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建築費 アーカイブ

2007年07月24日

建築費★講座 【ケチで欲張り見栄っ張りの強欲老夫婦】

【85時限目】                              author アーキスケット 出口

長年、勤めていた会社を定年になり、
コツコツ貯めたお金で”隠居住宅+賃貸アパート”を建て、
悠々自適の老後生活を夢見た老夫婦からのご相談です。

計画している、”隠居住宅+賃貸アパート”は、
2階建ての延床面積50坪です。

有名ハウスメーカー数社に、
「”隠居住宅+賃貸アパート”を総建築費(予算) 2000万円でお願いします!」

ハウスメーカー担当者はあっけに取られ、
「・・・・・・・」

「坪単価40万円も出すんだから、良いものが出来ますよね!」と老夫婦。

「いやー・・・・・ うちでは、坪単価で100万円くらいになりますよ!」
内心、『こりゃー、話しにならない! 早く帰ってくれえー!』とハウスメーカー営業マン。

そこで、この老夫婦は、大手ハウスメーカーは諦め、
安普請が心配ながら、
チラシ広告で、坪単価40万円を謳い文句にしている地元の小さな工務店3社に、
”隠居住宅+賃貸アパート”の建築費の見積依頼。

この老夫婦は、
当然のごとく、『地元の工務店だったら飛びついてくる。』と思っていたのに、
その回答は期待に反し、

「うちの坪単価は、あくまでも建築本体価格の建築費だけですよ。
 設備工事費や外構工事費、地盤改良なんかを考えると、
 総建築費(予算)なんかじゃー とても無理無理!
 勝手に他へどーぞ!」


そんな経緯を綴ったメールが当社に送られてきたので、
”坪単価の裏事情”
と、総建築費が2000万円というのは厳しい価格ということを伝えると、


”ケチで欲張り、見栄っ張りの強欲老夫婦です!”
色々とご相談に乗っていただき、有難うございました。

という返信メールが届きました。

『”老後の夢”破れたかなあー???』

2007年07月15日

建築見積書★講座 【談合?見え見えのお付き合い建築見積書】

【83時限目】                              author アーキスケット 出口

「もしもし、お役所物件なのですが、建築見積書をチェック(査定)してもらえませんか?」
と、不動産仲介業者から電話があり、

「ハイ、結構ですよ!」
と、あまり深く考えずに二つ返事。

その後、
『でも、お役所仕事の建築見積書のチェック(査定)を依頼して来るとは、
 どんな理由なんだろう?』
と思いつつ、
設計図面や建築見積書を送付してもらいました。

そして、
送られてきた建築見積書を見ると、
建物自体は、
鉄骨平屋建ての、建築費が2千万程度の案件です。

そして、私の勝手な推察ですが、
『これは、談合物件の、お付き合いの建築見積書だな!』
そして、
『何らかの事情で、予定された会社がアウトになり、繰上げで仕事が廻ってきたんだな!』
と、直感です。

建築見積書の中身をチェック(査定)してみると、

同じ建物の同じ階にある、
”事務所”部分と”店舗”部分で、
建築見積書の内訳の書き方(書式)が全く異なります。

各工事単価を見てみると、
流石に役所工事だけあって、
資料として市販されている”標準価格”をほとんど下回っています。

しかし、”事務所”部分と”店舗”部分で、
工事単価が違うところがイッパイあります。

例えば、同じ工事である鉄骨工事の鋼材費を見ると、
”事務所”部分の建築見積書の内訳では、9万円/t
”店舗” 部分の建築見積書の内訳では、7万4千円/t
です。

同じ会社が建築見積書を作成すれば、こんな食い違いはありません!

『どうせ、受注出来ない案件だから、
 見積作業を数社で分担して、合算させて入札すればいいや!』
なんて、やり取りが有ったんでしょう。


昔々、
談合物件で、
お付き合い建築見積書を提出しなくてはならない状況で、
社員総出で、
談合で決定している施工会社から渡された建築見積書を、
価格だけ少し直しながら写したことが思い出されます。

当時は、パソコンも無かった時代だったので、
出来上がった、”お付き合い建築見積書”は、
”字体”がマチマチの、お粗末でバレバレのものです。

でも、お役所は、
『見て見ぬ振りをしているのか?』
スンナリ、予定通りの施工会社が落札しました。

2007年05月18日

建築見積書★講座【建物請負会社営業マンの常套手段に乗せられるな!】

【61時限目】                        author アーキスケット 出口

「こんな一式いくらの建築見積書じゃ、内容が解らないよ。」

「しかし、この図面は営業段階のご提案図面で仕方ないんですよ。」

「それならば、見積が出来るような図面を作って、
 ちゃんとした建築見積書を出してよ。」

ここで、ちゃんとした建築見積書とは、各工事内容ごとに、

 ■■建築見積金額 = 数量×単価

が記載され、数量・単価の妥当性が解るものです。

こんな話合いがされてから、
待てども待てども図面が出来てきません。
やっと、2ヵ月後の出てきた図面というものが、
営業段階で出されたものに毛が生えた程度のものだったのです。

「それで、建築見積書はどうなったの?」

「ハイ、建築見積はこれからで、2週間程度かかります。」

「オイオイ、それじゃー予定の着工時期になってしまうんじゃないの?
 この賃貸アパートは、来年の3月に引渡しがされないと、
 事業計画が成り立たないんだよ!」

「出来るだけ早く建築見積書を出します。」

結局、2週間後に5400万円の建築見積書がやっと出てきました。


実は、これらの話の流れには、
建物請負会社営業マンの”巧みな営業戦術”が隠されています。


 『事業計画ギリギリまで、建築見積書を提出しないことによって
 他の会社に依頼する時間を与えない。』

ということです。
建築会社にとっては、価格競争のない、『特命』での受注ほど、
オイシイ仕事は無いのです。

しかし、これでは建築主は納得しないので、
提出された建築見積書をチェックしてみました。
すると、
 
 数量の誤魔化しを多数発見です!

例えば、フローリング・CF・タイル・石などの
床の仕上げ工事の面積を合計すると、延べ床面積の1.2倍になっています。

屋根工事の面積、外壁仕上げ工事の面積も、
図面から算出した面積を大きく上回っています。

「建築見積書をチェックしたら、数量が異なっているよ!」
と営業マンに問いただすと、

「そうですか・・・・それでは、契約金額は4800万円で良いですよ!」


建築主のみなさん、
「建築見積書は専門すぎてよく解らない。」
といって契約をしてしまっていませんか?


次回は、【こんな状態で、内覧会前に売主検査したの?】
を予定しています。
それでは、次回をお楽しみに・・・・・・・お疲れ様でした。

建築価格★講座【お金の価値感覚が麻痺してしまう建築価格交渉】

【47時限目】                        author アーキスケット 出口

「設計図面もほとんど出来上がりましたので、
 そろそろ建築価格を決めて、ご契約いただきたいのですが。」
(そろそろ契約して、今月の歩合給を上乗せしよう・・・・)

「そうだよねー。それで一体いくらになるの?」
(高く言ってくるんだろうなあー?値切ってやろう・・・・)

「当初、坪単価65万円ということで設計しましたが、
 色々オプションやグレードアップしましたので、
 建築価格が、3,200万円になってしまいました。」
原価は2,200万円だけど、吹っかけてやろう・・・・)

「えっ! それじゃー建築価格坪単価80万円になっているじゃないかあー。」
(たぶん、吹っかけているなあー・・・・)

「そう言われましても、そちらのご希望で変更があったものですから。」
(出来るだけ高い建築価格で契約してやろう・・・・)

「うーん??? どれだけ値下げ出来るの?」
(出来るだけ建築価格を値下げさせよう・・・・)

「そうですねー 非常に厳しいですけど、建築価格3,000万円でいかがですか?」
(この金額で契約しても、800万円の儲けになるなあー・・・・)

「そんなに予算はないよ! 2,800万円だったら何とか支払えるかなあー?」
(やっぱり値下げ出来たなあー ダメ元でもう一押ししてみよう・・・・)

「そうですか。それでは私から会社に言って何とかしてもらいますよ!」
(シメシメ、うまくいった。これで、600万円の儲け確定!・・・・)

「それじゃー、その建築価格でお願いしますよ!」
(シメシメ、400万円も値引きが出来たあー!・・・・)

これは、
ある建築主と売主との建築価格交渉での会話です。
まるで、バナナの叩き売りの様な建築価格交渉です。

この場合、両者とも、『シメシメ、うまく交渉成立!』と思っています。
しかし、売主は建築のプロ
そして、建築主は建築の素人

この会話では、建築主が、まんまと営業マンの営業戦略にハマッテいます。

後日談として、
「契約交渉の時、お金の感覚が麻痺していました。」
と、建築主は後悔しています。

建物価格というのは、バナナの様に安いものではありません。
建築価格交渉とは、見積書をベースに行うものであり、
その内容を確認することによって契約価格が、
数百万円、時には数千万円の違いが出てきます。

建築価格交渉は慎重に!


次回は、【モデルルーム同行で用意されていた構造計算書】
を予定しています。
それでは、次回をお楽しみに・・・・・・・お疲れ様でした。

建築費★講座【建築材料で一番高価なものって何?】

【20時限目】                        author アーキスケット 出口

今回の講義は、
”なぞなぞ遊び”として軽い気持ちで受講してください。

皆さん、
「この世で一番高価なものって何?」って聞かれたら、
何と答えますか?
「ダイヤモンド」と答える人、
「有名な絵画」と答える人など様々な解答が出てくると思います。

それでは、
「建物に一般的に使用される材料で、一番高価なものは何でしょう?」

「石」じゃないの?
「いやいや銘木だよ!」
「うーん、鉄の相場が上がってきているから鉄筋かな??」
などなどの解答が予想されます。
しかし、不正解です。

実は、質問の仕方が悪いので正解者が出ないのです。
それでは、改めて質問です。
「建物に使用される材料で、1ton当り一番高価なものは何でしょう?」

さーて、皆さん正解できるでしょうか?

ここでミソなのは、”1ton当り”ということです。

一般的に、建築見積書では、
「メーター当り」、「平米当り」、「立米当り」、「ton当り」、「ヵ所当り」、「一式」など、
材料によって異なった単位が使用されます。

それを、1ton当りで考えると、思いもよらない材料が高価なものとなります。
すなわち、「軽いものが高い。」ということになります。

 1ton当りの材料費の目安

    コンクリート           : 5,000円/ton程度
    鉄筋              : 70,000円/ton程度
    石               : 400,000円/ton程度
    木            : 1,000,000円/ton程度
    ウレタンフォーム   : 2,000,000円/ton程度

   ※ウレタンフォーム:外壁コンクリートの内側に吹付けられる断熱材

皆さん、色々な角度から物事を見るというのも楽しいですよ!
新たな発見ができるかもしれません。


補習講義

建築見積書のチェックをしていると、時々不可解な単位のものを見かけます。
 
 例) 木工事金額 = 単価 × 建物延べ床面積

木工事と建物延べ床面積は、直接的には関係ありません。
見積を提出する側は、過去の実績(歩掛)で提出しているのでしょうが、
これでは、その建物に木工事がどの程度使用されるかで、
単価が大きく異なり、チェックすることが出来ません。

建築主の方は、『単価』だけではなく、
『単位』にも十分注意して建築見積書をチェックする必要があります。


次回は、【マンションから見える景観 VS マンションの見える景観】
を予定しています。
それでは、次回をお楽しみに・・・・・・・お疲れ様でした。

建築費★講座【どんぶり勘定での見積りで建築主を騙すな!】

【15時限目】                        author アーキスケット 出口

建築主 「設計をお願いしてから1年半。ようやく図面が出来ましたね。
      設計費が建築費の10%での契約なのに手間がかかるんですね。
      ところで先生、この図面で建築費はいくらになりますか?」

設計者 「今、過去から付き合いのある施工業者に見積りを頼んでいるので
      もう少し待ってください。」

そして1ヵ月後、
設計者 「ようやく見積りが出ましたよ。3200万円です。これが見積書です。」

建築主 「え! 20坪の家で1800万円の予算でお願いしましたよね。」

設計者 「貴方が色々変更をしたから、増えたんですよ。」

建築主 「でも、これまでの打合せでは何も言ってくれなかったですよね。
      しかも、見積書は3ページしか無いし、
      工事項目がどれも『一式 ○○円』なので、
      何が高くなったのかよく解りませんよ。」

設計者 「解りました。それでは、500万円オマケしますよ!」

上記は、数字こそ違ってますが実話です。
ここまで、このブログを見た設計事務所の方で、
『もしかして、うちの設計事務所のこと?』と思われた方が、
何十人、いや何百人いることでしょう?

ここで、この会話の中で建築主にとって
どんな不利なことが潜んでいるか考えてみましょう。

   ■20坪の家の設計に1年半も要している設計者の怠慢
   ■建築主の予算に対し、設計者が全くコスト意識が無い
   ■設計者と施工業者が癒着が想像される。
   ■建築費が上がることにより、設計費も高くなる。
   ■建築費坪単価が160万円/坪であり、高級ホテル並みの単価である。
    (予算でも、90万円/坪あるが、中グレードの設計仕様)
   ■見積の建築費内訳がほとんど記載されていないため、
    数量や単価のチェックが出来ない。
    また、予算に合わせるために何をどうしたら良いか解らない。
   ■簡単に500万円の値引きの申し入れがあったが、
    利益に相当の余裕があることが推定される。
   ■そもそも、設計者が建築費について交渉することがオカシイ。

皆さん、どのくらい解りましたか?
「自分はこの程度のことには騙されませんよ!」という方もいると思います。

そうです、騙されてはいけません。しかし、契約は細心の注意が必要です。
何故なら、これは、ほんの一例に過ぎないからです。

次回は、【タワーマンションの宿命】を予定しています。
それでは、次回をお楽しみに・・・・・・・お疲れ様でした。

建築費★講座【見積書『一式○×△円』を解明する。】

【10時限目】                        author アーキスケット 出口

計画している建物の見積書を渡され、
その内容に、『**工事 一式○×△円』と記載されていたら、
建築主であるあなたは、どう判断しますか?

例えば、50坪の造作工事の場合、

 造作工事 一式 50万円と記載されていれば”安い”と判断出来ます。
しかし、
 造作工事 一式 5000万円と記載されていれば、”高い”と判断出来ます。

上記は極端な例ですが、
だいたいこの位だろうと予想している価格に対し、
桁が異なる価格であれば判断は容易です。

問題は、300万円が妥当なのか?、500万円が妥当なのか?
それとも、800万円が妥当なのか?ということが解らないことです。

ここで、先の”だいたいこの位だろうと予想している価格”を考えて見ましょう。

建築費は、基本的に『材料費+労務費』で構成されます。
 (※経費、仮設費、利益等は、別途計上されます。)

チェックポイントは、
一式○×△円と記載されている工事に、どの様なものがあるかを想定してみることです。

  材料費 → ・数量を図面より拾う。
          ・市販されている標準単価表の単価を調べる。
          ・数量×単価 で材料費を算出する。

  労務費 → ・該当する工事の歩掛りを市販されている歩掛表で調べる。
           ※歩掛り=単位数量あたり、
                  どの位の労務を要するかという数量→人工数
          ・職人の1日の労務単価(日当)を標準単価表で調べる。
                               (職種により異なる。)
          ・数量÷歩掛り×労務単価 で労務費を算出する。

  建築費 → 材料費+労務費

上記は、少し専門的であり、また、手間のかかるものですが、
コスト削減のためには手間を惜しんではいけません。
見積提出する業者にとって、
『一式 ○×△円』は、大きな利益の隠し所なのです。           

次回は、【免震マンションの効果と価値判断】を予定しています。
それでは、次回をお楽しみに・・・・・・・お疲れ様でした。

建築費★講座【追加工事請求書のヒミツを教えます。】

【7時限目】                        author アーキスケット 出口

施工業者に建物を建てる依頼をした場合や、
リフォームをお願いした場合、
必ずと言っていい程、追加工事の請求があります。

ここで、建築主としては、その追加工事の請求に
十分注意をしなければなりません。
施工業者は、厳しい金額での本体契約では利益が上がらず、
追加工事で『儲けてやろう。』と考えているのです。

施工業者は、『工事中にこんなことがあったから費用が発生した。』など
あれこれ理由を言い出し、建築主に請求してくる場合があります。
その内容がもっともな場合は良いのですが、
不当な請求も非常に多いのが現状で残念です。
本来、請負契約とは、字のごとく『請け負け』であり、
契約図面の建物を完成させていくらという契約なのです。
皆さんは、不当な請求に対し絶対に騙されないようにしなくてはなりません。

もうひとつ、建築主が追加工事を依頼した場合においても、
施工業者は、『追加工事で設けてやろう。』と考えています。

その手口は、
 ・数量のごまかし
 ・高額な単価
 ・項目を多くすることによる総額UP 
                      などです。

これらは、『素人だからよく解らない。』で済ませていては、
大きな損害となります。
是非、チェックをするようにしてください。

最後に、追加工事も本来契約をしたうえで工事着手するべき
ものですが、色々な事情でいちいち契約が出来ないというのも
実情です。
少なくとも、打合せ議事録(紙面やテープ)といった記録を
面倒かもしれませんが、是非残すようにしてください。
追加工事の請求が来た場合、強い味方となります。

次回は、【設計事務所は本当に建築主の味方?】を予定しています。
次回をお楽しみに・・・・・・・お疲れ様でした。

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