺】

【285時限目】                              author アーキスケット 出口

マンション内覧会です。
このマンション、地下1階地上9階建ての鉄筋コンクリート造で
2棟がL字形でエキスパンションジョイントで繋がった構造となっています。

内覧会の受付を済ませ、
ご依頼者と施工会社の立会者とともに、
目的のお部屋のある3階でエレベーターを降ります。

共用廊下を歩いて行くと、
2つの棟を繋ぐエキスパンションジョイントの金物が1階から9階まで見渡せます。

でも、エキスパンションジョイント金物の大きさが階によってまちまちなのです。

施工会社の立会者に、
「エキスパンションジョイントの大きさが階によって違っているのはどうしてですか?」
と尋ねます。

「地震の時に階によってマンションの揺れる幅が違いますから、
 それに合わせてエキスパンションジョイントの大きさを決定しています!」

「そうなんですね。。。
 だからコンクリート手摺だけの階とアルミ手摺を継ぎ足したものとが混在してるんですね。」

「ハイ!」

「施工するのも面倒くさかったんじゃないですか?」

「その通りなんです!」

「でも、見栄えは悪いですね。」

「そういった設計ですから。。。」

パンフレットにある全体平面を見ても、そこまでの細かい記載はされていません。

まあー、説明としては理にかなってはいます。

さて、お部屋に入り、
本格的に内覧会の検査スタートです。

で、いつものようにバルコニーから検査を進めます。

すると、コンクリート手摺の端っこに
共用廊下と同様、
手摺子2本のアルミ手摺が継ぎ足されています。

コンクリート手摺と隣戸の壁との間は25cm程度。
この隙間に継ぎ足されたアルミ手摺が無ければ危険です。

一般的には、手摺の隙間は11cm以下に設計します。
理由は、子供が落ちないためにはこの位の隙間以下にしなければならないからなのです。

ここも、エキスパンションジョイントなのか?

でも、でも、でも、でも!

バルコニーの床を見ると、
隣戸の壁に繋がっているではありませんか。

もしかして、床だけエキスパンションジョイントにするのを間違えた?
それこそ大きな構造的欠陥となってしまいます。

そこで、間取り図をよくよく見ると、
隣戸も同じ棟であり、エキスパンションジョイントを設けるところではありません。
そして、アルミ手摺の継ぎ足しの表記もなく、
コンクリート手摺が壁際まで伸びています。

じゃー、このアルミ手摺の継ぎ足しは何なんだ?

で、手摺から外側へ頭を突き出し、
下の階の手摺を見てみます。

でも、やっぱりアルミ手摺の継ぎ足しがされています。
次に上の階の手摺を見てみます。

すると、アルミ手摺の継ぎ足しなんかされていません!

施工会社の立会者を呼び、
「このアルミ手摺が継ぎ足しされた理由はエキスパンションジョイントだからですか?」
と尋ねます。

「・・・・・」

「違いますよねえー。じゃー、理由は何なんでしょうか?」

「実は、コンクリート施工図を間違えました。。。。」

「ということは、間違いを気付いたのが最近ということですか?」

「・・・・・」

もう、足場も無いし、引き渡しも間近だし、
今更コンクリート手摺にするといった手直しが出来ないということで、
アルミ手摺の継ぎ足しといった対策を取ったということです。

「でも、上の階からはちゃんとした位置のコンクリート手摺になっているから、
 最近解ったということではないんじゃないですか?」

「・・・・・」

見え透いた言い訳はしないでほしい。

その時にきちんとした決断をしていれば、
鉄筋の接合やコンクリートの打ち継ぎ処理などの
手間暇かかる問題はあるにせよ、
適切な対処方法はあったはずです。

でも、今更です。。。

「マンション購入者に、訂正図を渡し変更理由を説明するべきではないでしょうか。」

「・・・・・」

あまりにもお粗末で恥ずかしい施工なので、
説明も出来ないということでしょうか?


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