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2010年07月 アーカイブ

2010年07月26日

内覧会同行ブログ 【矩計図の有る住宅・無い住宅】

【350時限目】                            内覧会同行 アーキスケット 出口

「〇月〇日土曜日の午後に
 新築住宅の内覧会同行をお願いしたいのですが・・・」

「その日は午前に新築住宅の内覧会同行の予定が入っていますが、
 午後でしたら予定させていただきます。
 それでは次に示す資料のコピーを事前に送付してください。」

・建物概要 (チラシやパンフレットなど)
・図面関係 (仕上げ表、仕様書、配置図、各階平面図、立面図、断面図、矩計図)
・地図    (最寄駅から現地まで解るもの)
・オプション (セレクト表、注文書、カタログ等)


ここで、矩計図(かなばかりず)とは、
断面詳細図みたいな図面で、
外壁、屋根、床下の断熱材や仕上げ材、天井高さなどなど、
色々な情報が記載されているもので、
新築住宅の内覧会検査では本当に役立つ図面です。


後日、送付されてきた資料を確認すると、
簡単な平面図、立面図、配置図しかありません。

「これで足りますでしょうか?」
の問いに、

「仕上げ表、断面図、矩計図が不足しており、情報量が乏しいと言えます。
 要求しないと手渡されないことも多いので、
 売主に確認してみてはいかがでしょうか?」

で、後日の回答です。
「売主から、
 『仕上げ表、断面図はございません。
 矩計図はお客様にはお出ししておりません。ご了承ください。』
 との回答です。
 こんなものでしょうか?」

「入手できる図面・資料の中で精一杯検査させていただきます。
 内覧会検査当日、不明な点や質問事項が出てきましたら、 
 直接、売主立会い者に口頭確認させていただきます。」


内覧会当日です。

午前の新築住宅内覧会検査では、
矩計図や仕上げ表などの資料がほぼ揃っています。

そして内覧会検査の結果、
フローリングのキズ、玄関ポーチの床タイルの浮き、床下の断熱材施工不良など、
いくつかの指摘があったものの、
矩計図や仕上げ表、その他の図面との相違点もなく、
結構、良い出来の住宅です。


そして、最寄り駅が2つ先で行われる午後の新築住宅の内覧会検査に向かいます。

で、ご依頼者ともども、
売主営業立会い者と仲介業者にご挨拶。

「ところで、そちらの会社では矩計図を住宅購入者に渡さないのですか?」
と尋ねます。

すると、
「当社では矩計図をお渡ししておりません!」

「何で渡さないのですか?」

「企業ノウハウが記載されているため極秘なのです!」

「そうなんですかあー。。。?
 でも、今日午前中に内覧会検査した新築住宅は、
 偶然そちらの会社が売主でした。
 そこでは矩計図も仕上げ表もありましたよ!」

「・・・・・会社規定では渡さないことになっています。
 午前中の当社担当者を教えてください。罰則ものです。」

本当かいな?

これまで、この住宅メーカーの内覧会にいくつも同行しましたが、
「矩計図は渡せない。」
と言われた記憶はありません。

そして、矩計図に、
住宅購入者に渡せないような企業ノウハウが記載されていた記憶もありません。

とりあえず、
午前の新築住宅と同じシリーズなので同じ仕様のはず。。。
その記憶を頼りに内覧会検査を進めます。


で、内覧会検査終了後の指摘・確認事項です。

「この1階のトイレには手摺が付いていませんが、午前の新築住宅では付いていましたよ。」

「・・・・・付きます。これから取り付ける予定でした。」

「階段に手摺が付いていませんが、午前の新築住宅では付いていましたよ。」

「・・・・・付きます。これから取り付ける予定でした。」

その他、
・木製建具の戸当たりが全箇所取り付いていない。
・網戸が全箇所取り付いていない。
・給湯器カバーが取り付いていない。

などなど、
引渡しを1週間後に控え、最終クリーニングを終えているというのに、
いくつか取り付くべきものが取り付いていません。

でも、その度に、「これから取り付ける予定でした。」との回答。

本当かいな?

もしかして、
施工担当者にも、
矩計図や仕上げ表を渡していないんじゃないの?


それ以外は、
断熱材の仕様や仕上げ材などは他物件の矩計図・仕上げ表どおり。
そして、キズ・汚れも少なく、
見た目の仕上がり具合としてはそれなりに良い。

でも、
もし、午前の内覧会検査資料の矩計図や仕上げ表をもとに口頭確認していなければ、
住宅購入者は、
取り付くものが取り付いていないことに気が付かないまま
入居していたのかもしれません。。。。


2010年07月22日

内覧会同行ブログ 【内覧業者はいい商売?】

【349時限目】                           内覧会同行 アーキスケット 出口

二世帯住宅の内覧会同行です。

お部屋に入ると、
ご依頼者夫婦と息子夫婦とご挨拶。

「しっかりと検査させていただきます。よろしくお願いいたします。」

その後、ハウスメーカー担当者から名刺交換を求められ、
「今日、検査をさせていただきますアーキスケットです。よろしくお願いいたします。」

相手の名刺を確認すると、
大手不動産会社の住宅事業部の社員です。

資格も記載されており、

 二級建築士
 一級建築施工管理技士

資格を持ち合わせない住宅施工担当者が多い中、
この住宅はラッキー(?)かもしれません。


すると、おもむろに、
「内覧業者って、いい商売ですよね!」

”いい商売”ってどんな意味で言っているのだろう???

とりあえず、
「決して楽な商売ではありませんよ。」

「実は、自分でも内覧業者をやってみようかと思っているんです。」

”ご依頼者のためになる”といった志があるのなら良いのですが、
楽でお金儲けができると思っているのなら勘違いしちゃっているかもしれません。


自分にどれだけの仕事の依頼があるのかなあー?

取らぬ狸の皮算用なんかしていたら人生狂ってしまいます。
内覧業者のホームページを見て、
年間一人当たりの検査回数をチェックすると参考になるかもしれません。


会社経費ってどのくらいかかるのかなあー?

事務所経費、営業経費、社会保険料、税金などなど、予想以上に出費してしまいます。
内覧業者の中には、
”検査当日の現金払い”で税金対策(?)なんてやっているところもあるようですが・・・・


自分の知識・技術力・交渉力は通用するのかなあー?

内覧会同行のご依頼は、一戸建て住宅、マンションですが構造は様々です。
そして交渉相手も様々な人がいます。
内覧業者がなめられないためには、肩書き(資格)、経験・経歴も重要ポイントです。


で、二世帯住宅の内覧会検査結果です。

・壁の傾斜が許容値を超えている
・アルミサッシ網戸枠が固定されていない
・AW額縁のビスキャップや引き戸枠のビスが抜けている
・物入折戸の開閉不良
・洗面化粧台横の巾木が付いていない
・境界杭が入っていない
などなど、
指摘・確認事項が28項目挙がります。

すると、ハウスメーカー担当者から、
「事前にしっかりチェックしたつもりだったんですが・・・・
いい勉強になりました!!!」


内覧業者で一番大事なことは、”不具合の発見力と誠意”です。

建築士や施工管理技士の資格を持っていれば出来る商売でもありません。

これほど指摘が多く挙がるようでは、
自分がやってみて、
”いい商売”と言える内覧業者になるまでには、まだまだ・・・かも。

2010年07月18日

内覧会同行ブログ 【Wセカンドオピニオン大成功!】

【348時限目】                           内覧会同行 アーキスケット 出口

「もしもし、今度、マンション再内覧会があるんですけど、
 再内覧会からでも同行していただけますか?」
との問い合わせ。

マンション内覧会で、
ご自身で検査を行った結果不安に思われる方も多く、
再内覧会で検査依頼をいただくケースも結構あります。

「もちろん、同行させていただきます!」

「実は、最初のマンション内覧会の時も一級建築士の方に見てもらったんですけど、
 それでも良いですか?」

「普通は内覧会時に同行してもらった一級建築士の方にご依頼することが多いと思いますが、
 何かあったんですか?」

「・・・・・、やっぱり別な方が良いと思いまして。。。」

「では、事前に送付いただく資料として内覧会時の指摘事項記載シートも送付してください。」

「ハイ、解りました。」


で、送付いただいた内覧会時の指摘事項記載シートを見ると、

・バルコニーの隔板に隙間があり隣が見える。塞ぐ
・クローゼットの引き戸の引き残しが無い。危険
・洋室の給気口は防音型にすべき
・排気口ガラリの羽の向きが違う
・サービスバルコニーの排水でオーバーフロー管が設けられていない

などなど、設計や仕様上の指摘。

・サッシの気密不良
・バルコニータイルの浮き
・打ち込み断熱材の浮き
・サッシ水切り下のコーキング幅の不足

などなど、施工不良の指摘

その他、キズ・汚れ等を含めると、
合計60項目の指摘が挙がっています。

なかなか鋭い指摘。

でも、この指摘パターンはどこかで見たことがある。

この一級建築士って、もしかして・・・・


で、マンション再内覧会当日。

「はじめまして。本日はよろしくお願いいたします。」

「こちらこそよろしくお願いいたします。
 内覧会時の指摘事項記載シートを見させていただきました。
 なかなか鋭い指摘を挙げていますね。」

「そうですか。。。
 内覧会の時の一級建築士さんは知人の紹介だったんです。
 やはり不安もあり、
 今回はセカンドオピニオンとして別な一級建築士の方の同行を決めました。」

「内覧業者によっては見方が違います。
 やはり、多くの目でチェックすることも良いと思います。」


マンションに到着すると
受付では売主担当者と施工会社の所長が待ち構え、

私の顔を見て安堵した様子???

この売主担当者、以前お会いしたことがあります。

そして、お部屋に入る前にロビーで
内覧会時の指摘への対応説明があります。

その話の中の随所に、
「〇〇氏」といった名前が出てきます。

やっぱり!!!〇〇氏か!

まっ、私は私の検査をするだけです。

お部屋に入り、
ご依頼者は売主担当者と施工会社の所長と、
〇〇氏の指摘の是正確認を行っていきます。

私は、内覧会時と同様に
初めての検査としてお部屋をチェックしていきます。

で、
私のワンパターンではない指摘・確認事項が、
新たに20項目が挙がります。

ご依頼者にとって、
Wセカンドオピニオン大成功!!!(?)


2010年07月14日

内覧会同行ブログ 【半地下構造の防水納まり】

【347時限目】                           内覧会同行 アーキスケット 出口

一見、
道路側から見ると3階建ての木造住宅。

でも、建物の反対側から見ると、
1階部分が半分ほど地中に埋まっており、
建築基準法上は、地下1階、地上2階建ての木造住宅です。

こんな時の設計は、
基礎コンクリートの立ち上がり壁を高くし土圧に耐えるようにしています。

で、
防水はどうなっているのかなあー?

と、内覧会検査の為に
事前に送付されてきた図面の矩計図(断面詳細図)を確認します。

床コンクリート(耐圧版)と基礎立ち上がりコンクリートの間には、
”止水板”

基礎立ち上がりコンクリートの外周部には、
”外防水(塗布)”

と明記されており、

この設計者、
防水の基本が解っているうー!!!
と安心します。

内覧会検査も終盤、
建物外周廻りの検査です。

まだまだ、外構工事は未済の状況なのですが、
玄関前のグレーチング内に見える基礎立ち上がり部分は、
どう見てもコンクリート打ち放し。

あれっ、外防水はしていないの?

今度は場所を変え、
建物際の土を掘り起こして半地下外周壁面を確認します。
すると、
どう見てもコンクリート打ち放し。

間違いなく、外防水はされていない!

売主施工担当者に、

「矩計図では、外周基礎立ち上がり部分に、
 ”外防水(塗布)”と記載がありますが、
 外防水がされていないように見えますね。」

「”内防水”に変更しています。」

「そうなんですかあーーー。
 防水は水の入る側で行う外防水の方が良いと思いますが、
 内防水にした理由は何でしょうか?」

「施工上の理由です。」

「内防水の方が施工しやすかったということですね。」

「・・・・・」

「床コンクリートと基礎立ち上がりコンクリートの打ち継ぎ部分には
 止水板は入れてあるんですか?」

「いえ、内側の入隅部分に防水材を詰めています。」

「そうなんですかあーーー。」


どうやら最悪に事態である防水施工の忘れではなかったようです。

しかし、この住宅は床下がなくネダフォーム敷きの納まりで、
従って床点検口もないので
内防水が確実に行われているという確認ができません。

で、間違いなく内防水がされているのであれば、
防水業者から保証書が出るはず!

「防水保証は出るのでしょうね。」

「ハイ、10年保証が出ます。」


漏水は結果論。

内防水でも漏水しなければ良いのですが・・・・
個人的には(設計者も?)、
外防水が絶対に良いと思っています。

床下が無く、点検口が無いのも気になります・・・・
万が一、漏水した場合、
いつになったら気が付くのか解りません。

2010年07月11日

内覧会同行ブログ 【制震構造 疑問に答えて!】

【346時限目】                           内覧会同行 アーキスケット 出口

地震大国 ニッポン!

さまざまな制震構造や免震構造の商品が開発され、
これらの技術を採用するマンションや一戸建て住宅が増えてきました。

私個人的には、
制震構造・免震構造は大賛成!

しかし、免震タワーマンションや制震一戸建て住宅はちょっと疑問。。。
原理原則は、
固有周期の長いヒョロヒョロした建物には制震構造、
固有周期の短いズングリムックリした建物には免震構造なのです。

そして、制震構造や免震構造の商品の中にはちょっと疑問。。。なものも・・・


さて、マンション内覧会。
今回のマンションは制震構造を採用したタワーマンションです。

内覧会検査終了後、

「このマンションは制震構造なんですよね!」
と尋ねると、

「ハイ、そうです。見ますか?」

「是非、是非、見せてください!」

で、廊下にある点検口を開け制震壁を見せてくれます。

この制震壁を見ると、
下の階に固定された鉄板を
上の階から吊り下げられた2枚の鉄板で挟みこみ、
高力ボルトで締め付け、
鉄板同士の摩擦で地震時の揺れ幅を減衰させる構造となっています。


ここでちょっと疑問。。。

「仮に建物の長辺方向に建物が揺れた場合、
 短編方向に設置してある鉄板は面方向に曲がってしまいますよね。
 そうすると、
 期待している摩擦係数が変化してしまうんじゃないですか?」

「鉄板が曲がるほど建物は揺れないですから。。。」

「制震構造は建物が揺れた場合に効力を発揮するものではないんですか?」

「・・・・」

「何度かの地震にあう度に、
 高力ボルトで締め付けられている鉄板の摩擦係数が変わってくるんじゃないですか?」

「そんなことはないと思います。。。」

「ところで、この高力ボルトのルーズホールは
 どの程度の揺れ幅に対応してしているんですか?」

「・・・・」

「上下階の鉄板の取付精度や
 高力ボルトの締め付け力の管理は難しかったでしょうね。」

「私、構造設計ではないので解りません。。。」

「施工管理のお話なのですが・・・」


私自身、この鉄板で挟みこむタイプの制震壁を初めて見て、
この制震構造のポイントは、

”鉄板の摩擦係数の安定性”

と思い質問してみました。

でも、きっと頭の良い方たちが開発した商品なのだから、
これらの疑問は解決されているはずです。

でも、施工担当者が知らない。。。

いくら優れた商品でも、
ちゃんとした施工がされて初めて効果が発揮されます。

ちゃんとした施工がされるためには、
その商品の知識を持たなければならないのではないでしょうか。。。


2010年07月07日

内覧会同行ブログ 【『チッ、』舌打ちが恐い。。。】

【345時限目】                          内覧会同行 アーキスケット 出口

「私たちが何か指摘を挙げる度に、
 売主の立会い者が、
 『チッ、』と舌打ちし、
 『この程度のキズは普通ですよ!』なんて言うんです。
 途中から恐くなって指摘することができなくなりました。。。。」

「そんな感じの人でしたねえー。。。」

「それにしても、出口さんの指摘説明は上手かったですよね!」

「話し方も色々と考えますので。。。。」

「内覧会の同行をお願いして本当によかったです!」


これは一戸建て住宅の内覧会を終了し、
最寄駅まで送ってもらう帰り道、
車中の会話です。


時を内覧会スタート時に戻します。

お部屋に入り、
私の検査の進め方を説明します。

ご依頼者は真剣に聞く一方、
売主の立会い者は、そっぽを向きながらまともに私の話なんか聞いていません。

今回の内覧会検査は要注意だぞ!!!

と警報が鳴り響きます。


で、内覧会検査をスタート。

検査を進めているとやはりいくつかの指摘が挙がります。
でも、途中、ご依頼者の検査の様子を伺うと、
ほとんど指摘が挙がっていない様子。
指摘を示す付箋もほとんど貼られていません。

1時間30分ほど経つと、
どうやら、
売主による住設機器の説明、ご依頼者の検査は終了し、
売主立会い者は、
『まだ、終わらないの!』といったような視線を向けます。

その視線を感じ取って、
「あと30分くらいで終わりますから。」
と聞かれもしない返事をします。

そして私の検査も終了。

ここで、
指摘事項説明の順序や話し方の戦略を立てます。

先ずは、言い逃れの出来ない手直しが簡単な指摘から。

「シューズインクローゼットのアルミサッシのビスが3個も抜けていますね!」

「えっ!これはビスを入れます。。。」

と苦笑いしながらその部分に付箋を貼ります。

次に、
「洋室のアルミサッシのビスも抜けていますよ!」

「こちらにもビスを入れます。」

次に、
「ロフトにある2本の化粧束柱の片方には廻り縁がついていますが、
 もう片方には廻り縁が付いていませんね。」

「束柱には廻り縁を付けません。
 廻り縁が付いている方は、もともと壁だった設計を変更したもので、
 壁だったから付いているんです。」

と予想もしていなかった回答です。
でも、意味が解らない。
単純に廻り縁の付け忘れと思っていたのですが、
設計変更が理由?

「でも、最終形が同じ化粧束柱なんだから左右で同じ仕上げにするべきでしょ!」

「・・・・、解りました。廻り縁くらいだったら取り付けますよ。」

次にロフトの壁にある点検口を開け、

「屋根裏に面するロフトの壁に断熱材のグラスウールが貼られていませんね!」

「そこの壁も設計変更になっている箇所です。
 その他の壁にはグラスウールが貼られていますよ!」

これまた予想もしていなかった回答です。
でも、意味が解らない。
位置が設計変更された壁にだって断熱は必要でしょ!

この売主立会い者は本当に技術屋さんなのだろうか?
で、断熱のそもそも論がら説明です。

「設計変更のない方の壁にグラスウールが貼られている目的は、
 屋根裏に対する断熱ですよね。」

「ハイ、そうです。。。」

「設計変更された方の壁だって、
 屋根裏に面するのであれば断熱が必要ですよね!」

「でも、設計変更にそんなことは記載されていません。」

「屋根裏に対する断熱の意味を考えれば解ることだと思いますが。。。
 現況、断熱のある壁とない壁が混在することに矛盾を感じませんか?」

「・・・・・、解りました。グラスウールを貼ります。」

その後、
木製建具の面材がめくれているような指摘、
壁クロスのキズ、
床見切りのキズ、
と、大きな指摘から小さい指摘といった順序で説明していきます。

そして、これら全ての指摘を手直ししてもらえるとのこと。

戦略成功!!!

でも、本当に気を使って疲れました。


2010年07月02日

内覧会ブログ日記 【家族は建築関係者】

【344時限目】                           内覧会同行 アーキスケット 出口

マンション内覧会同行のご依頼者と最寄駅で待ち合わせ。

しばらくすると、
「アーキスケットさんですか?」
と、ご依頼者の女性から声がかかります。

「はじめまして。本日はよろしくお願いいたします。」

「実は、父と弟にも来てもらいました。」

と、後ろに控えているご家族を紹介されます。

「よろしくお願いいたします。」


マンションエントランスで受付を済ませ、
お部屋に入り、
いざ、内覧会検査のスタートです。

すると、お父様は付箋片手にお部屋を見て回り、
手際良く、気になるところに付箋を貼っていきます。

途中、付箋の貼られている箇所を確認すると、
アルミサッシの額縁上のクロスジョイントのメクレまで付箋が貼られています。

このお父様、只者ではないな!

ふと、近くにいた弟様を見ると、
鞄の中から、何と、レーザーレベルを取り出し、
床勾配のチェックをしているではありませんか。

もしかして、このご家族は・・・・


しかし私も内覧会検査のプロ。
後で、
「内覧会検査のプロなんてあんなもの?」
なんて話題にされたくはありません。

ただ、本当に良い出来のマンションで指摘事項がほとんど無い場合、
私の評価はどうなるのだろう?

と若干のプレッシャーを覚えつつも、
内覧会検査を進めていると、
そんなプレッシャーからすぐに解放されます。


◇ご依頼者家族の指摘事項

・バルコニー雨水横引き配管の水勾配が確保されていない
・バルコニー手摺支柱部のコンクリート下地不良
・ユニットバス天井点検口に凹みがある
・その他、クロスやサッシなどのキズ・汚れ・隙間など多数

◇私の指摘・確認事項

・斜め上階のルーフバルコニーからの熱橋(ヒートブリッジ)に対し、
 水平方向のスラブ下部はウレタン断熱材600mm程度が吹き付けられているものの、
 垂直方向の梁・壁にはウレタン断熱材が吹き付けられていない。

・パンフレットで、
 『水周りが居室に面する間仕切り壁は遮音を配慮しボード2枚貼りとしています』
 と記載があるにもかかわらず、
 リビングと洗面室間の間仕切り壁ボードが1枚貼りとなっている。

・洋室およびLDの戸境壁の傾斜がそれぞれ11mm、8mmとなっており、
 一般的に採用されている壁傾斜の許容値3/1000を超えている。

・バルコニーの柱周りの巾木部分で、
 右側の柱はグレーのウレタン防水が立ち上がっているが、
 左側の柱は外壁塗装色となっている。
 見栄えが異なるし、防水はどうなっているのか?

・その他、クロスのパッチワーク、クロスの浮き・折り皺、ブツ、キズ、汚れなど多数


後日、ご依頼者からのメールです。

内覧会では大変お世話になりました。
お察しかと思いますが、
父弟とも建築の仕事をしており、
出口さんのご指摘を聞いて大変勉強になったと言っていました!


内覧会のプロ1名+建築関係者2名+女性のきめ細かい目線

最強タッグのマンション内覧会検査となりました。


 

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