内覧会★同行日記 【その手直し、本当にできるの?】
【329時限目】 author アーキスケット 出口
ここは、マンションのルーフバルコニー。
アスファルト防水の上にシンダーコンクリートが打設されている仕上げです。
壁にはアゴがあり、
その下部で露出アスファルト防水が立ち上がり、
端部金物押さえとアスファルトコーチングと言うシーリングがされています。
アゴ下に水切り目地がちゃんと取り付いているのかなあーと、
点検鏡で確認していきます。
すると、
1スパン分(柱から柱まで)、水切り目地がありません。
施工会社の立会い者に、
「この範囲のアゴ下に水切り目地が入っていませんね。」
すると、手探りで水切り目地が入っていないことを確認していきます。
シンダーコンクリートとアゴ下の隙間が15cm程度しかなく、
覗き込むわけにもいきません。
「点検鏡を貸しますよ!」
「ありがとうございます。」
で、改めて点検鏡を使って確認し、
「確かにありませんね。」
「水切り目地を取り付けてもらえますか?」
「ハイ、目地棒を取り外せば良いだけですから。。。」
「もう一回、点検鏡でよーく見てください!
目地棒が埋まっている痕跡がありませんよ!」
目地棒が埋まっているのなら、
少し色が違うとか、釘が出ているはずなのです。
しかし、その痕跡が見当たらないのです。
ということは、
目地棒の入れ忘れ。。。
「直してもらえるのでしょうか?」
「ハイ、直します!」
「どうやって?」
「・・・・・・」
この水切り目地を設ける手直しは、
ハンディータイプのダイヤモンドカッターでコンクリートを切断し、
ノミで溝部分のコンクリートをはつり取り、
目地棒をモルタルで埋め込まなくてはなりません。
しかし、隙間が15cmしかないのです。
覗き込むことすらできない場所で、
こんな作業ができるのでしょうか?
マンション内覧会のご依頼者に了解を取った上で、
「水切り目地の目的は雨水がアゴを伝わって
防水端部のアスファルトコーチングに行かないようにするためです。
見えない場所でもあるので、
小さなアルミアングルをシーリング材で全面接着してください!」
「その方法でよろしければ手直しさせていただきます。」
内覧業者は、
不具合をただ指摘するだけでは務まりません。
手直しが非常に困難な不具合だって発見するケースも多々あるのです。
こんなとき、
「設計図どおりに直してください!」
と突っぱねるのは簡単。
しかし、現実を見て、手直しの代案を提案したり、
施工会社あるいは売主と協議することが出来なくてはなりません。
ということは、
相手と同等以上の技術的実力がないといけませんね。
日々、経験と勉強です!!!