内覧会★同行日記 【最上階の怪現象】
【315時限目】 author アーキスケット 出口
マンション内覧会の受付を済ませ、
最上階にあるお部屋に向かいます。
エレベーターを降り外廊下を歩いていると、
突然、ご依頼者のご主人が立ち止ります。
そして、アルミ格子手摺から頭を出し、
下の方を眺めながら、
さりげなく、
「これだったら死ねるよなぁー。。。。」
すると奥さんが、
「そうねぇー。。。。でも、恐ーい。。。。」
と、不吉な会話。。。
マンションを買ったばかりなのに、『まさかなぁー。。。』
と軽く聞き流します。
何事もなかったようにお部屋に入り内覧会検査スタートです。
ひととおりの検査を終えると私の指摘事項は20項目。
リビングでご依頼者と施工会社の立会い者に向かって指摘事項を説明します。
すると、何かが動く気配。。。
でも、そこは転落防止手摺が取り付いている窓の外のはず。。。
そして、顔をご依頼者達からその窓へ。
スーーーーー。。。。
と窓の外で何かが動きます。
何が起きているんだろう。。。。
と、しばし呆然。
そして、良く確かめもせずに、
「窓の外で何かが動きましたぁーぁーぁー。」
と叫んでしまいます。
ご依頼者達も、
窓の方に顔を反転させ、
「・・・・・・」
何を言っているの?
とでも言うかのように不信な目を私に向けます。
窓をよくよく見てから、
「もしかして、網戸が動いた?」
「まさかぁー。。。」
で、勇気を出し、窓を開け、右側にある網戸を左側へ移動し、窓を閉めます。
・・・・・沈黙。
しばらくすると、
突然、網戸が、
スーーーーーっと左から右へ。
「ウォォォォォーーーー!」
全員が、しばし呆然。
「風邪で網戸が動いたんですね。」
と説明しても、
直ぐには信じられない様子。
ここで、ご依頼者のご主人が、
施工会社の立会い者に向かって、
「この部屋の上は屋上ですね。
工事中、ここで誰かが飛び降りたなんてことなかったですよね。。。」
「ヤダー。。。変なこと言わないでよ!」と奥さん。
「そんなことありませんでしたよ!」
「本当?」
「嘘じゃありませんよ。
現場経験は長いですが、
運良く(?)、これまで一度も死亡事故を起こしたことなんてありません!」
で、再度、窓を開け手を外に出すと、
エントランスでは気にもならなかった風が、
最上階だと少し強くなっています。
でも、
「この程度の風で網戸が動くようじゃ調整が必要ですね。」
と、21番目の指摘を追加です。