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内覧会 アーカイブ

2010年09月02日

内覧会★同行日記 【ご依頼者の内覧業者選び】

【357時限目】                              author アーキスケット 出口

マンション最寄駅の北口ロータリーで
マンション内覧会同行のご依頼者と待ち合わせ。

10分ほど待っていると、
シルバー色の高級車がロータリーを時計回りで進んできて、
私の前で止まります。

運転手が降りてきて、
「はじめまして。〇〇です。」とご挨拶。

年齢は40才前後と思われますが、
高級そうなジャケットにパンツ姿。

「はじめまして。今日はよろしくお願いいたします。」

ベンツの助手席に乗り込むとシートはもうフカフカ。
別世界の雰囲気です。

「マンションはやはり高額なので、以前から専門家に見てもらおうと思っていました。」

「私が内覧業者を行っていることを別にしても、
 絶対に行った方が良いと思います。
 やはり、色々な指摘が挙がるケースもあり、
 そんな時は、ちゃんと直してもらう必要があります。
 指摘がほとんど挙がらない場合でも安心料と考えていただければと思います。」

「それにしても、インターネットで内覧業者さんを探すと、
 本当にたくさんの内覧業者さんがあるんですね!」

「そうですね。私は選ばれる立場ですが、
 マンション購入者にとって
 インターネットだけで内覧業者を選ぶというのは難しいでしょうね。
 お金をかけた綺麗なホームページもたくさんありますし。。。
 でも、綺麗なホームページだからといって、
 良い内覧業者とは限りませんし。。。」

「実は私、IT関連の会社経営をしているんですが、
 ホームページをじっくり見ると色々と解ることもあります。

 やはり一番はマンション内覧会に同行していただける方がどんな人かです。
 アーキスケットさんは、出口さんの経歴も掲載しているし、
 それに、”内覧会同行ブログ”を読んでいると人柄も解ります。」

「そう言っていただけると嬉しいです。」

「でも、それだけじゃないんです。」

「それは何でしょうか?」

「他の内覧業者さんのホームページの中には、
 ”料金は検査後に現金でいたただきます”
 と掲載されているところもありますが、
 『税金を納めているの?』
 って疑いたくなります。

 アーキスケットさんは、
 料金振り込み先の銀行名も記載していますし口座名義も会社名なので、」
 税金をちゃんと納めているということが解ります。」

「そんなところまで見ているんですか。
 内覧業者の中には、確かに納税の疑わしいところもありますね。」

「ホームページのドメインに”CO”を使っていることも、
 法人格を取得しているということが解りますね。」

「そんなところも見ているんですか。
 内覧業者の中には、確かに会社設立登記や個人事業主届の疑わしいところもありますね。」


しかし、この銀行口座名義やドメインの件は、
私が起業しホームページ作成の時に、

”絶対に後ろ指を差されないようにしよう!”

と考えていたものです。

やっぱり、見る人が見れば解ってくれる!

「ところで、アーキスケットさんのインターネット宣伝は、
 スポンサーサイトがメインですよね。
 ホームページのSEO対策はしないんですか?
 私の会社では、SEO対策のお手伝いもしていますよ!」


SEO対策をしていないのがバレバレだ。。。
でも、
これって、営業?

2010年08月29日

内覧会★同行日記 【気にしない!気にしない?】

【356時限目】                             author アーキスケット 出口

「もしもし、格安な値段のお気に入りの住宅が見つかったので、
 まだ、契約前なんですけど
 購入判断のために住宅内覧会検査をお願いできますか?」

「契約前の住宅内覧会検査はとても良いことだと思います。
 検査させていただいた結果を購入判断のご参考にしてください!」

で、事前に送付されてきた資料を前日にチェックです。

平面図、立面図、矩計図などの図面。
仕様書、仕上げ表。
チラシのコピー。
確認済証のコピー。

チラシのコピーを見ると、確かに格安なお値段。
確認済証の申請年月日を見ると、平成19年11月。

何と、2年半もの間、売れ残っていた未入居住宅だ!


住宅内覧会検査当日、最寄駅から現地までの会話です。

「駅近で販売価格も安いのに、何で2年半もの間、売れ残っていたんですかね?」

「どうも、”違法建築”みたいなんです。」

「えっ? 確認済証は出ていたのに完了検査を受けなかったんですかね?」

「施工中、設計変更をして、
 1階と2階の中間にある収納スペースの面積を大きくしたので、
 違法建築になってしまったらしいんです。」

「そりゃー、建築基準法上、
 階数・面積に算入しない収納スペースの天井高・面積は制限がありますからね。。。」

「そうなんですか。。。でも、私にとっては収納スペースが広くなっていて魅力があります。」

「そもそも、施工途中にそんな設計変更すること自体がオカシイ。」

「そのほうが売れると思ったらしいんです。
 検査済証が無いと何か問題になることがあるんですか?」

「役所に発覚すれば、建前上、”是正勧告”がされる場合だってあります。
 将来、住宅を売却することも難しくなりますね。。。」

「役所の是正勧告は想定外でしたが、
 売却は将来的にも考えていないので、気にしないです!」


そして現地に到着。
でも、売主側の立会い者はいません。
契約前なので、”勝手にやって”ということなのでしょうか?


先ずは問題の収納スペースを確認。
すると図面では9平米程度の広さが何と1フロアー全ての広さになっているのです。

これじゃー、3階建てだ!

容積率もオーバーだし、構造計算書だって必要です。

さらに住宅内覧会検査を進めると煙感知器や熱感知器がひとつも付いていない!
これも違法だ!

さらにさらに住宅内覧会検査を進めると、出るは出るは指摘事項がいっぱい。

ルーフバルコニーは歩くだけで床が、”ビキッ、ビキッ”ときしみ音。
これじゃー、いつFRP防水に亀裂が生じてもおかしくない。

壁や天井は、全てのお部屋の全ての面のほとんど全てのボードジョイント部において、
クロスの捻じれや亀裂。
これじゃー、クロスパテ処理程度の安易な手直しではいつ再発してもおかしくない。

その他、
・木製建具の戸当たり取付が全滅。
・クロスやフローリングのキズは数知れず。
・玄関床タイルは浮いている。
・ポーチの土間コンクリートに亀裂。
などなど、稀に見る指摘事項の多さです。


で、これらの指摘事項をご依頼者に説明すると、
さすがにショックを受けた様子。

こんな時は、こちらも辛い。。。


後日、ご依頼者からの電話です。

「先日は住宅内覧会検査で色々な指摘をしていただいてありがとうございました。
 でも、
 クロスの亀裂など、
 気にしなければ問題ないですよね!」


気にしないなんてありえない。。。


2010年08月24日

内覧会★同行日記 【バルコニー 水勾配は大丈夫?】

【355時限目】                              author アーキスケット 出口

ここは、マンション南西角部屋のバルコニーです。

バルコニーの形はというと、
南面も西面もバルコニーがあり、要するにL字形なのです。

ここまでは、何ら変哲もないバルコニー形状。
しかし、西面のバルコニーには排水溝が無いのです。

西面のバルコニーに吹き込んだ雨水はどうなるのだろう?
と確認すると、
床全体で水勾配を南側の排水溝へ取っています。

その距離5.55m。

水勾配を1/50確保するとすれば、
水下と水上の床高さの差は何と11cmにもなるのです。

でも、
雨水がちゃんと排水され、
モルタルが厚くなる分の重さを耐える構造検討がされ、
手摺高さも1.1m以上確保されれば良い。。。

と思っていると、
水上側にあるアルミサッシ下枠がモルタルに埋まっているのを発見!

そして、何故か?アルミサッシ下枠際の長尺シートが幅5cmほど撤去されており、
その部分だけはウレタン防水で化粧仕上げとなっています。

何でこんな仕上げにしているの?

考えること5分。

!!!、・・・・ということか!


検査終了後の指摘事項の説明です。

「このアルミサッシ下枠際の長尺シートが剥がされ
 ウレタン防水にしている理由はなんですか?」

「実は・・・・、
 網戸の開閉をすると長尺シートに当たってしまった為こうしました。」

「バルコニー全体の水勾配の取り方に問題があったということですよね。」

「でも、網戸の開閉ができないといけないですので。。。」

「こんな納まり、普通考えませんよ!
 見栄えだって重要です!・・・が、
 水勾配だって確保されていないんじゃないですか?」

「心配でしたので散水試験も行いました。水溜り跡も無いですよね。」

「そうですか?
 床自体の水勾配は確保できているのかも知れません。
 しかし、アルミサッシ下枠を見てください!
 ここに水抜き穴がありますよね。
 でも、水抜き穴の外側はモルタルで埋まってしまっているんですよ。
 これじゃー、レール部分に溜まった雨水や結露水は流れていきませんよね。」

「設計図上、アルミサッシの高さは決まっているし、
 バルコニーの水勾配を最低限確保すると
 どうしてもこうなってしまうんです。」

「設計のミスを補佐するのもゼネコンの仕事でしょっ!」

「・・・・・・、
 でも、レール部分に水が溜まったとしても問題ないと思いますが・・・・」

ただただ、呆れるばかり。。。

「ゼネコンとして恥ずかしくないですか!!!」

「・・・・・」

「西側バルコニーのモルタルを撤去してでも改善するべきでしょっ!」

「でも、こういう風にしかできなかったんです。」

「本当に床勾配が確保できないんだったら、
 西側バルコニーにも
 新たに排水溝・ドレーン・排水配管(縦樋)を設けるしかないのでは?」

「えっ。。。床モルタルの勾配を再度調整してみます。。。。」


後日談。

その後、
西側バルコニー全面の長尺シートを剥がし、
モルタルを撤去し、
再び水勾配を確保しながらモルタルを塗り、
再び長尺シートを貼ったら、
何とかなったらしい。。。


2010年08月17日

内覧会★同行日記 【熱中症対策は万全!】

【354時限目】                              author アーキスケット 出口

暑いですねえーーー。
連日、各地35℃を超える猛暑日のニュースが流れています。

そんな中、
一戸建て住宅内覧会のダブルヘッダーです。

最寄駅でご依頼者を待っている間に、
熱中症にかからないようにと、
自販機で買ったペットボトルの水を補給です。

その後、ご依頼者と一緒に現地へ向かいます。

「今日も暑いですねえーー。」

「本当に暑いですねーー。」

「マンションと比べると一戸建て住宅は余計に暑いんですよ。」

「どうしてなんですか?」

「マンションはコンクリート造なので熱容量が大きく、
 夜冷やされたのが長持ちするからなんです。」

「へえーーー。」

「一戸建て住宅は本当に暑いので、
 売主が事前に窓を開けておいてくれると良いんですが・・・」

「そのくらい気を配っているんじゃないですか?」

「だと良いんですけど。。。」


で、現地到着。
売主立会い者が先に来てお待ちかねです。

でも、残念。。。

案の定、窓は開いておらず、
シャッターまでもが閉め切られています。

「売主の〇〇です。今日はよろしくお願いします。
 それにしても暑いですねえー。」

「こちらこそよろしくお願いします。
 お部屋の中はもっと暑いでしょうねえー。」

この言葉の意味を汲み取ったかどうかは解りませんが、

「あっ、それでは私が先に入って窓を開けますから。。。」

とは言われたものの、
全員でお部屋に入り窓を全開にしていきます。


そして一段落してからご依頼者が鞄の中をゴソゴソと・・・・
すると中から水の凍ったペットボトルを取りだし、

私と売主立会い者に、

「暑いですから、どうぞ!!!」

こんな心遣いが本当にうれしい。。。

先ずは検査前に溶けた分の水をゴクリ。

そして窓の無い屋根裏収納へと入ります。
手持ちの温度計は43℃。

これを見た途端、
飲んだ分の水が汗として吹き出してきます。

途中、氷が溶けた分の水を飲みながら検査を進めますが、
その水は体を経由するだけで
下着とフェイスタオルに吸収されていきます。

でも、ペットボトル入りの氷のお陰で、
何とか熱中症で倒れることなく内覧会検査を無事終了。

そして、後半戦の一戸建て住宅内覧会に向かいます。

途中、駅のトイレで、
ペットボトル2本分の水を吸った下着を着替え、
また、すぐに汗が出てくるんだろうなあー。。。と思いつつ、
キオスクで買ったペットボトル入りのコーラを一気にゴクリ。

そして2件目の一戸建て住宅に到着です。
ここでは、
事前に窓が開けられており、”ホッ”
売主の心遣いが感じられます。
そしてご依頼者からペットボトル入りのお茶のプレゼント。

これで熱中症対策万全です!


2010年08月10日

内覧会★同行日記 【明日は引っ越し!】

【353時限目】                              author アーキスケット 出口

最寄り駅で住宅内覧会同行のご依頼者と待ち合わせ。
現地までの道すがらの会話です。

「お引き渡しはいつなんですか?」

「実は明日なんです。。。」

「そうなんですかあー。で、お引っ越しの予定は?」

「実は明日の午後なんです。。。」

「そうなんですかあー。手直しが無いくらいに綺麗に仕上げっていると良いですね!」


と言いつつも、
頭の中では、赤に近い黄色信号が点滅開始です。

内覧会検査では、少なからず指摘事項が挙がります。
その内容の大小はありますが、
その手直し期間を確保するために、
少なくとも1週間の余裕はほしいところです。

ところが、
引渡し日の前日が内覧会。
しかも、引渡し日にお引っ越し。

ということは、
工事期間が厳しくて
内覧会がギリギリのタイミングになってしまったということに違いない!


広い道から左に曲がり小道へ入ると、
そこは、この住宅メーカーが売り出した数棟から成る分譲住宅エリア。

作業用の車両が道を塞ぎ、
職人さん達がその隙間を行き交いながら作業を進めています。

どの住宅も外構工事がほとんど手付かず状態。

うーーーん。。。やっぱり!

ご依頼者が、玄関ポーチと駐車場を指さしながら
売主に、

「明日の午後には引っ越ししてきますけど、
 午前中にはコンクリートが出来るんですか?」

「コンクリートはすぐには乾きませんので、改めて調整させていただきます。。。」

今の状況からすると明日のコンクリートは無理。
でも、後日にコンクリート打設するにしても、
その時のお部屋への出入りは大変だ!

「お部屋の中は出来あがっているんでしょうか?」

「実は。。。
 バルコニーの手摺に付くアルミ笠木、物干し金物、網戸が未済です。
 でも、明日の午前中に取り付ける手はずになっています。。。」

取付け時間もそれほどかかるものではないので、
その程度だけであれば良いのですが・・・・


さて、お部屋に入ると、
一見、説明のあった未済工事以外は完了しているかのように見えます。

でも、
キッチンの吊戸棚には、”扉交換”の張り紙。

「扉の交換って何ですか?」

「色違いなんです。
 内覧会なので、とりあえず他の物件のものを仮に付けておきました。」

洗面化粧台下を覗くと、
排水管が接続されていません。

「この状況でご入居し、水を使用したら大変なことになりますね。」

「・・・・それも未済でした。。。明日午前中には接続します。」

その他、
明日の午前中までに手直しを完了するには
際どい指摘がいくつか挙がります。


「ところで、こんな状況で役所の完了検査は受けたんですか?」

「ハイ、受けました。」

「で、指摘は挙がらなかったんですか?」

「付くものも付いていない状況での完了検査でしたので、
 いくつか是正写真提出の指摘を受けています。」

「現地確認での再検査でなくて良かったですね。」

「・・・・・」


明日は引っ越し!
住宅の使用開始です。

でも、住宅を使用して良いという検査済証は出ていない。
もちろん、仮使用届けなんて提出していない。

せめて、
役所に提出する是正写真には、
引っ越し荷物が写っていないようにしてください。

2010年08月06日

内覧会★同行日記 【安全第一VS品質第一】

【352時限目】                              author アーキスケット 出口

ここは郊外にあるタワーマンション。
バルコニーから内覧会検査スタートです。

先ず目に飛び込んでくるのがこの街の景色。

ずいぶんこの街も変わったなあー。。。

昔々、この街で遊んでいたころを思い出します。

次に目に飛び込んできたのが外壁仕上げの出来栄えの悪さ。

仕上げは吹き付け塗装なのですが、
柱部分に70cm角程度の四角いひび割れ。
そして、その部分の吹き付け塗装は、
その他の部分と明らかに色や吹き付け模様(パターン)が違っているのです。

はて?、この四角い跡は何なのだろう???

内覧会検査終了後、施工会社の立会い者に説明を求めます。

「この柱にある四角い跡は何でしょうか?」

「タワークレーンのステー跡です。」

タワークレーンとはご存じのとおり、
PC板や鉄筋などの建設資材を上の階に運ぶものです。

ステーとは、
タワークレーンが倒れないようにするための支え金物であり、
タワーマンションの建設で外付けタワークレーンを使う場合に欠かせないものです。

そして、このステー跡は、
ベースプレートと言われる厚い鉄板を柱に埋め込んでいた跡だということです。

このステーを設ける箇所はそんなに多くはありませんが、
このお部屋は、
運悪く(?)、その箇所に当たってしまったということです。

「タワークレーンのステー跡だったんですか!
 私としたことが気が付きませんでした。。。
 
 現況、四角くひび割れが生じていますが、
 何で穴埋めをしたんですか?」

「無収縮モルタルです。。。」

「でも、結果としてひび割れが生じていますね。」

「・・・・・」

「この四角い部分は、他の部分とくらべ塗装の色は違うし、模様(パターン)も違いますね。」

「ここの部分は、ダメ工事(残工事)として後施工をしているため仕方がないんです。」

「施工上の理由は解りますが、
 マンション購入者からすれば、そんな理由は関係ありません。」

「・・・・・」

「無収縮モルタル施工後、十分に乾燥させたのでしょうか?
 そのうえで、ひび割れが生じたのであれば補修する必要があります。

 塗装だって、この一部分のみをダメ工事として残すのではなく、
 柱一面を残せば目立たないようにできたんじゃないですか?」

「柱一面をダメ工事として残すと高所作業となり、
 手摺を乗り越えて墜落事故の危険があります。」

「マンション購入者からすれば、そんな理由は関係ありません。
 手間はかかるかもしれませんが、
 ネットを張るなどして墜落防止を考えれば済むことです。」

「ネットを張ること自体も墜落事故の危険があります。」

「そんなことを言っていてはタワーマンションなんか施工できません。
 安全帯の使用だってあるし、その他の方法だって考えられます。」

「・・・・解りました。手直しします。」

決して安全を疎かに考えて良いということを言っているのではありません。

マンション施工会社にとって、

” 安 全 第 一 ”

そして、マンション購入者にとって

” 品 質 第 一 ”

どちらも大切なのです。

2010年08月02日

内覧会★同行日記 【設計競演?・・・その矛盾】

【351時限目】                              author アーキスケット 出口

郊外の一戸建て住宅の内覧会。

ここは大手デベロッパーによる大規模プロジェクトの住宅開発。
で、偶然にも同じ日の午前、午後で内覧会同行のご依頼があります。

事前に送付いただいた資料の設計図を見ると、

午前の住宅が準大手住宅メーカーの設計。
午後の住宅が準大手ゼネコン住宅事業部の設計。

と、2つの会社が設計競演しています。
大規模プロジェクトゆえの分業なのでしょう。。。

内覧会当日、現地に到着すると、
住宅形状は異なったものがあるものの、
外観、外構の造りなどなど、
全体的には同じ雰囲気を醸し出しています。

さて、午前の住宅内覧会検査を終え午後の住宅内覧会検査です。

玄関の前では、
案内役の準大手ゼネコンの立会い者が待ち構えています。

さすがに、
午前中の立会い者とは制服(作業着)が異なります。
しかし、
内覧会の進め方は午前中と同じ!
売主である大手デベロッパーのマニュアルどおりなのでしょう。

お部屋に入ると、
お部屋の雰囲気も午前中に見たのと全く同じ。
そして、
システムキッチンや洗面化粧台、浴室、トイレなどの住設機器類、
その他、アルミサッシや木製建具、フローリングなどなどの仕様も全く同じ。

カタログやインターネットの情報どおりの仕様となっています。


で、内覧会検査をスタート。
すると、

確か・・・午前中の住宅では、
クーラースリーブが固定されていたよなあー。。。
でも、こちらは全数未固定だ!

確か・・・午前中の住宅では、
木製建具の扉はアンダーカット10mmが確保されていたよなあー。。。
でも、こちらは5mmしかないや!

確か・・・午前中の住宅では、
バルコニーのオーバーフロー管にはメッシュ蓋が付いていたよなあー。。。
でも、こちらは付いていないぞ!

確か・・・午前中の住宅では、
屋根裏の断熱防湿シートが綺麗に貼られていたよなあー。。。
でも、こちらは貼っているとことろと貼っていないところがあるぞ!

これらは、単純なミス。
施工管理不行き届きだ!


さらに、内覧会検査を進めます。
すると、

確か・・・午前中の住宅では、
トイレや洗面室、廊下に将来用手摺下地が入っていたよなあー。。。
でも、こちらは入っていないぞ!

確か・・・午前中の住宅では、
ユニットバス周りの壁に遮音材のグラスウールが入っていたよなあー。。。
でも、こちらは入っていないぞ!


でも、これらは各社それぞれの設計図どおり。
同じプロジェクトの住宅で仕様が異なっても良いのかっ!?

この問いに売主は、

「大筋の仕様は当社で指示していますので同じです。
 しかし、細かいところでは、
 設計者によって異なるところがあるかもしれません。」

「そんなんで良いのですか?」

「その図面をお渡しし販売、契約をしているのですから。。。」


今回、同じ敷地内のプロジェクト。

でさえ、こんなことがあるのです。。。

住宅業界では、
こんなことがざらにあります。

だって、
同じ住宅メーカーの建物でも設計者が異なっているのですから。。。
致し方が無いことなのでしょうか?

2010年07月26日

内覧会★同行日記 【矩計図の有る住宅・無い住宅】

【350時限目】                              author アーキスケット 出口

「〇月〇日土曜日の午後に
 新築住宅の内覧会同行をお願いしたいのですが・・・」

「その日は午前に新築住宅の内覧会同行の予定が入っていますが、
 午後でしたら予定させていただきます。
 それでは次に示す資料のコピーを事前に送付してください。」

・建物概要 (チラシやパンフレットなど)
・図面関係 (仕上げ表、仕様書、配置図、各階平面図、立面図、断面図、矩計図)
・地図    (最寄駅から現地まで解るもの)
・オプション (セレクト表、注文書、カタログ等)


ここで、矩計図(かなばかりず)とは、
断面詳細図みたいな図面で、
外壁、屋根、床下の断熱材や仕上げ材、天井高さなどなど、
色々な情報が記載されているもので、
新築住宅の内覧会検査では本当に役立つ図面です。


後日、送付されてきた資料を確認すると、
簡単な平面図、立面図、配置図しかありません。

「これで足りますでしょうか?」
の問いに、

「仕上げ表、断面図、矩計図が不足しており、情報量が乏しいと言えます。
 要求しないと手渡されないことも多いので、
 売主に確認してみてはいかがでしょうか?」

で、後日の回答です。
「売主から、
 『仕上げ表、断面図はございません。
 矩計図はお客様にはお出ししておりません。ご了承ください。』
 との回答です。
 こんなものでしょうか?」

「入手できる図面・資料の中で精一杯検査させていただきます。
 内覧会検査当日、不明な点や質問事項が出てきましたら、 
 直接、売主立会い者に口頭確認させていただきます。」


内覧会当日です。

午前の新築住宅内覧会検査では、
矩計図や仕上げ表などの資料がほぼ揃っています。

そして内覧会検査の結果、
フローリングのキズ、玄関ポーチの床タイルの浮き、床下の断熱材施工不良など、
いくつかの指摘があったものの、
矩計図や仕上げ表、その他の図面との相違点もなく、
結構、良い出来の住宅です。


そして、最寄り駅が2つ先で行われる午後の新築住宅の内覧会検査に向かいます。

で、ご依頼者ともども、
売主営業立会い者と仲介業者にご挨拶。

「ところで、そちらの会社では矩計図を住宅購入者に渡さないのですか?」
と尋ねます。

すると、
「当社では矩計図をお渡ししておりません!」

「何で渡さないのですか?」

「企業ノウハウが記載されているため極秘なのです!」

「そうなんですかあー。。。?
 でも、今日午前中に内覧会検査した新築住宅は、
 偶然そちらの会社が売主でした。
 そこでは矩計図も仕上げ表もありましたよ!」

「・・・・・会社規定では渡さないことになっています。
 午前中の当社担当者を教えてください。罰則ものです。」

本当かいな?

これまで、この住宅メーカーの内覧会にいくつも同行しましたが、
「矩計図は渡せない。」
と言われた記憶はありません。

そして、矩計図に、
住宅購入者に渡せないような企業ノウハウが記載されていた記憶もありません。

とりあえず、
午前の新築住宅と同じシリーズなので同じ仕様のはず。。。
その記憶を頼りに内覧会検査を進めます。


で、内覧会検査終了後の指摘・確認事項です。

「この1階のトイレには手摺が付いていませんが、午前の新築住宅では付いていましたよ。」

「・・・・・付きます。これから取り付ける予定でした。」

「階段に手摺が付いていませんが、午前の新築住宅では付いていましたよ。」

「・・・・・付きます。これから取り付ける予定でした。」

その他、
・木製建具の戸当たりが全箇所取り付いていない。
・網戸が全箇所取り付いていない。
・給湯器カバーが取り付いていない。

などなど、
引渡しを1週間後に控え、最終クリーニングを終えているというのに、
いくつか取り付くべきものが取り付いていません。

でも、その度に、「これから取り付ける予定でした。」との回答。

本当かいな?

もしかして、
施工担当者にも、
矩計図や仕上げ表を渡していないんじゃないの?


それ以外は、
断熱材の仕様や仕上げ材などは他物件の矩計図・仕上げ表どおり。
そして、キズ・汚れも少なく、
見た目の仕上がり具合としてはそれなりに良い。

でも、
もし、午前の内覧会検査資料の矩計図や仕上げ表をもとに口頭確認していなければ、
住宅購入者は、
取り付くものが取り付いていないことに気が付かないまま
入居していたのかもしれません。。。。


2010年07月22日

内覧会★同行日記 【内覧業者はいい商売?】

【349時限目】                              author アーキスケット 出口

二世帯住宅の内覧会です。

お部屋に入ると、
ご依頼者夫婦と息子夫婦とご挨拶。

「しっかりと検査させていただきます。よろしくお願いいたします。」

その後、ハウスメーカー担当者から名刺交換を求められ、
「今日、検査をさせていただきますアーキスケットです。よろしくお願いいたします。」

相手の名刺を確認すると、
大手不動産会社の住宅事業部の社員です。

資格も記載されており、

 二級建築士
 一級建築施工管理技士

資格を持ち合わせない住宅施工担当者が多い中、
この住宅はラッキー(?)かもしれません。


すると、おもむろに、
「内覧業者って、いい商売ですよね!」

”いい商売”ってどんな意味で言っているのだろう???

とりあえず、
「決して楽な商売ではありませんよ。」

「実は、自分でも内覧業者をやってみようかと思っているんです。」

”ご依頼者のためになる”といった志があるのなら良いのですが、
楽でお金儲けができると思っているのなら勘違いしちゃっているかもしれません。


自分にどれだけの仕事の依頼があるのかなあー?

取らぬ狸の皮算用なんかしていたら人生狂ってしまいます。
内覧業者のホームページを見て、
年間一人当たりの検査回数をチェックすると参考になるかもしれません。


会社経費ってどのくらいかかるのかなあー?

事務所経費、営業経費、社会保険料、税金などなど、予想以上に出費してしまいます。
内覧業者の中には、
”検査当日の現金払い”で税金対策(?)なんてやっているところもあるようですが・・・・


自分の知識・技術力・交渉力は通用するのかなあー?

内覧会同行のご依頼は、一戸建て住宅、マンションですが構造は様々です。
そして交渉相手も様々な人がいます。
内覧業者がなめられないためには、肩書き(資格)、経験・経歴も重要ポイントです。


で、二世帯住宅の内覧会検査結果です。

・壁の傾斜が許容値を超えている
・アルミサッシ網戸枠が固定されていない
・AW額縁のビスキャップや引き戸枠のビスが抜けている
・物入折戸の開閉不良
・洗面化粧台横の巾木が付いていない
・境界杭が入っていない
などなど、
指摘・確認事項が28項目挙がります。

すると、ハウスメーカー担当者から、
「事前にしっかりチェックしたつもりだったんですが・・・・
いい勉強になりました!!!」


内覧業者で一番大事なことは、”不具合の発見力と誠意”です。

建築士や施工管理技士の資格を持っていれば出来る商売でもありません。

これほど指摘が多く挙がるようでは、
自分がやってみて、
”いい商売”と言える内覧業者になるまでには、まだまだ・・・かも。

2010年07月18日

内覧会★同行日記 【Wセカンドオピニオン】

【348時限目】                              author アーキスケット 出口

「もしもし、今度、マンション再内覧会があるんですけど、
 再内覧会からでも同行していただけますか?」
との問い合わせ。

マンション内覧会で、
ご自身で検査を行った結果不安に思われる方も多く、
再内覧会で検査依頼をいただくケースも結構あります。

「もちろん、同行させていただきます!」

「実は、最初のマンション内覧会の時も一級建築士の方に見てもらったんですけど、
 それでも良いですか?」

「普通は内覧会時に同行してもらった一級建築士の方にご依頼することが多いと思いますが、
 何かあったんですか?」

「・・・・・、やっぱり別な方が良いと思いまして。。。」

「では、事前に送付いただく資料として内覧会時の指摘事項記載シートも送付してください。」

「ハイ、解りました。」


で、送付いただいた内覧会時の指摘事項記載シートを見ると、

・バルコニーの隔板に隙間があり隣が見える。塞ぐ
・クローゼットの引き戸の引き残しが無い。危険
・洋室の給気口は防音型にすべき
・排気口ガラリの羽の向きが違う
・サービスバルコニーの排水でオーバーフロー管が設けられていない

などなど、設計や仕様上の指摘。

・サッシの気密不良
・バルコニータイルの浮き
・打ち込み断熱材の浮き
・サッシ水切り下のコーキング幅の不足

などなど、施工不良の指摘

その他、キズ・汚れ等を含めると、
合計60項目の指摘が挙がっています。

なかなか鋭い指摘。

でも、この指摘パターンはどこかで見たことがある。

この一級建築士って、もしかして・・・・


で、マンション再内覧会当日。

「はじめまして。本日はよろしくお願いいたします。」

「こちらこそよろしくお願いいたします。
 内覧会時の指摘事項記載シートを見させていただきました。
 なかなか鋭い指摘を挙げていますね。」

「そうですか。。。
 内覧会の時の一級建築士さんは知人の紹介だったんです。
 やはり不安もあり、
 今回はセカンドオピニオンとして別な一級建築士の方の同行を決めました。」

「内覧業者によっては見方が違います。
 やはり、多くの目でチェックすることも良いと思います。」


マンションに到着すると
受付では売主担当者と施工会社の所長が待ち構え、

私の顔を見て安堵した様子???

この売主担当者、以前お会いしたことがあります。

そして、お部屋に入る前にロビーで
内覧会時の指摘への対応説明があります。

その話の中の随所に、
「〇〇氏」といった名前が出てきます。

やっぱり!!!〇〇氏か!

まっ、私は私の検査をするだけです。

お部屋に入り、
ご依頼者は売主担当者と施工会社の所長と、
〇〇氏の指摘の是正確認を行っていきます。

私は、内覧会時と同様に
初めての検査としてお部屋をチェックしていきます。

で、
私のワンパターンではない指摘・確認事項が、
新たに20項目が挙がります。

ご依頼者にとって、
Wセカンドオピニオン大成功!!!(?)


2010年07月14日

内覧会★同行日記 【半地下構造の防水納まり】

【347時限目】                              author アーキスケット 出口

一見、
道路側から見ると3階建ての木造住宅。

でも、建物の反対側から見ると、
1階部分が半分ほど地中に埋まっており、
建築基準法上は、地下1階、地上2階建ての木造住宅です。

こんな時の設計は、
基礎コンクリートの立ち上がり壁を高くし土圧に耐えるようにしています。

で、
防水はどうなっているのかなあー?

と、内覧会検査の為に
事前に送付されてきた図面の矩計図(断面詳細図)を確認します。

床コンクリート(耐圧版)と基礎立ち上がりコンクリートの間には、
”止水板”

基礎立ち上がりコンクリートの外周部には、
”外防水(塗布)”

と明記されており、

この設計者、
防水の基本が解っているうー!!!
と安心します。

内覧会検査も終盤、
建物外周廻りの検査です。

まだまだ、外構工事は未済の状況なのですが、
玄関前のグレーチング内に見える基礎立ち上がり部分は、
どう見てもコンクリート打ち放し。

あれっ、外防水はしていないの?

今度は場所を変え、
建物際の土を掘り起こして半地下外周壁面を確認します。
すると、
どう見てもコンクリート打ち放し。

間違いなく、外防水はされていない!

売主施工担当者に、

「矩計図では、外周基礎立ち上がり部分に、
 ”外防水(塗布)”と記載がありますが、
 外防水がされていないように見えますね。」

「”内防水”に変更しています。」

「そうなんですかあーーー。
 防水は水の入る側で行う外防水の方が良いと思いますが、
 内防水にした理由は何でしょうか?」

「施工上の理由です。」

「内防水の方が施工しやすかったということですね。」

「・・・・・」

「床コンクリートと基礎立ち上がりコンクリートの打ち継ぎ部分には
 止水板は入れてあるんですか?」

「いえ、内側の入隅部分に防水材を詰めています。」

「そうなんですかあーーー。」


どうやら最悪に事態である防水施工の忘れではなかったようです。

しかし、この住宅は床下がなくネダフォーム敷きの納まりで、
従って床点検口もないので
内防水が確実に行われているという確認ができません。

で、間違いなく内防水がされているのであれば、
防水業者から保証書が出るはず!

「防水保証は出るのでしょうね。」

「ハイ、10年保証が出ます。」


漏水は結果論。

内防水でも漏水しなければ良いのですが・・・・
個人的には(設計者も?)、
外防水が絶対に良いと思っています。

床下が無く、点検口が無いのも気になります・・・・
万が一、漏水した場合、
いつになったら気が付くのか解りません。

2010年07月11日

内覧会★同行日記 【制震構造 疑問に答えて!】

【346時限目】                              author アーキスケット 出口

地震大国 ニッポン!

さまざまな制震構造や免震構造の商品が開発され、
これらの技術を採用するマンションや一戸建て住宅が増えてきました。

私個人的には、
制震構造・免震構造は大賛成!

しかし、免震タワーマンションや制震一戸建て住宅はちょっと疑問。。。
原理原則は、
固有周期の長いヒョロヒョロした建物には制震構造、
固有周期の短いズングリムックリした建物には免震構造なのです。

そして、制震構造や免震構造の商品の中にはちょっと疑問。。。なものも・・・


さて、マンション内覧会。
今回のマンションは制震構造を採用したタワーマンションです。

内覧会検査終了後、

「このマンションは制震構造なんですよね!」
と尋ねると、

「ハイ、そうです。見ますか?」

「是非、是非、見せてください!」

で、廊下にある点検口を開け制震壁を見せてくれます。

この制震壁を見ると、
下の階に固定された鉄板を
上の階から吊り下げられた2枚の鉄板で挟みこみ、
高力ボルトで締め付け、
鉄板同士の摩擦で地震時の揺れ幅を減衰させる構造となっています。


ここでちょっと疑問。。。

「仮に建物の長辺方向に建物が揺れた場合、
 短編方向に設置してある鉄板は面方向に曲がってしまいますよね。
 そうすると、
 期待している摩擦係数が変化してしまうんじゃないですか?」

「鉄板が曲がるほど建物は揺れないですから。。。」

「制震構造は建物が揺れた場合に効力を発揮するものではないんですか?」

「・・・・」

「何度かの地震にあう度に、
 高力ボルトで締め付けられている鉄板の摩擦係数が変わってくるんじゃないですか?」

「そんなことはないと思います。。。」

「ところで、この高力ボルトのルーズホールは
 どの程度の揺れ幅に対応してしているんですか?」

「・・・・」

「上下階の鉄板の取付精度や
 高力ボルトの締め付け力の管理は難しかったでしょうね。」

「私、構造設計ではないので解りません。。。」

「施工管理のお話なのですが・・・」


私自身、この鉄板で挟みこむタイプの制震壁を初めて見て、
この制震構造のポイントは、

”鉄板の摩擦係数の安定性”

と思い質問してみました。

でも、きっと頭の良い方たちが開発した商品なのだから、
これらの疑問は解決されているはずです。

でも、施工担当者が知らない。。。

いくら優れた商品でも、
ちゃんとした施工がされて初めて効果が発揮されます。

ちゃんとした施工がされるためには、
その商品の知識を持たなければならないのではないでしょうか。。。


2010年07月07日

内覧会★同行日記 【『チッ、』舌打ちが恐い。。。】

【345時限目】                    author アーキスケット 出口

「私たちが何か指摘を挙げる度に、
 売主の立会い者が、
 『チッ、』と舌打ちし、
 『この程度のキズは普通ですよ!』なんて言うんです。
 途中から恐くなって指摘することができなくなりました。。。。」

「そんな感じの人でしたねえー。。。」

「それにしても、出口さんの指摘説明は上手かったですよね!」

「話し方も色々と考えますので。。。。」

「内覧会の同行をお願いして本当によかったです!」


これは一戸建て住宅の内覧会を終了し、
最寄駅まで送ってもらう帰り道、
車中の会話です。


時を内覧会スタート時に戻します。

お部屋に入り、
私の検査の進め方を説明します。

ご依頼者は真剣に聞く一方、
売主の立会い者は、そっぽを向きながらまともに私の話なんか聞いていません。

今回の内覧会検査は要注意だぞ!!!

と警報が鳴り響きます。


で、内覧会検査をスタート。

検査を進めているとやはりいくつかの指摘が挙がります。
でも、途中、ご依頼者の検査の様子を伺うと、
ほとんど指摘が挙がっていない様子。
指摘を示す付箋もほとんど貼られていません。

1時間30分ほど経つと、
どうやら、
売主による住設機器の説明、ご依頼者の検査は終了し、
売主立会い者は、
『まだ、終わらないの!』といったような視線を向けます。

その視線を感じ取って、
「あと30分くらいで終わりますから。」
と聞かれもしない返事をします。

そして私の検査も終了。

ここで、
指摘事項説明の順序や話し方の戦略を立てます。

先ずは、言い逃れの出来ない手直しが簡単な指摘から。

「シューズインクローゼットのアルミサッシのビスが3個も抜けていますね!」

「えっ!これはビスを入れます。。。」

と苦笑いしながらその部分に付箋を貼ります。

次に、
「洋室のアルミサッシのビスも抜けていますよ!」

「こちらにもビスを入れます。」

次に、
「ロフトにある2本の化粧束柱の片方には廻り縁がついていますが、
 もう片方には廻り縁が付いていませんね。」

「束柱には廻り縁を付けません。
 廻り縁が付いている方は、もともと壁だった設計を変更したもので、
 壁だったから付いているんです。」

と予想もしていなかった回答です。
でも、意味が解らない。
単純に廻り縁の付け忘れと思っていたのですが、
設計変更が理由?

「でも、最終形が同じ化粧束柱なんだから左右で同じ仕上げにするべきでしょ!」

「・・・・、解りました。廻り縁くらいだったら取り付けますよ。」

次にロフトの壁にある点検口を開け、

「屋根裏に面するロフトの壁に断熱材のグラスウールが貼られていませんね!」

「そこの壁も設計変更になっている箇所です。
 その他の壁にはグラスウールが貼られていますよ!」

これまた予想もしていなかった回答です。
でも、意味が解らない。
位置が設計変更された壁にだって断熱は必要でしょ!

この売主立会い者は本当に技術屋さんなのだろうか?
で、断熱のそもそも論がら説明です。

「設計変更のない方の壁にグラスウールが貼られている目的は、
 屋根裏に対する断熱ですよね。」

「ハイ、そうです。。。」

「設計変更された方の壁だって、
 屋根裏に面するのであれば断熱が必要ですよね!」

「でも、設計変更にそんなことは記載されていません。」

「屋根裏に対する断熱の意味を考えれば解ることだと思いますが。。。
 現況、断熱のある壁とない壁が混在することに矛盾を感じませんか?」

「・・・・・、解りました。グラスウールを貼ります。」

その後、
木製建具の面材がめくれているような指摘、
壁クロスのキズ、
床見切りのキズ、
と、大きな指摘から小さい指摘といった順序で説明していきます。

そして、これら全ての指摘を手直ししてもらえるとのこと。

戦略成功!!!

でも、本当に気を使って疲れました。


2010年07月02日

内覧会★同行日記 【家族は建築関係者】

【344時限目】                              author アーキスケット 出口

マンション内覧会のご依頼者と最寄駅で待ち合わせ。

しばらくすると、
「アーキスケットさんですか?」
と、ご依頼者の女性から声がかかります。

「はじめまして。本日はよろしくお願いいたします。」

「実は、父と弟にも来てもらいました。」

と、後ろに控えているご家族を紹介されます。

「よろしくお願いいたします。」


マンションエントランスで受付を済ませ、
お部屋に入り、
いざ、内覧会検査のスタートです。

すると、お父様は付箋片手にお部屋を見て回り、
手際良く、気になるところに付箋を貼っていきます。

途中、付箋の貼られている箇所を確認すると、
アルミサッシの額縁上のクロスジョイントのメクレまで付箋が貼られています。

このお父様、只者ではないな!

ふと、近くにいた弟様を見ると、
鞄の中から、何と、レーザーレベルを取り出し、
床勾配のチェックをしているではありませんか。

もしかして、このご家族は・・・・


しかし私も内覧会検査のプロ。
後で、
「内覧会検査のプロなんてあんなもの?」
なんて話題にされたくはありません。

ただ、本当に良い出来のマンションで指摘事項がほとんど無い場合、
私の評価はどうなるのだろう?

と若干のプレッシャーを覚えつつも、
内覧会検査を進めていると、
そんなプレッシャーからすぐに解放されます。


◇ご依頼者家族の指摘事項

・バルコニー雨水横引き配管の水勾配が確保されていない
・バルコニー手摺支柱部のコンクリート下地不良
・ユニットバス天井点検口に凹みがある
・その他、クロスやサッシなどのキズ・汚れ・隙間など多数

◇私の指摘・確認事項

・斜め上階のルーフバルコニーからの熱橋(ヒートブリッジ)に対し、
 水平方向のスラブ下部はウレタン断熱材600mm程度が吹き付けられているものの、
 垂直方向の梁・壁にはウレタン断熱材が吹き付けられていない。

・パンフレットで、
 『水周りが居室に面する間仕切り壁は遮音を配慮しボード2枚貼りとしています』
 と記載があるにもかかわらず、
 リビングと洗面室間の間仕切り壁ボードが1枚貼りとなっている。

・洋室およびLDの戸境壁の傾斜がそれぞれ11mm、8mmとなっており、
 一般的に採用されている壁傾斜の許容値3/1000を超えている。

・バルコニーの柱周りの巾木部分で、
 右側の柱はグレーのウレタン防水が立ち上がっているが、
 左側の柱は外壁塗装色となっている。
 見栄えが異なるし、防水はどうなっているのか?

・その他、クロスのパッチワーク、クロスの浮き・折り皺、ブツ、キズ、汚れなど多数


後日、ご依頼者からのメールです。

内覧会では大変お世話になりました。
お察しかと思いますが、
父弟とも建築の仕事をしており、
出口さんのご指摘を聞いて大変勉強になったと言っていました!


内覧会のプロ1名+建築関係者2名+女性のきめ細かい目線

最強タッグのマンション内覧会検査となりました。


 

2010年06月28日

内覧会★同行日記 【内覧会弁護士同行】

【343時限目】                              author アーキスケット 出口

一戸建て注文住宅の内覧会検査をスタートしようとすると、

2名の弁護士が登場です。

工事途中のトラブルで、
内覧会検査のご依頼者が弁護士の同行も依頼していたのです。

先ずは年配弁護士から名刺交換。

「検査で何かありましたら教えてください。」
「ハイ、解りました。」

次に若手弁護士と名刺交換。

「検査のお時間はどれくらいかかるのでしょうか?」
「3時間前後だと思います。」

そして二人揃って、
「3時間ですかあーーーー。」

事前にご依頼者から、
外構回りの埋め戻しの件で、
注文住宅メーカーとトラブルになっているとは聞いていたのですが、
詳細についてはイマイチ把握できていませんでした。

ということで、
トラブルの件は弁護士さん達に任せ、
とりあえず私の方は内覧会検査を進めます。

しばらくすると、
この2名の弁護士さん達が入れ替わり立ち替わり、
私の内覧会検査の状況を見に来ます。

しかし私が黙々と検査を進めているからでしょうか(?)、

声もかけずにウロウロ、ウロウロ。

そして5分も経つと手持無沙汰になって退出していきます。

そんなことが数回。。。

で、こちらはほぼ予定通りの時間で内覧会検査終了。

でも、弁護士さん達の姿は見当たりません。
どうやら、しびれを切らして帰った模様。
今日の私の内覧会検査の指摘も合わせて後日打ち合わせするのだろう。

私も後日の相談に対処するため、
トラブルの詳細を確認します。

「どういったトラブルですか?」
とご依頼者に尋ねると、

外構工事は別な業者に発注すると言っていたにも関わらず、
乗り入れ道路(今回の敷地)のコンクリート舗装を幅50cm程度を壊し、
そのまま復旧もしないため、
外構業者の車の出入りに支障をきたすとのこと。

注文住宅メーカーの言い分としては、
新築した家から公道まで水道、ガスの引き込みの為に
コンクリート舗装を壊したとのこのこと。

「外構は別途なんだから、
 コンクリート舗装を壊すんだったら前もって言ってほしかったし、
 復旧するのが当たり前じゃないですか!」
と、ご依頼者。

「水道を引き込むためにはコンクリート舗装を壊さなければ出来ません。
 復旧するにはお金がかかります。
 上司にお伺いを立て了解をもらわないと私どもとしては対応できないんです!」
と、注文住宅メーカーの営業マン。
後ろでは施工担当者が沈黙です。

こんなやり取りをすること数分。。。

この営業マンの言っていることも正論ではある。
きっと生真面目な人なのだろう。。。。

で、私から、

「外構業者の車が入れるようにコンクリート打設をしたってたかが知れた費用ですよね。
 コンクリートやメッシュ筋の材料費、労務費を考え合わせたって数万円。
 現場裁量でお互い話し合いすれば済むことと思いますが・・・」

もし私が彼の上司だったら、
 『そんな程度のことは現場で何とかせい!!!』
と叱り飛ばすかもしれません。


後日、ご依頼者よりのメールです。

「結局、注文住宅メーカーの方で復旧してもらうことになりました!」

弁護士さん達、
出る幕を無くしてゴメンナサイ。。。

そしてこんなアドバイスをしたからといって、
弁護士法違反で訴えるなんて言わないでくださいね!

2010年06月23日

内覧会★同行日記 【タイル誘発目地の目的は・・・】

【342時限目】                              author アーキスケット 出口

ここは広い広いオープンエアリビングバルコニー。
お隣のオープンエアリビングバルコニーとの離れは2.55mで、
その間の空間は、

”光の吹抜け”といったカッコイイ名称が付いています。

その光の吹抜けの外壁タイル面を見ると、
縦方向に4本の誘発目地。

何でこんなにいっぱいの誘発目地を入れているのだろう・・・?

一般的には、3mから4m内外の間隔で
外壁ひび割れ防止の目的で誘発目地を入れるものです。

幅2.55mの壁ならば、両際の入隅部分にあれば良いのでは・・・・

でも、多い分には、
外壁ひび割れの抑制といったことから考えれば良いのかもしれません。
しかし、見た目はどうかと思います。

今度は、反対側のお隣の光の吹抜け外壁タイル面を見てみます。
条件は全く同じ。

すると、1階、2階とやはり4本の誘発目地があります。
しかし、3階、4階、5階は3本の誘発目地しかありません。

1本の誘発目地は何処へ行ってしまったの?

内覧会検査に立ち会っていた2名の施工会社の担当者に尋ねると、

20代と思われる若手の方は、
「・・・・・」、沈黙です。

50代と思われる年配の方は、
「不思議ですねえー。。。内覧会応援ですから解りません。」

「では、内覧会場の方で解る方から説明してもらえますか?」


ということで、ここは内覧会場です。

先ほどの2名の他に、
40代前半と思われる施工会社の人がテーブルに着きます。

「光の吹抜けの2.55mの外壁間に4本もの誘発目地を入れている理由は何ですか?」

「外壁タイルの割り付け上、そうしました。」

「そうすると、コンクリート工事でオープンエアバルコニーの位置を
 タイル割りに合わせて微調整をしなかったということですね。」

「そうです。。。」

タイル割りごときで、そこまでする必要は無いと考えているのだろう。。。

「こちらの光の吹抜けの外壁で、
 1階、2階は誘発目地が4本ですが、3階、4階、5階は3本になっています。
 その理由は何でしょうか?」

「外壁タイルの割り付け上、そうしたんでしょう。」

「えっ?意味が解りません。」

「3階から上の外壁は、少し間隔が狭くなったんで、
 誘発目地を無くして調整したということです。」

「だったら、外壁タイルの割り付け上の理由ではなく、
 コンクリートの精度が悪かったということじゃないですか。」

「誘発目地が少なくなると問題がありますか?」

「コンクリートの誘発目地欠込み部分でタイルが割れていますよね。」

「タイルの化粧目地だけですから大丈夫です。」

「外観だって途中から誘発目地の数が変わればオカシイですよね。
 そんなマンションを見たこともありませんよ。
 現地を確認してから今後どうするか判断してください!」

「ハイ、そうします。」

ということで、現地を確認しに席をはずします。


でも、現地を確認する以前にこの会話ができたということは、
事前に知っていたのかも?

若手施工会社の立会い者に尋ねます。

「あの人はどんな立場の人?」

すると沈黙を破って、

「所長です。」

まだまだ若い所長(?)

早いうちから誰にでもわかる汚点を残さない方が良いと思いますが・・・・

2010年06月19日

内覧会★同行日記 【時間がない!?】

【341時限目】                              author アーキスケット 出口

一戸建て住宅の内覧会検査のご依頼があると、

「”売主”に
 第三者の内覧会検査立会いの申し入れをお願いします。
 検査時間は平均3時間前後です。」
と一言添えます。

それは、トラブルを避けるためでもあります。。。

内覧会当日、
一戸建て住宅の玄関先で、
売主の若手立会い者とご挨拶。

「今日、内覧会検査立会いをさせていただきますアーキスケット出口です。
 よろしくお願いします。」

「こちらこそよろしくお願いします。」

で、早速内覧会検査スタートです。

検査を進めること約30分、
今いる売主立会い者の上司と思しき人がお部屋の中へ。

「今日検査立会いをさせていただきますアーキスケット出口です。
 よろしくお願いします。」

「〇〇です。・・・・ヨロシク。」

引き続き黙々と検査を進めます。

途中、ご依頼者から、
「あとどのくらいで検査が終わりますかあー?」
と声がかかります。

「あと20分くらいです。」

お部屋の仕上がり具合はそれほど悪くはない。
指摘・確認事項として計16項目、1時間30分ほどで検査終了です。

その後、指摘・確認事項を一つ一つ説明していきます。

2階の12項目、説明完了!(約15分)
1階の2項目、説明完了!(約5分)

と、その時です。

ご依頼者に向かって、
「検査にこんな時間がかかるんだったら事前に伝えておいてくださいよ!(怒)」

「売主の△△さんに伝えておきましたよ。」

「私は聞いていませんよ!(怒)」

「△△さんには伝えておいてくださいと話しをしてあります!」

「何で、直接私に伝えてくれなかったんですか!
 これまで、そんなお付き合いをしていないでしょっ!(怒)」

「いや、そんなお付き合いをしているんじゃないですか!
 今日の検査中だって迷惑そうな態度だし、
 嫁さんだって、『〇〇さん、何かの都合で時間がないんじゃないの?』
 と気をつかっているぐらいですよ!」

「そうですよ!こっちの都合もあるんですよ!、時間がないんですよ!」

これ以外にも、
過去の憤まん両者爆発!!!

売主若手立会い者はただただ沈黙。。。。

5分経っても、この言い合い終わりそうもありません。

ここで私から、

「〇〇さん、私の指摘事項の説明は残り2項目、
 あと2、3分で終わるんですよ!
 時間がないんですよね!
 だったら続けましょうよ!」

「ブツブツ、ブツブツ、ブツブツ、ブツブツ・・・(怒)」

「もう、いいでしょっ!続けましょっ!」

「時間がないんで、先に帰ります!(怒)」

指摘説明の後、

「出口さんに不愉快な思いをさせて申し訳ありませんでした。」

「大丈夫ですよ。慣れてますから。
 でもハウスメーカー内で伝達が悪いですね。」

「〇〇さんは仲介業者です。。。」

「えっ!!!、仲介業者なんですか???
 図面に記載してある煙感知器が無いことを指摘した時なんか、
 『うちの仕様では付けないんでいいんだ!』
 なんて言い訳するんで、
 てっきり、売主の人かと思いました。」


内覧会終了間際の、
仲介業者のあの一言がなければ、

みんな不愉快な気持ちにならなくて済んだのに。。。

今回の件で、
”売主および仲介業者”に
 第三者の内覧会検査立会いの申し入れをお願いします。
 検査時間は平均3時間前後です。」
と一言添えるように手直ししました。


2010年06月15日

内覧会★同行日記 【壁クロスに一筋の影】

【340時限目】                              author アーキスケット 出口

マンション内覧会で、
その出来栄えの悪さが心配になったマンション購入者からの
確認会同行のご依頼です。

事前に送付していただいた内覧会指摘事項記載表を見ると、
ほとんどの指摘事項は、
クロスのキズ、汚れ、隙間といった内容です。

で、確認会。

ご依頼者は施工会社の立会い者とともに
内覧会時指摘事項の是正確認のためお部屋を見て回ります。

私は単独で初回の内覧会レベルで検査をスタート。

リビングの戸境い壁を懐中電灯で横から照らしながらチェックしていると、
外壁面から50cm程度のところで縦方向に、

壁クロスに一筋の影が浮き出てきます。

内覧会であれほどクロスのキズ、汚れ、隙間をしていたにも関わらず、
こんなに目立つクロスの不具合を発見出来なかったのだろうか???

一通りの検査を終え、
壁クロスを懐中電灯で横から照らしながら、

「この壁クロスに筋が入っていますね。」

「内覧会ではこんなの気付かなかったあー!!!」
とご依頼者。

「壁クロスを貼り替えます。。。」
と施工会社の立会い者。

「クロスを貼り替えるだけじゃダメだと思いますよ!」

「何でですかあー???」
とご依頼者。

「・・・・・・」
と施工会社の立会い者。

「この位置は、折り返し断熱ボードとコンクリートの境い目ですよね。」
と、壁を拳骨で叩き音の違いを確認しながら説明します。

今度は、別な場所を懐中電灯で照らしながら、

「床から1.6mの位置のところにも水平方向に影が浮き出てきますね。
 ここは、断熱ボードのジョイントの位置ですよね。」

「・・・・・・」

「恐らく断熱ボードとコンクリート境いや、
 断熱ボード間でひび割れが生じていると思いますよ。」

「・・・・、そうかもしれません。。。」


後日、ご依頼者よりの再確認会メール報告です。

出口さんが指摘してくださったリビングのクロスの影ですが、
やはりひび割れが原因でした。
手直しの写真を添付しておきます。

 1.クロスを剥がした写真(ひび割れが各所に確認できる)
 2.シーラー塗布状況写真
 3.補強テープ貼り状況写真
 4.補強材練り混ぜ状況写真
 5.補強材塗布状況写真
 6.クロス下地(下パテ)処理状況写真
 7.クロス下地(上パテ)処理状況写真
 8.クロス貼り施工状況写真
 9.補強・補修材料検収写真 : タフバインダー、ダイヤテープ、
                     シーラー、アイトップ、Hiレベル、Hiスムーズ
 

この写真を見ると、
施工会社の誠意ある対応(?)が解ります。

でも、壁クロスに走っていた一筋の影の原因が、
コンクリート壁のひび割れと推察しなければ、
表面だけのクロスの貼り替えだけにとどまっていたのかもしれません。。。

             
              

2010年06月07日

内覧会★同行日記 【頭が下がります。。。。。。】

【339時限目】                              author アーキスケット 出口

人もまばらなローカル電車に揺られながら
郊外の大規模一戸建て分譲住宅の内覧会検査に向かいます。

駅へ到着。
でも、駅前といってもお店すらない。。。

目的地までは徒歩22分。
でも、タクシーすらいない。。。

仕方なく検査道具の入ったキャリーバックを引っ張りながら
徒歩で現地に向かいます。

現地へ到着すると、
遠くの方で住宅街の道路掃除をしている年配の人。

でも清掃員ではありません。
見覚えのある施工会社のユニホームを着ているのです。

その方が私に気が付き、こちらへやって来ます。

どこかで見覚えのある顔。。。

でも、念のため名刺交換を行います。

〇〇建設株式会社
住宅事業部 建築部 所長 〇〇〇〇

「どこかでお目にかかったことがありますよね!
 確か、〇〇方面の住宅の外壁のひび割れ調査でお伺いした時だったでしょうか?」

「出口さんには、△△方面の住宅の漏水調査でお目にかかったことがあります。」

「今日は内覧会検査ですのでよろしくお願いいたします。」

「こちらこそ、よろしくお願いいたします。」
と丁寧に頭を下げてくれます。

そんな会話をしていると、
内覧会同行のご依頼者家族が到着です。
で、早速内覧会検査スタート。


一見、非常に丁寧に造られているお部屋。
でも、細かく見ていくと、
やはり指摘事項が見つかります。

「洋室のアルミサッシ枠にビス抜けがありますね。」

「スイマセン。」

「ウォークインクローゼットのフローリングワックスに足跡ムラが3つありますね。」

「スイマセン。。」

「リビングの木製建具のキズ補修が色が違っているし雑ですね。」

「スイマセン。。。」

「洗面室の床CFシートのあちらこちらに浮きやカッター切断跡がありますね。」

「スイマセン。。。。」

「玄関ポーチの床タイルに浮きがありますね。」

「スイマセン。。。。。」

などなど、一通りの指摘説明を終えてからご依頼者から一言。

「このフローリングのキズ補修も悪いですね。」

トドメの指摘事項に対し施工会社の立会いから一言。

「ご指摘をひとつひとつお伺いする度に、
 だんだん、頭が深く下っていきます。。。。。。」

この冗談に対し、皆で ”クスッ(笑)”

最後に、内覧会同行のご依頼者に対し私から一言。

「この住宅では、今のところ大きな指摘事項は無いようです。
 ご入居でもご相談を承っていますので、
 今後、外壁モルタルのひび割れや漏水などといった欠陥が出ましたら、
 お気軽にご連絡ください。」

この密かな皮肉に対し、施工会社立会い者も ”クスッ(笑)”

2010年06月03日

内覧会★同行日記 【トイレの臭いは嫌!】

【338時限目】                              author アーキスケット 出口

ここは都内タワーマンションのバルコニー。

周りを見渡すとスカイツリーも遠望できるではありませんか。

景観を楽しんでいる場合ではない!
マンション内覧会検査のスタートです。

バルコニーの外壁面を見ると、
たくさんの設備開口が壁や梁に穴を開けています。

・レンジフード給気・排気の為のベントキャップ金物
・24時間換気の給気・排気の為のベントキャップ金物
・クーラー配管の為のクーラースリーブ金物

ふと、バルコニー戸境いの隔壁の上を見上げると、
そこから20cm程度の位置で
お隣さんのベントキャップがあるのです。

フィン(羽)がベントキャップ金物の側面両サイドに付いており、
そのうち一方が私の顔をめがけて向いてきます。

何で片側フィンタイプを選ばなかったのだろう?
あるいは風向き調整板を付けなかったのだろう?


内覧会検査の指摘・確認事項の説明です。

先ほどのお隣のベントキャップを指さしながら、

「これは何のベントキャップですか?」

「うーーん??」
設備担当ではないので回答できないらしい。

「お部屋の配置からするとトイレの排気ですよね。」

「そうかもしれません。。。」

「フィンがこちらを向いているので、
 お隣のトイレの排気がこちら側に吹きつけるということですよね。」

「そうかもしれません。。。」

「しかもここは洗濯を干すところです。」

「ハイ。。。」

ここで内覧会同行のご依頼者。
「えええーーー、お隣のトイレの臭いが洗濯物に付くなんて嫌!」

「反対側を見ると、こちらのベントキャップがお隣のバルコニーに向いています。」

「えええーーー、お隣に文句を言われるなんて嫌!」

ここで施工会社の立会い者。
「ベントキャップの取付基準は考えられているはずです。
 再内覧会時に資料をお見せして説明させていただきます。」


再内覧会の後、
ご依頼者からその資料が送付されてきます。

A.お隣のレンジフード排気口とこちら側のレンジフード給気口が2m以下の場合、
  風向き調整板を付けます。

B.お隣の24時間換気排気口とこちら側のレンジフード給気口が90cm以下の場合、
  風向き調整板を付けます。

との書面。
確かに、部屋への臭いの流入についてはそれで良いのだと思います。

そして、戸境いから20cmしか離れていない排気口に関しては、

”トイレの排気はその他の排気(浴室・洗面等)と混合され、
 外部に出る前に希釈されたものとなります。”

との書面。
希釈されるんだったら
B.の90cm以下は風向き調整板を取り付けるというのが
ちょっと引っかかる。
でも室内流入の場合なので条件が異なります。


今回言いたいのは”気分の問題”です。

希釈されるとはいえ、
トイレの排気の風が洗濯物に吹き付けるのです。

”ここまで配慮すべきだった。”と指摘するのは過剰なのでしょうか?

でも、配慮しているマンションだってたくさんありますよ。。。


2010年05月30日

内覧会★同行日記 【ガラスの汚れを落とせますか?】

【337時限目】                              author アーキスケット 出口

木造3階建て住宅の内覧会。
3階の洋室から内覧会検査スタートです。

部屋には幅1.6m、高さ1.3mの大きなFIXガラス窓。

周りには高い建物もなく、
3階といっても、
意外と周りの景観が楽しめる開放的なお部屋です。

でも、このFIXガラス窓に泥が付いているのがちょっと残念!

足場を解体している時にでも付いてしまったのだろう。。。

本日の指摘NO1.です。


ひととおりの検査を終了し、
私の指摘事項をひとつひとつ説明です。

「NO1.付箋がついているのでご依頼者の方からも指摘があったと思いますが、
 洋室のFIXガラスが泥で汚れていますね。」

「ハイ、指摘が挙がっています。クリーニングします。」

「ここは3階。ガラスはFIX窓。
 どうやってクリーニングするんですか?」

ここで初めてご依頼者も問題点に気付きます。。。

「えええー??? どうやってクリーニングするんですか?」

「・・・・、道路から高圧洗浄機でクリーニングします。。。」

「本当にそんなことができると思っていますか?」

「・・・・・」

「そもそも、なんで3階の窓をFIXガラスにしたんでしょうか?」

「非常用進入口だからです。」

「引き違いサッシではダメだったのでしょうか?」

「非常用進入口は幅75cm以上、高さ120cm以上必要であり、
 引き違いサッシでは確保できませんでした。」

「確かに寸法的には厳しいですね。でも、その他の方法を考えられたんじゃないですか。」

「・・・かもしれません。でも設計図どおりですから。」

「設計者のガラスクリーニングに対する配慮不足ということになりますね。」

「・・・・・」

「先ずはご自身で、FIXガラスの泥汚れを高圧洗浄機でクリーニングしてみてください。」

「・・・・・」

「いずれにせよ、素人のご依頼者には出来ませんよね。
 対策を検討していただけますか?」

「検討します。。。」


内覧会の検査では、

”今更、どうしようもない”

といったことを発見するケースが多々あります。
その中には、

”設計者の知識不足、経験不足、配慮不足”

が原因であることも少なくありません。

設計者には、
どんな質問を受けても、納得いく回答ができるような設計をしてもらいたいものです。

住宅購入者は、
設計者や施工会社を信頼して購入するしかないんですから。。。


2010年05月25日

内覧会★同行日記 【回想。。。】

【336時限目】                              author アーキスケット 出口

ご依頼者夫婦は施工会社立会い者を伴い
マンション内覧会検査スタートです。

私も単独で黙々とマンション内覧会検査を進めます。

バルコニー、LD、キッチンと順調に検査が進み、
いよいよ後半戦、
次は洋室(1)の検査です。

するとアルミサッシのガラス越しに、
バルコニーでご主人が一人たたずんでいるのが見えます。

アルミ手摺に両肘をついて、
遠くの方へ目をやり、

何やら思いにふけっている様子なのです。


「もう、検査を終了したんですか?」

「ええ。。。」

「どうでしたか?」

「一見して素人目には良く出来ていると思います。
 後は、嫁さんに任せます。。。」

「そうですか。」

「実は、以前に購入したマンションは酷いものでした。。。
 部屋に入るなり、
 一見しただけでキズや汚れなど指摘だらけでした。

 旧財閥系が売主のマンションだったんですが、
 その夜に担当者が家に謝りに来たんです。。。」

「出来が悪くても、売主としての誠意はあったんですかね?」

「ところがです。部屋に入るなり、
 『〇〇さん、本日は本当に申し訳ありませんでした。』
 と言ったんですよ。

 私の名前は、”△△”です。

 マンションは人間が作るんですから出来が悪いこともあるでしょう。。。
 でも、謝りに来て名前を間違えるなんて。。。」

「そんな時に名前を間違えるなんてありえませんね。」

「で結局、マンション解約を承知させました。。。」

「そんなことがあったんですか。」

「今回は念の為と思って専門家に内覧会同行をお願いしましたが、
 大丈夫そうですね。。。」


そんな会話のあと検査を再開です。

洋室(2)、洗面室、トイレ、玄関、ポーチと検査を進め、
その後に指摘・確認事項の説明です。


1.バルコニーのルーフドレインの配管で漏水している。 【335時限目参照】
2.アルミサッシ水切り下部のシーリングが全くされていない。2箇所
3.アルミサッシのガラスに大きなキズがある。2箇所
4.リビングでフローリングのきしみ音がする。
5.キッチン壁に構造スリットがあるのでは? 【334時限目参照】
6.キッチンレンジフード幕板の固定がされていない。
7.天井スラブ(外部に接する)の梁に対する断熱折り返し500mmを行わないのか?
8.洗面室収納扉と枠の隙間が左右で6mmも異なる。
9.洋室床ジュータンのグリッパーの針が上を向いている。多数
10.外壁タイル目地が通っていない。※今更直せない


その他、私の指摘事項だけでも28項目。
しかも重たい指摘のオンパレード。

一見、出来栄えは良さそうなお部屋なのですが、
内覧会同行の専門家からすれば、

出来の悪いお部屋の見本です。


後日、

「確認会ですが、やはり心配な点が多いのでご同行をお願いいたします。。。」

2010年05月21日

内覧会★同行日記 【水も滴るバルコニー】

【335時限目】                              author アーキスケット 出口

今日は快晴!!! マンション内覧会日和だあー?

いつもの通り、バルコニーから検査スタートです。

先ずは、内覧会検査七つ道具の点検鏡を取り出し、
掃き出しアルミサッシ水切り下を確認します。

どうもシーリングを忘れているようだ。。。

今度は指で水切り下を触ってみます。
やはり、シーリングはされていません。

念のため、ひざまついて水切り下を覗き込むと、
間違いなくシーリングはされていません。

その時、
頭の上に、”ポタッ”と冷たい感触。。。

その直後、
顔に、”ツ・ツ・ツ・ツ・ツッ”と液体が流れる感触。。。


今日は快晴。でも狐の嫁入り???

しばらく空を見ても雨の気配はありません。

もしかして水漏れ???

で、上を見上げると、
天井を貫通する排水配管があり、
よくよく見ると、
その配管に滴が付いているのです。

待つこと約5分。

ようやく次の滴が床に落下!

でも、その時には前の滴は蒸発してしまっています。

???

この上の階はルーフバルコニー。
雨も降っていないのに水漏れ?

縦管なので横引き配管の傾斜による水溜りが原因でもない。

一体原因はなんなんだろう?

確か、昨日は雨だった。。。

最悪の事態として予想されるのは、
上階ルーフバルコニーのアスファルト防水とルーフドレイン金物の
取り合い施工不良。。。

シンダーコンクリートとアスファルト防水の間に溜まった雨水が、
時間差を経て水漏れしているのかも?

でも、こればかりはシンダーコンクリートで隠れているため解りません。

で、施工会社の担当者に、
原因を確認するように指摘を挙げます。


後日の再内覧会です。

「ルーフドレインからの水漏れの原因は解りましたか?」

「ルーフドレイン金物と配管を締め付けをしたので、その後は水漏れしていません!」

でも、内覧会以降、雨降ったかなあー?

「散水試験でもしたんですか?」

「・・・・・」

「配管に水漏れの痕跡の汚れが付いていますね。」

「そうですね。。。」

「今回の指摘として、その汚れをふき取っておいてください。
 そうすれば、また水漏れがあった場合は解りやすいですから。」

「ハイ、解りました。。。」


マンション内覧会のご依頼者には、
「ご入居後も、この配管に水漏れがないか経過確認してください。」

「ハイ、解りました。」


再び水漏れが発見されるようであれば、
アスファルト防水の施工不良の可能性が大きいのです!

その時こそ、
大変な手直し工事に。。。

2010年05月17日

内覧会★同行日記 【何の変哲もない壁の裏には・・・】

【334時限目】                              author アーキスケット 出口

ここはマンションのキッチンです。

戸境い壁はコンクリートにクロス直貼り仕上げといった
何の変哲もない壁
です。

壁面を懐中電灯で横から照らすと、
やっぱりあった!
クロスの裏に大きなブツ(ニキビ状の膨れ)。

指摘事項を書くために
間取り図に番号と矢印線を記載します。

この間取り図をよくよく見ると、
この壁の裏(お隣のお部屋)には間柱があるのです。

もしかして・・・

施工会社担当者に、
「この壁の裏に間柱がありますが、構造スリットは無いのでしょうか?」

「無いと思いますよ!」

「念のためですが、内覧会場で構造図を見せてください!」

「ハイ、解りました。」


ところ変わって内覧会場です。

テーブルの席に付いてから待つこと15分。
ようやく施工会社の担当者が構造図を持って席に付きます。
その後ろには、
3人の別な施工会社の人達がぞろぞろ現れ協議に加わります。


「構造図を確認したところ、
 間柱と戸境壁の間に構造スリットが入るようになっていました。。。」

「やはりそうですか。実際の壁には構造スリットが本当に入っていますか?」

「入っているはずです。。。」

「でも、壁はクロスが貼られているだけだし、
 打診棒で壁を叩いても
 構造スリットがある痕跡が見つかりません。」

「・・・・」

「本当に構造スリットが入っているんだったら、
 構造スリット際でコンクリート壁にひび割れが生じ、
 クロスが破れてくる恐れもありますよね!」

「・・・・」

「他のお部屋では、どのような納まりにしているんですか?」

「ハット目地を入れています。」

「でも、このお部屋にはハット目地がありませんね。」

「ハット目地を入れます。」

「その前に、本当に構造スリットが入っているか確認してください。」

「ハイ、解りました。」

「念のため、構造スリットが解るような写真撮影をお願いします。」


後日の再内覧会です。

キッチンの壁を見ると、
壁にハット目地が埋め込まれクロスで綺麗に仕上げられています。

「約束した写真を見せていただけますか?」

「ハイ、こちらです。」

と、2枚の写真が手渡されます。

1枚目は配筋写真で、鉄筋の中に構造スリットが入っている写真。
でも、このお部屋の壁かどうかよく解りません。

で、2枚目。
この写真は壁クロスを剥がした写真です。

しかし構造スリットは見えません。。。

でも、よくよく見ると、
コンクリートの壁に2本のひび割れがクッキリと入っているではありませんか!!!

良かった!最悪な事態は免れた!

2本のひび割れが見えるということは、
構造スリットが入っている証拠なのです。

でも、クロスにひび割れが生じてしまうことも問題です!

それを防ぐために、
何の変哲もない壁ではなく、
ハット目地を入れなければならなかったのです。

2010年05月14日

内覧会★同行日記 【内覧レディーの謎】

【333時限目】                              author アーキスケット 出口

マンションエントランスを入ると、
受付で美しい女性達が、

「いらっしゃいませ!」


引き続き、その横に立っていた内覧レディーのマネージャーが、

「こちらの方で受付をお願いいたします!」


で、内覧会同行のご依頼者が受付している間、

「どこかのマンションでもお会いしましたよね?」

「ハイ!もう度々・・・、今年だけでも5回はお見かけしてますよ!」

そう言われると、
確かによくお目にかかります。

でも、どのマンションだったかなあー?


この方から、
お部屋を案内する内覧レディーと施工会社の担当者を紹介されます。

この内覧レディーの方もどこかでお見かけしたことが・・・・

でも、どのマンションだったかなあー?


それはさておき、内覧会検査スタートです。

非常に出来が良い!!!

先週検査したマンションと大違い。

どのマンションも、このくらいの出来であれば良いのだが・・・・

ということで、
マンション内覧会も無事終了。

マンションを出て家路につきます。

すると、後ろの方で、
パタ、パタ、パタと足音が近づいてきます。

振り返ると、
内覧レディーが駆け寄ってきます。

忘れ物でもしたのかな?

でも、次の一言は、

「このマンションの出来はどうだったでしょうか?」

「ハイ、指摘もほとんど挙がらず良い出来でしたね!」

「良かった!
 この前の〇〇〇マンションでは、本当にご迷惑をお掛けしました。。。。」

思いだした!

先週、色々な指摘や確認事項が出てきたマンションで
内覧会検査に立ち会ったくれた内覧レディーです。
その時は、
指摘事項に対する施工会社の確認作業に時間がかかり、
待つ間、
「お待たせしてすみません。。。」
と、3度も謝りに来てくれた方です。


「改めてお詫びは必要ありませんよ!
 しかも、売主でもなく施工会社でもないんですから。。。」

でも、こんな一言がなんとなく嬉しい。

んっ・・・

「あの時のマンションは、デベロッパーが違っていましたよね?
 何でここにいるんですか?」

「内覧レディーはかけもちですから!」


これで謎が解けた!

だから、同じ内覧レディーにお会いする機会も多いんだ。

今の今まで、
売主の関連会社の方だとばかり思っていた。

「では、またお会いする機会もありますね!」

とお別れです。


でも、売主の顔は一体どこにあるのだろうか。。。。

 
 

2010年05月10日

内覧会★同行日記 【植栽越境の真意は?】

【332時限目】                              author アーキスケット 出口

ここは東京都内。
狭い土地に建つ一戸建て住宅です。

内覧会検査で、
2階北側洋室のくもりガラス(型板ガラス)の引き違い窓を開けると、
2mほど離れてお隣さんのバルコニー。

パジャマや下着などの洗濯物が目に飛び込んできます。

窓周りの検査を進めていると、

お隣の家の中で人影が動く気配を感じます。。。

ちらっと、そちらの方に目をやると、

何やら洗濯物の隙間から視線を感じます。。。


早々に窓周りの検査を済ませ、
今度は階段室の検査です。

そこには透明ガラスの縦すべり出し窓があるのですが、
お隣さんの植栽の枝が越境しており、
窓の開閉を邪魔しています。


内覧会検査に立ち会っている売主担当者に、

「お隣の植栽が越境していて窓を開けられませんね。」

「そうなんです。工事も大変でした!」

「そんなことを聞いているのではありません。
 植栽の越境をどうするんですか?」

「越境している植栽を勝手に切ってはいけないんです。」


民法上、
『隣地の竹木の枝が境界線を越えるときは、
 その竹木の所有者に、その枝を切断させることができる。』
となっています。

逆に言えば、
『越境している枝を勝手に切断してはいけない。』
ということです。


「これまでの間、お隣さんに枝の切断をお願いしていないんですか?」

「何度かお願いはしているんですが・・・・」

「それでも対応してもらえなかったんですね。」

「ハイ、お隣さんからすると、
 バルコニーの目の前に建物ができることを良く思っていないみたいなんです。」

確かに、お隣さんからすれば、

”建設反対!!!”

なのかもしれません。

でも、そういったことを含め、
うまく協議をしておくことが売主の責務です。

「引渡しまで2週間ありますよね。再度、お話会いをしてください!」

「ハイ、なんとかお願いをしてみます。。。」


と、約束は取り付けたものの、

ご依頼者。
「これから先何十年も、お隣さんとご近所付き合いしないといけないのに。。。。」

2010年05月06日

内覧会★同行日記 【アルバイト募集は?】

【331時限目】                              author アーキスケット 出口

ここは、一見綺麗に仕上がっている中規模マンションのお部屋です。

しかし、
マンション内覧会検査を進めていくと、
素人では気がつかないような指摘のオンパレード。

ご依頼者の検査に立ち会っていた施工会社の担当者は、
一段落したのか、
私の検査を見守っています。

歳は50台前半か?

でも、内覧会検査に立ち会っているということは所長ではないな!

でも、この歳で・・・・


すると、
「そんなところまで検査するんですか?」

「まあー・・・・・、そうですねえー・・・・・」

「内覧業者になるためには講習みたいなものがあるんですか?」

「いえ、別にありませんよ!」

「資格は必要ないのですか?」

「特にないですよ。」

「でも、そちらは建築関連の資格をお持ちですよね?」

「一級建築士、一級建築施工管理技士、マンション管理士、宅建、・・・を持っています。」

「スゴイですね!私なんか一級建築施工管理技士だけです。。。」

「一級建築施工管理技士を持っていればいいじゃありませんか。」


で、しばらくの沈黙。。。。


「そちらの内覧業者さんでは、アルバイトを募集していないんですか?」

「当社では、アルバイトも社員も募集していません。」

「そうなんですか。。。。」


ん???

もしかして、アルバイト先でも探しているのだろうか???

内覧会でこんな問い合わせをされるのは初めてですが、
電話でアルバイトや社員の募集の問い合わせを受けることがあります。

でも残念ながら返事は、
『当社では、アルバイトも社員も募集をしていません。』


それにしても、
内覧会の検査くらいだったら簡単に出来ると思っているのだろうか???

でも、内覧会同行って本当は奥が深いんです。

だからこそ、”内覧会ブログ”のネタが尽きることがない!・・・のかも?

もし、内覧業者へ、
転職、アルバイトをお考えの方、

この、”内覧会ブログ”を全て読んでみて、
指摘の発見、協議、交渉の様子を想像してみてください。

それでも自信がある方は、
起業してみてはいかがでしょうか?


まだまだ、不動産業界、建設業界と厳しいご時世です。

リストラ、給与カット・・・・と強いられる中、
転職やアルバイトを考えている方もいるのかもしれません。

自分が生き残れるかどうかはあなた次第!
どの業界でも一緒ですよ!


PS
お世話になったゼネコン時代の先輩へ

『新天地でも、資格、経験、実績、持ち味を活かして頑張ってください!』

 
 

2010年05月01日

内覧会★同行日記 【虫さんのお出迎え】

【330時限目】                              author アーキスケット 出口

超高層マンション内覧会のご依頼です。

事前の送付資料として、
建物概要、間取り図、仕上げ表などのほかに、
セレクト表やオプションに関するコピーをお願いします。

すると、
「マンション購入の契約が遅かったのか、
 その時、セレクトやオプションは間に合わないと言われました。」

「では、セレクト表やオプションの資料は結構です。」


マンション内覧会当日、検査スタートです。

バルコニーの検査を終え、
バルコニーに面する洋室へ入ります。
すると、

ブーーーン、ブーーーン・・・・
と、
虫さんがお出迎え。

ここは14階、
この高さ程度なら虫さんも飛んできます。

ふと、外を見てみると、
窓に網戸が付いていません。

昨日、同じマンションの17階で内覧会検査した時は、

間違いなく網戸が付いていた!


ひととおりの検査終了後、
ご依頼者と施工会社の立会い者に指摘事項の説明です。

「窓に網戸の取付けを忘れていませんか?」

ふと、窓に目をやると、
虫さんもガラスにへばりつきながら、私の指摘事項を聞いています。


「虫は高いところには来ませんので、
 11階以上の階ではオプション対応です。」

「そうなんですか。。。
 でも、ここに虫がいますよね!」

「ヤダー・・・、本当に虫がいる!!! オプションなんて聞いていませんよ!」
と、ご依頼者。

「そんなことはないはずです。」

「では、内覧会場でオプション資料を見せてください!」


で、内覧会場。

何十ページもある重要事項説明書を開き、
「ここに、『網戸は11階以上はオプションとします。』と記載されています。」

よくよく見ると、
3mm角程度の小さな文字でぎっしりと記載されている文章の中に、
『網戸は11階以上はオプションとします。』
と、明記されています。

重要事項説明は、マンション契約前に口頭説明する義務があるため、
おそらく、説明があったのでしょう。。。(?)

でも・・・・
網戸のオプションを重要事項で説明するかあー???

「聞いたのかもしれませんが、解るわけありませんよ!
 しかも、契約の時には、
 『オプションは受け付けません。』と言われましたよ!」

「そう言われましても・・・・」

「カラーセレクトや間取りオプションなどは、
 工事工程上、ある時期でオプション対応ができなくなるのは解りますが、
 網戸は何時でもオプション対応できるんじゃないですか?」

「そう言われましても・・・・」

結局、網戸を注文し、
マンション購入者にとっては想定外の十数万円の出費です。

それにしても、
マンション購入者に対し思いやりのないオプション対応です。


2010年04月25日

内覧会★同行日記 【その手直し、本当にできるの?】

【329時限目】                              author アーキスケット 出口

ここは、マンションのルーフバルコニー。
アスファルト防水の上にシンダーコンクリートが打設されている仕上げです。

壁にはアゴがあり、
その下部で露出アスファルト防水が立ち上がり、
端部金物押さえとアスファルトコーチングと言うシーリングがされています。

アゴ下に水切り目地がちゃんと取り付いているのかなあーと、
点検鏡で確認していきます。

すると、
1スパン分(柱から柱まで)、水切り目地がありません。

施工会社の立会い者に、

「この範囲のアゴ下に水切り目地が入っていませんね。」

すると、手探りで水切り目地が入っていないことを確認していきます。

シンダーコンクリートとアゴ下の隙間が15cm程度しかなく、
覗き込むわけにもいきません。

「点検鏡を貸しますよ!」

「ありがとうございます。」

で、改めて点検鏡を使って確認し、
「確かにありませんね。」

「水切り目地を取り付けてもらえますか?」

「ハイ、目地棒を取り外せば良いだけですから。。。」

「もう一回、点検鏡でよーく見てください!
 目地棒が埋まっている痕跡がありませんよ!」

目地棒が埋まっているのなら、
少し色が違うとか、釘が出ているはずなのです。

しかし、その痕跡が見当たらないのです。
ということは、
目地棒の入れ忘れ。。。

「直してもらえるのでしょうか?」

「ハイ、直します!」

「どうやって?」

「・・・・・・」

この水切り目地を設ける手直しは、

ハンディータイプのダイヤモンドカッターでコンクリートを切断し、
ノミで溝部分のコンクリートをはつり取り、
目地棒をモルタルで埋め込まなくてはなりません。

しかし、隙間が15cmしかないのです。

覗き込むことすらできない場所で、
こんな作業ができるのでしょうか?


マンション内覧会のご依頼者に了解を取った上で、

「水切り目地の目的は雨水がアゴを伝わって
 防水端部のアスファルトコーチングに行かないようにするためです。
 見えない場所でもあるので、
 小さなアルミアングルをシーリング材で全面接着してください!」

「その方法でよろしければ手直しさせていただきます。」


内覧業者は、
不具合をただ指摘するだけでは務まりません。

手直しが非常に困難な不具合だって発見するケースも多々あるのです。

こんなとき、
「設計図どおりに直してください!」
と突っぱねるのは簡単。

しかし、現実を見て、手直しの代案を提案したり、
施工会社あるいは売主と協議することが出来なくてはなりません。


ということは、
相手と同等以上の技術的実力がないといけませんね。

日々、経験と勉強です!!!


2010年04月21日

内覧会★同行日記 【設計図と見比べると・・・】

【328時限目】                              author アーキスケット 出口

一戸建て住宅を購入したとき、
素人に解りやすい、
配置図、平面図、立面図、断面図、矩計図、仕上げ表は渡されても、
構造図は渡されないケースが多くあります。

どうせ素人には構造図は理解できないから?

万が一、構造的な瑕疵が発見されたらマズイから?

どんな理由か解りませんが、
一戸建て住宅を購入されたら、
構造図も入手されることをお勧めします。


今回の一戸建て住宅内覧会では、
ご依頼者から事前に構造図も送付されてきます。

基礎図、各階の床伏図、軸組図・・・

さて、内覧会当日、
現地に赴くと、

設計事務所の課長さん、
設計事務所の担当者さん、
売主営業担当者さん、
売主施工担当者さん、
仲介業者さんが、
勢ぞろいでお出迎えです。

「今日は、よろしくお願いします!」

と、お互いが挨拶を交わし内覧会検査スタートです。

一見、お部屋の仕上げは丁寧に施工されているのが感じ取れます。


しかし・・・・

物入れ内の壁・天井仕上げが化粧ボードのはずがクロス貼り。
洗面室にタオル掛けがあるはずなのに取り付いていない。
煙感知器が図面の位置と異なり設置基準を満たしていない位置にある。
外構ポーチ周りで土間コンクリートのはずが砂利敷きになっている。
駐車スペースの土間コンクリートと砂利敷きの見切りとしてあるはずの縁石が無い。

設計図面と見比べなければ解らない指摘が挙がります。


さらに・・・・

せっかく、構造図を送付していただいたのだからと解る範囲でチェックしよう!
と、床伏図を確認しながらお部屋をチェック。

床伏図には、
▲、△、〇、◎など壁倍率を示した耐力壁のマークが記載されています。
そして補足欄には、
『石膏ボードはビス間隔四周@15cm』との記載。

木造住宅では、
壁量計算をするうえで壁倍率といった割増しをするために、
面材の仕様やビス留めなどの規定を守らなければならないのです。


一通りの内覧会検査終了後、
指摘事項の説明です。

「この壁は耐力壁ですよね!」

「そうですね。。。」と、設計者。

で、内覧会検査七つ道具を入れてある袋から、
おもむろに、
ホワイトボードでよく使われるマグネットをいくつか取り出します。

そして、壁にマグネットを這わせていきます。
すると、ビスがあるところではピタッとマグネットが貼りつくのです。

設計事務所の担当者さんはマジックでも見ているかのように目を丸くし、
その行動を眺めています。

そのマグネットを5つほど貼りつけたところで、
スケールでその間隔を確認。

「ビス間隔が20cmになっていますね。」

「・・・・・」

「構造図ではビス間隔は15cmとなっていますよね。」

「・・・・・ハイ。。。。」

「手直しよろしくお願いします!」


後日、設計事務所の担当者さんからのメールです。
そこには、

・壁クロスを剥がしている写真
・ビスを打ち増ししている写真
・クロスを貼り直した写真

が添付されていました。

2010年04月16日

内覧会★同行日記 【バルコニー長辺方向クラック】

【327時限目】                              author アーキスケット 出口


コンクリートを現場で流し込む、
昔ながらの在来工法マンションの内覧会です。

バルコニーに出て、
天井の状況を確認すると、
壁際(梁際)に沿って
長辺方向にクラック(ひび割れ)が発生しているのです!

よくよく見ると、
長さ2m程度で明らかにコンクリートに口が開いているものが1本。
長さ1m程度で塗装補修がされているものが2本。


稀にではありますが、
壁(梁)からバルコニー先端に向かって走っているクラックを見かけることがあります。

この原因として考えられるのは、
コンクリートの乾燥収縮や温度収縮といったもので、
これが原因ならば、
大きな構造的な欠陥ではないと言えるでしょう。

しかし、この壁際の長辺方向クラックは、
めったにお目にかかれるものではありません。

というより、初めて見ました。。。。


ひととおりの検査を終え指摘事項の説明です。

「このバルコニーの天井に壁際に沿ってクラックがありますね。」

「私も気付きました!!!」
と、ご依頼者。

「で、どのように補修するんですか?」

「モルタルというので補修して塗装をしてくれるそうです!!!」
と、施工会社の回答の前にご依頼者が答えます。

施工会社の立会い者はうつむき加減。。。

「あなたは建築の技術屋さんですよね?」

「・・・・ハイ。。。」

「だったら、このクラックが意味していることは解りますよね。」

「・・・・ハイ。。。」


この壁際の長辺方向クラックの意味するところは、

構造的に問題があるかも知れない!!!

・もしかして、コンクリートが所定の強度に達する前に支保工を外してしまって、
 バルコニーの床が若干下ってしまった。

・もしかして、バルコニーの床に許容以上の重たいものを乗せてしまって、
 バルコニーの床が若干下ってしまった。

・そもそも、鉄筋量が少なかった、あるいは鉄筋施工が不良であった。

などの原因の可能性だって考えられるのです。


「あなた一存の判断で良いのですか?」

「後で所長に話をしようとは思っていました。。。」

「是非、相談してください!」


で、後日ご依頼者からの報告。

施工会社の現場担当者(所長含む)だけではなく、
本社の技術部なども調査を行った結果、
乾燥・収縮との判断です。
で、補修は表面のモルタル塗りのうえ塗装とのこと。。。


相手は名の知れたゼネコン。
原因の追及は任さざるを得ず、
私はこれ以上何も言うことはありません。

でも、
現状の3本のクラック跡のうち、
1本は補修後に口が開いて再発しているのです。

今後、クラックが再発した場合、
毎回毎回、応急的補修を繰り返すのでしょうか?

万が一、原因が乾燥収縮によるものでなく
構造的欠陥だって捨てきれないことも考え合わせれば、
樹脂注入程度のことを行っても良いと思いますが・・・・

2010年04月09日

内覧会★同行日記 【再会。。。】

【326時限目】                             author アーキスケット 出口

「マンション内覧会なんですが、
 コミュニティーサイトでマンション内覧会の評判が非常に悪いんです。。。
 心配なのでマンション内覧会に同行してもらえませんか?」

「是非、同行させていただきます!」

「前もって、そのコミュニティーサイトでその評判を見ておいてください!」


私は、通常コミュニティーサイトは見ないのですが、
ご希望があったということもあり事前に確認します。

確かに評判が悪い!

でも、その評判の悪さは、キズ・汚れです。


マンション内覧会当日の検査です。

確かに評判通り、キズ・汚れの指摘はたくさん出てきます。
でも、それ以上に、
図面との相違、パンフレット仕様との相違、ありえない納まりなどなど・・・・
内覧会のプロから見ると、
もっと、もっと大きな問題点が発見されます。

4回目のこのマンションの内覧会同行で、
検査終了後、内覧会場で協議・確認を終えると、

向こうの方から、
つかつかつかと、
年配の方がこちらへやってきます。

名刺を差し出しながら、
「私、このマンションの統括所長〇〇と言います。
 これまで何度か内覧業者さんのやり取りを聞かせていただくと、
 信頼できそうなのでお尋ねします。
 このマンションの出来はどうなんでしょうか?」

「統括所長自身でひとつのお部屋でもいいですから検査したことありますか?」

「・・・・・」


あれから1年半後。。。。

新たな新築マンションの内覧会です。

受付で内覧レディーが、
「ご無沙汰しています。こちらのマンションでも検査依頼があったんですか?」

「ハイ、またよろしくお願いいたします!」

で、内覧レディーとともにお部屋に向かいます。
途中、
「このマンションは評判が良いんです!!!
 これまでの内覧会では指摘もほとんど挙がっていません!」

「そうなんですか。」

「ここの施工会社の責任者が厳しい人みたいで、
 徹底的に事前検査を行っているんです。」

「それは良いことです。」

で、お部屋に入り検査を進めると、
内覧レディーが言うように、
お部屋の中は指摘がほとんどありません。本当に素晴らしい出来です。

検査を終え、内覧会場でのまとめを終了し、
「本日はありがとうございました。」
とお開きの挨拶です。

すると、向こうの方から、
つかつかつかと、
年配の方がこちらへやってきます。

名刺を差し出しながら、
「私、このマンションの責任者で統括所長の〇〇と言います。
 前のマンション内覧会ではありがとうございました。」

そうです。1年半ぶりの再会です!

「あの時の統括所長ですか!?」

「ハイ、このマンションはどうでしたか?」

「お部屋の中は素晴らしい出来ですね!」

「ありがとうございます!」

「でも、2階外廊下の外壁側タイルの伸縮目地を1本忘れていますね。。。」

「えっ!」

この階だけタイル伸縮目地が入っていないなんて、
施工上、ありえない。
(上の階から下の階まで水糸を張るので。)

理由はともかく、
この手直し、結構大変。
足場を作らないといけないし。。。
目地調整のため、タイルをある程度の範囲で貼り直さないといけないし。。。


今度、この統括所長と再会するマンションでは、
お部屋の中も、共用部分も、
素晴らしい出来のマンションになっていることでしょう!?

2010年04月05日

内覧会★同行日記 【前代未聞のアスファルト防水】

【325時限目】                              author アーキスケット 出口

最上階にあるマンションのお部屋に入ると、

リビングは天井高さ3.6mの吹き抜け、
その横にはメゾネット形式の洋室やロフト、
さらに室内階段を上がっていくと、
リビングの上の屋上ルーフバルコニーに通じるAD(アルミドア)があります。

ルーフバルコニーから内覧会検査を進めようと、
ADの扉を開けると、
AD下部にある水切り金物の幅が広い!

外部から眺めると、
5cmも壁からハネ出しているのです。

その水切り金物の上を踏んでみると、
大人の体重では簡単に凹んでしまいます。

水切り金物の出寸法を
アスファルト防水の為の欠き込み部分の壁ではなく、
外壁タイル面に合わせてしまった間違いだな!

でも、
今更、水切り金物を取り替えられないので、
水切り金物の下にモルタルでも詰めれば良いのかなと、
這いつくばって水切り金物の下を覗き込みます。

ここまでは序章。

ここで、
このルーフバルコニーの防水は、
アスファルト防水にシンダーコンクリート。
壁への立ち上がりは砂付きルーフィング(防水材)露出仕上げとなっています。

ところが、
このAD水切り金物の下の10cm程度の壁立ち上がり部分では、

砂付きルーフィングが立ち上がっていない!
しかも、
レンガブロックが露出しているという前代未聞の光景!
これじゃー、
いつ漏水してもおかしくはない!

目立たない場所なので、
もしかして砂付きルーフィングの貼り忘れ!

でも、端部押さえ金物もアスファルトコーチングもAD横で止まっている。

次の作業工程、次の次の作業工程でも気がつかなかったの?

防水業者の手抜き工事としか言いようがありません。


内覧会検査に立ち会った施工会社担当者に確認してもらうと、

「手直しさせていただきます。。。」

「どうやって手直しするんですか?」

「・・・・・」

「アスファルトルーフィングの重ね代は10cm以上必要です。
 ということは、
 シンダーコンクリートを壊し、
 既存のアスファルト防水を出さなければなりません。
 しかも、シンダーコンクリートを壊す時に、
 絶対に下部にあるアスファルトルーフィングを傷つけてはいけません。
 そんなこと出来ますか?」

「防水は10年保証していますから、
 責任を持って行います。」

シンダーコンクリートを壊す時、
アスファルトルーフィングを傷つけない保証はない!

でも、その他に手直し方法が無い!?

マンション屋上全体のアスファルト防水をやり替えるのなら別ですが・・・・

前代未聞のアスファルト防水の手抜き工事は、
その手直しの代償も大きくなります。

2010年04月02日

内覧会★同行日記 【訂正図の訂正】

【324時限目】                              author アーキスケット 出口

ご依頼者とともにお部屋に入ると、
マンション施工会社の担当者から、

”図面の訂正とお詫び”

の内容について説明があります。

この、”図面の訂正とお詫び”は、
事前にご依頼者に配布されており、
また、私のマンション内覧会資料としてコピーを事前に送付してもらっています。


リビングでその訂正図をご依頼者に見せながら、
「1番、アルミサッシ下部のコンクリートの表現を変更しました。」

確かに、1本の線が無くなっている。
ということは、アルミサッシ下部の壁が無くなっているということだ。

「2番、ルーフバルコニーにある手摺の支柱を2箇所追加しました。」

もし、この2本が無ければ、手摺はグラグラだろうなあー?
ということは、図面の単純な記載漏れだ。

「3番、梁を示す波線の位置が変更になります。」

上の階なので、梁の幅が小さくなり波線が外壁側に寄ったのだろう。
ということは、お部屋の空間が広くなったということだ。


でも、この説明は、あくまでもリビングで訂正図を見ながらの机上説明。

何で、その場所、場所に行って説明しないのかなあー?


で、一通りの説明が終了し、
先ずはルーフバルコニーから内覧会検査スタート。

で、真っ先に目につくのがアルミ手摺の支柱。

当初の図面にあった支柱が1箇所無くなって、
追加したはずの2箇所の支柱は1箇所しか取り付いていない。

合計の支柱の数は変わっていないだけではなく、

支柱から支柱までの距離が約8.5mも飛んでいる!

これじゃー、当初よりもっと条件が悪いじゃないか!


内覧会検査終了後の指摘説明です。

ちなみに、
私の指摘事項の説明は施工会社の担当者と違って、
ひとつひとつの指摘ごとに、
その場所、場所に行って確認してもらいます。

「先ずはルーフバルコニーから!」

と、ご依頼者、施工会社担当者ともどもルーフバルコニーに出ます。

そして、
「アルミ手摺の形状が違いますね!」

「???」

「先ほど訂正説明のあった支柱の位置がぜんぜん違いますよ!」

で、ようやく訂正図と比較しながら、
「本当ですね。違っていますね!」

「訂正図を間違えるなんて恥ずかしくないですか?」

「・・・・・」

「手直ししてもらえますよね!」

「ハイ、訂正図を改めて訂正します!」

「そうじゃないでしょ!
 訂正図どおりに支柱を設置するべきでしょ!」


2010年03月29日

内覧会★同行日記 【桜(?)満開!】

【323時限目】                              author アーキスケット 出口

ご依頼者とともに目的の一戸建て住宅に到着。

お部屋に入ると、
部屋中に、
付箋替わりにピンク色のマスキングテープが
あちらこちらに貼られています。

ざっと、100枚は貼られているだろうか・・・・

まるで、桜の花が咲いているようです。


このマスキングテープが貼られている箇所は、
社内検査として、
現場担当者が前もって指摘箇所に貼っているものです。

でも、本来は、
内覧会までに手直しが完了されているべきものです。

もしかして、
内覧会に第三者の専門家が検査に来ると聞いて、
あわてて、社内検査をしたのかも?

このマスキングテープが貼られているいくつかの箇所を確認すると、
ほんとに細かいキズや汚れまで指摘をあげています。

しかし、ここまで細かい指摘を挙げていると、
誠意すら感じられてしまいます。

「細かいところまでチェックしていますね!」
と、施工担当者に声をかけると、

嬉しそうに、「ハイ!」


「ところで、今、マスキングテープを貼っている指摘事項は、
 社内検査のシートに書いてありますよね!」

「ハイ、記載しています!」

「社内検査シートのコピーをもらえますか?」

「社内検査シートは社内資料なのでお渡しできないことになっています。」

「すると、後日ご依頼者は、これらの手直しをどうやって確認したら良いのですか?」

「・・・・・」

「これだけの数の指摘事項を、私の方の検査では記載しませんよ。」

「そうですよね。。。」

「では、そちらで用意している今日の内覧会検査のシートに全て書き入れてください。」

「そうします。。。」


で、内覧会検査スタート。

ご依頼者とともに検査を進める施工担当者は、
ご依頼者の指摘箇所に、
新たなピンク色のマスキングテープを貼っていきます。

そして最後に私の指摘箇所に、
新たなピンク色のマスキングテープを貼っていきます。

これで、
桜(?)満開!

これらの全ての桜(?)を
内覧会検査シートに書き写すのも大変だったでしょう。。。

でも本当に大変なのはこれから。
引き渡しまでには全てを葉桜にしなくてはなりません。

こればかりは、
花の命が短いことを祈ります。

 


2010年03月24日

内覧会★同行日記 【デベの対応はいかに?】

【322時限目】                              author アーキスケット 出口

間仕切りの遮音仕様
『居室と水まわり、洋室と他の洋室が隣接する場合、
 天井内までプラスターボードを二重貼りとし、遮音性に配慮。
 同じ住戸内でも他の居室に音が伝わりにくいように工夫しています。』


そして、間仕切りの概念図として、
居室と居室の間仕切り壁で、
壁下地の右側がプラスターボード二重貼りでスラブtoスラブ
壁下地の左側がプラスターボード二重貼りで仕上げ床から天井まで
の挿絵がパンフレットに掲載されています。


さて、マンション内覧会。
今回のマンションは700所帯を超える完成済みマンションです。
でも、入居者はチラホラ・・・・
モデルルームに設けられた受付ではスタッフも勢ぞろいの体制です。

今回のマンション内覧会同行のお部屋は妻側で、
外壁に面し、
洋室(1)、洋室(2)、洋室(3)、トイレといったお部屋が横並びです。

内覧会検査で、各間仕切りボードの枚数を確認すると、
洋室(1)、洋室(2)間は、壁下地を挟んでボード2枚とボード1枚。
洋室(2)、洋室(3)間は、壁下地を挟んでボード1枚とボード1枚。
洋室(3)、トイレ間は、壁下地を挟んでボード1枚とボード2枚。


「間仕切りの遮音仕様がパンフレットと異なっていますね。」
と施工会社の立会い者に指摘を挙げると、

「確認します。。。」

そして、内覧会場で、
「施工図を用意し、設計者から答えさせますのでお待ちください!」

でも、いくら待っても、設計者は現れません。

待つ間、内覧レディーが、
「申し訳ありません。。。もうすぐ来ると思いますのでもう少しお待ちください。。。」

と、同じ発言が4回も!

待つこと、1時間超。
やっと、設計者が現れます。

ご依頼者も私も、呆れて文句もでません。


で、間仕切り壁の遮音仕様の説明です。

施工図の平面詳細図を見せながら、
「施工図では、検査での指摘どおりのボード枚数です。」

「間違ったということですね。」

「ハイ、パンフレットの誤記です。」

ふーーーん。。。

「パンフレットの”洋室”の一つは、主寝室の謝りです。」

ふーーーん。。。 

「だとしても、洋室(1):主寝室と洋室(2)の間仕切りは、
 片面しかボード2枚にしかなっていませんよ!
 間仕切り概念図とも異なりますよ!」

「片面だけです。」

ふーーーん。。。

「今の回答や、施工図からすると、
 このマンション全所帯でそうなっているということですね。」

「ハイ。」

「念のため、施工図のコピーを頂けませんか?」

「決まりでお渡しできません。」

「では、写真だけでも撮らせてください。」

「写真であれば良いと思います。」

で、カメラを取り出し、パシャり!


「パンフレット誤記というならば、
 マンション購入者に訂正図を提出し承認印をもらうべきではないですか?」

「・・・・・」

「売主とも協議し検討してください!」

「・・・・・」


で、後日、マンション内覧会のご依頼者から電話連絡です。

「ボード2枚貼りに手直しすることは考えていないそうです。
 訂正図についても提出するとの回答は得られないんです。

 でも、私だけの部屋ならともかく、
 マンション全体のことですので、強く主張していきます!」


この、間仕切りの遮音仕様の間違いをよく見かけます。
近々では、内覧会ブログの312時限目、314時限目を見てください。

この時は、売主も非を認め、
マンション全体のお部屋で手直し対応をしています。

でも、今回は完成済みマンション。。。。

お部屋の数も膨大で、
それよりも何も、既に入居者がいることが問題です。

1.パンフレットどおりに手直しする。
2.訂正図を提出し、マンション購入者に承認印をもらう。
3.なしくずしにする。
4.それとも・・・・奥の手。

デベの対応はいかに?

2010年03月18日

内覧会★同行日記 【洋室が消えた?】

【321時限目】                              author アーキスケット 出口

今回のマンション内覧会のお部屋は、
ルームプラン Aタイプ 2LDK

11畳ほどのリビングダイニング(LD)、
2.8畳ほどのキッチン(K)、
6畳の洋室(1)と5.4畳の洋室(2)、
後は水周りと玄関です。

内覧会検査を進めると、
バルコニーでは、
避難ハッチの蓋に凹みと給気口周りのシーリング未済の指摘が2点。

引き続きお部屋の中を検査すると、
洋室(1)で、わずかな壁クロスの汚れ2箇所。

その後は、
何かないかな?何かないかな?
と、目を凝らして検査をしても指摘が出てきません。

内覧会検査を終了し、
施工会社の立会い者に私の指摘事項を説明し、
記載表に記載してもらいます。

でも、あっという間。。。

で、確認の為その記載表を見ると、
そこに掲載されている間取り図の
洋室(2)が消えているではありませんか!

そして、その間取り図の表題には、
ルームプラン Aタイプ 1LDK+S
との記載。

洋室(2)がサービスルームになっているのです!

施工会社の立会い者に、
「そちらの持っている間取り図は、お部屋の名称が異なっていますね!」

「えっ?そうなんですか?」

と、ビックリマーク。

で、私の持っている間取り図と比較してみます。

「本当ですね!洋室(2)がサービスルームになっていますね!」

マンション内覧会のご依頼者に確認すると、
「私たちがもらっている間取り図は2LDKの方です。」

「洋室がサービスルームになった理由は何でしょうね?」

「理由として考えられるのは採光面積が不足だと思います。」


ここで、建築基準法では、

『住宅の居室には、採光のための窓、その他の開口部を設け、
 その採光に有効な部分の面積は、
 その居室の床面積に対して1/7以上としなければならない。』

と定められています。

ということは、
アルミサッシの採光面積不足で
洋室という名称を使用することができず、
居室扱いとならないサービスルームというに名称変更したということ。


「こんな大きな問題をマンション購入者に知らせていないんですか?」

「でも、部屋の名称が変わっただけなので、問題はないと考えたんじゃないですかね。」

問題ない???
宅建業法上、不当表示に抵触するかもしれないんですよ!

ご依頼者の方も黙ってはいません。

「もし、この部屋を将来転売するとき、
 2LDKと1LDKじゃ売り易さが違ってくるんじゃないんですか!
 資産価値だって変わってくるでしょう!」

「・・・・・・」

「きっと、このお部屋だけではなく、Aタイプのお部屋は全部ですよね!
 どう対応するかを検討してください。」

「ハイ、検討します。」


マンション間取り図では、
サービスルームといった類の名称が使われているケースをよく見かけます。

理由は、採光面積不足!

でも、実態としては洋室として使用されます。

部屋の名称を変えれば問題ないのか?

建築基準法で、
居室の採光面積を定めている主旨が消えてしまっています。

2010年03月16日

内覧会★同行日記 【あなたと私は無関係】

【320時限目】                              author アーキスケット 出口

今回の内覧会は一戸建て住宅。
あまり名の知られていないハウスメーカーが売主です。

ご依頼者と仲介業者とお部屋に入りしばらくすると、
売主担当者が現れます。

年齢は50代後半といったところでしょうか?
上下黒の服を身にまとい、

なんだか恐そう。。。

で、挨拶も無く内覧会がスタートされようとしています。

「あのー・・・、検査を始める前に私から検査の進め方を説明したいんですけど。。。」

「あんた、だーれ?」
と、売主担当者。

「私たちがお願いしました内覧業者さんです。」

やっぱり、事前に伝えていなかったんだ。。。

マンションなんかですと、
内覧業者が立ち会うのも一般的になってきてトラブルはありませんが、
一戸建て住宅で、特に小さなハウスメーカーの場合、
まだまだ、内覧業者といったものが知れ渡っていません。

内覧会当日の売主や仲介業者の時間的都合などもあり、
内覧会同行のご依頼者には、
事前に第三者による検査を伝えてもらうようお願いしています。

しかし、今回は、
仲介業者には連絡したものの、
売主担当者には伝わっていなかったようです。


「あっ、そうなんだ。」

「少しお時間を頂戴して検査の進め方を説明させていただきます!」

で、
・検査の順序
・検査の時間の目安
・検査の内容
などを説明したのち、

「最後に、私の方の検査でプラスアルファの指摘事項が出てくるかと思います。
 それらについては、検査終了後にひとつひとつその場所に行って、
 どんな指摘をあげさせていただいたかをご説明いたします。

 その時お手数ですが、
 売主担当者さんの方で用意している指摘事項記載表に追記してください。」

と、お願いします。
すると、

「あなたと私は無関係でしょっ!!!
 なんで、あなたの指摘事項を聞かなきゃならないんだ?」
と、ものすごく恐い形相です。

ここでご依頼者、
「私たちは専門家ではないので解らないことも多いので検査を依頼しています!
 仲介業者の方には事前に連絡しています!」
と、フォローしてくれます。

仲介業者はというと、
申し訳なさそうにこのやり取りを聞いているだけ。。。

「だったら、内覧業者さんの指摘事項を購入者に伝えてもらって、
 その後、購入者から言われれば直しますよ!」

と、まるで、だだっ子の様です。

「解りました。私の指摘はご依頼者に伝えます。」

私も百戦錬磨。

”こんな人もいるんだよなあー。。。”

くらいにしか思わず、ただただ冷静に対応です。

ご依頼者も、
「私たちもそれで結構です!」


で、私は単独で内覧会検査スタート。

売主担当者は、
ご依頼者をキッチンに案内し、住設機器の説明に入ります。

見ると、先程まで、ものすごく恐い形相をしていた売主担当者が、

一転!満面の笑みをたたえながら説明開始です。

しかもバツが悪そうに。。。

だんだん時間が経過して、
自分の大人げない対応に気が付いたのでしょう。

そして、いつもの営業顔に。


検査終了後、
「では、私の指摘事項をご依頼者に説明しますので売主の方は待っててください。」

「いえいえ、一緒に聞きますよ!」

「そうですか。ではお願いします!」

で、私の指摘事項もちゃんと記載してくれて、
ちゃんと直していただけるそうです。


2010年03月13日

内覧会★同行日記 【内覧会での禁止事項】

【319時限目】                              author アーキスケット 出口

ご依頼者とともにマンションエントランスを入ると、
先ずは受付です。

受付嬢から、
「お部屋での飲食はご遠慮ください。」

「お部屋ではおトイレの使用も出来ません。
 ロビー横にあるあちらのおトイレをご使用ください。」

「はーい、解りました。
 私はおトイレは大丈夫です。」
と、ご依頼者。

すると、ご依頼者のお母さんが、

「私は行っておこうかね。」
と、おトイレへ。

「出口さんは大丈夫ですか?」

「大丈夫です。」

それから、内覧レディーと施工会社の立会い者に案内され、
お部屋に向かいます。

途中、
「おタバコを吸う場合は、こちらの喫煙所でお願いします。」

「はーい、解りました。」


お部屋に入り内覧レディーから、
インターホン、アルミサッシの指詰め防止、キッチンの水受けなどの説明があります。

引き続き、施工会社立会い者から変更・訂正事項の説明です。

すると口元で何やらクチャクチャ、クチャクチャ・・・・

そうです。ガムを噛みながらの説明なんです。

しかも、
野球の大リーガーがガムを噛んでいるかのごとく音を立てながら。。。。
今にも、唾を吐き出しそうな勢いで。。。。

お部屋での飲食は禁止じゃなかったの?

じゃなくて、

内覧会でお客さんを迎える態度じゃない!

こんな態度を見ていると、
工事中もガムを噛みながら職人達に指示をしたり、
唾を吐きだしながら現場を歩いているんだろうなあーと、
光景が目に浮かんできます。。。

しかし、この常識外れ者に対し、
「こんなことを注意するのも。。。。」
と全員が尻込みです。

KYしろよ!!!

ちなみに、
工事現場で使われている”KY:危険予知”ではありませんよ。
でも、結局KYできず、
検査終了まで、クチャクチャ、クチャクチャ。。。

受付でマンション購入者に内覧会禁止事項を説明する前に、
朝礼かなんかで、
迎える側にも内覧会禁止・注意事項を説明したほうが良いんじゃないの!


マンション内覧会を終え、
帰り際に、ご依頼者のお母さんから、
「お部屋では食べれなかったので、これどうぞ!」
と、
おにぎり2つとペットボトル入りのお茶をいただきます。

そういえば、
今日は時間が取れず、朝から何も食べていなかった。。。

帰り道の公園で、
夕陽を見ながらただ一人、
美味しく、おにぎり2つを頂きました。

2010年03月09日

内覧会★同行日記 【指摘をキャンセルします!】

【318時限目】                              author アーキスケット 出口

事前に送付されてきたマンション内覧会資料で、
クオリティー記載部分を見ると、
なんだか貧弱。

念のため、マンションの公式ホームページで確認してみても、
やっぱり貧弱。

資料が貧弱であればあるほど、
売主や施工会社にとって言い訳し易いということも。。。


マンション内覧会当日、

キッチンカウンター横にあるパイプシャフトの点検口を開けながら、
「このパイプシャフトの壁は、
 ボード2枚貼りとかグラスウールを入れるとかの遮音対策はしていないんですね。」
と施工会社の立会い者に確認します。

「ハイ。パイプシャフトの壁には遮音対策はしていません。
 でも、排水管周りに遮音シートを巻いて、
 コンクリート床との隙間には緩衝材を入れています。」


ユニットバスの天井点検口を開けながら、
「洗面室などの水廻りと居室間の壁には
 グラスウールを入れて遮音対策をしているんですね。」
と施工会社の立会い者に確認します。

「居室に音が伝わらないように配慮した仕様にしています。」


この1件目で、だいたいの仕様は解った!!!

実はこのマンション、
内覧会同行を複数件、依頼を受けています。

2件目、3件目は、1件目の説明と同じ仕様で造られています。
しかし、4件目・・・・

キッチンカウンター横にあるパイプシャフトの点検口の中を覗き込むと、

グラスウールが貼られているではありませんか!

施工会社の立会い者に、
「このパイプシャフトにグラスウールが貼られていますよ!」

「遮音対策のためにグラスウールが入っています。」

その場の状況説明していれば間違いない思っているのだろうか?

「でも、これまでに見た3件はグラスウールが入っていませんでしたよ!」

「・・・・確認します。。。。」

「一応、内覧会指摘事項記載表に記載をしておいてください。」

「ハイ、解りました。」


で、内覧会会場の隅の方で、
この立会い者と現場所長と売主で何やら三者会談。

で、テーブルに戻ってきて、

「パイプシャフトにはグラスウールを入れない仕様となっています。」

「このお部屋だけ間違えたということですか?」

「ハイ。私の説明が間違っていました。グラスウールは撤去します!」

ここで、横の席を見ると、
内覧会同行のご依頼者が複雑な表情。。。。

「間違ったとはいえ、わざわざ撤去することもないですよ。」

「でも、内覧会指摘事項記載シートに記載している以上、対処しなくてはなりません。」

「だったら、指摘をキャンセルします!」


この施工会社の立会い者は生真面目なのか、
横線で削除するということではなく、
新しいシートを持ってきて、
指摘事項を1.から書き直していきます。

待つこと、約20分。

「これで、指摘事項として痕跡が残りません!」

この対応に対し、賛否両論があるかもしれません。
しかし、ご依頼者の心情を考えてということでご理解ください。


PS
このマンション、合計7件のお部屋に内覧会同行をさせていただきましたが、
同様なことが2件ありました。

同じマンション内で異なる仕様、
しかも、複数件、
果たして、何が正しいのでしょうか?


2010年03月05日

内覧会★同行日記 【手直し費用 泣くのは誰だ?】

【317時限目】                              author アーキスケット 出口

マンション内覧会のお問い合わせメールです。

「今度、マンション内覧会があります。
 キズや汚れなどの指摘には自信があるんですが、
 貴社の内覧会ブログを拝見し、
 やはり一級建築士の専門家の見方は違うなあーと実感し、
 マンション内覧会に同行していただきたくメールいたしました。」

で、マンション内覧会当日、
マンションエントランス前で待ち合わせしていると、

「出口さんですか?今日はよろしくお願いします!」
と声を掛けられます。

ご依頼者の格好はというと、
服はベージュ系の作業着、
肩には、脚をタオルで養生したアルミ脚立を担ぎ、
資料などの入ったバッグを持っています。

ジャケット姿の私と、
いったいどちらが内覧業者?
と受付嬢に思われてしまうかもしれません。

お話を伺うと、
どうやら、マンション建設なんかに携わっている下請け業者さんとのことです。


受付を済ませ内覧会検査スタートです。

私とは別行動で検査を進めているご依頼者は、

時には脚立に登りながら、

 「この建具枠の上にクロスの隙間があるよ!」

時にはフローリングに這いつくばりながら、

 「ここのフローリングにキズがあるよ!」

時には懐中電灯で壁クロスに光を当てながら、

 「このクロスにブツがあるよ!」

などなど、
細かく施工会社の立会い者に指摘を挙げているのが垣間見えます。

ずいぶん検査に慣れていらっしゃる!!!

と、安心して私の方も検査を進めます。


しばらくすると、
ご依頼者が私の方に来て、

「ちょっと来てください!」
と、洋室へ誘われます。

すると、キズや汚れの指摘箇所を示すマスキングテープが
洋室じゅうに咲き乱れています。

「出口さん!このくらいのキズは指摘挙げても良いですよね!」

で、指を差している壁クロスのキズを眺めると、

うーん。。。かなり細かいご指摘だ!

でも、
「検査前にご説明したとおり、
 キズや汚れなどといったものに許容基準はありません。
 ご自身で気になったらとりあえずご指摘として挙げてください。
 協議が必要であれば最後にしましょう。」

「そうですよね。でもこの施工会社の立会い者は・・・・」

どうやら、指摘の細かさに嫌気がさし、言い訳などをしたらしい。

「スミマセンでした。。。気になるところを指摘してください。。。」
と、施工会社の立会い者もオトナの対応です。

ここで、

「どうせ、手直し費用は下請け業者に押し付けるんだよね!
 泣くのはいつも下請け業者だ!」

「・・・・・・」

思わず、建設業界の裏事情の会話にドキッ!


この手直し費用を誰が負担するのか?
ゼネコンによってもやりかたが違うでしょう。

キズや汚れといった責任の所在が不明確な場合、

「お前のところは、これだけ負担なっ!」

なんて、根拠もなく下請け業者に押し付けているゼネコンもあるのです。

泣くのはいつも立場の弱い下請け業者なんていう社会の構図が、
マンション内覧会でも垣間見えてしまいました。


2010年03月01日

内覧会★同行日記 【玄関ドアの作動はこんなもの?】

【316時限目】                              author アーキスケット 出口

マンション内覧会で、
玄関横の洋室で検査をしていると、
玄関の方から施工会社立会い者とご依頼者の会話が聞こえてきます。

「次は、玄関ドアの開閉状況、施錠状況の確認をお願いします!」

「ハイ。」

で、”スー、パタン”と玄関ドアを開け閉めする音。

「この玄関ドア、自然に最後まで閉まらないですね!」

「そうですね。。。この玄関ドアは気密性を上げるために
 玄関枠の周りにエアタイトゴムが取り付いているからです。
 このように取っ手を少し引っ張れば閉まりますよ!」

「今住んでいる賃貸マンションでは自然に閉まるんですけど、
 こんなものなんですか?」

「こんなものですよ。」

私の検査をいったん休止し、さらに耳を澄まし会話を盗み聞きします。

「この玄関の施錠は、防犯対策のため、
 ダブルロックになっています。
 また、サムターン回しといった窃盗手口ができないよう、
 ポッチを指で押さえながら回さないと施錠ができないようになっています。
 では、施錠の確認をしてみてください。」

「ハイ。」

で、”カチャッ、カチャッ”とサムターンを回す音。

「うーーん、なんだか鍵を閉めるとき引っかかるように思いますが・・・・」
 
「この鍵は鎌錠なので、受け金物に引っ掛けるようになっています。
 取っ手を少し引っ張れば、
 引っかからずに閉めることができますよ!」

「取っ手を引っ張らないと閉まらないなんて・・・・、
 こんなものですか?」

「こんなものですよ。
 では、次の確認事項のほうへ行きましょう!」


この説明でご依頼者が納得したのかどうか?
顔が見えませんので解りません。

私の方も内覧会検査を再開。
そして、玄関ドアもしっかりチェック。


で、ひととおりの検査を終了し指摘事項の説明です。
バルコニー、リビング、キッチン、洗面室と、
いくつかの指摘事項を挙げてから玄関に進みます。

玄関ドアを全開にして手を放します。

扉はドアクローザーに引っ張られ自然に閉まっていきますが、
エアタイトゴムを少し押したところで止まってしまい、
完全には閉まりません。

施工会社立会い者に、
「この玄関ドアは法的に常時閉鎖にしなくてはいけませんよね!
 これでは、ちゃんと閉まっていませんので調整をお願いします!」

「ハイ、調整させます。。。」

取っ手を引っ張って扉を完全に閉めた後、
ダブルロックの上下のサムターンを回しながら、

「ダブルロックの下の方のサムターンはスムーズに閉まるんですけど、
 上の方のサムターンの鎌錠が受け金物に引っかかりますね!」

「ハイ、調整させます。。。」

ご依頼者はというと、
何も言葉が出てこないようです。


ほとんどの方にとってマンション購入は、一生に一度あるかないかの出来事です。

「こんなものですよ。」

という回答に、

「そんなものかなー?」
と感じられてしまうのも無理ありません。

こんなとき、
お部屋の中に同じものはないか?
モデルルームに同じものはないか?
今お住まいのところに同じものはないか?

他の物と比較してみることで疑問が解消できることもあるかもしれません。


 

2010年02月25日

内覧会★同行日記 【最上階の怪現象】

【315時限目】                              author アーキスケット 出口

マンション内覧会の受付を済ませ、
最上階にあるお部屋に向かいます。

エレベーターを降り外廊下を歩いていると、
突然、ご依頼者のご主人が立ち止ります。

そして、アルミ格子手摺から頭を出し、
下の方を眺めながら、
さりげなく、

「これだったら死ねるよなぁー。。。。」

すると奥さんが、
「そうねぇー。。。。でも、恐ーい。。。。」

と、不吉な会話。。。

マンションを買ったばかりなのに、『まさかなぁー。。。』
と軽く聞き流します。

何事もなかったようにお部屋に入り内覧会検査スタートです。
ひととおりの検査を終えると私の指摘事項は20項目。

リビングでご依頼者と施工会社の立会い者に向かって指摘事項を説明します。


すると、何かが動く気配。。。

でも、そこは転落防止手摺が取り付いている窓の外のはず。。。

そして、顔をご依頼者達からその窓へ。

スーーーーー。。。。

と窓の外で何かが動きます。

何が起きているんだろう。。。。
と、しばし呆然。

そして、良く確かめもせずに、

「窓の外で何かが動きましたぁーぁーぁー。」
と叫んでしまいます。

ご依頼者達も、
窓の方に顔を反転させ、

「・・・・・・」

何を言っているの?
とでも言うかのように不信な目を私に向けます。

窓をよくよく見てから、
「もしかして、網戸が動いた?」

「まさかぁー。。。」

で、勇気を出し、窓を開け、右側にある網戸を左側へ移動し、窓を閉めます。

・・・・・沈黙。

しばらくすると、
突然、網戸が、
スーーーーーっと左から右へ。

「ウォォォォォーーーー!」

全員が、しばし呆然。

「風邪で網戸が動いたんですね。」
と説明しても、
直ぐには信じられない様子。

ここで、ご依頼者のご主人が、
施工会社の立会い者に向かって、

「この部屋の上は屋上ですね。
 工事中、ここで誰かが飛び降りたなんてことなかったですよね。。。」

「ヤダー。。。変なこと言わないでよ!」と奥さん。

「そんなことありませんでしたよ!」

「本当?」

「嘘じゃありませんよ。
 現場経験は長いですが、
 運良く(?)、これまで一度も死亡事故を起こしたことなんてありません!」

で、再度、窓を開け手を外に出すと、
エントランスでは気にもならなかった風が、
最上階だと少し強くなっています。

でも、
「この程度の風で網戸が動くようじゃ調整が必要ですね。」

と、21番目の指摘を追加です。


2010年02月22日

内覧会★同行日記 【同じ過ち 違う手直し方法】

【314時限目】                              author アーキスケット 出口

マンション内覧会で受付を済ませると、
ご依頼者とともに内覧会場のテーブルに案内されます。

すると、
売主担当者と設計者がテーブルに着き、

「この度、パンフレットに誤記があることが発覚しました。
 パンフレットではパウダールーム・キッチンと居室間の間仕切り壁において、
 遮音に配慮しボード2枚貼りとなっていますが、
 本来、この部分は1枚貼りです。
 
 しかし、パンフレットどおり2枚貼りに手直しさせていただきます。
 ただ、現況ではボード1枚貼りとなっていますのでご了承ください。」


もしかして、【312時限目】と同じ過ちだ!

そういえば、同じデベロッパーだし・・・、パンフレットもほぼ同じだし・・・

図面を指差し、
「パウダールームのこの壁と、キッチンのこの壁をボード2枚貼りにするんですね!」

「ハイ、ボード2枚貼りにさせていただきます。」

でも、単純にボード2枚貼りなんかに出来るのだろうか?

「このトイレとリビングの間仕切り壁はボード2枚貼りになっているんですか?」

「ここは、2枚貼りになっているはずです。」


事前の誤記についての説明の後、
施工会社の立会い者に続き、
売主の立会い者が紹介されます。

「あっ!、【312時限目】のマンションでも立会いしていただきましたね!」

「あっ!、ハイ!」


お部屋に入り内覧会検査スタートです。
先ずは、パウダールームとキッチンのボードの確認です。

確かに現況は1枚貼り。
でも、この上にボードを1枚増し貼りしたら・・・・

パウダールームでは、木製引き戸枠の見附寸法が左右で異なってしまう。(25mmと12mm)
キッチンでは、システムキッチンやレンジフードが綺麗に納まっており、
壁を壊してずらさなければボード2枚貼りには出来ない状況。


で、念のため、
トイレとリビングの間仕切り壁を確認すると、
ボード1枚貼りだ!


検査終了後、
内覧会場で施工会社の所長(?)が指摘事項に対応します。

「パウダールームのボード2枚貼りはどう施工するんでしょうか?」

「今の壁の上に貼ります。」

「引き戸枠の見附寸法が左右で変わってしまいますよね。
 そんなみっともない納まりで良しとするんですか?」

「・・・・・」

「キッチンは壁を壊さなければボード2枚貼りには出来ないと思いますが、
 どういった納まりで施工を考えているんでしょうか?」

「・・・・・」

「トイレとリビングの間仕切り壁はボード2枚貼りになっていないですね。」

「・・・・・、確認します。」

「つい先日、同じ過ちがあったマンションがあったのですが、
 ボード2枚貼りにすると納まらないので、
 その手直し方法としては、
 間仕切りないにグラスウールを入れ、
 鉛シート裏打ちのボード1枚に貼り替えるといった対応でした。
 再度、売主と打ち合わせをされた方が良いと思います。」

「そうさせていただきます。」


この協議を終え席を立つと、

内覧会検査に立ち会っていた売主担当者が名刺を取り出し、
「名刺交換をさせてください。」と自己紹介(部長補佐)。

引き続き、
この部長補佐から促され、
責任者らしき人と名刺交換(マンションギャラリー所長)。

「〇〇〇〇マンションでは、遮音壁のご指摘をしていただきありがとうございました!
 当社としても、事前に対応することができました。
 また、このマンション他でも対応させていただいております!」

「そう言っていただければ良かったです。
 でも、このマンションでの手直し方法は〇〇〇〇マンションと違いますね。
 実際には納まらない手直し方法(ボード1枚増し貼り)の説明なので、
 施工会社と再度検討してください。」

「???、ハイ。。。」


もし、ボード2枚貼りをしていたら、
どんな納まりになっていたんだろう?

ちょっと詰めが甘かったのでは。。。。


2010年02月18日

内覧会★同行日記 【只今、ひび割れ進行中!】

【313時限目】                              author アーキスケット 出口

マンション内覧会でバルコニーの検査です。

PC(コンクリート工場製品)で出来た
バルコニーの天井を見上げると、
そこには、
大規模修繕後に見られるようなひび割れの補修跡があります。
しかも、4本も!

もしかして、両隣は?

と、避難用の隔板ごしに覗いてみると、
両隣とも、2、3箇所のひび割れ補修跡が確認できます。

もしかして、マンション全体?

施工会社の立会い者に指摘をすると、
「このことについては、内覧会場で上司から説明させます。。。」

で、内覧会場でのやりとりです。

「バルコニーの天井にひび割れが各所出ていますね。
 もしかして、マンション全体なのでしょうか?」

「実は、そうなんです。」

「ひび割れの発生箇所は調査して把握しているんでしょうか?」

「ハイ。」

ここで出てきたのが2冊の調査報告書ファイル。

1冊は、コンクリート打設後の調査報告書
1冊は、リシン吹き付け後の調査報告書

ちなみに、PC受け入れ検査時にはひび割れはなかったとのこと。

調査報告書をみると、
ことごとくの所帯のバルコニーで
ひび割れ発生の現状が記載されています。
おそらく、何百本ものひび割れ箇所が記載されているのでしょう。

今回のお部屋のところを確認してみると、
コンクリート打設後の調査報告書で2箇所のひび割れ。
リシン吹き付け後の調査報告書で2箇所のひび割れ。

合計数は合っているけど、本当にそうなの?
だって、コンクリート打設後に発覚しのは
リシン吹き付け前に補修して解らなくなるはずですよ。

まっ、それはともかく、
現状のひび割れ補修跡が問題。

で上司からの説明です。
「このマンションは南向きや西向き太陽光による影響が大きく、
 太陽光による温度収縮だと考えています。」

「確かにひび割れが短辺方向に走っているので
 温度収縮が直接の原因なのでしょう。
 でも、南向きや西向きのマンションなんかいくらでもあります。

 調査報告書を見ると、
 早い段階(下の方の階)で、
 ひび割れ発生を把握していたんですから、
 PCの強度を見直すとか、
 鉄筋補強を見直すとか考えられなかったんでしょうか?」

「本社技術部のコンクリート専門家にも相談をし、
 原因として温度収縮によるひび割れと判断しており、
 問題はないと考えています。」

「問題ない?」

「ひび割れは全て0.3mm以内であり、
 補修要領に従って樹脂を表面に塗っています。」

「たぶんその補修要領というのは、
日本建築学会の『収縮ひび割れの何とかかんとか』(その時は本の名前が出ません。)
といったものをを準用しているのでしょう。。。

でも、問題は構造的なことだけではなく、
見栄えだって重要なんじゃないですか?」

「調査報告書でも解るように、
 コンクリート打設後よりリシン吹き付け後で数も増えており、
 ひび割れは進行中なんです。
 今、改めて補修をしても、
 またひび割れが発生してくるかもしれません。」

確かに、今後新たなひび割れが発生してくる可能性はあります。
でも、その回答っておかしくない?

「では、見栄えの手直しはいつ行うんでしょうか?」

「・・・・・・」

もしかして、補修はしてあるので良しと判断しているのかもしれません。。。。

マンション購入者の中には、
「こんなものなのかなぁー???」と思う方もいるかもしれませんが、

何百人ものマンション購入者の中には、
「新築なのに、なんでこんにひび割れ補修跡があるのよ!!!」
と思う方も出てくるでしょう。

そして、その話題の連鎖が・・・・


1年点検、2年点検を待つよりも、
今のうちに対策を取った方がお互いのためと思いますが・・・・

只今、ひび割れ進行中!
判断の難しいところです。

2010年02月15日

内覧会★同行日記 【お詫びと訂正】

【312時限目】                              author アーキスケット 出口

マンション内覧会の直前に、
【お詫びと訂正】
といったものが送付されてくる場合があります。

お役所からの指導による変更や
安全面や使い勝手の改善なら良いのですが、

中には、
どうして変更されたのか?
理由に納得がいかない内容もあるのです。


しかし、今回は、
マンション内覧会の直前ではなく、終了後に、
この【お詫びと訂正】が送付されてきます。

その経緯とは・・・・


マンション内覧会で、
お部屋を検査していると、
パウダールームと寝室の間仕切り壁が遮音壁になっていません。
パンフレットではボード2枚貼りなのに実際は1枚貼り。

このことも含め検査での指摘事項を
施工会社の立会い者に説明していきます。

「内覧会場で確認し説明いたします。」

で、ご依頼者ともども内覧会場へ。

すると、
施工会社の現場責任者、補佐役1、補佐役2、設計者、売主担当者がお出迎え。

そして、内覧会に来ていた周りのマンション購入者からは、
「一体何事?」といった眼差しの集中砲火。

このプレッシャーにめげず、

「パンフレットの遮音仕様と違っていますね。」

「今、施工図を用意していますのでお待ちください。」

しばらくすると、
若手係員が施工図を事務所から持ってきます。

補佐役1.
「施工図ではボード1枚貼りとなっていますね。」

「ということは、遮音仕様がパンフレットと施工図で異なっているということですね。」

責任者
「施工図が仕様です!!!」

施工図が仕様??? 

「そんなこと聞いたことがありませんよ!!!」

ここで、補佐役1.がうまいタイミングで模範解答。

「売主とも協議・検討して後日回答を出します。」

「そうですね。施工図でボード1枚貼りとなっているということは、
 このお部屋だけではなく、他のお部屋でも共通することですからね!」

と、
『このお部屋だけの対応じゃ済まされませんよね!』
ということを言葉に匂わせます。


後日、売主名で書類が送付されてきます。

【パンフレット誤表記についてのお詫びと訂正】

この度、パンフレットにおきまして記載ミスが判明いたしました。
つきましては、
深くお詫びを申し上げるとともに下記のとおり訂正させていただきます。

尚、実際の建物につきましては設計図書に基づき、
正しく施工されていることを確認しております。

お客様に対し誤解を与えましたことを真摯に受け止め、
ご希望される場合、
お引き渡し期日までに下記のとおり変更工事をさせていただきます。

  訂正表記 : 遮音間仕切りにする部屋の対象でパウダールームを削除

  変更工事 : 既存ボードを撤去しグラスウール充填+鉛シート裏打ちボード貼り


この【お詫び訂正】を見て

『パンフレットに記載ミス・・・・設計図書に基づき正しく施工・・・・。』

今度は、「設計図が仕様だ!」
と言っているようなもの。
マンション購入者は何を信用すれば良いのだろうか!?


『ご希望される場合・・・・・。』

500所帯を超える大規模マンション、
少しでも被害を最小限に留める戦略か!?


『変更工事の内容・・・・・。』

元の仕様であるボード2枚貼りとするのではなく、
グラスウール充填+鉛裏打ちボード貼りとするのは、
壁下地のLGSの移動といった
大きな手直し工事を避けるための苦肉の方策!?


後は、マンション購入者の判断にお任せします。
ちなみに、マンション内覧会同行のご依頼者は、

「変更工事を希望します!」

【お詫びと訂正】には、
色々な裏事情があるのでご注意を!


       
 


2010年02月12日

内覧会★同行日記 【マンションブルーを吹き飛ばせ!】

【311時限目】                              author アーキスケット 出口

マンション内覧会での指摘事項です。

・水周りと居室の間の遮音壁で
 ボードが1枚貼りでカタログにある2枚貼りとなっていない。

・バルコニーの床タイルとコンクリート床の誘発目地が、
 それぞれがぜんぜん違う位置にありズレている。

・埋め込みクーラードレーンパイプがモルタルでつぶされ水の出口が無い。

・室内の壁仕上げが直角になっていない。

などなど・・・・


マンション内覧会後のメールです。

本日は大変お世話になりました。
実は私も主人も製造業に携わっており、

『人が造ったものいはミスがあって当たり前!』
『検査は専門家にしかできない!』

と思っていたためマンション内覧会同行をお願いしたのです。

それでも心の片隅で、

「〇〇ブランドですから!」
というセールストークを信じていたのに・・・・

ちょっとショックでした。。。

以下省略


返信メールです。

マンションを施工するに当たっては、
やはり大勢の人間が関わるため、
完璧というものはほとんど無いのではないかと思います。
ミスが発覚した時、

どのように対応するかが大切です。
(ミスが発覚しないケースも多々あることが残念ですが・・・・)

以下省略 (手直し方法などのアドバイス)


途中経過報告メールです。

先日の内覧会以降、
デベロッパー営業担当者を通して
発覚した問題点や疑問点を確認していたのですが、
どうにもこうにも納得できる説明や回答が少なく、
いよいよ自分の我慢のキャパシティーを超えてしまい、

「〇〇ブランドだと思って信用して購入したのに・・・・
 先日からすっかり御社を信用できなくなっています!!!
 何千万円も出して購入するのは私たちなのに、
 何故ミスがあった経緯や補修方法の詳細を教えてもらえないのか???
 誠意が感じられないし、これでは安心して購入出来ない!!!」

と言いましたところ(ちょっと脅かし?ですが・・・・)、
ようやく説明がありました。

 中略

でも、
どのような手直しなのか私には解りません。

確認会まであと1週間くらいですが、
なんだか気分がどんよりです。。。
自分なりにマンションの事を勉強して購入したつもりでしたが・・・・

すっかりマンションブルーです。。。


返信メールです。

前略 (確認会での注意点などのアドバイス)

確認会では、
納得いく説明や手直しがされるよう頑張ってください!!!
そして、
マンションブルーを吹き飛ばして下さい!!!


確認会の報告メールです。

本日が確認会でしたが、
私は少し体調を崩してしまい主人1人での確認となってしまいました。。。。

             (マンションブルーを引きずっているのだろうか?)

主人の報告によれば、
出口さん効果なのか?
5人でのお出迎えがあったようです。
きっと今日も出口さんが来られると思ってビビったんでしょうね。

ちょっと笑ってしまいました!

開口一番に、
「この度は申し訳ありませんでした。」
と言われたとのこと。

先日私が、
「あの人達、謝らないよに教育でもされているの?
 一度たりとも『申し訳ない』って言われたことないんだけれど!!!」
とデベロッパー営業担当者にクレームしたからでしょうか?

手直しについては、
私もデジカメ画像で確認しましたが、
綺麗に修正されていました。

お陰さまで!!!

2010年02月08日

内覧会★同行日記 【火の用心!ダウンライトは火事の元】

【310時限目】                              author アーキスケット 出口

マンション内覧会の受付を済ませ、
ご依頼者と施工会社の立会い者とお部屋に向かいます。

ご依頼者が玄関を開けお部屋に入ろうとすると、

「ちょっと待ってください。私が先に入って電気を点けます!」
と施工会社の立会い者が先にお部屋に入ります。

中から、
バチン、バチン、バチン・・・・
と、分電盤のブレーカーを上げる音。

「では、お入りください!」


で、内覧会検査のスタートです。

バルコニーから検査を開始し、
リビング、キッチン、洗面室、トイレ、洋室、玄関へと進めます。

玄関横にあるシューズインクローゼットの扉を開けると、
分電盤のふたが開いたまま。。。

ダウンライトを隠して少しだけうす暗い。

ついでなので、
分電盤の各ブレーカーに部屋名が記載されているかどうかの確認をした後、
ふたを閉めます。

すると、分電盤のふたの中央部がツヤが出て
僅かですが溶け出しているではありませんか。

危ない!危ない!
ダウンライトは火事の元。

「この位置では分電盤のふたに干渉し火事の元ですよ!」
と施工会社の立会い者に指摘します。

ふたを眺めてから、
「確かに溶け出していますね。。。ふたを交換します!」

そういう問題か?

「何故ダウンライトをこんな位置にしたんですか?」

「・・・・・・」

「分電盤のふたを避けた位置でダウンライトは取り付いたでしょう!」

「設計図で木製扉のセンターになっていましたから。」

確かに、間取り図でもその位置になっています。
位置決めの根拠は木製扉、それだけなの?

「ダウンライトの下に分電盤のふたがくることは危ないと思いませんか?」

「だと思いまして、”ダウンライトに注意”の表示シールを貼りました。」

「いつのことですか?」

「最近のことです。」

ということは、社内検査や売主検査でも指摘が挙がったんだろうか?

「表示シールを貼れば良いんですかね?」

「分電盤のふたなんてそんなに開けるものではないですから。。。。」

その分電盤のふたが溶けているんですよ!

ふたを開けっぱなしにしたのはあなたですよ!

表示シールが役に立っていないんじゃないの?

ここでご依頼者が、
「大丈夫ですよ。気を付けますから。。。。」


本当に良いのだろうか?
建築業界もPL法が厳しいですが、
表示シールを貼れば良いってもんじゃないと思います。

もし、本当に火事になった場合、
使用者責任になってしまうんでしょうか?

以前、マンション1年点検時の検査を行ったとき、
廊下にあった物入れの扉の上が焦げているものを見たことがあります。
原因はやはりダウンライト。

この時は施工会社自ら、
「扉の交換とともにダウンライトの位置を移動します!」

そりゃー、火事の責任を施工会社が負わされないようにしますよね。

2010年02月01日

内覧会★同行日記 【是正報告写真でプレッシャー】

【308時限目】                              author アーキスケット 出口

一戸建て住宅の内覧会検査もいよいよ終盤。
玄関周りで図面とにらめっこしながら検査を進めます。

玄関には、
ご依頼者家族の靴が3足分、
売主と施工会社の立会い者の靴が2足分、
そして私の靴が1足分で、
玄関は靴でいっぱいになっています。

ちょっとこの玄関狭いかなぁー。。。。

と思いつつ図面を見ていると、
上り框の位置がズレていることが判明。

「上り框の位置が図面とは違いますね。」

「えっ!!! 私たちも一生懸命検査したつもりなんですが・・・・。
 ちょっと狭いなぁーとは思っていたんですが気付かないものですねぇー。。。」

「図面とは異なる位置なので手直ししてもらえますよね!」

すると施工会社の立会い者が、
「・・・・、この上り框の下は基礎があるので・・・・」

「でも、直してもらえるんですよね!」

「引き渡し日が・・・・」

「でも、直してくださいね!」

「ハイ。」


後日、内覧会同行ご依頼者からの電話相談です。

「引き渡しも近いし、ちゃんと手直しをしてもらえるものなんでしょうか?」

「手直し工事は、
 ・上り框、フローリング床の解体
 ・基礎の解体
 ・基礎の型枠、コンクリート打ち
 ・コンクリートが固まるまでの養生期間、型枠の解体
 ・床下地組、断熱材敷き込み
 ・上り框、フローリング貼り
 といった結構大変な作業になるはずです。」 

「そうなんですか。。。」

「見えなくなってしまう箇所なので、
 それぞれの手直し工程ごとに写真を撮っておいてもらう方が良いですよ!」

「解りました。頼んでおきます!」


1週間後の再内覧会、
いくつかの指摘項目の是正を確認したあと、
最後に問題の上り框の確認です。

見た目の出来栄えは、もう完璧!

その後、施工会社担当者が是正報告書を提出してくれます。

・基礎のコンクリート撤去後の写真・・・・丁寧に解体されている。
・基礎配筋はなし(無筋基礎)・・・・構造図で説明してくれます。
・コンクリートは早強コンクリート使用・・・・養生期間は1.5日を取ったとの説明。
・床組後の写真・・・・釘留め間隔も問題なし。

手直し工程写真付きの是正報告書も、もう完璧!

誠意ある対応に感謝です。
そして、内覧会同行のご依頼者も大満足!


「手直し工程ごとに是正写真を撮るとなると、
 プレッシャーがかかったんじゃないですか?」

と、若い施工会社の担当者に冗談半分尋ねてみると、

ちょっと苦笑いしながら、

「ハイ。」

2010年01月28日

内覧会★同行日記 【フローリングはロット違い】

【307時限目】                              author アーキスケット 出口

マンション内覧会同行のお申込みメール。

「内覧会直前になって、売主から内覧会の日程変更の申し入れがありました。
 理由は?と聞くと、
 『リビングと洋室間の壁が斜めにズレていました。内覧会前に手直しする時間を下さい。』
 とのことです。
 こんなことってあるんでしょうか?
 もう心配なので、マンションの内覧会に同行していただければと思います。」

壁が斜めになった理由は、
どうやら基準墨からの追い出しでスケールの当て方を間違えたらしい。。。

でも、工事途中で気付くはずなんだけど。。。

まっ、施工会社の自主検査で判明し、手直しするということで問題はないのでしょう。。。


マンション内覧会の当日です。

「この度は、申し訳ありませんでした。。。」
と、売主と施工会社の挨拶。

引き続き、両者もお部屋まで立会い内覧会検査スタートです。

先ずは、リビングから問題の壁の位置の確認をします。
リビング壁間の寸法を左右で測り問題なし!

次に、洋室に行って壁間の寸法を左右で測るため、
床の上にスケールを当てていると、

この壁際のフローリング、
色合いが違っているなぁー。。。。

このフローリングは乳白色系なのですが、
壁際のフローリングだけ、
ビミョーに茶色がかっています。

もう一度、リビングに戻って壁際のフローリングの色を確認します。

やっぱり。。。。

壁の位置を手直しする時、
壁際のフローリングも貼り替えなければなりません。
そして、この貼り替えられたフローリング全てが色違い。

「この壁際のフローリングの色が少し違っていますね。」

すると、マンション内覧会同行のご依頼者が、
「本当だぁー!」

すると、売主立会い者が、
「やはり気付きましたか。。。。
 フローリングのロット違いで色がビミョーに違ってしまってるんです。」

ロット違いというのは、
工場で作られた時期が違うということです。

フローリングは自然のものであるため、
木自体の色の違いもあるでしょう。。。

また、木質で塗装材の吸い込みもちがうでしょう。。。

ロット違いであればなおさらです。


「ロット違いだから仕方がないということでしょうか?」

「いえいえ、私たちもこのままで良いと思っていません。
 色が合うものを探しているところです。
 今貼ってある壁際のフローリングも仮貼りしているだけなんです。」

「そうなんですか。色が合うものが見つかるといいんですが・・・
 見つからなかった場合は、全面貼り替えをしてもらえるんでしょうか?」

「・・・・、何とか見つけます。。。」


で、後日、マンション内覧会同行のご依頼者からの報告。

「再内覧会に行ってきました!
 例の壁際のフローリングの色もほとんど解らない程度に手直しされていました!」

「良かったです!」


今回の売主と施工会社の対応には誠意を感じましたが、

検査前にフローリングの色違いを言ってほしかった!
もし、検査で気がつかなかったら、
そのままなんてことはなかったですよね。


2010年01月24日

内覧会★同行日記 【クオリティーブックは何のため?】

【306時限目】                              author アーキスケット 出口

マンション購入のご契約時に、
”クオリティーブック”というものが手渡される場合があります。

その中身はというと、
・構造に関すること
・セキュリティーに関すること
・設備に関すること
・遮音に関すること
・断熱に関すること
などなど、
マンションの品質に関することが記載されており、

・マンション個別で作成したもの
・デベロッパー共通品質として作成したもの
があります。

いずれにしても、
クオリティーブックを作成しマンション購入者に配布するということは、
非常に良いことだと思います。


さて、マンション内覧会。
検査を進めトイレの検査です。

壁を拳骨で、コンコン・・・コンコン・・・

なんとも軽い音がします。

ここはボード2枚貼りじゃないの?

確か、クオリティーブックには、
『居室が隣接する水周りの壁は両面2枚貼り』
となっていたはず。

念のため、
磁石を取り出し壁面をサーチします。
すると、
ピタッと磁石が貼りつく場所があります。

これはボードを留めるためのビスがある場所。
ということは、ここにスタッドと呼ばれる下地があるのです。

そして、この位置にピンポイントで、
”どこ太くん”を使ってボードの厚さ確認。

針の出は12.5mmでストップ。

やっぱりボード1枚貼りだぁー。。。。


一通りのマンション内覧会検査が終了し、
私の指摘事項の説明です。

「このおトイレの遮音仕様はどうなっていますか?」

「居室側がボード2枚、おトイレ側が1枚です。」

「えっ???」
予想しなかった回答。

で、マンション内覧会同行のご依頼者から送付していただいた
クオリティーブックを取り出し、

「クオリティーブックに記載の遮音仕様では、おトイレ側もボード2枚貼りとなっていますよ!」

すると施工会社の立会い者は、
このクオリティーブックを2、3分ほど凝視しながら固まります。

「何か理由があって変更しているのかも解らないので、
 確認して回答してください!」

ということでマンション内覧会終了。

後日、マンション内覧会同行のご依頼者からのメールです。

・相手方
「クオリティーブックには、
『部位によって多少仕様が異なる場合があります。』と明記されてます。」

・ご依頼者
「正当な理由を説明して頂けるのであれば、1枚貼りで構わないのですよ。」

・相手方
「2枚貼りにして安心されるのでしたら・・・(貼ります。)」

さも、やってあげますよ!
といったスタンス。

でも、
2枚貼りに手直し出来るんだったら正当な理由があるはずもない!
そして、
何のためのクオリティーブックなのか解りません。

きっと、このマンション全てのおトイレの壁は、
ボード1枚貼りなんだろうなぁー。。。。

果たして、デベロッパー、施工会社の対応はいかに?
もしかして、手直しはこのお部屋だけ?

2010年01月21日

内覧会★同行日記 【コンクリートひび割れは何のせい?】

【305時限目】                              author アーキスケット 出口

一戸建て住宅の内覧会。
お部屋の中の検査をひととおり終え、
次は外構検査です。

玄関の前には駐車スペース。
土間コンクリート刷毛引き仕上げの仕様です。

ひび割れは無いかと土間コンクリートを凝視していると、
やっぱりあった!
水道メータのボックス周りに45度角方向に走った小さなひび割れが。

メッシュ筋の敷き込みはちゃんとやったのだろうか?

敷いてあれば良いというものではないでしょう。。。
メッシュ筋敷き込みだってルールはあるのです。

「メッシュ筋の重ね代はどのくらい取ったんですか?」

「・・・・・」

「メッシュ筋の下にスペーサーは入れているんですか?」

「コンクリートを打つ時に手で持ち上げています。」

「誘発目地が入っていませんが、入れる仕様になっていないんですか?」

「設計図にはありません。」

「この水道メータ周りにひび割れが生じてますが、開口補強はしていないんですか?」

「・・・・・」

ただし、この開口補強については明確な仕様は見たことがありません。
でも、床配筋の開口補強要領を準用するべきなんだろうなぁー?。。。

駐車スペースの土間コンクリートに走ったひび割れ、
補修するとかえって目立ってしまうのが厄介者。

今回は、ひび割れの幅や長さが小さいため、
とりあえず、3か月、1年、2年点検時まで様子を見ることに。

ところがです・・・・

後日、内覧会ご依頼者よりの連絡です。

「再内覧会のときに駐車スペースのコンクリートを見たんですが、
 3mmくらいの大きなひび割れが出てきているんです。。。
 どうやら、他の住宅の工事のために、
 うちの駐車スペースに4t車の工事車両を駐車していたらしいんです。。。」

「で、直してくれるんですよね。」

「何か注入してコンクリートを固め、表面はモルタルというので補修すると言っています。」

「それでは、きっと補修跡が目立つでしょうね。」

「どうしたら良いんですか?」

「4tトラックと言えども、そう簡単にひび割れが生じるようではいけませんね。」
今の土間コンクリートを壊して造り変えてほしいと主張した方が良いですね。」

「ハイ、言ってみます。」

で、改めて後日連絡があります。

「やってくれるそうです!良かったです!」

「せっかくやり替えるんでしたら、
 ・砕石敷きは再度、転圧するように!
 ・メッシュ筋は、重ね代を10cm以上取るように!
 ・メッシュ筋の位置(高さ)は、スペーサーを配置して適切な位置になるように!
 ・誘発目地を配置するように!
 ・水道メーターボックス周りなんかは、開口補強するように!
 と、伝えてください。」

「ハイ、解りました!」

2010年01月18日

内覧会★同行日記 【設計図は学生レベル】

【304時限目】                              author アーキスケット 出口

デザイナー系設計事務所が設計した6世帯からなるコーポラティブハウス。

構造は鉄筋コンクリート造3階建て、
各世帯がメゾネット形式であり、
複雑に世帯間が入り組んでいる設計です。

この構造体部分は
設計事務所一丸となって総合的に計画されたようですが、
各世帯のインフィル部分は
その設計事務所の各個人がそれぞれ担当し設計しています。

このうち、2世帯から
コーポラティブハウス内覧会同行のご依頼。

そして、事前に設計図などの資料が送付されてきます。

世帯A
『こんな設計図で建物が出来るのかなあー?』
というのが第一印象。

CADで描かれているものの、
スカスカ図面。。。

部屋名は全て記載されているものの、
寸法の記載はごくわずか。
1階と2階の全てで寸法記載が55箇所。
まだまだ、記載しなくてはならない寸法はその何倍もあるはずです。

その他の図面は存在しない。
なんとも稚拙。

まるで、建築学科に学ぶ劣等生の図面です。


世帯B
『もしかして、プレゼンテーション用の図面?』
というのが第一印象。

見栄えはよろしい。

写真がふんだんに採用され、
部屋の展開図などには、人の絵までがふんだんに記載されています。

納まり図もある程度記載されているのですが、
机上の絵空事。

まるで、建築学科に学ぶ優等生の図面です。

いずれにしても、
施工者は大変な思いでこのコーポラティブハウスを造っているんだろうなぁー。。。


そして、この2世帯分の内覧会当日です。

検査には各世帯ごとで、
設計担当者も立ち会ってくれます。
どちらとも予想どおり若い!!!

そして内覧会検査スタート。

いずれのお部屋でも、
指摘、確認事項がいっぱいいっぱい出てきます。

・最下階の土間コンクリート下には断熱材が入っていない。
・コンクリート打ち放しの壁仕上げ面に構造スリットが醜く露出。
・連装アルミサッシの結露水抜き穴からの出口が無い。
・バルコニー防水がドレーン金物に取り合っていない。

などなど、キズ・汚れ以外で100項目ほど。
やはり設計上の問題が出てきます。
中には、施工者の問題もありますが・・・・

これらの指摘を挙げると、

世帯Aの設計担当者は、
劣等生らしく、
指摘の意味を理解せずに、「問題でもあるんですか?」と的外れな言い訳。

世帯Bの設計担当者は、
優等生らしく、
指摘を謙虚に受け留め、「検討して対応します。」と模範解答。


やはり設計図で大切なのは寸法、仕様、納まりです!
建築は経験工学とも言われます。
この若手設計担当者にとって良い経験であったと思ってもらいたい。

内覧会終了後、
多くの大学の講師などを務める設計事務所の代表者から、
『今日は本当に勉強になりました。』

10時にスタートした内覧会検査は、今、夜の7時30分です。
お部屋を出ると、
お隣の世帯Cの奥さんが、
世帯Bの奥さんが持っていた設計図を見て、

『Bさんのところは、そんなに図面が多くあったんですか?
 うちの設計図は、そんなに多くはありませんでしたよ!』

どうやら、Cさんのところは、
建築学科に学ぶ劣等生の図面だったようです。

2010年01月11日

内覧会★同行日記 【所長の品格】

【303時限目】                              author アーキスケット 出口

超大手デベロッパーによる評判の良い人気シリーズ。
しかし、今回のマンション内覧会は40所帯弱と規模は小さく、
中堅ゼネコンによる施工です。

マンション内覧会同行のご依頼者とともに受付を済ませ、
施工会社担当者に案内されお部屋の玄関前に到着です。

この段階で、
うーん、ちょっと気になることが・・・・2、3箇所。

お部屋に入り、
先ずはバルコニーから内覧会検査スタートです。

んっ?、こっちも気になることが・・・・2、3箇所。

とにかく、
誘発目地、水切り目地、打ち継ぎ目地、構造スリット部分のタイル化粧目地など、

目地といった目地がなんともお粗末!?

で、
年齢的には私と同じくらいと思われる施工会社の立会い者に、
これらの目地について確認していくと、

「私は設備担当なので建築に関することは解りません。
 この現場の所長を呼びます!」

で、しばらくすると所長がわざわざお部屋までお出ましです。

なんとも若い! 40歳前だろうか?
きっと、実力があって所長に抜擢されたのだろう!・・・か?

「梁の誘発目地や水切り目地がつぶされていますね。
 これじゃー、将来ひび割れが発生する可能性が大きいですよ。」

「見栄えを優先してつぶしています。」

「だったら、最初から目地を入れなければ良かったんじゃないですか?」

「売主と相談して決めているから問題ないです。」

このへんから、
拳をにぎりしめ、涙目になり様子が変わってきます。

次に、
「構造スリット部分のタイル目地幅が35mmもありますよ。
 お隣は25mmです。
 見栄えの問題ですが、玄関前だし目立ちますよね?」

「構造スリットなので25mm以上にしています。」

「構造スリットの幅は層間変位以上にすることは解っています。
 化粧としてのタイル目地幅を言っているんです。
 幅の許容範囲はいくつですか?」

「25mm以上で問題はないですよ!」

このへんから、
口調が強く反論的になってきます。

次に、
「廊下側のコンクリート手摺周りに打ち継ぎ目地が入っていませんよ。」

「そういう納まりです。」

「バルコニー側のコンクリート手摺周りには打ち継ぎ目地が入っています。
 矛盾しますよね。」

「・・・・・」

このへんから、
顔が赤くなり、返す言葉もなくなります。

次に、
「このコンクリート手摺の巾木部分の誘発目地がつぶされていますね。」

「下の階との関係です。」

「すぐそこの誘発目地は巾木部分にもシールがされているのに矛盾しますよね。」

「作業の流れなんでこうなります。」

このへんから、
何を言っているのか解りません。

一方、マンション内覧会ご依頼者の奥さんは、
だんだん、だんだん悲しげな表情になっていきます。

こんなとき、私も本当に辛くなります。。。
指摘を挙げなければ良かったんじゃないかと。。。

この所長では、
いくら質問や指摘をしても、まともな回答を得るのは無理。

「これらのことは、再内覧会で売主から回答するようお願いします。」

で、所長は退却。

すると、設備担当の立会い者が、

「所長もあんな言い方をしないでも良いのに。。。。
 解らないのであれば他に答えようもあるのに。。。。」

検査に立ち会っていた内覧レディーが、

「内覧業者さんの説明は本当に解りやすくもっともだと思います。
 ”ウンウン”と、うなずいちゃいました!
 勉強になりました!」

そして、一番ホットしたのは、
マンション内覧会ご依頼者からのメールです。

「昨日は内覧会への同行ありがとうございました。
 出口さんに同行して頂いて、本当に良かったです。
 しかし、施工会社の所長さんの説明はお粗末でしたね。
 誠意のない対応の事例を見ているようでした。。。。」


所長の資質というのは、
技術的知識だけではありません。
それにも増して、
思慮深い言動、お客様への誠意、部下からの信頼などなど、
所長の品格が大切です。

2010年01月08日

内覧会★同行日記 【トップライトは漏水多発地帯】

【302時限目】                              author アーキスケット 出口

今回の内覧会は、
外壁がサイディング、屋根ガルバリウム鋼板葺きの3階建て住宅です。

2階のリビングは解放感あふれるくつろぎスペース。
天井は一部斜め屋根になっており、
そこに設置されたトップライトから燦々と光が差しこんでいます。

眩しさに少し目を細めながら、
トップライトを眺めていると、
その枠周りの塗装されたボードにシミらしきものが・・・

「トップライト枠周りから漏水しているように見えますね。」

「うーーん?・・・・そうかもしれませんね。。。」

「今まで気が付かなかったんですか?」

「このところ晴れの日が続いていましたから・・・・」

「昨日の雨で漏水したのかもしれませんね。。。」

で、施工会社の立会い者と、
バルコニーの手摺を乗り越え、
屋根伝いにトップライトのあるところまで確認をしに行きます。

トップライト枠周りは、
ガルバリウム鋼板との隙間が2cm程度あります。

懐中電灯を取り出し、その隙間から奥のほうを覗き込むと、
四方とも防水テープが貼られているのが見えます。
しかし、四隅では、
トップライトのフランジがパックリと口が開いているのが丸見えです。

これじゃー漏水するのも当たり前だよなぁー。。。。

しかも、トップライトの形状として、
立ち上がり部分が低く、
屋根下地であるルーフィングの立ち上がりが少なすぎる。
また、トップライト専用の水切り鋼板もコストダウンのためか取り付いていない。

トップライト周りが漏水多発地帯になっているのは、
ルーフィングとトップライト枠が取り合う部分の防水処理に
欠陥がある場合がほとんどなのです。

トップライト周りではルーフィングを切断し、
四方を折り曲げ、立ち上げるため、
四隅にルーフィングのジョイントができ、隙間が生じます。


この部分をいかに丁寧に防水テープやシーリングで防水処理をするかが勝負!

でも、本当はこういった劣化の早い防水材だけに頼るのではなく、

水切り鋼板などといった半永久的な防水納まりを併用するのが理想!


「で、この漏水対策としてどのように防水手直しをしますか?」

「・・・・・、どのようにしたら良いでしょうか?」

「ガルバリウム鋼板屋根をめくって・・・・
 ルーフィングをめくって・・・・
 立ち上がりの大きいトップライト形状に造り替えて・・・・
 専用の水切り鋼板を取り付けて・・・・
 結局、最初からやり直すのが良いんじゃないですか?」

私が漏水保証をするわけでもないので、
先ずは理想的な手直し方法の提案です。

「えっ?・・・・そこまでは出来ません。。。」

「だったら、売主として改善方法を考え手直しするべきですよ。」

「トップライトの四隅のフランジの隙間をシーリングするだけじゃだめでしょうか?」

解ってないなぁー。。。

質問をするな!

10年間の漏水保証をするのは売主ですよ!

で、結局、
・トップライト四隅のフランジ隙間のシーリング
・トップライト枠とガルバリウム鋼板の取り合い全てのシーリング
・散水試験で漏水の無いことを確認

今後、半永久的に
トップライト周りからポタポタと雨水が差しこまないことを祈ります。


2010年01月05日

内覧会★同行日記 【クレセントに手が届かない】

【301時限目】                              author アーキスケット 出口

今回の内覧会は、
RC造の本格的注文住宅です。

設計と施工が分離発注されており、
コンクリート打ち放しが多用されていたり、
本格的フローリングの採用などなど、
デザインに凝った注文住宅です。

リビングダイニングに入ると、
南側の壁際には特注のキッチンが配置され、
その上部から天井にかけて
連装の腰窓が取り付いています。

窓を開けてみようとクレセントに手を伸ばしますがギリギリ届かない。。。

クレセント(フック状の錠)の高さは1.9mほどなのですが、
手前に幅70cmほどのキッチンがあるので手が届かないのです。

キッチンの天板に登ってみようかなとも思いましたが、
ステンレス製の天板を凹ませてはいけないと思いとどまります。

よくよく見ると、
キッチン天板の端っこのほうに、”登らないで下さい!”の張り紙表示。

これでは、踏み台がないとクレセントを開けられないよなぁー。。。

検査時はともかくとしても、
日々の生活で窓を開け閉めするのにも大変だ!

何で、クレセントの取付高さを手の届く位置にしなかったのだろう?

内覧会同行ご依頼者の奥さんから、

「私も工事途中で気がつきました。
 改善の要求をしても、毎回毎回、回答があやふやで一向に話が進展しないんです。。。」

で、施工会社の立会い者に設計図を見せてもらいます。

さすが注文住宅だけあって(?)、
設計図に建具表姿図が記載されています。
しかし、クレセントの高さまでは記載がありません。

「クレセント取付高さは全てサッシ高さのど真ん中になってますね。
 どのような理由で決めたんでしょうか?」

「サッシメーカーで作成した施工図を設計者に承認してもらっています。」

「サッシメーカーにクレセントの取付高さの指示はしていないのですか?」

「・・・・・」

サッシメーカーでは、
窓下にキッチンが配置されることなんて解りません。
そして、指示がなければ、
クレセントの高さを標準的な高さで取付けるような施工図になってしまいます。

では、この問題の責任は設計者? それとも施工会社?

設計者からすれば、
「そんなことくらい、施工会社の方でやってよ!」

施工会社からすれば、
「設計図で細かく指示してくれなきゃわかんないよ!」

私からすれば、どっちもどっち!
両者とも、注文住宅発注者への配慮があれば気付くはず!

たまたま、キッチンとの関係に気がつかなかった?

・・・でもないんです。

実は、キッチンとは関係なく取り付いている腰窓でもクレセントに手が届かず、
リビングダイニングにあるサッシは全滅なのです。

それでもプロか!?
と言いたくなります。

で、結局、サッシ造り直し。

話が進展しなかったクレセントの高さ問題、
この注文住宅内覧会で進展です!!!


2010年01月01日

内覧会★同行日記 【祝300回!内覧会同行ブログ】

【300時限目】                              author アーキスケット 出口

祝2010年!!!
今年も、きっと良い年になますよね!
そして、
祝300回!!!内覧会同行ブログ!

この内覧会同行ブログを書き始めて5年目に突入!

当初は、いつネタ不足になるのか?
なんて思っていましたけど、
残念ながら(?)、ネタ切れすることなくここまで来ちゃいました。。。

そして、色々な方が読んでくれているかと思うと励みにもなります。


マンション購入者より

「内覧会同行ブログを読んで、内覧会同行をお願いしようと思いました!」

「ありがとうございます!」

「専門家としての見方があるんですね。素人の私たちでは無理!」

「やはり、建築は難しいものですから。」

「内覧会同行ブログは引き込まれるようで、いっきに読んでしまいました!
 でも、よくよく読んでいると怖くなってきます。
 内覧会の時の検査でも色々と見つかるものなんですね。。。
 毎回毎回、あんなことが見つかるんですか?」

「内覧会同行ブログは同行の毎には書いてはいません。
 3件から4件に1回くらいでしょうか。。。
 逆に、ひとつのマンションや住宅で複数のブログネタを提供してもらうケースもあります。」

「私たちのお部屋が、内覧会同行ブログのネタにならないと良いんですが。。。」

こればかりは内覧会検査をしてみないと解りません。。。
ブログネタになるような欠陥が発見されないことを祈るばかりです。


大手ゼネコン立会い者より

「あなたがアーキスケットさんなんですね!」

「ハイ。。。」

「内覧会同行ブログ読んでいます!」

「そうですか。ありがとうございます。」

「でも、内覧会同行ブログの内容は実話なんですか?
 信じられない施工ミスなんかがあるものなんですね!」

「全て実話ですよ!私からしても信じられないことが発見されるケースがあります。」 

「技術力や知識の少ないゼネコンなんかもあるんでしょうね。」

「確かにありますね!
 でも、マンション現場監督の知識や誠意の差がでるんじゃないでしょうか。。。」

この大手ゼネコンが施工したマンションでも、
いくつか内覧会同行ブログのネタになっています。
そしてこのマンションでも・・・・


学生時代の友人より

「内覧会同行ブログ、オモシロイね!」

「ありがとう。読んでくれているんだ!」

「でも、出口君って数学は得意だったけど国語は苦手だったよね!」

「確かに!
 でも、ブログと国語は関係ないみたい。」

「本にしたら絶対売れるよ!」

「だと良いけど。。。」

でも出版業界はそんなに甘くは無い。
オモシロイかどうかよりも売れるかどうか?
ターゲットが少ないのであればどうにもならないのです。

でも、ひとつの夢ですね!!!


2009年12月28日

内覧会★同行日記 【シーリング目地幅は問題なし!?】

【299時限目】                              author アーキスケット 出口

ここは、超高層マンションの高層階。

リビングに入ると、
ワイドスパンの連装アルミサッシから
東京下町の街並みが一望できます。

「へえー、東京スカイツリーが正面に見えるんですねー!」

「それもあって、このお部屋に決めました!」

マンション選びの重要なポイントで、
”眺望”
を挙げている方も多いのです。

さて、マンション内覧会検査。
早速、この連装アルミサッシからスタートです。

建物コーナーを隅切りしたデザインの
PC板(コンクリート工場製品)から成る外壁に取り付けられ、
幅は約4m、
中央部がFIX窓で両サイドが片引き窓タイプです。

先ずは部屋内側からの目視検査で、

ビス抜けは無いかなあー ・・・・ 大丈夫!
サッシ枠の凹みやキズは無いかなあー ・・・・ 大丈夫!
ガラスにキズは無いかなあー ・・・・ 大丈夫!
開閉するとき音鳴りは無いかなあー ・・・・ 大丈夫!

次に左側の片引き戸を開けて、
外部側サッシ周りのシーリング(防水材)状況を手探りで確認。

水切り下 ・・・・ 大丈夫!
サッシ枠上部 ・・・・ 大丈夫!
サッシ枠左側 ・・・・ 大丈夫!

引き続き右側の片引き戸を開けてシーリング状況を手探りで確認。

すると、サッシ枠右側のシーリングの手の感触が先ほどとは異なる?

これは目視検査をしなくては!
と、窓から顔を出してみると・・・

ウォーーー!!!、コワァーーー!!!

超高層マンションだった!

気合いを入れなおし、
寒風に髪を乱されながら目視確認!

すると、サッシ左側の目地幅は大きい。
スケールで計測してみると35mmほどもあります。
サッシ右側の目地幅はというと12mmほどしかありません。

下部にあるPC板ジョイント目地幅25mm程度とも考え合わせると、
施工誤差としては12mm程度といったところでしょうか。

4mもある連装アルミサッシに対して12mm程度の施工誤差なんて。。。
と思われるかもしれませんが、
25mmのシーリング目地幅に対して12mmの施工誤差は大き過ぎる!

建物の隅切り(斜め)部分の外壁であり、
PC板取付時の基準線(墨)からの追い出しも難しかったんだろうなあー。。。

こんなとき、
アルミサッシの取り付けを基準線(墨)からの追い出しで取り付けず、
PC板開口のセンター割で取り付ければ良かったのにー!?

だって、他に取り合いは無いのだから!

施工会社の内覧会検査立会い者にシーリング幅の現状を確認してもらうと、
「私には解りませんので、責任者に説明させます!」
と、回答回避。

で、内覧会場。
責任者(?)=現場副所長が登場です。

「アルミサッシの位置がPC板開口に対してズレていて、シーリングの目地幅が違いますね!」
と、先ほどの状況を細かく説明します。

「そうですか。。。。」

「もしかして、知っていたんですか?」

「・・・・・、再度確認してお答えします。。。」
と、即答回避。


後日、マンション内覧会同行のご依頼者よりのご連絡。

「施工会社は、『施工誤差であり問題ありません。』と言ってきました!」

本当に問題は無いのだろうか。。。

外観の見栄えだって違うでしょう!!!

でも、本当に問題なのは・・・・???

超高層マンションのPC板ジョイント目地幅というのは、

・地震時の建物の揺れ(傾斜) ・・・・(層間変位ムーブメント)
・PC板の性質(線膨張係数など) ・・・・(温度ムーブメント)

などの要素により算定されるべきものです。

そして、
目地幅の施工誤差許容値は±5mm
と、日本建築学会仕様では記載されているのです。

「もしかして、知っていたの?」
これは失礼。。。。
施工会社は大手ゼネコン。
言われるまでもなく知っているのでしょう。。。。

「施工誤差であり問題ありません。」
というのであれば、
技術的な見地で数値的などの理由をもって説明してもらいたいものです。

でも、きっと、きっと、問題ないのだと思います・・・・。

 


2009年12月23日

内覧会★同行日記 【サイディング検査は梯子で?】

【298時限目】                              author アーキスケット 出口

住宅内覧会お申込みメールのコメント欄です。

「サイディングが雑につけられており、購入後、欠陥等が出ないか心配です。
 住宅メーカー担当者は、
 私が指摘した欠陥については全面的に認めており、
 改善すると言ってくれています。
 内覧会当日は、
 住宅メーカーの担当者、仲介業者、サイディング業者も来てもらいますので、
 欠陥が見つかれば、どんどん指摘してほしいです。」

で、住宅内覧会当日、
ご依頼者の親子3人と駅で待ち合わせをし現地に向かいます。

すると、
住宅メーカー3名、仲介業者1名、サイディング業者1名がお出迎え。

一通りの挨拶を済ませご依頼者に尋ねます。
「サイディングで雑なところとして気付いたところは何処でしょうか?」

「このポーチ周りで、サイディングを留めてある釘周りに欠けがいくつもあります。」

サイディングの取り付け方法として、
・釘留めする方法
・金物に引っ掛ける方法
とがあります。

釘留めの場合、
よく釘周りのサイディングが欠けていることを見かけます。

「この欠けの大きいのは補修材で穴埋めし塗装のタッチアップをしてください。」

「ハイ、解りました。」

引き続き、全員揃ってぞろぞろと、建物外周をぐるっと一周。
他に釘周りの欠けなどの欠陥が無いかを18個の目で確認します。

釘周りの欠けが2、3か所発見されるものの、
大きな割れや欠けなどは見られません。

「これもタッチアップで補修してください。」

「ハイ、解りました。では・・・・」

と、おもむろに4m梯子が用意されます。

もしかして、
梯子に登って2階外壁全てを確認しろとでも言うのだろうか?
これは、住宅メーカーとしての誠意?
それとも、内覧会同行ご依頼者の指示?

「梯子に登りながら2階外壁全ての検査はできないですよ!」

「しないのですか?」

「そう言う住宅メーカーさんとしては事前に梯子で検査したんですか?」

「・・・・・」

外装の検査は、
施工途中の外部足場を解体する前に行うものです。

ピンポイントの検査ならともかく、
梯子を使って外壁全面の検査なんて危険極まりありません。

2階の外壁については、
窓から覗ける範囲で検査を行っていることを内覧会同行のご依頼者にも説明し、
やっと、通常の内覧会の検査に入ります。


「内覧業者さんの検査はどのくらいかかりますか?」

「平均的には2時間30分程度でしょう。」

「では、サイディング業者の方は帰しても良いですか?」

「良いですよ。
 でも、2階窓周りでサイディングの欠陥が発見されたら、
 指摘を挙げますので後日手直ししてください!」


住宅メーカーとして誠意を見せるのであれば最後までとも思います。
でも、職人さんの都合もあるでしょう。。。

売主側の立会い者のメンバーといい、
梯子の段取りといい、
誠意が非常に感じられた内覧会だった!・・・のでしょうか?

2009年12月20日

内覧会★同行日記 【ボッタクリ?リフォーム相談】

【297時限目】                              author アーキスケット 出口

マンション内覧会同行のご依頼者からの
事前リフォーム相談です。

「リビングと洋室の間仕切りを撤去するリフォームを考えています。
 リフォーム料金は妥当なんでしょうか?」

送付されてきた資料の間取り図を確認すると、
撤去する壁は、
高さ2.4m、延長(距離)4m程度の工事です。

リフォーム見積書で料金を確認すると、

・間仕切り撤去工事価格         1式 22万円
・解体周辺壁補修木工事価格      1式  8万円
・解体周辺クロス工事価格        1式 10万円
・解体周辺フローリング補修工事価格 1式 12万円
・コンセント移設工事価格         1式  6万円
・諸経費                   1式 10万円
・消費税                   1式  3.4万円

合計価格が、なんと71万4千円

これって、ボッタクリ?

でも、建築の素人の方が思っている以上にリフォーム料金というのは高いのです。
この程度のリフォーム工事は規模も小さいため標準価格は当てはまりません。

こんな時は、
労務費と材料費を予想してみると、
案外、料金の妥当性が見えてくるものなのです。

・間仕切り撤去工事は、搬出を含めても3人工くらいかなあー?
・壁下地の補修は大工1人工もあれば出来るはず?
・クロス取り合い補修はクロス職人1人工だろうー?
・フローリング取り合い補修だって1人工じゃないの?
・コンセント移設なんて1時間もあれば出来ちゃうよ?
・諸経費の17%は若干高めかなあー?
・消費税はお国のルールでしょうがない!

材料費なんか、どの工事もたかが知れている?
でも、廃材処理費はちょっと高いかも?

うーーん・・・、
建築の専門家から見ても、ボッタクリ?

「この程度のリフォームですと施工条件なども影響しますので、
 マンション内覧会の時にアドバイスします!」


で、マンション内覧会当日。

ご依頼者とお部屋に入ると、
「わあー、思っていたよりこのリビング広いわあー!!!」

「撤去するのはこの壁ですね!」

「ハイ。」

特段、問題は無さそーです。

リフォーム料金が高くなる要素としては、
マンション引き渡しから引っ越しまでの期間が4日間しかないことと、
材料の搬出入が、他の方の引っ越しと重なるため、階段となってしまうことくらいかな?

次に、お隣の洋室に行ってみます。

「ここにコンセントがあるので、リビングのコンセントは移設ではなく撤去で良いですね。」

「本当ですね。安くなりますよね!」

もしかして・・・・嫌な予感。。。
再び、リビングに戻ります。

やっぱり。。。
フローリングの貼り方向が、
リビングと洋室では異なっているのです。

「どちらかのお部屋のフローリングを全面貼り替えないといけないですね。」

「えっ・・・・、そうなんですか?」

「リフォーム業者は知っているんですかね?」

「お部屋にも入ったことないし、知らないと思います。」

「全面貼り替えとなると、料金が高くなると思いますよ。
 4日間でリフォーム工事が出来るかも確認した方が良いですね!」

「ハイ。。。確認します。。。」


で、後日、
「フローリング貼り替えとなると、やっぱり高いんですね。。。
 今のリビングでも広く感じましたし、
 リフォームはじっくり考えてからにします!!!」

リフォーム業者さん、
大きな利益が出るリフォーム工事の営業妨害をしてしまったかもしれません。
ゴメンナサイ。。。


2009年12月16日

内覧会★同行日記 【天井裏断熱は口頭確認 でも・・・】

【296時限目】                              author アーキスケット 出口

一戸建て住宅内覧会、
検査終了後の住宅メーカー担当者への指摘説明です。

「キッチンの天井クロスに2本の筋が見えますね!」

「確かに照明器具のすぐ横で目立ちますね。。。」

「下地処理のパテが悪いんですね。」

「クロスを剥がして手直しします!」


「ところで、キッチンの上は2階部分が無く屋根ですが、
 断熱材は敷き込まれていますよね?」

天井裏は点検口が無ければ見ることが出来ないので、
口頭確認します。

「天井裏で断熱材を敷き込んでいます!」

「すると、斜め屋根なので他の部屋境いの天井裏の壁にも断熱材はあるんですよね?」

「ハイ、あります!」

この住宅メーカーの担当者、解っているうー!!!・・・・かな?

断熱材の基本は、お部屋をすっぽりと囲むことです。
ただし、サッシのガラス面や給排気口などの開口部分は除きます。

1階部分に斜め屋根がある場合、
他のお部屋の天井裏に寒いあるいは熱い空気が流れ込まないように、
天井裏の壁境い部分にも断熱材を入れ空気の流れを遮断することが基本です。


次はリビングダイニングで、
「この範囲(窓際)の2階はバルコニーなので、
 キッチンと同様に断熱材が敷き込まれていますよね?」

「ハイ、大丈夫です!」

で、ここからが本番!
次はユニットバスに行き、天井点検口を開け指摘説明です。

「このユニットバスの上も2階が無く斜め屋根になっていますが、
 天井裏に断熱材が敷き込まれていませんよ!」

「本当だ!忘れていますね!敷き込みます!」

次に、ユニットバスと他の部屋の天井裏の境い壁を指を差し、

「この部分にも断熱材は必要ですよね!」

「えっ???、この部分にも断熱材が必要なんですか?」

さっきは天井裏の断熱について
意味も解らず調子を合わせた回答をしただけなのか?

「そんなことを言うと、
 先ほどの説明のあったキッチンやリビングダイニングの天井裏の断熱にも 
 疑問を持ってしまいますよ!」

「・・・・、大丈夫だと思います。。。。」

「キッチンはクロスも剥がすことだし、
 ついでにボードを一部めくって
 確認会のときに確認できるようにしておいてください!」

「・・・・ハイ、解りました。。。」


内覧会のタイミングでは、
見られる範囲が限られるため検査の限界もあります。

見えないところは口頭確認を行い、
矛盾点が生じたら順序立てて追及していくというのも
一つの内覧会検査の”高等”テクニックです。

2009年12月13日

内覧会★同行日記 【責任はオプション業者?】

【295時限目】                              author アーキスケット 出口

ここは東京下町、
駅前再開発の超高層マンションの内覧会です。

受付を済ませると売主の内覧レディーが、
「内覧業者の方は、ロビーで少しお待ち下さい!」

で、ご依頼者と一時お別れです。

ところが、
5分、10分、15分・・・・
待てども待てどもお呼びがかかりません。

ようやく30分くらい経ったところで、
「では、ご案内します!」
と、案内されたEVホールで、
まったく知らない方へ引き合わされます。

お互いが、”キョトン???”

「あっ!、大変申し訳ありませんでした。
 Hさんは、既にお部屋に案内してしまいました。。。」

で、案内されたのは、また別な方のお部屋。

再び、”キョトン???”

「大変申し訳ありません。。。間違えました。。。」

で、ようやくご依頼者のお部屋にたどり着き再会です。

お部屋では、インターホンの説明やらセレクトの確認など業者説明中。
一方的に内覧会検査をスタートするわけにもいかず、
手持無沙汰でお部屋を眺めます。

すると、なんとなーく・・・違和感。。。。

その原因はというと、
オプションのダウンライトの位置がバランス悪く配置されているのです。

標準で取り付いている引っ掛けシーリングやダウンライトは
壁センターに配置されているのに、
それを取り巻くオプションのダウンライト群は、壁センターになっていません。

しかも、オプションのダウンライトの一つが、
標準で取り付いているダウンライトの位置から30cm程度。

何を根拠にオプションダウンライトの配置が決められているのか?
理解に苦しみます。

施工会社の担当者に、
「オプションのダウンライトの配置はどのように決めているのですか?」

「私は施工会社の人間ではなく下請け業者なので解りません。。。」

ちょっと呆れる内覧会対応ですが、今更仕方がありません。

一通りの検査終了後に、
内覧会場で施工会社の副所長が登場します。

「オプションのダウンライトの配置はどの様に決めているんですか?」

「オプションのことは解りませんのでオプション業者を呼びましょう!」

で、現れたオプション業者は、

「うーーーん・・・・、壁の・・・・、うーーーん・・・・、天井の・・・・」
埒があきません。

「工事を行ったのは施工会社ですよね!どういう根拠で位置を決定したんですか?」

「オプション業者から”プロット図”をもらい、
 その寸法を、ぶいちで測り(三角スケールで測ること)、天井伏せ図面に落とし込みました!」

「標準の引っ掛けシーリングやダウンライトとの配置の整合をとっていないのですか?」

「オプション会社からもらったプロット図どおりの位置です。」


寸法の入っていないプロット図を施工会社に渡しただけで、
配置の考え方を伝達しない業者も業者ですが、

それをスケッチレベルのプロット図をぶいちで寸法を測り、
しかも、標準電気器具との配置の整合を取らずに図面化してしまう、
施工会社も施工会社です。


内覧レディーは、
自分のミスに対しお詫びをしてくれました。

ダウンライト配置の不整合についての責任の追及は、
施工会社とオプション業者の2社でやってください!

マンション購入者にとっては、
見栄え良く、根拠のある配置に手直しがされれば良いのです。


2009年12月10日

内覧会★同行日記 【煙感知器は目立ない場所に!】

【294時限目】                              author アーキスケット 出口

一戸建て住宅の内覧会です。

玄関から続く廊下を抜けリビングダイニングに入ると、
そこは大空間!

広さは24畳、天井はロフトにつながる斜め天井の吹き抜けで、
高いところでは3.8mほどの天井高さがあります。

ただし、入口部分だけは、
構造体の梁が通っているのか?、
巾1m程度、天井高さ2.2mの下り天井があり、ちょっと残念。。。

アレッ???

この下り天井に煙感知器が取り付いているではありませんか!

念のため、吹き抜けの斜め天井やロフトの天井を見ても、
煙感知器は取り付いていません。

煙は、下から上に上昇していくもの!

万が一、このお部屋で火事が起きたら、
煙は真っ先に斜め天井を伝わりロフトへと移動するのは明白です。

ということは、
下り天井に取り付けられた煙感知器が、
”ピーピーピー”と警報を鳴らすのは、
この大空間がほぼ煙で充満した頃になってしまいます。

内覧会検査を終了し指摘事項説明のときに
施工会社担当者に尋ねます。

「煙感知器の位置は吹き抜け天井でなくて良いのですか?」

「せっかくの吹き抜け天井なので、目立たない場所の下り天井にしました!」

「常識的に考えても、この位置ではオカシイと思いませんか?」

「・・・・・ハイ。。。」

「煙感知器の設置基準では、天井面から60cm以内にするとなっていますよ。」

「そうなんですか?、でも、役所の完了検査は通っています!」

見落としたんでしょ!


次に、洋室で内覧会検査の指摘事項を説明します。

「この壁にクーラー用コンセントがありますね!」

「ハイ、この位置にクーラーを取り付けられるようにしています。」

「でも、このクーラーのすぐ前、しかも、壁際の天井に煙感知器が取り付いていますね!」

「・・・・・」

クーラーがあるということは空気が吹き出されるということです。
ということは、

クーラーの目の前に煙感知器があっても煙が寄ってこないのです。

また、壁際の天井面に煙感知器を取り付けても、
煙が回り込みづらい(らしい)のです。

ということで、
煙感知器の設置基準では、
・吹き出しのある位置から1.5m以上離す。
・壁際から60cm以上離す。
となっています。

そして、できるだけ避難方向である出入り口付近が良いとしています。

このことを施工会社担当者に言うと、
「ここも、役所の完了検査では何も言われませんでしたよ!」

見落としたんでしょ!

「役所の完了検査で何も言われていないのに手直しする必要があるんでしょうか?」

ここで、内覧会同行のご依頼者が、
「法律的にダメなものは手直ししてください!」

「念のため、何かの理由でこの位置で許可を取っていることも考えられるので、
 設計監理者に確認してみてください!」

「ダメな場合は、今のは残しておいて、
 電池式の煙感知器を取り付ければ良いですよね?」

「・・・・・・」

電池式はともかく、
ひとつの部屋に煙感知器が2つもついていたら、
目立っちゃいますよね!

2009年12月06日

内覧会★同行日記 【コンパクトなキッチンスペース】

【293時限目】                              author アーキスケット 出口

送付いただいたマンション内覧会を資料を見ると、
専有面積31平米の1LDKタイプの間取り図です。

この間取りは単身向け?
ということは、単身女性からのマンション内覧会同行のご依頼?

マンション内覧会当日、お会いするとやはり女性お一人。
受付を済ませお部屋に入ります。

リビングダイニングはキッチンと合わせ8.3畳。
ファミリータイプのリビングダイニングを見慣れていると、
ちょっと狭い感じです。

でも、ご依頼者が納得してマンションを購入しているので、
私の感想などどうでも良い。

で、内覧会検査スタート。

お部屋の出来はちょっと悪そう・・・・
真剣な眼差しで検査を進めていきます。

すると、ご依頼者が、
「この冷蔵庫置き場、今の冷蔵庫が入るのかなあー?」
と悩んでいます。

で、早速スケールを取り出し冷蔵庫置き場の寸法を測ります。

壁と壁の間はジャスト60cm!
そして、出巾木が両サイドに1cm程度ずつ出ています。

今時、独身者でも大きな冷蔵庫を使うことが多くなってきています。
中サイズの300Lサイズの冷蔵庫でも巾は60cm以上が一般的なのです。

「今お使いの冷蔵庫のサイズはご存じですか?」

「うーーん・・・・?」

そこまで知っている人は少ないでしょうね。。。

で、これは帰宅してからの確認になります。


後日、この方から、
現在お住まいの賃貸マンションの退去立会いのご依頼があり、
感動(?)の再会です。

「冷蔵庫はどうでしたか?」

「巾がちょうど60cmで入りませんでした。」

「壁の巾木を取り外しても入らないですかね?」

「ダメみたいです。」

「では、冷蔵庫は何処に?」

「今は、”でーーん”と、リビングに置いてあります。(悲)」

「新しいのを買うというのは?」

「ハイ、新しいのを買おうと思って探したところ、
 やっと、巾が60cmを切るのを見つけたんですが奥行きが65cmくらい。
 でも、キッチン入口の三方枠の巾が60cmなので、
 キッチンにすら冷蔵庫を入れることが出来ないと業者が言うんです。(悲)」

「リビングを少しでも広くしようとキッチンをコンパクトにしすぎですね。。。」

「袖壁の方を撤去しようと思って売主に聞いてみたんですが、
 その撤去費用が、『数十万円するでしょう。』と言われました。」

それは高い!!!
たった60cmの壁を撤去するだけで・・・・

でも、撤去後、
床フローリングや天井の仕上げにも費用がかかるので、
素人の方が思っている以上に費用はかかります。

「今のままじゃあー、
 単身赴任者用のアパートなんかにあるコンパクト冷蔵庫しか置けないんです。」

「・・・・・」

「壁って、削ることはできないんですか?」

「削ることは難しいですね。
 現状の壁を撤去して薄い壁を造ることになるでしょうね。。。」

「すると、費用が・・・・考えます。。。。(悩)」


今回の件は、設計者にも問題があります。
間取り図の計画をするに当たっては、
家具などの大きさ(搬入ルートも含め)を想定しながら設計するものです。

どのようなサイズを想定していたんでしょうか?
やはり、単身赴任者用のコンパクト冷蔵庫だったんでしょうか?

と言っている私も、
今回の件で冷蔵庫のサイズをインターネットを調べ、
300Lクラスで
冷蔵庫の巾と奥行きが60cm以下のものが無い(?)ということを知りました。

2009年12月01日

内覧会★同行日記 【検査日は突貫工事、真っ只中!】

【292時限目】                              author アーキスケット 出口

内覧会検査をする一戸建て住宅に到着すると、

駐車スペースはゴミの山。
そして、まだ取り付いていない建材の山。
もちろん外構工事はまったくの手つかずです。

当初の内覧会検査予定日は1週間前だったのですが、
売主側から、
「工事が間に合いません。。。検査日の変更をお願いします。」

業務予定が詰まっており日程調整がつかず、
ご依頼者とは別な日で内覧会検査日を予定します。

先陣を切って私の内覧会検査。
その翌日がご依頼者の施主検査。
そして、なんとその3日後が引き渡し。

ご依頼者が今住んでいるマンションの引き渡しが迫っており、
引っ越し予定も変更ができない状況です。

私の内覧会検査日の3日前、
ご依頼者からのメールです。

『今週末の内覧会検査よろしくお願いいたします。
 ちなみに、この三連休も毎日、現場に顔を出したのですが、
 とても1週間後に引き渡しができる状況には見えませんでした。

 ただ、私の方の都合で今月末には完成させて欲しい・・・・と、
 お願いし無理をさせた感じなのですが、
 突貫工事のようになっていないことを祈ります。。。


で、玄関扉を開けてお部屋に入ります。

すると、クロス職人がクロス貼り突貫工事、事真っ只中!
ほとんどの壁でボード下地が丸見えです。

その横では、電気工が配線突貫工事、真っ只中!
「せーの、せーの・・・」と声を掛け合いながら配線作業中です。

続いて2階、3階に上がってみると、
電気工が器具付け突貫工事、真っ只中!
煙感知器、照明器具、スイッチプレートをドライバー片手に取り付け作業中です。

でも、
造作棚や畳敷き、木製建具の戸当たりなどの取り付けは未済で、
本日は職人すら来ていません。

内覧会検査をするべきか?やめるべきか?
悩みます。
こんな状況での内覧会検査は本当にツライ。。。

でも、引き渡しが4日後。
内覧会検査を強行するしかありません。

ここで、
役所の完成検査はどうなっているんだろう?
と疑問が頭をよぎり、
施工会社の担当者に尋ねます。

「役所の完成検査はいつ予定しているんですか?」

「今日の午前中に終えました。」

一応、検査してくれたんだ。。。ホッ!

通常、こんな状況で検査はしてくれません。
もし、検査をしてくれていなかったら、
建物を使用して良いという許可が出ないということであり、
引っ越しも出来ない状況になるということなのです。

「指摘事項にはどんなことがありましたか?」

「煙感知器取り付けとクロス貼り完了写真の提出指示がありました。」

「売主の自主検査は?」

「・・・・」


で、心に気合いを入れ内覧会検査スタート!!!

そして、予想どおりの結果に。。。。

外は真っ暗、疲れました。。。。


次の日の夜、ご依頼者からのメールです。

『お世話になっております。
 あの状況での引き渡し前検査、大変御苦労されたことと存じます。

 予想以上に未済工事の部分が多くて、
 施主検査自体も、やりようがない・・・・というのが本音でした。

 私の方は特に施主検査というよりは、
 出口様のご指摘部分を施工会社担当者と一緒に確認する・・・という作業でした。

 売主立会者が出口様に指摘事項を見て、
 「よく見ていらっしゃる。」と感心しておりました。

 私のほうも、素人には気づかない部分を多く指摘していただいて
 大変感謝しております。

 入居も12月初旬を予定しているのですが、
 おそらく、その後も工事は続きそうです。

 入居は急ぎましたが、その後は気長に完成を待ちたいと思います。
 
 誠にありがとうございました。』


2009年11月27日

内覧会★同行日記 【ユニクロマンション】

【291時限目】                              author アーキスケット 出口

ここは東京都との埼玉県の県境い近くのマンションです。
最寄駅までは少々歩くものの徒歩圏内、
都心までは30分程度の立地です。

マンション内覧会のご依頼者とともに、
玄関に入ると、

”広い!”

と、感じます。

平面計画はごくありふれた紋切り型の間取りなのですが、
玄関・廊下の幅が1.4m。
一般的な90cmと比較すれば1.5倍もの幅があります。

と、ところがです、
下足入れが無いのです。

「このマンションは下足入れは付かないのですか?」
と、ご依頼者に尋ねると、

「そういった仕様なんです。」

「下足入れ分広いだけなんですね。。。」


続いてリビングダイニングに入ると、

「このマンションのキッチンは吊戸棚も付かない仕様なんです。」
と、ご依頼者が説明してくれます。

お部屋を見渡し、
「このリビングタイニングや洋室は今時めずらしいソフト巾木なんですね。」
と、ご依頼者に言うと、

「そうなんですよ!
 この前、たまたまこのマンションの雑誌取材があり、
 私たちが取材を受けたんですけど、
 その時、取材の方が、

 『このマンションは、”ユニクロマンション”ですね!』
 なんて言ってました!」

うまい表現だなあー!!!

と感心しつつ、
改めてお部屋やテラスを見ると、

外壁はほとんどがタイルと比べれば安上がりな吹き付け塗装。
カーテンレールはオプション対応などなど、

建設費を安くするために、
徹底的に削れるものは削っている印象で、
今話題の”事業仕訳け”を連想してしまいます。

「ところで、このお部屋はいくらだったんですか?」

「80平米を超える広さなのに2900万円だったんです!」

「それは安いですね!
 その価格はクレヨンしんちゃんの街(私の学生時代のいた街)
 あたりの相場かもしれませんね。」


最近のマンションは、
年々グレードアップや新しい仕様などが備えられ完成度が高いものが多くなり、
それなりに値段も高いのが主流でした。

これからは、マンション業界でのユニクロ的発想も、
ひとつの考え方かもしれません。

しかし!!!
内覧会検査では、
売主・施工会社の立会いもなく、
検査後の内覧会場で、
「指摘はクロスのキズ程度ですかねえー。」
と、指摘事項記載表に目も通さず終了させようとした
ユニクロ的発想には賛成は出来ませんよ!!!

 

2009年11月23日

内覧会★同行日記 【仕様が違うんです】

【290時限目】                              author アーキスケット 出口

一戸建て住宅の内覧会。

内覧会同行のご依頼者と駅で待ち合わせをし、
現地までの会話です。

「お送りした図面で変更している点があります。」

「何を変更されたんですか?」

「1階の和室を洋室に変更しました。
 それと、2階と3階の洋室のコンセントの位置を使いやすいところへ移動しています。」

「そうなんですか。」

「建売なんですが、工事前の契約だったので変更ができました!」

「それは良かったですね!完成済みの住宅だと変更するにしても大変ですからね!」
 
で、目的地に到着。
早速、平面図と睨めっこしながら内覧会検査を進めます。


先ずは洋室の検査です。
天井面を見上げると、
図面では、天井付けの煙感知器となっているのですが、
取り付いていません。

壁付けに変更されているのです。(ちなみに他の部屋も全て共通)
これは、位置の変更はあるものの、
煙感知器設置基準に違反はしていません。

次に入口の木製建具のドアを見ると、
図面では、アンダーカット10mmmと記載されているのですが、
隙間は1から2mm程度。
アンダーカットが確保されていません。(ちなみにアンダーカットが必要な扉全て共通)

今度はおトイレの検査です。
図面では、床部分にフローリング貼り方向の矢印が記載されているのですが、
クッションフロアー仕上げです。(ちなみに1階・2階のトイレとも共通)

壁はというと、
図面では、壁に埋め込み収納ボックスが記載されているのですが、
取り付いていません。(ちなみに1階・2階のトイレとも共通)

今度は階段と廊下の検査です。
図面では廊下と階段の境いに三方見切なるものが記載されているのですが、
取り付いていません。(ちなみに1階・2階の階段・廊下とも共通)

今度はキッチン周りの検査です。
図面では、カウンター周りとキッチン入口周りに三方枠が記載されているのですが、
取り付いていません。

今度は洗面室の検査です。
図面では、アルミサッシ下部にカウンターが記載されているのですが、
取り付いていません。

今度は玄関周りの検査です。
図面では、玄関扉が親子タイプで記載されているのですが、
片開きの扉です。


図面とここまで違うかあー???

で、売主立会い者に、
「図面の記載と違っているところが多数ありますね。」

と、上記全てについて説明します。
すると、

「実は、この図面を書いたところは今は倒産しているんです。
 それをうちが買い取って建物を造っているんですが、
 仕様は違うんです!」

「仕様が違うというのは?」

「仕様は、”当社の仕様”で造っています。」

物が付くか付かないは、仕様とは異なるんじゃないの?
と、思いつつ、

「契約図面は、この図面ですよね!」

「そうです。でも、”当社の仕様”で造っています。」

「この変更されているのは知っていましたか?」
と内覧会同行のご依頼者に尋ねると、

「玄関ドアは知っていましたが、それ以外は知りませんでした。」


建物を造る経緯は色々あったのかも知れませんが、
基本的には、図面どおりの建物が引き渡されることが契約です。

図面と違う仕様にするならば、
契約前に住宅購入者に説明する必要があります。
そもそも、契約図面を直すべきなのです。

後は、住宅購入者の判断により協議してもらうことに。。。。

でも、24時間換気のためのアンダーカットは、
法律で定められているものであり、

”当社の仕様”
という理由は成り立ちませんよね!


2009年11月17日

内覧会★同行日記 【EVホール床勾配の理由は?】

【289時限目】                              author アーキスケット 出口

ここは東京のど真ん中の一等地。
完成済みマンションの内覧会です。

さすが高額マンションだからなのか、
竣工後半年を過ぎているにもかかわらず、
内覧会にマンション施工会社が立ち会ってくれます。

お部屋のある目的階のエレベーターホール・内部廊下は少々薄暗く、
床はカーペット敷きのホテルライク(?)な仕様です。

玄関の前まで行くと、
何となく平行感覚に違和感が・・・・

これは間違いなく床に勾配がついているな!
あとでレーザーレベルで確認しよっと!

で、ひととおりのお部屋の中の内覧会検査を済ませ。
玄関前の床勾配を測定します。

玄関ドア際の床は
設備配管のため60cm程度の幅で二重床になっており仕上げは床タイル。
その範囲は玄関ドアの沓摺り高さに合わせほぼフラットです。

ところが、
床タイルと取り合うカーペットの幅50cm程度の範囲で
12mmの段差があり床勾配がついているのです。

念のため、お隣の玄関前はどうかな?
と測定してみると、
やはり同じ床勾配がついています。

このカーペット部分の床下地はコンクリート床。

さては、コンクリートの高さを高く打設し過ぎたな!
そして、幅50cm程度の幅でコンクリートを削り取り、摺りつけたな!
と推察します。

立ち会ったマンション施工会社の担当者に、
「この部分の床に勾配がついていますね!」
と指摘をすると、
「エレベーターシャフトに雨水が入らない様にしているのでしょう。。。」

「ということは他の階でも同じようになっているんですね。
 上の階も見せてください。」

「このマンションはセキュリティーも厳しく、既に入居者もいますので出来ません。」

「では、設計図で床高さについて確認させてください。」

ということで、
ロビーに設置してあるテーブルで設計図を確認します。
しかし、図面上は床勾配をつけるようにはなってはいません。

ここで、事情を聞いていたマンション施工会社の年配者が登場!

「私がここの責任者です!
 設計図には記載されていませんが、
 エレベーターシャフトに雨水が入ってはいけないので
 床に勾配を付けています。」

確かにマンションによっては床勾配を付けています。
しかしそれは、
開放廊下型のマンションの
雨水がエレベータシャフトに入る恐れがある場合で、
床勾配を付ける場所はエレベーターの出入口部分なのです。

でも今回のマンションは内部廊下形式で雨水が入り込むことは基本的に無く、
しかも、床勾配が付いている範囲は各住戸の玄関前であり、
エレベーターホール・内部廊下全体はフラットなのです。

仮に非常階段の扉を開けた場合雨水が入り込むとしても、
相対的にフラットなので、
責任者が言うところの理由が成り立ちません。


「エレベーターシャフトに雨水が入らないように床に勾配を付けているというのであれば、
 売主も解っているのですよね。
 念のため理由書をもらえますか?」

「責任者である私の口頭説明ではダメですか?」

「売主名の文書としてもらえればと思います。」


マンションを施工するに当たって、
何が何でも施工精度をゼロにしてほしいと言っているのではありません。
そして、人間が造るものですからミスだって生じることは重々承知しています。

でも、その対処方法として、
適切な方法を取ってほしいのです。

今回の場合、
エレベーター自体の高さとお部屋の仕上げ高さに12mmという誤差が生じているため、
根本的に手直しすることは困難です。

そして手直し方法として、
コンクリートを削りとって高さを摺りつける範囲を
体感で解らない程度にしてもらいたかったということです。

果たして、どんな理由書が出てくることやら。。。。


2009年11月12日

内覧会★同行日記 【ゼネコン勤務者からの依頼】

【288時限目】                              author アーキスケット 出口

一戸建て木造住宅の内覧会同行のご依頼者から
事前に送付されてきた資料の封筒を開けるとお手紙が・・・・

『はじめまして。私は〇〇建設の積算部に勤めています。
 事務職なので建築の知識はありません。
 最初は同じ部署の人に頼もうと思ったのですが、
 受けてくれる人がいませんでした。
 よろしくお願い申し上げます。』

〇〇建設と言えば、ほとんどの人が知っている建設会社です。
で、受けてくれる人がいなかったことについて伺うと、
こんなやり取りがあったらしい。

「Aさん!一級建築士の資格をお持ちだったですよね!
 今度、うちの内覧会があるんですが、同行検査をお願いできないでしょうか?」

「いやあー。。。僕は積算一筋だから一級建築士を持ってはいるけど検査はどうも・・・・」

「Bさん!積算の前は現場施工をしていたんですよね!
 今度うちの内覧会があるんですが、同行検査をお願いできないでしょうか?」

「マンションだったら解るけど、木造住宅はどうも・・・・」

これは、体の良い断り方なのでしょうか???

内覧会検査を頼むんだったら、建築の資格を持っている人!!!

と思われてる方も多いと思います。
でも、内覧会の検査をするのに資格は必要ないのです。
この業界、
中には、本職が内装職人が行っているところ。
中には、本職がリフォーム業が行っているところ。
中には、本職がフロアーコーティング業が行っているところ。
すらあるのです。

でも、資格はあった方が良い!
それも建築施工管理技士よりは建築士!!
同じ建築士でも、二級建築士よりは一級建築士!!!

と思われている方も多いと思います。
でも、
一級建築士は何でも知っていると思われている方が何と多いことか。。。

確かに資格を持っていないより持っている方が良いでしょう。
先ずは最低限の知識あるという土俵に上がっていることに越したことはありません。

でも、一級建築士も医者の資格と同じで専門が分かれるのです。
耳鼻科医が外科手術はできないでしょう。
それと一緒で、積算専門の一級建築士が木造住宅の検査は難しいかもしれません。

住宅建物といっても、その構造や規模は千差万別。

構造体としては、
RC造、PC造、S造、SRC造、木造在来工法、ツーバイフォー工法などなど。

構造形式としては、
耐震構造、免震構造、制震構造などなど。

規模としては、
超高層、高層、低層、地下階の有無などなど。

そして、それらの組み合わせで住宅系建物の設計がされているのです。
一級建築士と言えども、
オールマイティーにこれらの知識を持っている人は、
そうそういないのではないでしょうか。。。。

内覧会同行をご依頼するときは、
その建物の規模・構造などにより、
業者名というよりはむしろ
実際に来てくれる同行者個人の知識と経験が大きく物を言うでしょう。


今回の一戸建て木造住宅の内覧会、
なかなか良い出来栄えでしたが、ユニットバスの天井裏を見ると
ボードを留めるビスピッチが不足しています。

もし、ゼネコン積算部署の方が検査していたならば、
気付かなかったかもしれませんね!

2009年11月09日

内覧会★同行日記 【こだわり住宅内覧会】

【287時限目】                              author アーキスケット 出口

住宅価格って解りづらいですねー!!!

超大手の住宅メーカーでは坪110万円前後、
良く知られた住宅メーカーでは坪80万円前後、
中堅どころの住宅メーカーでは坪65万円前後、
安さを売りにしている住宅メーカーでは坪50万円前後、
中には坪40万円前後なんていう住宅メーカーなんてものもあります。

一体何が違うんだろう???
住宅の見積書を査定・チェックしていると色々なカラクリが見え隠れします。

見積もり価格が高い住宅メーカーは、
やはりシステムキッチンや洗面化粧台、
ユニットバスなどの住設機器のグレードが良いという傾向があります。

見積もり価格が安い住宅メーカーは、
何でもかんでも徹底的にグレードが低いものを採用しています。

しかし、それだけで住宅価格がこんなに違ってくるのでしょうか?

答えはNOです。

住宅価格の違いのカラクリは、”構造体”の価格にあります。

特殊な金物を使っているとか、
工場組み立て加工するだとか、
技術開発料だとか、
何だかんだ理由を付けて価格が高くなっていることが多々あります。

でも、まだそれが理由ならまだ良い方。
ひどい住宅見積書なんかは、
ほとんど変わり映えのしない軸組み在来工法の構造体価格が、
素人には解りづらい、『一式 うん百万円』などと高額に記載している
坪80万円前後の大手ハウスメーカーだってあるのです。

で、内覧会に行ったりしてみると、
坪50万円の住宅メーカーとそんなに変わり映えしないなんてことも。。。。


余談が長くなりました。

さて住宅内覧会です。
事前に送付していただいた資料を見ると、
坪50万円程度の住宅メーカーの建物です。

そして資料には追加変更工事の見積書が山のように添付されています。

何とその総額、780万円!!!

その内容はというと、
・外装サイディングを標準仕様から重厚感あふれる最高級グレードへ。
・くつろげる空間としてバルコニーを増床。
・平天井を折り上げ天井にし雰囲気のあるリビングに。
・一般的なフローリング床をゴージャス感ある石調床材に。
・階段手摺をクロス仕上げの腰壁からデザイン性豊かな銘木を使用した洋風手摺に。
・システムキッチンや食器棚は奥さん好みのハイグレードに。
・玄関には部屋内だというのに坪庭を配置。
などなど・・・・書ききれません。

そして内覧会当日。

「それにしてもすごい額の追加変更工事ですね!」

「ハイ、いろいろと考えたんで結構楽しめました!」と、太っ腹なご依頼者。

お部屋に入ると、
「あなたのこだわっていた階段の手摺、思ってた以上に良いわねえー!」

「お前の選んだシステムキッチンも使いやすそうでデザインも良いね!」

「あなたの選んだこの石調の床なんか明るくてセンスあるわあー!」

「お前の考えた坪庭だって大正解!」

などと、思い通りの出来栄えに夫婦ともども大満足!!!

私の目から見ても、
こだわりのハイグレード注文住宅のようにしか見えません。

やっぱり、780万円の追加変更をしただけのことはあるよなあー!

でも、よくよく考えると、
坪当たり20万円程度のグレードアップ。
住宅価格全体で考えると坪70万円で出来ちゃっているんです。

大手住宅メーカー標準仕様のものよりずっと良い!

お見事!


2009年11月05日

内覧会★同行日記 【補助手摺下地はどこ太?】

【286時限目】                              author アーキスケット 出口

マンション内覧会でお部屋の検査終了後に、
私の挙げた指摘事項をひとつひとつその場所、場所に行って説明します。

そして最後のひとつ、施工会社立会者に確認します。

「カタログにある専有部分内部仕上げ表では、
 玄関、廊下、リビング・ダイニング、和室、洗面室、トイレに、
 将来用の補助手摺下地が取り付くことになっています。
 でも、どの位置に補助手摺下地があるのか解りません。。。。」

「そうですか。。。。」

「補助手摺下地の位置を示すものはマンション購入者に渡されないのですか?」

「その予定はありません。」

「それじゃー、マンション購入者はどうやってその位置を発見すれば良いのですか?」

「マンション管理組合への引き継ぎ図書として大工の造作図を渡すことになっています。
 それを見れば解ると思います。」

「補助手摺下地の位置が大工の造作図に記載されているというのは、
 マンション購入者はどうやって解るんですか?」

「・・・・・」

「大工の造作図では不親切ですよね。
 場所がちゃんと解るような説明資料が必要じゃないでしょうか?」

「売主と相談します。。。」

「ちなみに、この和室のどこに補助手摺下地があるんですか?」

「このアルミサッシの横だと思います。」

ここで、この内覧会ブログにたびたび目にする、”どこ太”くん登場!

この検査道具、針が出てきて下地がある場所が解るものです。

指示された場所に、
『プスッ』

”どこ太”くんの針は、石膏ボードを突き抜け空気層へ突入。

補助手摺下地なんかはありません。

「この位置には無いようですね。」

「内覧会場で設計図面で調べます。」

ということで、
マンションロビーに設営された内覧会場で設計図を確認します。

すると、
”手摺下地凡例図”なるものが記載されており、
平面図や展開図に補助手摺の位置が事細かに示されています。

なーんだ。この凡例図をマンション購入者に渡せば良いんじゃないの?

なんで、『大工の造作図を見てくれ。』なんて言うんだろう?

そして、その凡例図をよくよく見ると、
先ほど、”どこ太”くんで刺した場所ではなく、
アルミサッシの反対側に補助手摺下地があることになっています。

施工会社の立会者の勘違いだったんだあー。。。

と、思っているところに、
図面確認と並行して、
現地を確認しに行っていた現場所長らしき人が戻ってきて、
「リビングダイニングと和室には、補助手摺下地は入っていませんでした。。。」

「このお部屋だけではなく、このマンション全ての所帯も入っていないのでしょうか?」

「ハイ。全て共通です。。。」

この短い時間(10分程度)に、200所帯弱の全てを確認できたのだろうか?


すると、検査に立ち会った担当者の方が、
「補助手摺下地については、重要事項説明で記載されるべきもので、
 そこには補助手摺下地が記載されていません。
 ですから、カタログの、”表記ミス”だと思います。」

「補助手摺の取り付けは重要事項説明に該当するものではありません。
 追記として記載するかしないかは勝手ですが、
 マンション購入者には解らないことですよ!

 カタログにも明記されているし、
 設計図にも明記されているし、
 このマンションの設計思想ですよね!
 これは、”表記ミス”ではなく、”施工ミス”じゃないですか?」

「売主と相談し回答します。。。。」

一体、何を相談するのだろうか?

正当な理由があって補助手摺下地を取り止めているのなら、
ちゃんとマンション購入者全所帯に説明してほしいし、

施工会社の単純な、”施工ミス”なら、
デベロッパーは安易な妥協はしないでほしい。

でも、その場合、
所帯数が多いだけに大変だあー。。。

2009年11月01日

内覧会★同行日記 【継ぎ足されたアルミ手摺】

【285時限目】                              author アーキスケット 出口

マンション内覧会です。
このマンション、地下1階地上9階建ての鉄筋コンクリート造で
2棟がL字形でエキスパンションジョイントで繋がった構造となっています。

内覧会の受付を済ませ、
ご依頼者と施工会社の立会者とともに、
目的のお部屋のある3階でエレベーターを降ります。

共用廊下を歩いて行くと、
2つの棟を繋ぐエキスパンションジョイントの金物が1階から9階まで見渡せます。

でも、エキスパンションジョイント金物の大きさが階によってまちまちなのです。

施工会社の立会者に、
「エキスパンションジョイントの大きさが階によって違っているのはどうしてですか?」
と尋ねます。

「地震の時に階によってマンションの揺れる幅が違いますから、
 それに合わせてエキスパンションジョイントの大きさを決定しています!」

「そうなんですね。。。
 だからコンクリート手摺だけの階とアルミ手摺を継ぎ足したものとが混在してるんですね。」

「ハイ!」

「施工するのも面倒くさかったんじゃないですか?」

「その通りなんです!」

「でも、見栄えは悪いですね。」

「そういった設計ですから。。。」

パンフレットにある全体平面を見ても、そこまでの細かい記載はされていません。

まあー、説明としては理にかなってはいます。

さて、お部屋に入り、
本格的に内覧会の検査スタートです。

で、いつものようにバルコニーから検査を進めます。

すると、コンクリート手摺の端っこに
共用廊下と同様、
手摺子2本のアルミ手摺が継ぎ足されています。

コンクリート手摺と隣戸の壁との間は25cm程度。
この隙間に継ぎ足されたアルミ手摺が無ければ危険です。

一般的には、手摺の隙間は11cm以下に設計します。
理由は、子供が落ちないためにはこの位の隙間以下にしなければならないからなのです。

ここも、エキスパンションジョイントなのか?

でも、でも、でも、でも!

バルコニーの床を見ると、
隣戸の壁に繋がっているではありませんか。

もしかして、床だけエキスパンションジョイントにするのを間違えた?
それこそ大きな構造的欠陥となってしまいます。

そこで、間取り図をよくよく見ると、
隣戸も同じ棟であり、エキスパンションジョイントを設けるところではありません。
そして、アルミ手摺の継ぎ足しの表記もなく、
コンクリート手摺が壁際まで伸びています。

じゃー、このアルミ手摺の継ぎ足しは何なんだ?

で、手摺から外側へ頭を突き出し、
下の階の手摺を見てみます。

でも、やっぱりアルミ手摺の継ぎ足しがされています。
次に上の階の手摺を見てみます。

すると、アルミ手摺の継ぎ足しなんかされていません!

施工会社の立会者を呼び、
「このアルミ手摺が継ぎ足しされた理由はエキスパンションジョイントだからですか?」
と尋ねます。

「・・・・・」

「違いますよねえー。じゃー、理由は何なんでしょうか?」

「実は、コンクリート施工図を間違えました。。。。」

「ということは、間違いを気付いたのが最近ということですか?」

「・・・・・」

もう、足場も無いし、引き渡しも間近だし、
今更コンクリート手摺にするといった手直しが出来ないということで、
アルミ手摺の継ぎ足しといった対策を取ったということです。

「でも、上の階からはちゃんとした位置のコンクリート手摺になっているから、
 最近解ったということではないんじゃないですか?」

「・・・・・」

見え透いた言い訳はしないでほしい。

その時にきちんとした決断をしていれば、
鉄筋の接合やコンクリートの打ち継ぎ処理などの
手間暇かかる問題はあるにせよ、
適切な対処方法はあったはずです。

でも、今更です。。。

「マンション購入者に、訂正図を渡し変更理由を説明するべきではないでしょうか。」

「・・・・・」

あまりにもお粗末で恥ずかしい施工なので、
説明も出来ないということでしょうか?


2009年10月26日

内覧会★同行日記 【リビングダイニングが狭い!】

【284時限目】                              author アーキスケット 出口         

「もしもし、マンション内覧会同行の依頼をキャンセルしたいんですが・・・・」

えっ・・・と思いつつも、
「1ヵ月以上も先の予定ですので良いですよ!」と答えます。

「で、話は変わりますが、
 間取り変更についてアドバイスしてもらいたいのですが・・・・」

「何かあったんですか?」

ということで、
マンション近くのファミレスで図面を広げながら話を伺います。

「マンション内覧会前なのですが、
 お部屋を見せていただいた時、リビングダイニングが、
 ”思っていた以上に狭い!”
 と感じました。。。」


内覧会同行をしていると、
この、”思っていた以上に狭い!”といった感想を持たれる方が
なんと多いことか。。。

通常、お部屋の平米面積に0.3025を掛けた数値が坪数で、
坪数に2を掛けた数値が畳の数となります。
数値的なものは間違いないと思いますが、
お部屋の形状や家具の有無によって、
やはり、感覚的に皆さんそう思ってしまうみたいです。

でも、今回は・・・・

 
「で、お部屋をよくよく見ると、
 和室の間仕切りの位置が45cmズレているんです。
 それまでは、売主も全く気づいていなかったみたいです。」

「もともとはメニュープランで、
 和室6畳を4.5畳に変更しリビングダイニングを広げたんですよね!
 だったら、間仕切りを90cm移動するのが正解ですね。」

墨出し間違いなのだろうか?
よく、スケールの当て方の理由で、
10cmズレてしまったという間違いがあるのですが、
45cmといった中途半端な数値の間違いはなんなんだろう?

どうやら、他のお部屋でも間違いがあったらしく、
墨出し間違いではないらしい。
施工図の間違いだ!
 

「で、売主も、『直します。』ということなんですが、
 リビングダイニングが10.5畳ではやっぱり狭いので、
 この際、和室をなくしてしまおうと思っています。」

「売主が了解するかどうか解りませんよ。」

「対応してくれるそうです!!!」


で、間取り変更のご相談。
和室を無くし、リビングダイニングを広くした平面詳細図まで用意されています。

しかし、
ただ単純に部屋を広げただけではいけません。
お部屋の使い方や家具の配置を考え、
細かいところの確認や変更をしなければならないのです。

・照明器具の位置変更
・マルチメディアコンセントの位置変更
・和室だった時の襖を引き戸にする仕様変更
・和室にあったアルミサッシ額縁の仕様変更
・木製建具の開き勝手の変更
・物入れの位置の変更

などなどをアドバイス。

しかし、この中には、
無償では変更してもらえないだろうな?
といったアドバイスもあります。

この辺は、重々説明し、
交渉戦略(秘密)も練りに練ってアドバイス。

全部が全部、無償を主張するのは不当かもしれませんが、
売主には出来るだけ対応してもらいたいものです。

だって、和室を造り直すより、リビングダイニングを広げる方が
安く、早く手直し出来るはずですから。。。

ご依頼者には、
多少有償なものがあっても変更することをお勧めします。

だって、後悔しそうだったリビングダイニングの狭さを
広くすることが出来るんですから。。。

あとは交渉次第!


 

            

2009年10月21日

内覧会★同行日記 【手付金放棄だー!違約金だー!】

【283時限目】                              author アーキスケット 出口

今回の内覧会同行のマンションは、
世に言う、アウトレットマンション。

例の如くマンション売主からは、
「大幅値引きをしているので、現状引き渡しです!」

でも、内覧会同行のご依頼者は、
「キズ・汚れは重々承知してますが、構造的な欠陥がないかどうかが心配!」

ということで、マンション内覧会検査スタート!

このお部屋は、
地下1階にテラス、リビングダイニング、キッチン、水周り、
1階にバルコニー、洋室
があるメゾネットタイプです。

さすが、アウトレットマンション!?

検査を進めていくと、
テラス外周の擁壁は、各所に錆び汁が流れ出し、
バルコニーの床は乾燥収縮によるひび割れが数か所、
また、水勾配が無く、壁際の長尺シートが端から端まで大きな水溜り跡、
極めつけが、
洋室に火災報知機が付いていない。
などの不具合が発見されます。

さすがにマンション売主も、
「火災報知機はすぐに取り付けます。その他の指摘は検討します。」


マンション内覧会同行のご依頼者に、
「その他、気になったことや質問はありませんか?」
と尋ねると、

「24時間換気の排気音が気になります!」

「???」 

このお部屋の24時間換気は付けていないのですが、
どうやら、お隣の排気音らしい。
ちなみに、窓を閉め切っても気になるとのこと。

耳を澄ましたのですが、私には聞き取れるかどうか程度の音です。

「私は音にスゴイ敏感で、だからこそ閑静な場所にあるこのマンションを選びました。
 でも、これって仕方のないことかしら。。。」


で、翌日、マンション内覧会同行のご依頼者から電話連絡が入ります。

「色々と不具合が見つかったこともありますが、
 やっぱり音が気になるので、マンション購入の契約解除をしようと思っています。。。」

「音は一度気になりだしたら、ずうっと気になってしまうかもしれませんね。
 いずれにしても、後悔のない決断をする必要がありますね。」

「でも、マンション売主に100万円の手付金放棄で契約解除の申し入れをしたら、
 『代金20%の700万円の違約金が発生します!』と言われました。。。
 あきらめるしかないのでしょうか。。。」


この段階で、本当に違約金となるのだろうか???

違約金が発生するのは、
相手方が契約の履行に着手した時からです。

ここで、”契約の履行に着手”とは何ぞや?

ということがポイントになります。

一般論で言うならば、
『客観的に外部から認識しうるような形で履行行為の一部をなし、
 または履行の提供をするために欠くことのできない前提行為をした場合』

うーん、難しい。。。

”外部から認識しうるような形”
の具体例としては、

・鍵の引き渡しがされた。
・所有権の移転登記(新築の場合は保存登記)がされた。
などで、これは明らかに、”契約の履行に着手”でしょう。

でも、悩ましいのが、”前提行為”

・契約から建物引き渡しまでの期間で解約申し入れのタイミングといった時間的経緯
・デベロッパー社内での業務進捗度
などで、ケースバイケースの諸事情が勘案されるのでしょう。

そして、当事者間で合意に至らない場合は、

最終的には裁判所の判断

マンション購入者にとって、
裁判にするか?しないか?悩みどころになってしまいます。


2009年10月18日

内覧会★同行日記 【外張り断熱は難しい!】

【282時限目】                              author アーキスケット 出口

外張り断熱って何?

読んで字のごとく、
外壁躯体(コンクリートなど)の外部側で断熱することです。
この外張り断熱は、
外部側で熱を遮断してしまうため、
お部屋の結露対策や温度環境を保つうえでは理想的です。

でも、一般的には、
外壁躯体(コンクリートなど)の部屋側でウレタン吹付などの断熱が行われます。

何故、外張り断熱が流行らないのか?


さて、マンション内覧会。
今回は、世にも珍しい外張り断熱マンションです。

で、早速、検査するお部屋のバルコニーに出ててみます。

構造断面としては、
コンクリート壁の外部側に、
断熱材が貼られたパネル(アスロック)が横張りされ、
タイル貼りで仕上げられています。

立ち会った施工会社担当者に、
「外張り断熱は、施工上、色々と納まりが難しかったんじゃないですか?」
と尋ねます。

「外張り断熱マンションを造るのは初めてです。。。
 でも、設計者が外張り断熱マンションを得意としているので問題ありません!」

と、挨拶がてらの会話から、
マンション内覧会検査スタート!

先ず気になってのが、
外張り断熱のパネルで全体の壁厚が大きいため、
AW(アルミサッシ)の水切りの出寸法が大きくなっていることです。

先端部分は床との隙間20mm程度にシーリングがされているのですが、
這いつくばって、パネル下部の隙間からAW水切り小口を覗きこんでみると、
奥の方でシーリングがされていないのを発見です。

これは、
外張り断熱パネルで邪魔をされ、
奥の方までシーリングが届かなかったのだろうと推察できます。

「AW水切り小口にシーリングがされていませんよ!
 これでは、雨が部屋に浸入する危険がありますね!」

「ウレタン防水を立ち上げているので大丈夫です。。。」

「AW水切り先端はシーリングがあるのに
 小口部分でシーリングがされていないことに矛盾がありますよね。
 しかも、ウレタン防水だって、
 水切り下20mm程度の隙間から奥行70mm程度のところを施工するのも、
 非常に難しいですよね!」

「・・・・・」

「そもそも、施工順序が違うんじゃないですか?」

一般的な内断熱マンションでは、
最後の最後にAW水切り下のシーリングを行えば良いのですが、
この水切り小口をシーリングするためには、
外張り断熱パネルを取り付ける前に、
ウレタン防水を行い、長尺シートを貼り、シーリングをしなければなりません。
これは、非常に無理のある施工順序です。

ということで、目をつぶってしまったのか?

「今更、外壁パネルを取り外すこともできないので、
 AW水切り小口際の外張り断熱パネル下部を15cm程度シーリングするなどで、
 AW水切り小口下がら雨水が浸入しないような対策をしてください!」


次に、外壁面を見ると、
バルコニーの天井と床部分で、
当然のごとく外張り断熱のパネルは遮断されています。

施工会社の担当者に、
「スラブ部分のヒートブリッジに対する断熱折り返しは見受けられませんが、
 部屋側の天井で折り返し断熱はされているのでしょうか?」
と、尋ねます。

「このマンションでは断熱の折り返しはされない設計仕様になっています。」

やっぱり。。。。


次に、共用廊下に出てみます。

「この共用廊下の外壁は、外張り断熱がされていませんが?」

「ハイ、ここは内部廊下で空調もしてありますので問題ありません。」

「そうですか。
 先ほど、ユニットバスの天井から洋室の横にあるエレベーターシャフトの壁を見ましたが、
 断熱材は無く、コンクリート壁が見えていました。
 エレベーターシャフト内も空調がされているのでしょうか?」

「・・・・・」


マンションでは、
本当に外張り断熱にするのは難しい!

ところどころで、ウレタン吹付けなどの内断熱を併用しなければ、
納まりきらないところがたくさんあるのです。

でも、併用するくらいだったら内断熱にしてしまったほうが良い。
だって、手間もコストもかかるから。。。。

だから、マンションで外張り断熱は流行らない!?

2009年10月14日

内覧会★同行日記 【防火区画に給排気口?】

【281時限目】                              author アーキスケット 出口

前回の内覧会ブログで記載した、
欠陥マンション検査の話題をもうひとつ。

界壁(戸境い壁)の遮音仕様の検査を終え、
玄関扉を開けお部屋の外に出ます。

そこは、ALCの壁に囲われた階段室。

ふと、お部屋側の壁を振り返ると、
玄関ドアの上に150Φの給気口や排気口が取り付いています。

でも、FD(ファイアーダンパー)が無い!

FD(ファイアーダンパー)とは、
2枚半円の鉄板が兆番で繋がれ合わさったもので、
火災の時、
ヒューズが溶け鉄板が開くことによって給排気口の穴を塞ぐものです。

建物内部で火災の広がりを防ぐために定められた防火区画や、
隣家などの火災の延焼を防ぐために定められた範囲に取り付けられます。

そして、ここはALC壁に囲われた階段室。
竪穴区画という防火区画なので、
各住戸と階段室では
火災の延焼を防止する措置が講じられていなければならないはずです。
そもそも、給水以外の設備配管の防火区画貫通があること自体がNGかも?

念のため、防火区画図を確認しようとしても、
防火区画図もありません。

これまた、建築基準法違反!?
さらに、消防法違反!?

だから、
中間検査も完成検査も受けられなかったのか?
だから、
完了報告もできず検査済証も未発行なのか?


でも、でも・・・・・
そもそも給気口や排気口が、
何でALC壁に囲われた壁に取り付いているの?

だって、
給気は外気から取り入れるものでしょう!
排気は外気に排出するものでしょう!

それとも、壁に囲われた内部階段でも外気というのだろうか?

では、図面ではどうなっているのだろうか?
ということで、
平面図や設備図を確認してみます。
すると、
当然のように外気に面したバルコニー側に取り付けることになっているのです。
しかも、延焼範囲に入っているのでFD(ファイアーダンパー)付きと明記。

これまた、建築基準法違反!?


界壁(戸境い壁)の仕様変更といい、
給排気口の位置の変更といい、
しかも、建築基準法や消防法の違反を犯してまで、

何で仕様や位置を変更したのだろうか?

今後、協議や法的手続きになる可能性のある相手に対し、
今の段階では確認のしようがありません。

2009年10月10日

内覧会★同行日記 【変更された界壁遮音仕様】

【280時限目】                              author アーキスケット 出口

「賃貸マンションを建設したんですが、
 どうも隣同志の部屋で音が気になります。
 設計仕様と異なるんじゃないか?と思うんですが検査してください。」

と、マンションオーナーから検査依頼です。

今回は、内覧会というタイミングではなく、
引き渡し後のマンショントラブル検査なのですが、
参考になるかと思いブログにしました。

この賃貸マンションは鉄骨ALC造で、
界壁(戸境い壁)の構造を図面で確認すると、
ALC厚さ100mm、両面モルタル15mm塗りとなっています。

検査当日、ひとつめのお部屋に入り界壁(戸境い壁)を見ると、
一見して、『ありえない!』ものが目に飛び込んできます。

それは、コンセント!

「コンセントなんて、壁にあるのは普通じゃないの?」
と、疑問に思われるかも知れませんが、
いえいえ、普通じゃないのです。

建築基準法では、
政令で定める遮音仕様の技術的基準を満たす、
国土交通大臣が定めた構造方法
または、
国土交通大臣の認定を受けた構造方法
としなければなりません。

このマンションの界壁は、
図面上、ALC厚さ100mm、両面モルタル15mm塗りであり、
国土交通大臣が定めた最低限の構造方法なのですが、
コンセントを埋め込むなど、
この壁に穴を開けたり切り欠いたりしては遮音性能が低減してしまいます。

で、
この壁を拳骨でコンコン、コンコン。
アレッ?
モルタルではなくボードだ!

設計図と界壁仕様が違うのです。

ユニットバスに行き、天井裏から点検してみると、
先ほどの部屋から遮音シートがはみ出てきているのが見えます。
モルタルの代わりに遮音シートに変更したのか?

でも、この遮音シートは、国土交通大臣の認定を受けた構造方法ではありません。
ということは、
建築基準法違反???

と、今だにユニットバスの天井裏に頭を突っ込みながら考えていると、
さらに、『ありえない!』ものが目に飛び込んできます。

それは、ALC素地!

このユニットバス部分の界壁は、
ALC壁にモルタル塗りどころか遮音シートすら貼られていないのです。
ということは、
建築基準法違反!!!


でもでも、
工事中の役所による中間検査や完了検査では気づかなかったのだろうか?

でも、見落とすことなんてよくあること!?

で、マンションオーナーに、
「これで、検査済証がよく降りましたね!」
と確認すると、

予想すらしていなかった、『ありえない!』回答がされます。

「検査済証は受け取っていません。。。」

「えっ!!!」

これは、
間違いなく建築基準法違反!!!


この賃貸マンション、
まだまだ、建築基準法に抵触する欠陥工事や手抜き工事、
コストダウンのための勝手な仕様変更が発見されていきます。

それらを含め、
今後、弁護士とも相談し、法的手続きへと続くのかもしれません。。。。

2009年10月07日

内覧会★同行日記 【内覧会キャンセル】

【279時限目】                              author アーキスケット 出口

マンション内覧会同行のお申し込み者から、
事前の電話相談が入ります。

「内覧会当日にご相談しようと思っていたんですが、
 事前にお伺いしておいた方が良いかと思ってご連絡しました。。。」

「ハイ、どんなことでしょうか?」

「家族の事情で、入居前にマンションのおトイレを2つに改修しようと考えています。
 簡単に出来るものなのでしょうか?」

「おトイレを2つにですか・・・・」

「リフォーム業者に見積もりを取ろうと思ったんですが、
 『トイレは2つには出来ないんじゃないの?』と言われて心配になりました。」

「そうですね・・・・
 どういうふうにトイレを設置するかにもよりますが、
 トイレの排水縦管や部屋内にあるパイプスペースの壁を壊したりすることとなると、
 簡単ではないと思いますよ。」

「そうなんですか。。。」

「排水縦管やパイプシャフトは共用部といって、
 居住者が勝手にいじって良いものではないんです。
 これは、区分所有法に定められているもので、
 もし、その共用部をいじるのであれば、
 マンション管理組合の総会決議による過半数の承認が必要ではないでしょうか。」

「そうなんですか。。。」

「その場合、個別の問題なのでマンション管理組合の承認が取れるとも限りません。」
 しかも、マンション管理組合の設立もだいぶ後になると思いますよ。」

「えーーーーー、それは困ります!
 マンション購入契約前に売主からは、『出来ますよ!』と聞いているんです!
 おトイレを2つに出来るということでマンション購入契約をしているんです!」

「本当に売主は、『出来ますよ!』と言っているんですか?
 もしかしたら、何か方法があるのかもしれませんね。
 でも、念のため確認しておいた方が良いですよ!」


今回はごく稀なケースではありますが、
マンション購入契約時のトラブルをよく耳にすることがあります。
その原因のひとつに、
マンション販売の営業マンはマンションを売りたいがために
マンション購入者の質問に安易に回答してしまっているケースがあります。

営業マンにとっては受け流してしまいそうな質問でも、
マンション購入者にとっては、
それはそれは重要な問題ことだってあるのです。
ですので、
『絶対に間違いのない回答』をしてほしいものです。

そして、今回のケースは・・・・


マンション内覧会1週間前、
マンション内覧会同行のお申し込み者から改めて電話連絡が入ります。

「売主に確認したところ、
 トイレを2つにするのは技術的には出来るということらしいです。
 これは、施工会社に聞いてそういう回答だったからだそうです。
 でも、
 それはあくまでも技術的にということで、
 後はご自身で、
 マンション管理組合の承認を取ってくださいということです。」

「やっぱりそうでしたか。。。
 この売主担当者は、区分所有法は頭になかったのでしょうね。」

「今ごろになってこんな回答されるなんて・・・・
 家族会議をした結果、マンション購入の契約解除をしようと考えています。
 直前で申し訳ありませんが内覧会同行のキャンセルをお願いしたいんですが・・・・」

「やむを得ない事情ですので、それは結構ですよ。」

「約1年もの間、いろいろと準備をしてきたのにやりきれません。。。
 精神的苦痛なんかで損害賠償請求はできるものなのでしょうか?」

「それは、私がどうのこうの言えるものではありませんので
 弁護士に相談された方が良いです。
 でもその前に、
 契約解除ができるかどうかが心配です。」

「えっ?」

「トイレを2つに出来ることが条件という書面はあるのでしょうか?」

「ありません。」

「これまでのやりとりから、売主の誠意ある対応をしてもらえると思いますが、
 先ずは、契約解除して手付金が戻ってくるのか確認した方が良いですよ!」

「早速、確認します!」


まだまだ戦いは続きます。
それこそ、手付金放棄による契約解除なんてことになったら、
踏んだり蹴ったりです。。。

2009年10月03日

内覧会★同行日記 【使えないマルチメディアコンセント】

【278時限目】                              author アーキスケット 出口

一戸建て住宅の内覧会で、
平面図を片手に2階の洋室に入ります。

この平面図、
住宅メーカーによって記載内容の密度にかなり差があるのですが、
今回は、マンションなんかで言うところの総合図レベルで
詳細に図面が作成されています。

そこには、
マルチメディアコンセントの位置やクーラー用コンセントなどなど、
取り付けられるべき器具の表記はもちろんのこと、
ベッドや家具の配置までを想定し破線で示してさえあるのです。


入口の扉を開けると、
正面にはバルコニーに出られる大きな掃き出し窓、
右手には街並みの景観が眺められる腰窓、
左手には隣の洋室と一体に使用できるための3連引き戸、
そして入口側は木製扉の横にウォークインクローゼットの扉があります。

そして、さっそく内覧会検査スタート!

キズや汚れをチェックしていくとともに、
平面図とにらめっこしながら相違点や仕様の確認を行っていきます。

なかなか良い出来栄え!

キズ・汚れなどの類でいうと、
指摘事項は壁クロスにブツ(ゴミクロスの下に噛んでニキビ状に膨らんだもの)が一つだけ。

図面との相違も見つからず、
住宅メーカー担当者の誠意が感じられます。

そして、この洋室の検査の最後に、
各壁面を1面ごとに、全体として眺めていきます。

最後の一面、
入口の扉とウォークインクローゼットの扉がある壁を眺めていると、
その扉間90cm程度の壁にマルチメディアコンセントがあるのに違和感を感じます。

改めて平面図を確認してもその位置に表記されており、
施工上のミスではありません。

しかし、
こんなところにテレビやパソコンを配置することは絶対にありえません。
せいぜい、掃除機の使用で電気コンセントが使えるくらいです。

「このマルチメディアコンセントの位置では実際に使えませんね!
 常識的に考えれば、
 掃き出し窓がある壁と、腰窓がある壁の入隅部分に取り付けるますよね。」

と、住宅メーカー立会者に指摘すると、

「確かに、使いづらい位置ですね。。。設計者に確認します。」

と、携帯電話で即刻確認です。

で、
「設計者に確認したところ、
 掃き出し窓と腰窓の間の壁入隅部分にはベッドが置かれることを想定しているので、
 その他のところでマルチメディアコンセントが取り付けられる位置としては、
 現況のところしかないとのことです。」

確かに、平面図には破線でベッドの位置が示されており、
そこにマルチメディアコンセントを取り付ければベッドの下に隠れてしまいます。

しかし、
絶対にテレビやパソコンデスクを置くことができない2つの扉に挟まれた90cmの壁に
マルチメディアコンセントがあっても仕方がありません。
延長コードを扉下の床に這わせなければならないのです。

だったら、まだベッドの下の方が良い。
そもそも、ベッドだって置くかどうかも解りません。

「マルチメディアコンセントの位置は変更してもらえるんでしょうか?」

「図面どおりですので・・・・」

ここで、内覧会同行ご依頼者から、
「この部屋にはテレビやパソコンを置く予定はありませんので、
 今の位置で良いですよ。」

この一言に、住宅メーカー立会者も胸をなでおろします。


今回は、たまたま結果オーライ(?)。

想定したベッドの配置が優先か?
使えるマルテメディアコンセントの位置が優先か?

設計者には、
限られたスペースで悩みどころと思いますが、
優先順位を間違えないでほしいものです。


2009年09月29日

内覧会★同行日記 【エコカラットの厚さにご注意!】

【277時限目】                              author アーキスケット 出口

エコカラットを貼られる方が多くなってきました。

結露の軽減、消臭効果などがエコカラットの謳い文句ですが、
最近では、豊富なデザインが魅力的で、
お部屋のアクセントとして考えられる方も多くなったからではないでしょうか。。。。

そして、今回の内覧会同行のご依頼者も、
玄関とおトイレの壁にエコカラットをオプションとして貼っています。

さて、内覧会検査で、
そのエコカラットが貼られているおトイレに入ります。

見た目には、なかなか良いデザイン!

そして、そのエコカラットの壁には、
またまた、
デザインの良いタオルリングとペーパーホルダーが取りついています。

先ず、タオルリングを掴んでみると、
カクカク、カクカク・・・・
と、ガタつきがあるではありませんか!

施工会社の立会者に、
「このタオルリング、掴んでみるとガタつきますね。」

「そうですね・・・・」

「下地補強はしてあるんでしょうか?」

「ハイ、スタッドの間にベニヤ下地を入れてあります。」

「外れてしまうかも知れませんが、少し引っ張ってみても良いでしょうか?」

「それは、チョット困ります。。。」

「では・・・・」
と、今度はペーパーホルダーを掴みます。
すると、ほとんど力も入れていないのに、
スルッと壁から抜けてしまいます。

「アッ!!!」
と、これを見ていた内覧会同行のご依頼者。

ここで、スケールを取り出し、ビスの長さを確認します。

ビス長さは20mm、
ペーパーホルダーから出ているビス山は17mm程度。

エコカラットの厚さはいくつでしょうか?」

「さあー???」

で、エコカラットの小口で厚さを計ると5mm程度。
そして、壁の石膏ボード厚さは12mmが使用されています。

エコカラットと石膏ボードの厚さを足すと17mmあります。
 このビス長さではベニヤ下地まで届いていないですよね!」

「ペーパーホルダーに付随したビスですから。。。」

エコカラットの厚さを考慮したビス長さにするべきだったですね。」

「・・・・・」

「タオルリングの方も同じ状況でしょうね。」

「たぶん。。。」

「手直しをお願いしますね。」

「ボードアンカーで取り付け直します!」

「ボードアンカーじゃ、時間が経てば石膏ボードもボロボロになるんでダメですよ!
 本当にベニヤ下地が入っているんなら、長いビスにすれば良いだけですよ!」

「そうですよね。。。。」

「念のため、ベニヤ下地が入っていることも確認してくださいね!」

「ハイ。。。でも、エコカラットが貼られてしまっているので、
 どうやって確認したら良いのか???」

何とも世話が焼けます。

ここで、検査道具の”どこ太”君を取りだし、
エコカラットに開いたビス穴に針を刺してみます。

すると、17mm程度のところで針が止まるので、
ベニヤ下地は入っているようです。

「後は、ビスを交換すれば大丈夫ですね!」

「ハイ!」

2009年09月25日

内覧会★同行日記 【オプションだらけはミスだらけ】

【276時限目】                              author アーキスケット 出口

オプション・グレード変更、”46項目!”

マンション購入者が、
自分に合ったマンションライフを送るために、
真剣に間取り図と向き合ってきた様子が伺えます。

マンション施工会社の方も見落としや間違いが無いよう、
真剣にオプション・グレード変更工事を管理しなくてはなりません。

しかし、マンション内覧会でいくつかのミスが発覚します。。。

ミス その1.
南側バルコニーに面するリビングと洋室の間仕切りを撤去し、
全開放できるガラス引き戸に変更してあります。

「外壁側にあるガラス引き戸の縦枠すぐ横(20cm程度)のリビング側に
 クーラースリーブはありますが、クーラーコンセントがありません。
 この位置は、クーラーを取り付けない変更をしていますよね。」

「オプションを受付けた時期はコンクリート工事が終了しているので、
 クーラースリーブは残ります。」

「外壁側のクーラーキャップの取り付けは解ります。
 しかし、仕上げ工事では、
 部屋側は穴にロックウールを詰めボードで塞げたんじゃないですか?
 だって、クーラーコンセントは取り付いていなんですから・・・・」

「クーラースリーブだけは残す仕様にしています。」

何とも理解できない言い訳です。

「では、ガラス引き戸の縦枠すぐ横(20cm程度)の洋室側に
 クーラーコンセントはありますが、クーラーキャップがありません。」

一瞬、施工会社の立会者は顔色が変わります。

バルコニーに出て外壁側を覗くとクーラーキャップがあり、
コンクリート壁は穴が開いているようです。

「当然、部屋側にもクーラーキャップが必要ですよね!」

「ハイ。。。取り付けます。。。」


ミス その2.
洗面室で、壁に将来用手摺下地を取り付けるオプションになっています。

「この壁に将来用手摺下地がありませんよ!」

すかさず、施工会社立会者はすぐ横にある点検口を開け確認します。

「ここは、ユニットバスの操作盤があるので横型の手摺は取り付きません。
 壁の出隅部分で縦型の手摺を取り付けられるように変更してあります。」

「でも、手摺下地はありませんよね。」

「壁出隅部分のスタッドに手摺を留められます。」

「オプションの追加請求はされていますよね!」

「・・・・・」


ミス その3.
洗面化粧台が巾1.5mから巾0.9mのものに変更になっています。

「洗面化粧台の上にある2つのダウンライトが、
 洗面化粧台のセンター振り分けになっていませんね。」

「当初の洗面化粧台の巾に合わせた位置なっています。」

「巾が0.9mに変更になっているんですから、
 それに合わせるべきじゃないんですか?」

「ダウンライトの位置までは変更指示を受けていません。」

「当初1.5mの洗面化粧台の時のダウンライトの位置はどういう考えで決めていますか?」

「洗面化粧台のセンター振り分けです。」

「だったら、洗面化粧台の巾が変更されればそれに合わせるのが基本的な考えですよね。」

「・・・・、手直しします。」


オプション・グレード変更46項目に対し、
明らかなミスが3項目。

あなたは、この数を少ないと思いますか?

2009年09月21日

内覧会★同行日記 【車椅子の父親との同居住宅】

【275時限目】                              author アーキスケット 出口

今回の内覧会検査は、
ご依頼者夫婦と車椅子生活をされているお父様が同居する注文住宅です。

現地へ行ってみると、
住宅自体は完成しているものの、外構工事は全く手つかず。
別契約で請け負ってくれる業者を選定中とのことです。

内覧会検査前、ご依頼者より、

「今まで細かい打ち合わせをしながら進めてきましたが、
 色々と問題がありました。」

「どんなことがあったんですか?」

「2階の窓の位置は間違えるし、
 バルコニーのFRP防水が不良で1階の父親の洋室に雨漏れするし、
 父親用の洗面室引き戸は、実際、車椅子が通らない大きさのものを付けるし・・・・」

その他たくさん、工事中の経緯の説明があります。
その後ろでは、注文住宅メーカーの担当者が憮然とこのやりとりを聞いています。

「現段階では、解決しているんですか?」

「一応、手直しはしてもらっています。。。」


何とも雰囲気の悪い中、内覧会検査のスタートです。

「このウォークインクローゼットの天井高さが図面と違いますね!」
と、注文住宅メーカー担当者に尋ねます。

「意匠図と構造図で整合性が取れていませんでした。
 〇〇さんには説明し了解をとりましたが、
 その代わりといって、洋室間の間仕切りに遮音仕様をサービスさせられました。。。」

「・・・・・・」

その他、指摘を挙げるたびに一言があり、
注文住宅メーカー担当者も、
色々と言い分が溜まっているようです。

お部屋の中の検査を終え、住宅の外観検査のために外に出ます。

玄関扉と道路との高さの差が60cm程度。
建物外壁と道路までの幅が50cmから70cm程度(斜めな形状)。
車椅子用のスロープが可能な長さは2m程度(車椅子の幅がぎりぎり確保できる幅)。

外構工事は契約外というものの、
これでは、車椅子用のスロープは出来ないんじゃないの?

バリアフリー設計では、
・スロープ勾配 1/12
・スロープ幅 80cm
程度が必要なのです。

「お父様が車椅子を使用されているのは知っているんですよね。
 これでは、スロープが出来ませんよ!」
と、注文住宅メーカー担当者に尋ねます。

「ハイ、知っておりました。
 でも、建物の位置を指定したのは〇〇さんで、
 スロープは現況で造れるもので造るから良いという指示です!」

「そういった指示はしたんでしょうか?」
と、ご依頼者に尋ねます。

「・・・・・、でも、車椅子で通行は出来ると思っていました。。。」

「設計者や住宅メーカーは専門家なのですから、
 例えご依頼者の指示があったとしても、十分な説明義務がありますよ!」

「でも、これまでの経緯の中で決めたことですから!」

ご依頼者も自分が指示した手前なのか?あまり強気ではありません。

どうしてなの?

その後、話を聞いていると、
隣の家の塀が越境しているので、
それに合わせた位置でスロープを造るつもりだったらしいのです。

「違法なスロープをそちらの住宅メーカーで請け負いますか?」

「当然、請け負いません!」

私からご依頼者に、
「違法なことは絶対にしないでください!」
と説得。

結局、現況でできるスロープということで、
手摺も取り付かない急勾配な車椅子用スロープを造るとのこと。。。。

お父様は、自力ではスロープを上がることは出来ず、
大人2名の手を借りなければ外出できません。

日中はご依頼者の奥さんしかいないというのに・・・・・

改善策が見つからない、
何とも後味の悪い検査結果となりました。


2009年09月17日

内覧会★同行日記 【ドレーン排水2重溝】

【274時限目】                              author アーキスケット 出口

マンション内覧会で、
ご依頼者と施工会社の立会者とともにエレベーターを降ります。

正面にはご依頼者のお部屋、
左側には屋外階段、
右側にはT字型の共用廊下が続きます。

このエレベーターホール床の水勾配は複雑だよなあー。。。

見た目の感覚では、どうも水勾配が確保出来ているのか、チョット怪しい。。。

お部屋の内覧会検査が終わったら、レーザーレベルで水勾配を確認しよっと。。。


そして、ひととおりのお部屋の内覧会検査が終わって、
レーザーレベルを抱えエレベーターホールに出ていきます。

エレベーター扉の前には排水溝がないため、
エレベーターホール、共用廊下、外階段の踊り場がからみあった床の水勾配を、
一層、複雑なものにしています。

クーラーのドレーン排水溝はというと、
廊下からエレベーターの扉へ進み、
そこで直角方向へ右に折れ曲がり、
途中から、”への字”に再び折れ曲がり、
外階段の排水溝へ放流する形状になっていて、
その水勾配の複雑さを物語っています。


レーザーレベルをセットし、
50cm間隔程度でドレーン排水溝にスケールを当てていき、
水勾配が確保されているのか確認していきます。

うーん・・・、なんとも、ビミョー。。。

逆勾配にはなっていないようですが、
ほぼフラットな個所もあり、
『水が本当に流れるのだろうか?』
と、なんとも怪しい。

と、思っていると、
この長尺シートを3cm程度の幅でカットしただけのドレーン排水溝の中に、
幅5mm程度の排水溝があるではありませんか!

これは、
ハンディータイプのダイヤモンドカッターで溝を作った痕跡。

さては、水がうまく流れなかったんだなあー。。。

と、内覧会のプロなら見抜きます。


施工会社の立会者に、

「このドレーン排水は2重溝になっていますね。」

「あっ、ハイ。。。」

「水がうまく流れなかったんですね。」

「実は、水を流してみると、長尺シートの方へ水が広がってしまったんです。」

「これでは、一見して、”水勾配を失敗した!”と解ってしまいますよね。
 溝全体を削り取って少し下げれば良かったんじゃないですかね?」

「売主とも相談したんですが、
 溝を下げると歩行中につまづいてしまう危険もあるので、
 ダイヤモンドカッターで2重溝にしました。。。」

うーん。。。それも一理あります。

となると、根本的な手直しするには、
この広いエレベーターホールや外廊下、階段踊り場の床全体を造り替えるしかありません。
しかも、同じような失敗が合計3フロアーあるとのこと。

でも、それでは”大変!”と、
売主も2重溝で妥協したのでしょう。


今後、ここを通る人達に、
「このドレーン排水溝は水勾配を失敗しているぞ!
 どこの施工会社だったっけ?」

なんて思わせるような失敗作が、
半永久的に披露されることになりました。

2009年09月14日

内覧会★同行日記 【解っちゃいたけど面倒くさい】

【273時限目】                              author アーキスケット 出口

最近、
ミョーに、ある住宅メーカーの内覧会同行のご依頼がダントツに多い。

この1か月でも3件目。
調べると、この1年でも14件目。

そして、内覧会同行のご依頼をいただく時にほぼ共通していることが、

「インターネットを見ていると、評判が悪い業者みたいで心配なんです。。。。」


私自身、インターネットで
その業者の評判を見ることはあえてしないのですが、
これまでに、この住宅メーカーの内覧会に同行をした印象としては、

担当者の態度や口のきき方に問題が・・・・

全員が全員ということではありませんが、
社員教育で、
『あえて、そういった対応をするように教育されているんじゃないの?』
と、勘ぐってしまいたくなるほどです。


で、その住宅メーカーの内覧会検査です。

「ポーチの階段側面部分がモルタル仕上げになっていますが、
 立面図ではタイル貼りになっていますよ!」

「現況渡しですよ!」

「駐車スペースの照明器具が壁付けになっていますが、
 電気図では天井付けになってますよ!」

「現況渡しですよ!」

確かに図面には、

”現況と図面が異なる場合は、現況を優先とします。”
と明記はされています。

でも、それって正当な理由があって、
変更せざをえなかった時の場合のことを言うんじゃないの?

何でもかんでも、
水戸黄門様の印籠のように、
”現況渡し”をふりかざしてほしくない!

でも、内覧会同行のご依頼者は納得し(妥協?)、
現況のままということに。。。


次に、”現況渡し”を理由にできない指摘です。

「リビングにあるアルミサッシのビス締めが甘いですね!」(3mm程度浮いている。)

「そうですね。締め付けますよ!」

「洗面室にあるアルミサッシのビス忘れが6箇所もありますよ!」

「本当ですね。ビス締めしますよ!」

「この玄関ドアにもビス抜けが4箇所ありますね!」

「ビス抜けがあるのは解ってましたけど、
 どうせ内覧会検査をすれば指摘が挙がるだろうし、
 ”面倒くさい”から、後でやれば良いやと思ってましたよ。。。」

面倒くさい???

なんという言い草だろう!

しかも、内覧会同行のご依頼者もいる前で!


このビス忘れは、
内覧会同行のご依頼者は全く気付かなかった指摘です。

もし、私が指摘を挙げなかったならば、
この”面倒くさい”手直しがされたのかどうか???

その対応や口の聞き方が、
インターネットでの悪い評判になっているのかも知れません。

2009年09月09日

内覧会★同行日記 【壁タイル下地はALC?】

【272時限目】                              author アーキスケット 出口

マンション内覧会同行のご依頼者から送付されてきた間取り図を
事前にチェック。

バルコニー部分の構造体の表記を見ると、
柱は鉄筋コンクリート、
梁も鉄筋コンクリート、
壁はALC、
そして、外装仕上げはすべてタイル貼り。

でも、この柱ヨコの袖壁は、本当にALCで良いの?

で、マンション内覧会当日、
早速、バルコニーのチェックを行います。

先ず、見た目で袖壁はALCでないことが解ります。

タイルで隠れているのに何で解るの?

と聞かれそうですが、
コンクリートとALCの取り合い部分では、
タイル目地の替わりにシーリングがされるはずなのです。
しかし、この柱と袖壁の取り合い部分にシーリングはされていません。
ということは、柱も袖壁もコンクリートなのです。

念のため、
検査道具の”打診棒”で壁を叩いてみると、
音感でコンクリートに間違いなし!

図面と違うぞ!


施工会社の立会者に質問します。

「間取り図では、この袖壁はALC表記ですが、実際はコンクリートですよ!」

「袖壁は20cm程度なので、ALCにすることはできません!」

その通り!!!

ALCは、製品として巾600mmなのですが、
切断加工して使用する場合でも強度上巾を300mm以上にしなければなりません。
この壁は、もともとコンクリート壁でなければならなかったのです。

「では、間取り図の表記が違うということですね!」

「ハイ・・・訂正します。。。」


次に、リビングのアルミサッシと洋室のアルミサッシの間にある壁に目を移します。

「この壁は、タイル縦目地60cm以内ごとにシーリングがされ、
 梁下と壁の取り合いにもシーリングがされているのでALCですね!」

「ハイ、これは間取り図どおりALC壁です。」

「でも、壁の下部は長尺シート水上端部のシーリングだけですね。」

「そうですね。。。」

「ALCを乗せるコンクリート基礎はないのですか?」

「・・・・・」


このALC基礎コンクリートというのは、
バルコニー床のウレタン防水を立ち上げるためのものです。

再び、
タイルで隠れているのに何で解るの?

と聞かれそうですが、
もし、コンクリート基礎があれば、
そのコンクリート基礎天端とALC下部の取り合いで、
タイル横目地にシーリングがあるはずなのです。


「まさか、ロッキング工法のALC壁に
 ウレタン防水を立ち上げているなんてことはありませんよね!」

「・・・・・」


ここで、ロッキング工法のALCとは。

簡単に言うと、コンクリートの梁からALC壁を吊って、
コンクリートの柱や梁と縁を切っている構造であり、
地震の時などは、
コンクリートの柱、梁、床とALC壁は違った動きをさせるためのものです。
ということは、
ウレタン防水をコンクリート床からALC壁に立ち上げてしまうと、
防水が切れてしまい漏水してしまうということになりかねません。

ここで再び、検査道具の”打診棒”登場!

そして、壁の下の方を叩いてみると、
音感でコンクリートに間違いなし!

10cm程度、ALCコンクリート基礎があることが解ります。

施工会社立会者の説明とは違うものの、
常識ある施工がされています。

んっ!待てよ!

ならば、基礎天端とALC下部の取り合い部分(床から10cm程度の高さ)で、
タイル横目地がシーリングになっているはずです。

でも、シーリングにはなっていない!

「この部分のタイル横目地は撤去し、シーリングにする必要がありますよね!」

「ハイ、手直しいたします。。。」

2009年09月06日

内覧会★同行日記 【対応は大工さんにお任せ!】

【271時限目】                              author アーキスケット 出口

一戸建て住宅の内覧会。
場所は東京郊外。
この地域での内覧会同行は初めてで、
売主、仲介会社ともにジモティー業者です。

「よろしくお願いします!」
と、売主担当者の女性が挨拶しながら名刺を差し出します。

肩書きは、”2級建築士”!!!

「よろしくお願いいたします!」

「私は何にも解りませんので、
 この建物を造った大工さんにも内覧会検査に立会いしてもらいます。」

第三者による内覧会検査が初めての経験ということで、

”自分だけでは対応の自信がありません。”

と言っているかのように大工さんを紹介してくれます。

「よろしくお願いします!」
と、年配の大工さんに挨拶します。

先ずは、屋根裏収納からの内覧会検査スタート。

梯子を上がり屋根裏収納部屋に入ると、
”ムッ”と、蒸し厚さを感じます。
この夏の暑いさなかで仕方がありません(?)。

壁に取り付けてある点検口を開け屋根裏の状況を確認します。

すると、屋根裏収納外周の壁裏に断熱材が施されていません。
この、”ムッ”とした蒸し厚さはこれが原因か。。。

今どき、屋根裏収納の壁の断熱材は一般的になってきていますが、

「そちらの仕様では屋根裏収納の壁には断熱材を取り付けない仕様なんですか?」
と、女性2級建築士さんへ確認します。

「屋根裏収納はオプションなので、
 その仕様は大工さんに任せています!」

何を言っているのだろう?
仕様を決定するのは売主でしょっ!
オプションかどうかは関係ないでしょっ!

「基本的には、生活空間を断熱材で囲う必要があると思いますよ。
 屋根裏収納の壁に断熱材を入れていないと、
 外部 → 屋根裏 → 屋根裏収納部屋 → 洋室 
 との間に断熱材が存在しません。」

ここで、大工さん登場!
「ごもっとも!断熱材は簡単に取り付けられるし、やりますよ!」
と、女性2級建築士さんを、
すかさずフォローです。

さすが!年期の入った大工さん。
この一言で、一件略着!

でも、この女性2級建築士さんはうかぬ顔。
暑さのせいか?冷や汗か?
顔中、汗だらけになっています。


次におトイレの検査です。

「このトイレの壁は構造壁ですよね!
 収納ボックスが埋め込まれていますが問題はありませんか?」

「この収納ボックスもオプションです。
 取付位置は大工さんが決定しています!」

やはり、的外れな女性2級建築士さんの回答です。

「大きなボード開口は問題はありませんか?」

これは、女性2級建築士さんが設計者に電話連絡で”問題なし”との回答を得ます。

「では、この壁にブレースが入っているはずですが、
 収納ボックスとの取り合いは大丈夫ですか?」

ここで理解の早い大工さんが、
スケールを定規に、
「ブレースはだいたいこの位置に入っています!
 ぎりぎりですが、収納ボックスを避けています!」

実際に建物を造った大工さんが、
ここまでして証明してくれたので安心です。

「でも、壁を見ながら、そんなことまで考えて検査しているんですか?」

「ハイ。。。!!!」

ここでも、女性2級建築士さんは蚊帳の外で、うかぬ顔。


次にリビングダイニングの検査です。

「このフローリングの隙間が大きいと思います。」と指摘します。
実際、隙間は2mm程度、下地が僅かに顔を出しています。

「この程度は許容範囲ではないでしょうか?」
と反論しつつ、大工さんの顔色を伺います。

「確かに隙間が大きいですね!直しますよ!」
と、大工さんのきっぷの良い返事。

「少し厳しい指摘かも知れませんが、よろしくお願いします!」


内覧会検査はここで終了。

その後、この女性2級建築士さんは、
内覧会同行のご依頼者と、
契約上のやり取りで本領発揮!

顔の汗もひき、活き活きした顔で説明しています。

でも、それって大事な仕事ではありますが、
2級建築士の仕事というより事務処理的仕事です。

建築士の知識というものは、
机上の知識も大事ですが、
”経験工学”と言われるほど、実践の勉強が大切です!

是非、是非、
”2級建築士”の資格をペーパードライバーにしてほしくはないものです。
だって、資格試験の時は、
必死に頑張って合格したのでしょうから。。。。

2009年09月02日

内覧会★同行日記 【給気口は三位一体が必要】

【270時限目】                              author アーキスケット 出口

マンション内覧会で共用廊下に面した洋室の検査です。

お部屋に入ると、
共用廊下側の壁中央にカウンター付きの腰窓。
その左側の壁には、
上下に2個、点検口が取り付けられています。

そして、上側の点検口の上にはクーラーキャップ。
上下2個の点検口の間には換気レジスター。
ということで、
ここは、クーラー配管用のパイプシャフトになっています。

パイプシャフトの奥行は50cm程度。
室外機置場の確保に合わせた寸法になっています。

さて、このパイプシャフトの中の状況はどうなっているだろうか?
と、点検口を開けてみます。

外壁ALCに断熱材のウレタン吹付けがされています。
ウレタン吹付けの厚さや吹付け範囲は問題なし!

次に、クーラー配管用の穴に目をやると、
クーラーキャップはあるものの、
スリーブ(塩ビパイプ)は取り付いておらず、
そして、ALCの切断小口に補強筋が露出しています。

錆び止めくらいしてほしいよな!

出来れば、断熱・遮音・延焼防止のためにロックウールを詰めてあれば良いのですが・・・・
しかし、『どうせ、クーラーを取り付ければ撤去するのだから。』と、
そこまで配慮されているマンションはめったにお目にかかりません。

次に、換気用の穴に目をやると、
クーラー用の穴と同じ状況。

ベントキャップはあるものの、
スリーブ(塩ビパイプ)は取り付いておらず、
やっぱり、ALCの切断小口に補強筋が露出しています。

でもでも、これではNG!

給気口は、
ベントキャップ(外壁側)+スリーブ(外壁からボードまでの間)+レジスター(部屋側)と、
三位一体が必要なのです。

施工会社の立会者へ、

「クーラースリーブと給気口のALC穴のところで補強筋が露出してます。
 錆び止めをお願いします。」

「そうですね!解りました!」

「でも、給気口の方はALC穴の小口自体が見えることがオカシイと思いますよ!」

「???」

「スリーブでベントキャップと換気レジスターを繋ぐ必要があるんじゃないですか?」

「このパイプシャフトは奥行が大きいのでガタつくので取り付けていないかもしれません。」

この施工会社の立会者、
スリーブの必要性の意味が解っていない!

「これでは、外気がパイプシャフトに入ってしまい、
 ALCに吹き付けたウレタン断熱の意味がなくなりますよ!」

ここで断熱材とは、
外部温度と内部温度の差を断熱材で遮断し、
結露を防いだり、温度環境を良くするためのものです。

しかし、ウレタン断熱材の外側(廊下側)も内側(部屋側)も、
同じ外部温度にしてしまっては、
断熱材を行った意味がなくなります。

しかも、
パイプシャフト内では空気の対流も少なく、
結露してしまう可能性も大きいのです。


この説明を受けて施工会社の立会者も納得。

「スリーブを取り付けます!」

「ここのお部屋だけではなく、他の所帯でも同じような状況ではないでしょうか?」

「他のお部屋は大丈夫です!」


この、「他のお部屋は大丈夫です!」の即答、
皆さんは信用できますか?

2009年08月30日

内覧会★同行日記 【床下は切断クズがプーカプカ】

【269時限目】                              author アーキスケット 出口

建売住宅の内覧会検査です。

土台の防蟻処理、断熱材の敷き込み状況、設備配管の接続状況などを検査しようと、
キッチンにある床下点検口を開けてみます。

すると、
断熱材のウレタンフォームを切断したクズが、
水溜まりの上に、プーカプカと浮いているのです。

まるで、沼に浮かんで漂う水草の様です。

汚い! もうちょっと丁寧に掃除してほしいよな!

改めて、頭を床下に突っ込み、懐中電灯を照らして確認。

すると、見渡せる限りの床一面、
ウレタンフォームの切断クズがプーカプカ浮いているのです。

んっ、待てよ!何で水溜まりが???

深さ、5mmから1cm程度はありそうです。

もしかして、給水管や配水管からの漏水?
で、
キッチンの水道を全開。

しばらく、頭を床下に突っ込みながら状況を確認します。
だんだん頭に血が上り、もう限界。
でも、設備配管からの漏水は確認できません。

そうなると、
床下に水が溜まっている原因として考えられるのは、
雨によるものか?地下水によるものか?


建売住宅メーカー立会い者にこのことを告げると、

「もしかしたら、床下を水洗いしたのかもしれませんね!」

「この段階で床下を水洗いなんかしませんよ!」

ここで建売住宅内覧会同行のご依頼者。
「私たちも水が溜まっているのを見ましたが、
 ”乾けば良いのかな?”と簡単に考えていました。」

「床下で水が溜まっている状態ですと、
 結露によるカビの発生、水が腐っての臭気、虫が湧くといった可能性が高くなります。」

「実際にはそんなことが起きるとは思えませんが・・・・」
と、建売住宅メーカー立会い者の無責任な発言。

「トラブル事例を見たことが無ければそう思うかもしれませんが、
 実際に見てみると、ヒドイものですよ!」

「・・・・・・」

「先ずは、漏水の原因と場所の特定が重要ですね。
 その上で対策を立て、水溜まりができないようにしてください。
 もちろん、ウレタンフォーム切断クズの清掃もお忘れなく!」

「ハイ。。。。」


後日、建売住宅内覧会同行ご依頼者からのメール。

『建売住宅メーカー立会い者が別な棟を検査したところ、
 やはり、床下は同じ状況だったそうで、
 先日のゲリラ豪雨のせいということです。
 ネットで調べてみると、
 床下に水漏れがあると、カビが発生する等の重大な問題であることを認識しました。
 建売住宅メーカーの手直しも、
 ただ水を拭き取り乾燥させて完了となるような気がして心配です。』

建売住宅メーカーの立会い者は、
”ゲリラ豪雨だから仕方がない。”
ということを言いたいのだろうか?

でも、内覧会の前日は普通の雨だったよなあー。。。

いずれにせよ、
雨による漏水ということを認めているということであり、
漏水しないよう手直しがされなくてはなりません。

でも、
床下に溜まった水を乾かし、
雨が降りだしたジャストタイミングで床下を検査し、
そして漏水箇所を特定し、
防水手直しを行うのは大変だろうなあー。。。。


以下余談。

今回の原因は、
基礎耐圧盤(床)と基礎立上り壁のコンクリート打ち継ぎ部分からの
漏水ではないかと考えられます。
(もしかしたら、仮設の水抜き穴からの逆流による漏水?)

コンクリート工事というのは、
1回で全てのコンクリートを造るということができず、
数回に分けて行われます。(今回は、基礎耐圧盤と基礎立上り)

その時、
固まったコンクリートの上に新しいコンクリートを流し込むため
肌別れしている箇所(隙間)がある可能性が大きく、
外部に面するところでは
漏水する可能性のある危険個所となります。

マンションなんかでは、
地中内では止水板、地上ではシーリングなどといった
防水処置を行うのが当り前なのですが、
一戸建て住宅の基礎コンクリート打ち継ぎ部分では、
防水処置をすることがほとんど見受けられません。

過去において漏水事故が少ないということかもしれませんが、
やはり、
外部に面するコンクリート打ち継ぎ部分には防水処置が望まれます。


2009年08月26日

内覧会★同行日記 【内覧業者の評判】

【268時限目】                              author アーキスケット 出口

大手デベロッパーが売主のマンション内覧会です。

お部屋の検査の立会いは、
施工会社に任せっきりということも多いのですが、
このデベロッパーのマンション内覧会では、
必ず売主として検査立会いが行われます。

お部屋の検査も進み、
途中、内覧会同行のご依頼者がトイレ休憩に入ったのを機に、
売主担当者が声を掛けてきます。

「この数年、内覧業者さんが増えましたねえー。
 そのお陰で、お部屋の出来栄えも以前と比べると本当に良くなりました!
 我々の方も、売主検査を厳しく行うようにもなりましたし。。。」

「内覧業者も、少しはマンションの品質向上に貢献しているということでしょうね。」

「我々の中で内覧業者の情報を交換していますが、
 評判の良いところ、評判の悪いところ、いろいろありますね。」

「そうなんですかあー。。。」

「内覧業者Aなんかは評判が悪く、
 自分が偉いと思っているのか、わずかなことでも怒鳴りながら指摘するんですよ。」

「へえー。。。怒鳴ることはないですよね。」

「内覧業者Bはとにかく検査時間が長い。私なんか9時間付き合わされましたよ!」

「へえー。。。そんな長い時間検査をするんですか。」

「内覧業者Cは、ありゃー知識がない!キズ・汚れしか指摘できない。」

「へえー。。。内覧業者といっても実力は様々でしょうね。」

悪い評判ばかりが出てきます。

ドキドキ、ドキドキ・・・・
目の前にいるのは内覧業者ですよ!!!

でも、話が続きます。

「我々の中で評判が良いのは、内覧業者D、内覧業者E、内覧業者Fですね。」

あー良かった!

「内覧業者Dは、人によって実力は様々みたいですが、
 業界大手らしく話し方など対応は良いですね。」

「へえー。。。社員教育がしっかりしているんでしょうね。」

「内覧業者Eは、年配者が多く、大きな指摘がないので対応が楽です。」

「へえー。。。でも、それってマンション購入者にとっては問題ですよね。」

次は・・・・・
ドキドキ、ドキドキ・・・・・
一体どんな評判になっているんだろう・・・・・

「内覧業者Fは、・・・・・・・・・・・・・・・」

と、・・・・・・・・・・な評判にホッとします。

「その内覧業者Fというのは、私なんですが。。。。」

「へえー。。。そうだったんですか!!!
 でも、検査姿や話のやり取りを聞いていて納得しますよ!!!」


でも、もし私が内覧業者AかBかCだったとしたら・・・・・
噂話は身内内だけで行った方が良いですよ!


検査終了後、
このデベロッパーのマンションとしては重たい指摘事項がいくつか挙がります。

この売主担当者は、
ひとつひとつの指摘事項に頷き、
「我々としても納得する指摘ばかりですね!勉強になります!」

でも浮かれている場合ではなく、
「手直しはしてくれますよね!」と厳しい念押し。

「ハッ、ハイ。。。」


2009年08月23日

内覧会★同行日記 【露見したビスピッチ】

【267時限目】                              author アーキスケット 出口

ツーバイフォーの一戸建て住宅の内覧会検査です。

いつものように2階から内覧会検査スタートです。

主寝室に付随したウォークインクローゼットの扉を開けると、
枕棚の下の壁ボードが目に飛び込んできます。

枕棚の下はクロスを貼らないのだろうか?
いやいや、
このボードはしっかりとパテ下地処理がされているので
クロス貼りは間違いない!
何か問題でもあったのだろうか???

後で確認することとし、再び内覧会検査を進めます。

2階の各洋室 → 1階リビング・キッチン → 洗面室 → ユニットバスの天井裏・・・・

ん?、ん?、ん?、この一戸建て住宅の耐力壁、大丈夫だろうか?


一通りの内覧会検査を終了し、
ご依頼者と施工担当者へ指摘事項の説明です。

先ず、主寝室ヨコのウォークインクローゼット。

「この壁のクロスが貼られてませんが何かあったんでしょうか?」

ご依頼者
「私たちも気付きましたが、当り前すぎて指摘すらしませんでした。。。」

施工担当者
「???、クロスが貼られていないことすら知りませんでした。。。」

と、予期せぬ回答。

真下のフローリングのキズには施工会社の自主検査の付箋が貼られているのに。。。
壁クロスが貼られていないことを気付かないとは。。。

木を見て森を見ず。

「ところで、クロスが貼られていないのでビスが見えていますが、
 ボードビスピッチが150mm程度で良いのでしょうか?
 貴社の耐力壁のビスピッチの基準は何でしょうか?」

「耐力壁のボードビスピッチは75mmピッチです。
 しかし、ここは耐力壁ではありません。」

特記仕様でビスピッチを確認し、図面で耐力壁の位置を確認し、
「そうみたいですね。」

ここで、ツーバイフォーのボードビス留めピッチのお勉強。

一般的に木造住宅で採用されている仕様書『住宅金融公庫基準』では、
耐力壁の1枚貼りボードは外周部100mm、中間部200mmとなっています。

売主仕様の耐力壁ボードのビスピッチ75mmは、
施工誤差等を考慮した仕様なのでしょう。。。

では、
「次はユニットバスの天井点検口から見えるボードを見てください。
 片面の壁ボードのビスピッチは150mm程度。
 もう一方の壁ボードのビスピッチは200mm程度。
 ここは、図面を確認すると耐力壁となっていますが。。。」

「・・・・・・、確かにビスが不足していますね。。。」

「この壁ボードのビス増し打ちをするとなると、
 ユニットバスのパネルを解体しないとできませんね。」

「パネルを解体してでもビスを打ち増しします。。。」

「見えるところでビスが不足しているとなると、
 クロスが貼られているところは『大丈夫なのか?』と不安を持ってしまいますよね。」

「・・・・・・、他の耐力壁部分のクロスを全部剥がして確認します。。。」

施工会社の担当者も相当ショックを受けている様子。

ここで、
「早急な回答ではなく、
 貴社の技術担当者や構造設計者に相談し、
 ユニットバス周りの壁が、
 本当に100mmのビスピッチが必要な箇所なのかどうかの確認と、
 もし、必要な個所ならば、
 どのような対策を取るのかを検討してから回答してください。」

「そういたします。。。」

「他の耐力壁部分の確認についても、
 全部クロスを剥がすということではなく、
 先ずは抜き取り検査(30%程度)で確認するといった対策も考えられます。
 いずれにせよ、これについても相談したうえで、
 貴社としての対応の見解を出してください。」

「そういたします。。。」

大きな手直しとなるような指摘については、
他の者のチェックも必要です。
だって、
限られた内覧会検査時間
限られた内覧会検査資料
なので、
大きな勘違いすることだってあるんですから!

ユニットバス周りの壁は、
もしかしたら、ボード2枚貼りとなっているかも・・・・
あるいは、
ボード端部に見えているのが実は直行方向の壁に隠れて中間部なのかも・・・・

などなど。
その場合、ビスピッチの基準が異なってきます。

でも、この一戸建て住宅を実際に監督した施工担当者が、
「確かに、ビスが不足していますね。」と認めていることが、
やっぱり不安ですが・・・・

2009年08月19日

内覧会★同行日記 【住宅性能評価 等級ダウン】

【266時限目】                              author アーキスケット 出口

マンション内覧会同行のご依頼者から送付されてきた資料を確認すると、

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