【303時限目】 author アーキスケット 出口
超大手デベロッパーによる評判の良い人気シリーズ。
しかし、今回のマンション内覧会は40所帯弱と規模は小さく、
中堅ゼネコンによる施工です。
マンション内覧会同行のご依頼者とともに受付を済ませ、
施工会社担当者に案内されお部屋の玄関前に到着です。
この段階で、
うーん、ちょっと気になることが・・・・2、3箇所。
お部屋に入り、
先ずはバルコニーから内覧会検査スタートです。
んっ?、こっちも気になることが・・・・2、3箇所。
とにかく、
誘発目地、水切り目地、打ち継ぎ目地、構造スリット部分のタイル化粧目地など、
目地といった目地がなんともお粗末!?
で、
年齢的には私と同じくらいと思われる施工会社の立会い者に、
これらの目地について確認していくと、
「私は設備担当なので建築に関することは解りません。
この現場の所長を呼びます!」
で、しばらくすると所長がわざわざお部屋までお出ましです。
なんとも若い! 40歳前だろうか?
きっと、実力があって所長に抜擢されたのだろう!・・・か?
「梁の誘発目地や水切り目地がつぶされていますね。
これじゃー、将来ひび割れが発生する可能性が大きいですよ。」
「見栄えを優先してつぶしています。」
「だったら、最初から目地を入れなければ良かったんじゃないですか?」
「売主と相談して決めているから問題ないです。」
このへんから、
拳をにぎりしめ、涙目になり様子が変わってきます。
次に、
「構造スリット部分のタイル目地幅が35mmもありますよ。
お隣は25mmです。
見栄えの問題ですが、玄関前だし目立ちますよね?」
「構造スリットなので25mm以上にしています。」
「構造スリットの幅は層間変位以上にすることは解っています。
化粧としてのタイル目地幅を言っているんです。
幅の許容範囲はいくつですか?」
「25mm以上で問題はないですよ!」
このへんから、
口調が強く反論的になってきます。
次に、
「廊下側のコンクリート手摺周りに打ち継ぎ目地が入っていませんよ。」
「そういう納まりです。」
「バルコニー側のコンクリート手摺周りには打ち継ぎ目地が入っています。
矛盾しますよね。」
「・・・・・」
このへんから、
顔が赤くなり、返す言葉もなくなります。
次に、
「このコンクリート手摺の巾木部分の誘発目地がつぶされていますね。」
「下の階との関係です。」
「すぐそこの誘発目地は巾木部分にもシールがされているのに矛盾しますよね。」
「作業の流れなんでこうなります。」
このへんから、
何を言っているのか解りません。
一方、マンション内覧会ご依頼者の奥さんは、
だんだん、だんだん悲しげな表情になっていきます。
こんなとき、私も本当に辛くなります。。。
指摘を挙げなければ良かったんじゃないかと。。。
この所長では、
いくら質問や指摘をしても、まともな回答を得るのは無理。
「これらのことは、再内覧会で売主から回答するようお願いします。」
で、所長は退却。
すると、設備担当の立会い者が、
「所長もあんな言い方をしないでも良いのに。。。。
解らないのであれば他に答えようもあるのに。。。。」
検査に立ち会っていた内覧レディーが、
「内覧業者さんの説明は本当に解りやすくもっともだと思います。
”ウンウン”と、うなずいちゃいました!
勉強になりました!」
そして、一番ホットしたのは、
マンション内覧会ご依頼者からのメールです。
「昨日は内覧会への同行ありがとうございました。
出口さんに同行して頂いて、本当に良かったです。
しかし、施工会社の所長さんの説明はお粗末でしたね。
誠意のない対応の事例を見ているようでした。。。。」
所長の資質というのは、
技術的知識だけではありません。
それにも増して、
思慮深い言動、お客様への誠意、部下からの信頼などなど、
所長の品格が大切です。