【430時限目】 新築マンション内覧会同行 アーキスケット 出口
ここは、新築マンションのルーフバルコニー。
ルーフバルコニーでは内覧会同行検査もチェックポイントがいっぱい!
防水立上りアゴの水切り目地に目地棒が残っていないか?・・・・えっ、残ってるーー!
防水保護コンクリートの仕上がり状況はどうかな?・・・・えっ、足跡があるうーー!
外壁タイルはどうかな?・・・・エフロレッセンス(白い汁跡)が出ているうーー!
などなど・・・・
で、エフロレッセンスの出ている外壁面全体を眺めていると、
床の水勾配のせいなのか?
平衡感覚がちょっと変。
と思いきや、
これはアルミドア上部にある庇が傾いているんじゃないの?
庇先端の水平ラインと壁タイルの水平目地を見比べると、
庇の左右でちょうどタイル1枚分の高さが違っているのです。
施工会社の立会い者に、
「この庇、右の方が5cm程度下っていますよ!」
「本当ですね。
きっと、ルーフバルコニーに出るために、
コンクリートが固まる前に
支保工(型枠を支える仮設の柱)を取り外してしまったのかもしれませんね!」
と、平然な顔で回答です。
確かにその可能性は大!
しかし、
もし、もし、もし、それが本当ならばとんでもありません。
支保工は、
原則、コンクリートが固まる4週間は取り外してはいけないのです。
そして庇が傾いたということは、
コンクリートが固まる前に支保工を取り外したため、
その付け根で
コンクリートにひびが入って下ってしまったということなのです。
もちろん、
鉄筋の付着強度も低下していることも間違いありません。
「もしそうならば庇の付け根にひびが入ったと思いますが、
その処置はどうしたのでしょうか?」
「エポキシ注入をしていると思います。。。」
本当なのだろうか?
庇が下っていること自体、解っていなかったのに。。。
でも、今となってはウレタン防水がされてしまっているので解りません。
とりあえず、マンション内覧会同行のご依頼者には、
「現況はひびは見られませんので、
1年点検や2年点検の時に様子を見てください。」
とアドバイス。
「ところで、この傾いた庇はどう直すんですか?」
「庇の左側上面をハツって、右側下面をハツって・・・・・、
うーーーん、でも鉄筋のかぶり厚が問題ですね。。。」
「そうですよね。
単純に平行にするためにモルタルを塗っただけでは分厚い庇になって、
隣にある庇とは見栄えも変わってしまいます。
難しい手直しですね。」
「・・・・・」
「全てを壊して造り直すということも考えられますが、
ハネ出しスラブなので打継ぎコンクリートもお勧めできませんね。」
「そうですよねえー。」
「現況で考えられる案としては、
庇の付け根部は荷重的に鉄筋が重要なのでそのまま。
鉄筋の効力が少ない先端の方で
鉄筋のかぶり厚を2cm程度を確保しながらハツり、
庇先端の幅は隣の庇より1cm程度厚く仕上げるくらいの対処でどうでしょう。」
専門家には上記案に異を唱える人もいるかもしれませんが。。。
ここで、鉄筋のかぶり厚2cmは標準仕様書より1cm少ない。
しかし建築基準法の2cmはギリギリ確保。
そして、ウレタン防水やタイル貼りでコンクリートが保護されるため、
コンクリートの中性化に対し有利。
ということを考え合わせたトータル判断。
でも、これが大事。
施工会社の立会い者も、
「それでいきましょう。後はちゃんと手直ししますから!」
2週間後の再内覧会同行。
この庇を確認すると、
違和感のない庇に仕上がっていました。