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2010年12月 アーカイブ

2010年12月20日

内覧会同行ブログ 【質問の回答はたらい回し】

【379時限目】                         内覧会同行 アーキスケット 出口

東京都内の小規模マンションの内覧会同行のご依頼です。

事前に送付いただいた資料を見ると、
今まで数多く内覧会同行をしている建売住宅の売主なのです。

この売主がマンション販売をしているとは知らなかった!(失礼。。。)

そして、施工会社はというと、

名前を聞いたことがないゼネコンです。(失礼。。。)


マンション内覧会当日です。

先ずは、バルコニーの検査から。

間取り図では、
2段積みのクーラー室外機置き場が想定されています。

しかし、転倒防止用のアンカーが無い!

で、内覧会検査に立ち会った施工会社の担当者に、

「この壁には、転倒防止アンカーは無いのですか?」
と尋ねます。

「・・・・・」
意に介しません。

「外壁は共用部分になるため、
 マンション入居者が勝手に転倒防止アンカーを打つことができません。
 転倒防止アンカーを打つためには、
 マンション管理組合の承認が必要になるため、
 一般的には、事前に転倒防止アンカーが打ってあるか、
 マンション管理規約に例外措置の記載があるんですけど、
 このマンションではどうなっていますか?」

「私の方では解りませんので、内覧会場の方で上司から説明させます。。。」


お部屋の検査を終え内覧会場です。

すると、現場所長が現れ着席です。
で、先ほどの質問を投げかけます。

「・・・・・」
意に介しません。

「私の方では解りませんので、設計者の方から説明させます。。。」

すると、設計者が現れ着席です。
で、先ほどの質問を投げかけます。

「・・・・・」
意に介しません。

「私の方では解りませんので、売主担当者の方から説明させます。。。」

すると、売主担当者が現れ着席です。
で、先ほどの質問を投げかけます。

「・・・・・」
意に介しません。

「私の方では解りませんので、マンション管理業者に聞いてきます。。。」

しばらく雑談。

すると、再度、売主担当者が戻ってきて着席です。

「マンション管理規約には例外措置の記載はないとのことです。
 そして、
 マンション入居者から申し入れがあった場合は、
 マンション管理業者の方で許可しているとのことです。」

「マンション管理組合が許可するのではないのですか?」

「当初は、マンション管理組合が存在しませんから。。。」

「それもそうですね!」

でも、
マンション管理業者に、許可を与える権限があるのだろうか?

そもそも、
マンション管理業者に回答を求めるとは。。。

「では、マンション管理組合が発足した後は、
 いちいち、マンション管理組合に承認を取らないといけないのでしょうか?」

「・・・・・」

「何らかの対策を検討していただけますか?」

「・・・・・」
即座の回答はできない様です。

マンション内覧会同行のご依頼者には、
「もし、売主が何の対応もしない場合は、
 マンション管理組合が発足してから管理規約を見直しする手があります。」
とアドバイス。


きっと、この売主の今後のマンション計画では改善されていくのでしょう。。。

2010年12月13日

内覧会同行ブログ 【建売住宅の不吉な和室】

【378時限目】                     建売住宅内覧会同行 アーキスケット 出口

埼玉県内の分譲建売住宅の内覧会同行です。

この建売住宅業者は同じ分譲地内でも、
各棟、画一的ではなく、
それぞれ個性的な設計をすることが多いので、
なんとなく私好みの建売住宅業者です。

内覧会同行のご依頼者とともに現地に到着すると、
建売住宅業者の若手施工担当者がお出迎え。

「今日はよろしくお願いいたします!」

「他の棟も色々な設計がされているようですし、
 施工も大変だったでしょう。」
と声を掛けると、

「そうなんです!でも、その方が自分にとっても勉強になります!」
と、
なんとも頼もしい回答です。


お部屋に入ると、
やはり建売住宅とも思えない、設計に凝った間取です。

そして、和室に入る襖を開けると、
そこは、(準)本格的な和室になっているではありませんか。

床は、真新しい青畳。
壁は、長押(なげし)が取り付き、聚楽(じゅらく)塗り風のクロス貼り。
天井は、奥にある床の間に向かって敷目天井(しきめてんじょう)貼り。

床の間には、床柱に床框。
落とし掛けの奥には、無双四分一(むそうしぶいち)まで取り付いています。


でも、待てよ。。。

敷目天井が床挿し(とこざし)になっているぞ!

不吉な和室だあーーー。。。


ここで、”床挿し”とは何か?

天井板の溝が床の方向に向いていることで、
日本建築では古来からこの工法を取ることは不吉とされています。

武家屋敷では、切腹用の部屋だったらしい。。。


で、設計平面図を確認。

すると、敷目天井の貼り方向が矢印で記載がされています。
もちろん、床挿しにはなっていない方向。


ひととおりの内覧会検査を終え、
内覧会同行のご依頼者と建売住宅業者の施工担当者に、

和室の敷目天井の貼り方向が床挿しになっていること、
そして、床挿しとは何かを説明すると、

内覧会同行のご依頼者は、

「縁起わるーーい。。。絶対直して!」

建売住宅業者の施工担当者は、

「実は昨日、自分も気が付きました。。。
 内覧会の後に直そうと思っていました。。。」

と正直に告白。

でも、この建売住宅業者の施工担当者は、
若いのに、

”床挿し”を知っていた!

日々の施工の苦労と勉強のお蔭なのでしょう。


今回、設計平面図に、
敷目天井の貼り方向が示されていたことと、
担当者に和室の知識があったことでトラブルもなく手直しがされました。

しかし、
建売住宅業者の図面で、
天井の貼り方向まで記載しているところは稀です。
そして、”床挿し”を知らない施工担当者がいても不思議ではない。

その結果、
建売住宅では、
あちらこちらに、床挿しの和室が存在している。。。らしい。。。


2010年12月10日

建売住宅内覧会同行ブログ 【床下は見渡す限り泥化粧】

【377時限目】                     建売住宅内覧会同行 アーキスケット 出口

東京都郊外の建売住宅の内覧会同行です。

検査も終盤、キッチンにある床下点検口を開け床下収納を取り外します。

すると一見、
コンクリート床が綺麗で滑らか。。。

でも、何だか色が違う。。。

コンクリートのネズミ色ではないのです。

うつ伏せになり、そのコンクリート肌を指で擦ると、
一筋の線が描けます。

これは、生乾きの泥だ!!!

積もった泥の厚さは3mm程度といったところでしょうか。。。

今度は顔を点検口に突っ込み床下を懐中電灯で照らすと、

コンクリート床が一部だけではなく、
見渡す限り泥で化粧されているのです。

内覧会なんだから前もって掃除くらいしておいてよ!

という問題ではありません。


ひととおりの内覧会検査終了後、
建売住宅内覧会同行のご依頼者と建売業者の営業担当者に床下を見てもらいます。

「この床下に泥が溜まっています。
指でコンクリート床表面を擦ってみると解りますよ!」

で、建売住宅内覧会同行ご依頼者のご主人が指で確認します。

「本当だ!私たちも先ほど見ましたが気付きませんでした。。。」

「これは、どこからか漏水して外部の泥を浸入させていますね。
 今度は、洗面室にある床下点検口を見てみましょう。」

で、床下点検口を開けると、

「わっーーー、水が溜まっているうーーー。」

「明らかに漏水ですね。」
 原因として、
 ・基礎床コンクリートと基礎立ち上がりコンクリートの打継ぎ部分の肌隙
 ・設備配管の基礎コンクリートの貫通部
 ・仮設用の水抜き穴
 なんかが考えられます。

 これらの部分に塗膜防水なんかの防水処理をすれば良いのですが、
 建売住宅なんかでは、
 漏水事故も少ないということで、
 塗膜防水などの防水処理を行っていないケースが多いんです。」
 
「コンクリート床の下からの漏水は考えられないんですか?」

「コンクリート床下には、捨てコンクリート、防湿シート、砕石敷きがあるので、
 泥を引っ張ってきていることから考えると可能性としては低いと思います。」

「床下に水が溜まるとどんな問題があるんですか?」

「色々とありますが、
 ・基礎の鉄筋を錆びさせてしまう。
 ・断熱材が吸湿し断熱性能が落ちてしまう。
 ・水が腐ることによる悪臭や虫の発生。
 などなどが考えられます。」

「手直しできるんでしょうか?」

「本来、原因の特定と場所の特定が出来れば良いのですが、
 なかなか難しいと思います。

 手直しの方法としては、
 建物外周基礎周りの土を掘り起こし、
 コンクリート打継ぎ部分、配管周りなどに塗膜防水をすることが考えられます。」

ここで、建売住宅業者の営業担当者。

「床下の漏水を見たのは初めてです。
 手直し方法はどうなるか解りませんが、
 当社の品質管理部門に伝達して対応させていただきます。」

「そうですね。
 私がお話したのは、あくまで原因の可能性や手直しの案です。
 結果として漏水させないことが目的ですので、よろしく対応をお願いします!」

 あと、お願いですが、
 手直し中の工程写真と、床下のクリーニング後の状況写真を撮っていただけますか?」

「ハイ、解りました。」

ここで、
「でも、手直し後、どうやって漏水しないことを確認したら良いのでしょうか?」
と、建売住宅内覧会同行のご依頼者

「ご入居後、大雨の降った後や梅雨のシーズンなど、
 とりあえず1年ワンサイクルの期間、床下を覗いてください。」

「ハイ。。。」


で、後日、建売住宅内覧会同行のご依頼者からのメールです。

「手直しについては、先日、出口さんがおっしゃっていたとおりの対処をしてくれるそうです。
 予定どおりの日程で入居も出来そうとのことです。

 PS:
 ちなみに、隣の棟も同じ現象がおきていたそうです。。。」

今回の手直しで、
確実に漏水が止まることを祈ります。


2010年12月06日

内覧会同行ブログ 【内覧会同行者はだーれ?】

【376時限目】                         内覧会同行 アーキスケット 出口

トゥルルルル、トゥルルルル・・・
事務所の電話にに出ると、

「もしもし、アーキスケットさんですか。
 再来週の日曜日に新築マンション内覧会があるんですけど、
 内覧会同行は可能でしょうか?」

「日程の確認をしますので少々お待ち下さい。」

で、内覧会同行の予定表を確認します。

「ハイ。大丈夫です。
 今のところ再来週日曜日のマンション内覧会に同行させていただくことが出来ます。」

「ちょっと、お聞きしたいことがあるんですけど、
 新築マンション内覧会に誰が同行してくれるんでしょうか?」

「私、出口がマンション内覧会に同行させていただきます。」

「そうですか!だったら、アーキスケットさんのホームページで、
 出口さんのプロフィールも見てますので、
 新築マンションの内覧会同行をお願いしたいと思います。」

「ありがとうございます!
 再来週の日曜日、内覧会同行の予定をさせていただきます。
 では、お手続につきましてご説明したいと思いますが、
 10分ほどお時間大丈夫でしょうか?」

「正式な内覧会同行の申込みは少し待っていただけませんか?
 実は、他の内覧業者さんに新築マンション内覧会同行の依頼をしていたんですが、
 キャンセルできるかどうか確認してから改めてご連絡いたします。」

「でも、どうして? 何かあったんですか?」

「実は、その内覧業者さんでは、
 新築マンション内覧会日の3日、4日前くらいにならないと、
 誰が内覧会同行してくれるか解らないと言うんです。。。」

「内覧業者も日程の調整とか、色々と都合があるんでしょうね。」

「でも、3、4日前にならないと誰が内覧会同行をしてくれるか解らないなんて不安です。
 私たちは、やっぱり一級建築士の資格のある方で、
 実績のある方に新築マンション内覧会同行をしてもらいたいと思ってるんです。」

「一級建築士を持っているからといって必ずしも良いということではありませんが、
 無いよりあった方がご依頼者とすれば安心ですよね。
 ただ、実績というのはホームページからだけですと判断が難しいですよね。
 内覧業者の内覧会同行の回数だけで判断できるものではありませんし・・・・
 内覧会同行者個人の実績や実力はなかなか解りませんし・・・・

 当社では、内覧会同行でどんな検査や協議をしているのか?
 ということを少しでも解ってもらえるようにと、
 ”内覧会同行ブログ”をホームページに掲載してます。
 ご参考までに見ていただければと思います。」

「”内覧会ブログ、見ました!
 それでアーキスケットさんの出口さんに内覧会同行をお願いしようと思いました!」


ちょっと宣伝じみてしまいましたが、
ご依頼者の立場から考えると内覧業者選びも本当に難しいと思います。

・内覧業者のホームページの内容
・知人の紹介
・ミクシーやマンション関連のコミュニティーサイトの評判・口コミ

などなど、
手だてはいくつかあります。

しかし、
内覧業者の中でも、ひとりひとりの実力や実績は様々。

一番難しいのは内覧業者選びではなく、
内覧会同行者選びではないでしょうか?

あなたは、
誰に内覧会同行をしてもらいますか?

 

2010年12月02日

戸建て内覧会同行ブログ 【床下基礎断熱の意味がない】

【375時限目】                   一戸建て住宅内覧会同行 アーキスケット 出口

一戸建て住宅の内覧会同行検査もいよいよ終盤。

1階の洗面室にある床下点検口を開け、
懐中電灯片手に頭を床下に突っ込み確認します。

洗面室の床下はというと、
断熱材としてポリスチレンフォームが敷き込まれ、
しかも、垂れ下がりなどの不具合もなく丁寧な施工が解ります。

これは、
設計図の断熱材仕様 : 1階床下ポリスチレンフォーム90mm
の記載どおりです。

そのまま、床下で顔を180度回転させ、
洗面室横にあるユニットバスの床下を覗き込みます。

すると、
ユニットバスの床下には断熱材がありません。

といっても、これは当たり前。
ユニットバスは床コンクリートの上に直に設置されるため、
断熱材が貼ることが出来ないのです。

さらに、そのユニットバスの奥側を見ると、
住宅外周部(外気側)および内部側(外気に面さない)の基礎の立ち上がり部分に、
ポリスチレンフォームが貼られているのが解ります。

これは、
設計図の断熱材仕様 : 土間床等の基礎外周部(外気側)ポリスチレンフォーム50mm
                土間床等の基礎外周部(内部側)ポリスチレンフォーム20mm
の記載どおりです。


ひととおりの内覧会検査を終え、
一戸建て住宅内覧会同行のご依頼者と売主担当者へ床下断熱に関する指摘・確認です。

「床下を覗くと、基礎コンクリートの人通口からユニットバスの床下も見えますよね。
 この人通口は断熱材で蓋をしないんんですか?」

「今まで、断熱材の蓋なんてしたことがありません。」

「では、ユニットバス周りの基礎立ち上がりにポリスチレンフォームを貼っているのは
 何故でしょうか?」

「断熱のためです。。。」

「床下では外周基礎と土台の間に
 穴の開いた基礎パッキンを使っているので床下換気になっていますよね。」

「ハイ・・・・」

「ということは、床下は外部環境となっているということですよね。」

「ハイ・・・・」

「だから断熱の為、床下面でポリスチレンフォームを敷き込んでいるんですよね。」

「ハイ・・・・」

「でも、ユニットバスは床下で断熱材を敷き込めないため、
 床下を外部環境としない方法の基礎断熱としているんですよね。」

「ハイ・・・・」

「でも、人通口が開きっぱなしでは基礎断熱の意味がなくなりますよね。」

「そうですよね!
 人通口部分をポリスチレンフォームで塞ぐなんて簡単なので対応します!」

「ただ、人通口なので取り外し可能にはしてください。」

「ハイ!そうします。」


意味を解ってくれた!!!

それとも対応が簡単だから???


「基礎断熱の意味を考えると、もうひとつ対応してもらう必要があります。」

「???」

「ユニットバス奥に見える外周基礎を見てください。
 基礎パッキン部分から光が差し込んでいるのが見えますよね。」

「ハイ。。。」

「ということは、この基礎パッキンの開口からも外気が入り、
 ユニットバスの床下は外部環境になってしまっています。」

「・・・・」

「ユニットバス周りの基礎部分は、
 床下換気用の基礎パッキンではなく気密パッキンを使用し、
 外気が入らない様にするべきですよね。」

「・・・・」

でも、今更、穴開きの基礎パッキンを気密パッキンに取り替えるなんて出来ません。

この売主担当者もどう対応して良いのやら?
困惑しています。

「目的は外気をユニットバス床下に入れないことなんですから、
 基礎パッキンにシーリングなんかして穴を塞げば良いと思いますよ。」

「だったら、簡単に出来ます!」

 

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