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内覧会 アーカイブ

2010年03月09日

内覧会★同行日記 【指摘をキャンセルします!】

【318時限目】                              author アーキスケット 出口

事前に送付されてきたマンション内覧会資料で、
クオリティー記載部分を見ると、
なんだか貧弱。

念のため、マンションの公式ホームページで確認してみても、
やっぱり貧弱。

資料が貧弱であればあるほど、
売主や施工会社にとって言い訳し易いということも。。。


マンション内覧会当日、

キッチンカウンター横にあるパイプシャフトの点検口を開けながら、
「このパイプシャフトの壁は、
 ボード2枚貼りとかグラスウールを入れるとかの遮音対策はしていないんですね。」
と施工会社の立会い者に確認します。

「ハイ。パイプシャフトの壁には遮音対策はしていません。
 でも、排水管周りに遮音シートを巻いて、
 コンクリート床との隙間には緩衝材を入れています。」


ユニットバスの天井点検口を開けながら、
「洗面室などの水廻りと居室間の壁には
 グラスウールを入れて遮音対策をしているんですね。」
と施工会社の立会い者に確認します。

「居室に音が伝わらないように配慮した仕様にしています。」


この1件目で、だいたいの仕様は解った!!!

実はこのマンション、
内覧会同行を複数件、依頼を受けています。

2件目、3件目は、1件目の説明と同じ仕様で造られています。
しかし、4件目・・・・

キッチンカウンター横にあるパイプシャフトの点検口の中を覗き込むと、

グラスウールが貼られているではありませんか!

施工会社の立会い者に、
「このパイプシャフトにグラスウールが貼られていますよ!」

「遮音対策のためにグラスウールが入っています。」

その場の状況説明していれば間違いない思っているのだろうか?

「でも、これまでに見た3件はグラスウールが入っていませんでしたよ!」

「・・・・確認します。。。。」

「一応、内覧会指摘事項記載表に記載をしておいてください。」

「ハイ、解りました。」


で、内覧会会場の隅の方で、
この立会い者と現場所長と売主で何やら三者会談。

で、テーブルに戻ってきて、

「パイプシャフトにはグラスウールを入れない仕様となっています。」

「このお部屋だけ間違えたということですか?」

「ハイ。私の説明が間違っていました。グラスウールは撤去します!」

ここで、横の席を見ると、
内覧会同行のご依頼者が複雑な表情。。。。

「間違ったとはいえ、わざわざ撤去することもないですよ。」

「でも、内覧会指摘事項記載シートに記載している以上、対処しなくてはなりません。」

「だったら、指摘をキャンセルします!」


この施工会社の立会い者は生真面目なのか、
横線で削除するということではなく、
新しいシートを持ってきて、
指摘事項を1.から書き直していきます。

待つこと、約20分。

「これで、指摘事項として痕跡が残りません!」

この対応に対し、賛否両論があるかもしれません。
しかし、ご依頼者の心情を考えてということでご理解ください。


PS
このマンション、合計7件のお部屋に内覧会同行をさせていただきましたが、
同様なことが2件ありました。

同じマンション内で異なる仕様、
しかも、複数件、
果たして、何が正しいのでしょうか?


2010年03月05日

内覧会★同行日記 【手直し費用 泣くのは誰だ?】

【317時限目】                              author アーキスケット 出口

マンション内覧会のお問い合わせメールです。

「今度、マンション内覧会があります。
 キズや汚れなどの指摘には自信があるんですが、
 貴社の内覧会ブログを拝見し、
 やはり一級建築士の専門家の見方は違うなあーと実感し、
 マンション内覧会に同行していただきたくメールいたしました。」

で、マンション内覧会当日、
マンションエントランス前で待ち合わせしていると、

「出口さんですか?今日はよろしくお願いします!」
と声を掛けられます。

ご依頼者の格好はというと、
服はベージュ系の作業着、
肩には、脚をタオルで養生したアルミ脚立を担ぎ、
資料などの入ったバッグを持っています。

ジャケット姿の私と、
いったいどちらが内覧業者?
と受付嬢に思われてしまうかもしれません。

お話を伺うと、
どうやら、マンション建設なんかに携わっている下請け業者さんとのことです。


受付を済ませ内覧会検査スタートです。

私とは別行動で検査を進めているご依頼者は、

時には脚立に登りながら、

 「この建具枠の上にクロスの隙間があるよ!」

時にはフローリングに這いつくばりながら、

 「ここのフローリングにキズがあるよ!」

時には懐中電灯で壁クロスに光を当てながら、

 「このクロスにブツがあるよ!」

などなど、
細かく施工会社の立会い者に指摘を挙げているのが垣間見えます。

ずいぶん検査に慣れていらっしゃる!!!

と、安心して私の方も検査を進めます。


しばらくすると、
ご依頼者が私の方に来て、

「ちょっと来てください!」
と、洋室へ誘われます。

すると、キズや汚れの指摘箇所を示すマスキングテープが
洋室じゅうに咲き乱れています。

「出口さん!このくらいのキズは指摘挙げても良いですよね!」

で、指を差している壁クロスのキズを眺めると、

うーん。。。かなり細かいご指摘だ!

でも、
「検査前にご説明したとおり、
 キズや汚れなどといったものに許容基準はありません。
 ご自身で気になったらとりあえずご指摘として挙げてください。
 協議が必要であれば最後にしましょう。」

「そうですよね。でもこの施工会社の立会い者は・・・・」

どうやら、指摘の細かさに嫌気がさし、言い訳などをしたらしい。

「スミマセンでした。。。気になるところを指摘してください。。。」
と、施工会社の立会い者もオトナの対応です。

ここで、

「どうせ、手直し費用は下請け業者に押し付けるんだよね!
 泣くのはいつも下請け業者だ!」

「・・・・・・」

思わず、建設業界の裏事情の会話にドキッ!


この手直し費用を誰が負担するのか?
ゼネコンによってもやりかたが違うでしょう。

キズや汚れといった責任の所在が不明確な場合、

「お前のところは、これだけ負担なっ!」

なんて、根拠もなく下請け業者に押し付けているゼネコンもあるのです。

泣くのはいつも立場の弱い下請け業者なんていう社会の構図が、
マンション内覧会でも垣間見えてしまいました。


2010年03月01日

内覧会★同行日記 【玄関ドアの作動はこんなもの?】

【316時限目】                              author アーキスケット 出口

マンション内覧会で、
玄関横の洋室で検査をしていると、
玄関の方から施工会社立会い者とご依頼者の会話が聞こえてきます。

「次は、玄関ドアの開閉状況、施錠状況の確認をお願いします!」

「ハイ。」

で、”スー、パタン”と玄関ドアを開け閉めする音。

「この玄関ドア、自然に最後まで閉まらないですね!」

「そうですね。。。この玄関ドアは気密性を上げるために
 玄関枠の周りにエアタイトゴムが取り付いているからです。
 このように取っ手を少し引っ張れば閉まりますよ!」

「今住んでいる賃貸マンションでは自然に閉まるんですけど、
 こんなものなんですか?」

「こんなものですよ。」

私の検査をいったん休止し、さらに耳を澄まし会話を盗み聞きします。

「この玄関の施錠は、防犯対策のため、
 ダブルロックになっています。
 また、サムターン回しといった窃盗手口ができないよう、
 ポッチを指で押さえながら回さないと施錠ができないようになっています。
 では、施錠の確認をしてみてください。」

「ハイ。」

で、”カチャッ、カチャッ”とサムターンを回す音。

「うーーん、なんだか鍵を閉めるとき引っかかるように思いますが・・・・」
 
「この鍵は鎌錠なので、受け金物に引っ掛けるようになっています。
 取っ手を少し引っ張れば、
 引っかからずに閉めることができますよ!」

「取っ手を引っ張らないと閉まらないなんて・・・・、
 こんなものですか?」

「こんなものですよ。
 では、次の確認事項のほうへ行きましょう!」


この説明でご依頼者が納得したのかどうか?
顔が見えませんので解りません。

私の方も内覧会検査を再開。
そして、玄関ドアもしっかりチェック。


で、ひととおりの検査を終了し指摘事項の説明です。
バルコニー、リビング、キッチン、洗面室と、
いくつかの指摘事項を挙げてから玄関に進みます。

玄関ドアを全開にして手を放します。

扉はドアクローザーに引っ張られ自然に閉まっていきますが、
エアタイトゴムを少し押したところで止まってしまい、
完全には閉まりません。

施工会社立会い者に、
「この玄関ドアは法的に常時閉鎖にしなくてはいけませんよね!
 これでは、ちゃんと閉まっていませんので調整をお願いします!」

「ハイ、調整させます。。。」

取っ手を引っ張って扉を完全に閉めた後、
ダブルロックの上下のサムターンを回しながら、

「ダブルロックの下の方のサムターンはスムーズに閉まるんですけど、
 上の方のサムターンの鎌錠が受け金物に引っかかりますね!」

「ハイ、調整させます。。。」

ご依頼者はというと、
何も言葉が出てこないようです。


ほとんどの方にとってマンション購入は、一生に一度あるかないかの出来事です。

「こんなものですよ。」

という回答に、

「そんなものかなー?」
と感じられてしまうのも無理ありません。

こんなとき、
お部屋の中に同じものはないか?
モデルルームに同じものはないか?
今お住まいのところに同じものはないか?

他の物と比較してみることで疑問が解消できることもあるかもしれません。


 

2010年02月25日

内覧会★同行日記 【最上階の怪現象】

【315時限目】                              author アーキスケット 出口

マンション内覧会の受付を済ませ、
最上階にあるお部屋に向かいます。

エレベーターを降り外廊下を歩いていると、
突然、ご依頼者のご主人が立ち止ります。

そして、アルミ格子手摺から頭を出し、
下の方を眺めながら、
さりげなく、

「これだったら死ねるよなぁー。。。。」

すると奥さんが、
「そうねぇー。。。。でも、恐ーい。。。。」

と、不吉な会話。。。

マンションを買ったばかりなのに、『まさかなぁー。。。』
と軽く聞き流します。

何事もなかったようにお部屋に入り内覧会検査スタートです。
ひととおりの検査を終えると私の指摘事項は20項目。

リビングでご依頼者と施工会社の立会い者に向かって指摘事項を説明します。


すると、何かが動く気配。。。

でも、そこは転落防止手摺が取り付いている窓の外のはず。。。

そして、顔をご依頼者達からその窓へ。

スーーーーー。。。。

と窓の外で何かが動きます。

何が起きているんだろう。。。。
と、しばし呆然。

そして、良く確かめもせずに、

「窓の外で何かが動きましたぁーぁーぁー。」
と叫んでしまいます。

ご依頼者達も、
窓の方に顔を反転させ、

「・・・・・・」

何を言っているの?
とでも言うかのように不信な目を私に向けます。

窓をよくよく見てから、
「もしかして、網戸が動いた?」

「まさかぁー。。。」

で、勇気を出し、窓を開け、右側にある網戸を左側へ移動し、窓を閉めます。

・・・・・沈黙。

しばらくすると、
突然、網戸が、
スーーーーーっと左から右へ。

「ウォォォォォーーーー!」

全員が、しばし呆然。

「風邪で網戸が動いたんですね。」
と説明しても、
直ぐには信じられない様子。

ここで、ご依頼者のご主人が、
施工会社の立会い者に向かって、

「この部屋の上は屋上ですね。
 工事中、ここで誰かが飛び降りたなんてことなかったですよね。。。」

「ヤダー。。。変なこと言わないでよ!」と奥さん。

「そんなことありませんでしたよ!」

「本当?」

「嘘じゃありませんよ。
 現場経験は長いですが、
 運良く(?)、これまで一度も死亡事故を起こしたことなんてありません!」

で、再度、窓を開け手を外に出すと、
エントランスでは気にもならなかった風が、
最上階だと少し強くなっています。

でも、
「この程度の風で網戸が動くようじゃ調整が必要ですね。」

と、21番目の指摘を追加です。


2010年02月22日

内覧会★同行日記 【同じ過ち 違う手直し方法】

【314時限目】                              author アーキスケット 出口

マンション内覧会で受付を済ませると、
ご依頼者とともに内覧会場のテーブルに案内されます。

すると、
売主担当者と設計者がテーブルに着き、

「この度、パンフレットに誤記があることが発覚しました。
 パンフレットではパウダールーム・キッチンと居室間の間仕切り壁において、
 遮音に配慮しボード2枚貼りとなっていますが、
 本来、この部分は1枚貼りです。
 
 しかし、パンフレットどおり2枚貼りに手直しさせていただきます。
 ただ、現況ではボード1枚貼りとなっていますのでご了承ください。」


もしかして、【312時限目】と同じ過ちだ!

そういえば、同じデベロッパーだし・・・、パンフレットもほぼ同じだし・・・

図面を指差し、
「パウダールームのこの壁と、キッチンのこの壁をボード2枚貼りにするんですね!」

「ハイ、ボード2枚貼りにさせていただきます。」

でも、単純にボード2枚貼りなんかに出来るのだろうか?

「このトイレとリビングの間仕切り壁はボード2枚貼りになっているんですか?」

「ここは、2枚貼りになっているはずです。」


事前の誤記についての説明の後、
施工会社の立会い者に続き、
売主の立会い者が紹介されます。

「あっ!、【312時限目】のマンションでも立会いしていただきましたね!」

「あっ!、ハイ!」


お部屋に入り内覧会検査スタートです。
先ずは、パウダールームとキッチンのボードの確認です。

確かに現況は1枚貼り。
でも、この上にボードを1枚増し貼りしたら・・・・

パウダールームでは、木製引き戸枠の見附寸法が左右で異なってしまう。(25mmと12mm)
キッチンでは、システムキッチンやレンジフードが綺麗に納まっており、
壁を壊してずらさなければボード2枚貼りには出来ない状況。


で、念のため、
トイレとリビングの間仕切り壁を確認すると、
ボード1枚貼りだ!


検査終了後、
内覧会場で施工会社の所長(?)が指摘事項に対応します。

「パウダールームのボード2枚貼りはどう施工するんでしょうか?」

「今の壁の上に貼ります。」

「引き戸枠の見附寸法が左右で変わってしまいますよね。
 そんなみっともない納まりで良しとするんですか?」

「・・・・・」

「キッチンは壁を壊さなければボード2枚貼りには出来ないと思いますが、
 どういった納まりで施工を考えているんでしょうか?」

「・・・・・」

「トイレとリビングの間仕切り壁はボード2枚貼りになっていないですね。」

「・・・・・、確認します。」

「つい先日、同じ過ちがあったマンションがあったのですが、
 ボード2枚貼りにすると納まらないので、
 その手直し方法としては、
 間仕切りないにグラスウールを入れ、
 鉛シート裏打ちのボード1枚に貼り替えるといった対応でした。
 再度、売主と打ち合わせをされた方が良いと思います。」

「そうさせていただきます。」


この協議を終え席を立つと、

内覧会検査に立ち会っていた売主担当者が名刺を取り出し、
「名刺交換をさせてください。」と自己紹介(部長補佐)。

引き続き、
この部長補佐から促され、
責任者らしき人と名刺交換(マンションギャラリー所長)。

「〇〇〇〇マンションでは、遮音壁のご指摘をしていただきありがとうございました!
 当社としても、事前に対応することができました。
 また、このマンション他でも対応させていただいております!」

「そう言っていただければ良かったです。
 でも、このマンションでの手直し方法は〇〇〇〇マンションと違いますね。
 実際には納まらない手直し方法(ボード1枚増し貼り)の説明なので、
 施工会社と再度検討してください。」

「???、ハイ。。。」


もし、ボード2枚貼りをしていたら、
どんな納まりになっていたんだろう?

ちょっと詰めが甘かったのでは。。。。


2010年02月18日

内覧会★同行日記 【只今、ひび割れ進行中!】

【313時限目】                              author アーキスケット 出口

マンション内覧会でバルコニーの検査です。

PC(コンクリート工場製品)で出来た
バルコニーの天井を見上げると、
そこには、
大規模修繕後に見られるようなひび割れの補修跡があります。
しかも、4本も!

もしかして、両隣は?

と、避難用の隔板ごしに覗いてみると、
両隣とも、2、3箇所のひび割れ補修跡が確認できます。

もしかして、マンション全体?

施工会社の立会い者に指摘をすると、
「このことについては、内覧会場で上司から説明させます。。。」

で、内覧会場でのやりとりです。

「バルコニーの天井にひび割れが各所出ていますね。
 もしかして、マンション全体なのでしょうか?」

「実は、そうなんです。」

「ひび割れの発生箇所は調査して把握しているんでしょうか?」

「ハイ。」

ここで出てきたのが2冊の調査報告書ファイル。

1冊は、コンクリート打設後の調査報告書
1冊は、リシン吹き付け後の調査報告書

ちなみに、PC受け入れ検査時にはひび割れはなかったとのこと。

調査報告書をみると、
ことごとくの所帯のバルコニーで
ひび割れ発生の現状が記載されています。
おそらく、何百本ものひび割れ箇所が記載されているのでしょう。

今回のお部屋のところを確認してみると、
コンクリート打設後の調査報告書で2箇所のひび割れ。
リシン吹き付け後の調査報告書で2箇所のひび割れ。

合計数は合っているけど、本当にそうなの?
だって、コンクリート打設後に発覚しのは
リシン吹き付け前に補修して解らなくなるはずですよ。

まっ、それはともかく、
現状のひび割れ補修跡が問題。

で上司からの説明です。
「このマンションは南向きや西向き太陽光による影響が大きく、
 太陽光による温度収縮だと考えています。」

「確かにひび割れが短辺方向に走っているので
 温度収縮が直接の原因なのでしょう。
 でも、南向きや西向きのマンションなんかいくらでもあります。

 調査報告書を見ると、
 早い段階(下の方の階)で、
 ひび割れ発生を把握していたんですから、
 PCの強度を見直すとか、
 鉄筋補強を見直すとか考えられなかったんでしょうか?」

「本社技術部のコンクリート専門家にも相談をし、
 原因として温度収縮によるひび割れと判断しており、
 問題はないと考えています。」

「問題ない?」

「ひび割れは全て0.3mm以内であり、
 補修要領に従って樹脂を表面に塗っています。」

「たぶんその補修要領というのは、
日本建築学会の『収縮ひび割れの何とかかんとか』(その時は本の名前が出ません。)
といったものをを準用しているのでしょう。。。

でも、問題は構造的なことだけではなく、
見栄えだって重要なんじゃないですか?」

「調査報告書でも解るように、
 コンクリート打設後よりリシン吹き付け後で数も増えており、
 ひび割れは進行中なんです。
 今、改めて補修をしても、
 またひび割れが発生してくるかもしれません。」

確かに、今後新たなひび割れが発生してくる可能性はあります。
でも、その回答っておかしくない?

「では、見栄えの手直しはいつ行うんでしょうか?」

「・・・・・・」

もしかして、補修はしてあるので良しと判断しているのかもしれません。。。。

マンション購入者の中には、
「こんなものなのかなぁー???」と思う方もいるかもしれませんが、

何百人ものマンション購入者の中には、
「新築なのに、なんでこんにひび割れ補修跡があるのよ!!!」
と思う方も出てくるでしょう。

そして、その話題の連鎖が・・・・


1年点検、2年点検を待つよりも、
今のうちに対策を取った方がお互いのためと思いますが・・・・

只今、ひび割れ進行中!
判断の難しいところです。

2010年02月15日

内覧会★同行日記 【お詫びと訂正】

【312時限目】                              author アーキスケット 出口

マンション内覧会の直前に、
【お詫びと訂正】
といったものが送付されてくる場合があります。

お役所からの指導による変更や
安全面や使い勝手の改善なら良いのですが、

中には、
どうして変更されたのか?
理由に納得がいかない内容もあるのです。


しかし、今回は、
マンション内覧会の直前ではなく、終了後に、
この【お詫びと訂正】が送付されてきます。

その経緯とは・・・・


マンション内覧会で、
お部屋を検査していると、
パウダールームと寝室の間仕切り壁が遮音壁になっていません。
パンフレットではボード2枚貼りなのに実際は1枚貼り。

このことも含め検査での指摘事項を
施工会社の立会い者に説明していきます。

「内覧会場で確認し説明いたします。」

で、ご依頼者ともども内覧会場へ。

すると、
施工会社の現場責任者、補佐役1、補佐役2、設計者、売主担当者がお出迎え。

そして、内覧会に来ていた周りのマンション購入者からは、
「一体何事?」といった眼差しの集中砲火。

このプレッシャーにめげず、

「パンフレットの遮音仕様と違っていますね。」

「今、施工図を用意していますのでお待ちください。」

しばらくすると、
若手係員が施工図を事務所から持ってきます。

補佐役1.
「施工図ではボード1枚貼りとなっていますね。」

「ということは、遮音仕様がパンフレットと施工図で異なっているということですね。」

責任者
「施工図が仕様です!!!」

施工図が仕様??? 

「そんなこと聞いたことがありませんよ!!!」

ここで、補佐役1.がうまいタイミングで模範解答。

「売主とも協議・検討して後日回答を出します。」

「そうですね。施工図でボード1枚貼りとなっているということは、
 このお部屋だけではなく、他のお部屋でも共通することですからね!」

と、
『このお部屋だけの対応じゃ済まされませんよね!』
ということを言葉に匂わせます。


後日、売主名で書類が送付されてきます。

【パンフレット誤表記についてのお詫びと訂正】

この度、パンフレットにおきまして記載ミスが判明いたしました。
つきましては、
深くお詫びを申し上げるとともに下記のとおり訂正させていただきます。

尚、実際の建物につきましては設計図書に基づき、
正しく施工されていることを確認しております。

お客様に対し誤解を与えましたことを真摯に受け止め、
ご希望される場合、
お引き渡し期日までに下記のとおり変更工事をさせていただきます。

  訂正表記 : 遮音間仕切りにする部屋の対象でパウダールームを削除

  変更工事 : 既存ボードを撤去しグラスウール充填+鉛シート裏打ちボード貼り


この【お詫び訂正】を見て

『パンフレットに記載ミス・・・・設計図書に基づき正しく施工・・・・。』

今度は、「設計図が仕様だ!」
と言っているようなもの。
マンション購入者は何を信用すれば良いのだろうか!?


『ご希望される場合・・・・・。』

500所帯を超える大規模マンション、
少しでも被害を最小限に留める戦略か!?


『変更工事の内容・・・・・。』

元の仕様であるボード2枚貼りとするのではなく、
グラスウール充填+鉛裏打ちボード貼りとするのは、
壁下地のLGSの移動といった
大きな手直し工事を避けるための苦肉の方策!?


後は、マンション購入者の判断にお任せします。
ちなみに、マンション内覧会同行のご依頼者は、

「変更工事を希望します!」

【お詫びと訂正】には、
色々な裏事情があるのでご注意を!


       
 


2010年02月12日

内覧会★同行日記 【マンションブルーを吹き飛ばせ!】

【311時限目】                              author アーキスケット 出口

マンション内覧会での指摘事項です。

・水周りと居室の間の遮音壁で
 ボードが1枚貼りでカタログにある2枚貼りとなっていない。

・バルコニーの床タイルとコンクリート床の誘発目地が、
 それぞれがぜんぜん違う位置にありズレている。

・埋め込みクーラードレーンパイプがモルタルでつぶされ水の出口が無い。

・室内の壁仕上げが直角になっていない。

などなど・・・・


マンション内覧会後のメールです。

本日は大変お世話になりました。
実は私も主人も製造業に携わっており、

『人が造ったものいはミスがあって当たり前!』
『検査は専門家にしかできない!』

と思っていたためマンション内覧会同行をお願いしたのです。

それでも心の片隅で、

「〇〇ブランドですから!」
というセールストークを信じていたのに・・・・

ちょっとショックでした。。。

以下省略


返信メールです。

マンションを施工するに当たっては、
やはり大勢の人間が関わるため、
完璧というものはほとんど無いのではないかと思います。
ミスが発覚した時、

どのように対応するかが大切です。
(ミスが発覚しないケースも多々あることが残念ですが・・・・)

以下省略 (手直し方法などのアドバイス)


途中経過報告メールです。

先日の内覧会以降、
デベロッパー営業担当者を通して
発覚した問題点や疑問点を確認していたのですが、
どうにもこうにも納得できる説明や回答が少なく、
いよいよ自分の我慢のキャパシティーを超えてしまい、

「〇〇ブランドだと思って信用して購入したのに・・・・
 先日からすっかり御社を信用できなくなっています!!!
 何千万円も出して購入するのは私たちなのに、
 何故ミスがあった経緯や補修方法の詳細を教えてもらえないのか???
 誠意が感じられないし、これでは安心して購入出来ない!!!」

と言いましたところ(ちょっと脅かし?ですが・・・・)、
ようやく説明がありました。

 中略

でも、
どのような手直しなのか私には解りません。

確認会まであと1週間くらいですが、
なんだか気分がどんよりです。。。
自分なりにマンションの事を勉強して購入したつもりでしたが・・・・

すっかりマンションブルーです。。。


返信メールです。

前略 (確認会での注意点などのアドバイス)

確認会では、
納得いく説明や手直しがされるよう頑張ってください!!!
そして、
マンションブルーを吹き飛ばして下さい!!!


確認会の報告メールです。

本日が確認会でしたが、
私は少し体調を崩してしまい主人1人での確認となってしまいました。。。。

             (マンションブルーを引きずっているのだろうか?)

主人の報告によれば、
出口さん効果なのか?
5人でのお出迎えがあったようです。
きっと今日も出口さんが来られると思ってビビったんでしょうね。

ちょっと笑ってしまいました!

開口一番に、
「この度は申し訳ありませんでした。」
と言われたとのこと。

先日私が、
「あの人達、謝らないよに教育でもされているの?
 一度たりとも『申し訳ない』って言われたことないんだけれど!!!」
とデベロッパー営業担当者にクレームしたからでしょうか?

手直しについては、
私もデジカメ画像で確認しましたが、
綺麗に修正されていました。

お陰さまで!!!

2010年02月08日

内覧会★同行日記 【火の用心!ダウンライトは火事の元】

【310時限目】                              author アーキスケット 出口

マンション内覧会の受付を済ませ、
ご依頼者と施工会社の立会い者とお部屋に向かいます。

ご依頼者が玄関を開けお部屋に入ろうとすると、

「ちょっと待ってください。私が先に入って電気を点けます!」
と施工会社の立会い者が先にお部屋に入ります。

中から、
バチン、バチン、バチン・・・・
と、分電盤のブレーカーを上げる音。

「では、お入りください!」


で、内覧会検査のスタートです。

バルコニーから検査を開始し、
リビング、キッチン、洗面室、トイレ、洋室、玄関へと進めます。

玄関横にあるシューズインクローゼットの扉を開けると、
分電盤のふたが開いたまま。。。

ダウンライトを隠して少しだけうす暗い。

ついでなので、
分電盤の各ブレーカーに部屋名が記載されているかどうかの確認をした後、
ふたを閉めます。

すると、分電盤のふたの中央部がツヤが出て
僅かですが溶け出しているではありませんか。

危ない!危ない!
ダウンライトは火事の元。

「この位置では分電盤のふたに干渉し火事の元ですよ!」
と施工会社の立会い者に指摘します。

ふたを眺めてから、
「確かに溶け出していますね。。。ふたを交換します!」

そういう問題か?

「何故ダウンライトをこんな位置にしたんですか?」

「・・・・・・」

「分電盤のふたを避けた位置でダウンライトは取り付いたでしょう!」

「設計図で木製扉のセンターになっていましたから。」

確かに、間取り図でもその位置になっています。
位置決めの根拠は木製扉、それだけなの?

「ダウンライトの下に分電盤のふたがくることは危ないと思いませんか?」

「だと思いまして、”ダウンライトに注意”の表示シールを貼りました。」

「いつのことですか?」

「最近のことです。」

ということは、社内検査や売主検査でも指摘が挙がったんだろうか?

「表示シールを貼れば良いんですかね?」

「分電盤のふたなんてそんなに開けるものではないですから。。。。」

その分電盤のふたが溶けているんですよ!

ふたを開けっぱなしにしたのはあなたですよ!

表示シールが役に立っていないんじゃないの?

ここでご依頼者が、
「大丈夫ですよ。気を付けますから。。。。」


本当に良いのだろうか?
建築業界もPL法が厳しいですが、
表示シールを貼れば良いってもんじゃないと思います。

もし、本当に火事になった場合、
使用者責任になってしまうんでしょうか?

以前、マンション1年点検時の検査を行ったとき、
廊下にあった物入れの扉の上が焦げているものを見たことがあります。
原因はやはりダウンライト。

この時は施工会社自ら、
「扉の交換とともにダウンライトの位置を移動します!」

そりゃー、火事の責任を施工会社が負わされないようにしますよね。

2010年02月01日

内覧会★同行日記 【是正報告写真でプレッシャー】

【308時限目】                              author アーキスケット 出口

一戸建て住宅の内覧会検査もいよいよ終盤。
玄関周りで図面とにらめっこしながら検査を進めます。

玄関には、
ご依頼者家族の靴が3足分、
売主と施工会社の立会い者の靴が2足分、
そして私の靴が1足分で、
玄関は靴でいっぱいになっています。

ちょっとこの玄関狭いかなぁー。。。。

と思いつつ図面を見ていると、
上り框の位置がズレていることが判明。

「上り框の位置が図面とは違いますね。」

「えっ!!! 私たちも一生懸命検査したつもりなんですが・・・・。
 ちょっと狭いなぁーとは思っていたんですが気付かないものですねぇー。。。」

「図面とは異なる位置なので手直ししてもらえますよね!」

すると施工会社の立会い者が、
「・・・・、この上り框の下は基礎があるので・・・・」

「でも、直してもらえるんですよね!」

「引き渡し日が・・・・」

「でも、直してくださいね!」

「ハイ。」


後日、内覧会同行ご依頼者からの電話相談です。

「引き渡しも近いし、ちゃんと手直しをしてもらえるものなんでしょうか?」

「手直し工事は、
 ・上り框、フローリング床の解体
 ・基礎の解体
 ・基礎の型枠、コンクリート打ち
 ・コンクリートが固まるまでの養生期間、型枠の解体
 ・床下地組、断熱材敷き込み
 ・上り框、フローリング貼り
 といった結構大変な作業になるはずです。」 

「そうなんですか。。。」

「見えなくなってしまう箇所なので、
 それぞれの手直し工程ごとに写真を撮っておいてもらう方が良いですよ!」

「解りました。頼んでおきます!」


1週間後の再内覧会、
いくつかの指摘項目の是正を確認したあと、
最後に問題の上り框の確認です。

見た目の出来栄えは、もう完璧!

その後、施工会社担当者が是正報告書を提出してくれます。

・基礎のコンクリート撤去後の写真・・・・丁寧に解体されている。
・基礎配筋はなし(無筋基礎)・・・・構造図で説明してくれます。
・コンクリートは早強コンクリート使用・・・・養生期間は1.5日を取ったとの説明。
・床組後の写真・・・・釘留め間隔も問題なし。

手直し工程写真付きの是正報告書も、もう完璧!

誠意ある対応に感謝です。
そして、内覧会同行のご依頼者も大満足!


「手直し工程ごとに是正写真を撮るとなると、
 プレッシャーがかかったんじゃないですか?」

と、若い施工会社の担当者に冗談半分尋ねてみると、

ちょっと苦笑いしながら、

「ハイ。」

2010年01月28日

内覧会★同行日記 【フローリングはロット違い】

【307時限目】                              author アーキスケット 出口

マンション内覧会同行のお申込みメール。

「内覧会直前になって、売主から内覧会の日程変更の申し入れがありました。
 理由は?と聞くと、
 『リビングと洋室間の壁が斜めにズレていました。内覧会前に手直しする時間を下さい。』
 とのことです。
 こんなことってあるんでしょうか?
 もう心配なので、マンションの内覧会に同行していただければと思います。」

壁が斜めになった理由は、
どうやら基準墨からの追い出しでスケールの当て方を間違えたらしい。。。

でも、工事途中で気付くはずなんだけど。。。

まっ、施工会社の自主検査で判明し、手直しするということで問題はないのでしょう。。。


マンション内覧会の当日です。

「この度は、申し訳ありませんでした。。。」
と、売主と施工会社の挨拶。

引き続き、両者もお部屋まで立会い内覧会検査スタートです。

先ずは、リビングから問題の壁の位置の確認をします。
リビング壁間の寸法を左右で測り問題なし!

次に、洋室に行って壁間の寸法を左右で測るため、
床の上にスケールを当てていると、

この壁際のフローリング、
色合いが違っているなぁー。。。。

このフローリングは乳白色系なのですが、
壁際のフローリングだけ、
ビミョーに茶色がかっています。

もう一度、リビングに戻って壁際のフローリングの色を確認します。

やっぱり。。。。

壁の位置を手直しする時、
壁際のフローリングも貼り替えなければなりません。
そして、この貼り替えられたフローリング全てが色違い。

「この壁際のフローリングの色が少し違っていますね。」

すると、マンション内覧会同行のご依頼者が、
「本当だぁー!」

すると、売主立会い者が、
「やはり気付きましたか。。。。
 フローリングのロット違いで色がビミョーに違ってしまってるんです。」

ロット違いというのは、
工場で作られた時期が違うということです。

フローリングは自然のものであるため、
木自体の色の違いもあるでしょう。。。

また、木質で塗装材の吸い込みもちがうでしょう。。。

ロット違いであればなおさらです。


「ロット違いだから仕方がないということでしょうか?」

「いえいえ、私たちもこのままで良いと思っていません。
 色が合うものを探しているところです。
 今貼ってある壁際のフローリングも仮貼りしているだけなんです。」

「そうなんですか。色が合うものが見つかるといいんですが・・・
 見つからなかった場合は、全面貼り替えをしてもらえるんでしょうか?」

「・・・・、何とか見つけます。。。」


で、後日、マンション内覧会同行のご依頼者からの報告。

「再内覧会に行ってきました!
 例の壁際のフローリングの色もほとんど解らない程度に手直しされていました!」

「良かったです!」


今回の売主と施工会社の対応には誠意を感じましたが、

検査前にフローリングの色違いを言ってほしかった!
もし、検査で気がつかなかったら、
そのままなんてことはなかったですよね。


2010年01月24日

内覧会★同行日記 【クオリティーブックは何のため?】

【306時限目】                              author アーキスケット 出口

マンション購入のご契約時に、
”クオリティーブック”というものが手渡される場合があります。

その中身はというと、
・構造に関すること
・セキュリティーに関すること
・設備に関すること
・遮音に関すること
・断熱に関すること
などなど、
マンションの品質に関することが記載されており、

・マンション個別で作成したもの
・デベロッパー共通品質として作成したもの
があります。

いずれにしても、
クオリティーブックを作成しマンション購入者に配布するということは、
非常に良いことだと思います。


さて、マンション内覧会。
検査を進めトイレの検査です。

壁を拳骨で、コンコン・・・コンコン・・・

なんとも軽い音がします。

ここはボード2枚貼りじゃないの?

確か、クオリティーブックには、
『居室が隣接する水周りの壁は両面2枚貼り』
となっていたはず。

念のため、
磁石を取り出し壁面をサーチします。
すると、
ピタッと磁石が貼りつく場所があります。

これはボードを留めるためのビスがある場所。
ということは、ここにスタッドと呼ばれる下地があるのです。

そして、この位置にピンポイントで、
”どこ太くん”を使ってボードの厚さ確認。

針の出は12.5mmでストップ。

やっぱりボード1枚貼りだぁー。。。。


一通りのマンション内覧会検査が終了し、
私の指摘事項の説明です。

「このおトイレの遮音仕様はどうなっていますか?」

「居室側がボード2枚、おトイレ側が1枚です。」

「えっ???」
予想しなかった回答。

で、マンション内覧会同行のご依頼者から送付していただいた
クオリティーブックを取り出し、

「クオリティーブックに記載の遮音仕様では、おトイレ側もボード2枚貼りとなっていますよ!」

すると施工会社の立会い者は、
このクオリティーブックを2、3分ほど凝視しながら固まります。

「何か理由があって変更しているのかも解らないので、
 確認して回答してください!」

ということでマンション内覧会終了。

後日、マンション内覧会同行のご依頼者からのメールです。

・相手方
「クオリティーブックには、
『部位によって多少仕様が異なる場合があります。』と明記されてます。」

・ご依頼者
「正当な理由を説明して頂けるのであれば、1枚貼りで構わないのですよ。」

・相手方
「2枚貼りにして安心されるのでしたら・・・(貼ります。)」

さも、やってあげますよ!
といったスタンス。

でも、
2枚貼りに手直し出来るんだったら正当な理由があるはずもない!
そして、
何のためのクオリティーブックなのか解りません。

きっと、このマンション全てのおトイレの壁は、
ボード1枚貼りなんだろうなぁー。。。。

果たして、デベロッパー、施工会社の対応はいかに?
もしかして、手直しはこのお部屋だけ?

2010年01月21日

内覧会★同行日記 【コンクリートひび割れは何のせい?】

【305時限目】                              author アーキスケット 出口

一戸建て住宅の内覧会。
お部屋の中の検査をひととおり終え、
次は外構検査です。

玄関の前には駐車スペース。
土間コンクリート刷毛引き仕上げの仕様です。

ひび割れは無いかと土間コンクリートを凝視していると、
やっぱりあった!
水道メータのボックス周りに45度角方向に走った小さなひび割れが。

メッシュ筋の敷き込みはちゃんとやったのだろうか?

敷いてあれば良いというものではないでしょう。。。
メッシュ筋敷き込みだってルールはあるのです。

「メッシュ筋の重ね代はどのくらい取ったんですか?」

「・・・・・」

「メッシュ筋の下にスペーサーは入れているんですか?」

「コンクリートを打つ時に手で持ち上げています。」

「誘発目地が入っていませんが、入れる仕様になっていないんですか?」

「設計図にはありません。」

「この水道メータ周りにひび割れが生じてますが、開口補強はしていないんですか?」

「・・・・・」

ただし、この開口補強については明確な仕様は見たことがありません。
でも、床配筋の開口補強要領を準用するべきなんだろうなぁー?。。。

駐車スペースの土間コンクリートに走ったひび割れ、
補修するとかえって目立ってしまうのが厄介者。

今回は、ひび割れの幅や長さが小さいため、
とりあえず、3か月、1年、2年点検時まで様子を見ることに。

ところがです・・・・

後日、内覧会ご依頼者よりの連絡です。

「再内覧会のときに駐車スペースのコンクリートを見たんですが、
 3mmくらいの大きなひび割れが出てきているんです。。。
 どうやら、他の住宅の工事のために、
 うちの駐車スペースに4t車の工事車両を駐車していたらしいんです。。。」

「で、直してくれるんですよね。」

「何か注入してコンクリートを固め、表面はモルタルというので補修すると言っています。」

「それでは、きっと補修跡が目立つでしょうね。」

「どうしたら良いんですか?」

「4tトラックと言えども、そう簡単にひび割れが生じるようではいけませんね。」
今の土間コンクリートを壊して造り変えてほしいと主張した方が良いですね。」

「ハイ、言ってみます。」

で、改めて後日連絡があります。

「やってくれるそうです!良かったです!」

「せっかくやり替えるんでしたら、
 ・砕石敷きは再度、転圧するように!
 ・メッシュ筋は、重ね代を10cm以上取るように!
 ・メッシュ筋の位置(高さ)は、スペーサーを配置して適切な位置になるように!
 ・誘発目地を配置するように!
 ・水道メーターボックス周りなんかは、開口補強するように!
 と、伝えてください。」

「ハイ、解りました!」

2010年01月18日

内覧会★同行日記 【設計図は学生レベル】

【304時限目】                              author アーキスケット 出口

デザイナー系設計事務所が設計した6世帯からなるコーポラティブハウス。

構造は鉄筋コンクリート造3階建て、
各世帯がメゾネット形式であり、
複雑に世帯間が入り組んでいる設計です。

この構造体部分は
設計事務所一丸となって総合的に計画されたようですが、
各世帯のインフィル部分は
その設計事務所の各個人がそれぞれ担当し設計しています。

このうち、2世帯から
コーポラティブハウス内覧会同行のご依頼。

そして、事前に設計図などの資料が送付されてきます。

世帯A
『こんな設計図で建物が出来るのかなあー?』
というのが第一印象。

CADで描かれているものの、
スカスカ図面。。。

部屋名は全て記載されているものの、
寸法の記載はごくわずか。
1階と2階の全てで寸法記載が55箇所。
まだまだ、記載しなくてはならない寸法はその何倍もあるはずです。

その他の図面は存在しない。
なんとも稚拙。

まるで、建築学科に学ぶ劣等生の図面です。


世帯B
『もしかして、プレゼンテーション用の図面?』
というのが第一印象。

見栄えはよろしい。

写真がふんだんに採用され、
部屋の展開図などには、人の絵までがふんだんに記載されています。

納まり図もある程度記載されているのですが、
机上の絵空事。

まるで、建築学科に学ぶ優等生の図面です。

いずれにしても、
施工者は大変な思いでこのコーポラティブハウスを造っているんだろうなぁー。。。


そして、この2世帯分の内覧会当日です。

検査には各世帯ごとで、
設計担当者も立ち会ってくれます。
どちらとも予想どおり若い!!!

そして内覧会検査スタート。

いずれのお部屋でも、
指摘、確認事項がいっぱいいっぱい出てきます。

・最下階の土間コンクリート下には断熱材が入っていない。
・コンクリート打ち放しの壁仕上げ面に構造スリットが醜く露出。
・連装アルミサッシの結露水抜き穴からの出口が無い。
・バルコニー防水がドレーン金物に取り合っていない。

などなど、キズ・汚れ以外で100項目ほど。
やはり設計上の問題が出てきます。
中には、施工者の問題もありますが・・・・

これらの指摘を挙げると、

世帯Aの設計担当者は、
劣等生らしく、
指摘の意味を理解せずに、「問題でもあるんですか?」と的外れな言い訳。

世帯Bの設計担当者は、
優等生らしく、
指摘を謙虚に受け留め、「検討して対応します。」と模範解答。


やはり設計図で大切なのは寸法、仕様、納まりです!
建築は経験工学とも言われます。
この若手設計担当者にとって良い経験であったと思ってもらいたい。

内覧会終了後、
多くの大学の講師などを務める設計事務所の代表者から、
『今日は本当に勉強になりました。』

10時にスタートした内覧会検査は、今、夜の7時30分です。
お部屋を出ると、
お隣の世帯Cの奥さんが、
世帯Bの奥さんが持っていた設計図を見て、

『Bさんのところは、そんなに図面が多くあったんですか?
 うちの設計図は、そんなに多くはありませんでしたよ!』

どうやら、Cさんのところは、
建築学科に学ぶ劣等生の図面だったようです。

2010年01月11日

内覧会★同行日記 【所長の品格】

【303時限目】                              author アーキスケット 出口

超大手デベロッパーによる評判の良い人気シリーズ。
しかし、今回のマンション内覧会は40所帯弱と規模は小さく、
中堅ゼネコンによる施工です。

マンション内覧会同行のご依頼者とともに受付を済ませ、
施工会社担当者に案内されお部屋の玄関前に到着です。

この段階で、
うーん、ちょっと気になることが・・・・2、3箇所。

お部屋に入り、
先ずはバルコニーから内覧会検査スタートです。

んっ?、こっちも気になることが・・・・2、3箇所。

とにかく、
誘発目地、水切り目地、打ち継ぎ目地、構造スリット部分のタイル化粧目地など、

目地といった目地がなんともお粗末!?

で、
年齢的には私と同じくらいと思われる施工会社の立会い者に、
これらの目地について確認していくと、

「私は設備担当なので建築に関することは解りません。
 この現場の所長を呼びます!」

で、しばらくすると所長がわざわざお部屋までお出ましです。

なんとも若い! 40歳前だろうか?
きっと、実力があって所長に抜擢されたのだろう!・・・か?

「梁の誘発目地や水切り目地がつぶされていますね。
 これじゃー、将来ひび割れが発生する可能性が大きいですよ。」

「見栄えを優先してつぶしています。」

「だったら、最初から目地を入れなければ良かったんじゃないですか?」

「売主と相談して決めているから問題ないです。」

このへんから、
拳をにぎりしめ、涙目になり様子が変わってきます。

次に、
「構造スリット部分のタイル目地幅が35mmもありますよ。
 お隣は25mmです。
 見栄えの問題ですが、玄関前だし目立ちますよね?」

「構造スリットなので25mm以上にしています。」

「構造スリットの幅は層間変位以上にすることは解っています。
 化粧としてのタイル目地幅を言っているんです。
 幅の許容範囲はいくつですか?」

「25mm以上で問題はないですよ!」

このへんから、
口調が強く反論的になってきます。

次に、
「廊下側のコンクリート手摺周りに打ち継ぎ目地が入っていませんよ。」

「そういう納まりです。」

「バルコニー側のコンクリート手摺周りには打ち継ぎ目地が入っています。
 矛盾しますよね。」

「・・・・・」

このへんから、
顔が赤くなり、返す言葉もなくなります。

次に、
「このコンクリート手摺の巾木部分の誘発目地がつぶされていますね。」

「下の階との関係です。」

「すぐそこの誘発目地は巾木部分にもシールがされているのに矛盾しますよね。」

「作業の流れなんでこうなります。」

このへんから、
何を言っているのか解りません。

一方、マンション内覧会ご依頼者の奥さんは、
だんだん、だんだん悲しげな表情になっていきます。

こんなとき、私も本当に辛くなります。。。
指摘を挙げなければ良かったんじゃないかと。。。

この所長では、
いくら質問や指摘をしても、まともな回答を得るのは無理。

「これらのことは、再内覧会で売主から回答するようお願いします。」

で、所長は退却。

すると、設備担当の立会い者が、

「所長もあんな言い方をしないでも良いのに。。。。
 解らないのであれば他に答えようもあるのに。。。。」

検査に立ち会っていた内覧レディーが、

「内覧業者さんの説明は本当に解りやすくもっともだと思います。
 ”ウンウン”と、うなずいちゃいました!
 勉強になりました!」

そして、一番ホットしたのは、
マンション内覧会ご依頼者からのメールです。

「昨日は内覧会への同行ありがとうございました。
 出口さんに同行して頂いて、本当に良かったです。
 しかし、施工会社の所長さんの説明はお粗末でしたね。
 誠意のない対応の事例を見ているようでした。。。。」


所長の資質というのは、
技術的知識だけではありません。
それにも増して、
思慮深い言動、お客様への誠意、部下からの信頼などなど、
所長の品格が大切です。

2010年01月08日

内覧会★同行日記 【トップライトは漏水多発地帯】

【302時限目】                              author アーキスケット 出口

今回の内覧会は、
外壁がサイディング、屋根ガルバリウム鋼板葺きの3階建て住宅です。

2階のリビングは解放感あふれるくつろぎスペース。
天井は一部斜め屋根になっており、
そこに設置されたトップライトから燦々と光が差しこんでいます。

眩しさに少し目を細めながら、
トップライトを眺めていると、
その枠周りの塗装されたボードにシミらしきものが・・・

「トップライト枠周りから漏水しているように見えますね。」

「うーーん?・・・・そうかもしれませんね。。。」

「今まで気が付かなかったんですか?」

「このところ晴れの日が続いていましたから・・・・」

「昨日の雨で漏水したのかもしれませんね。。。」

で、施工会社の立会い者と、
バルコニーの手摺を乗り越え、
屋根伝いにトップライトのあるところまで確認をしに行きます。

トップライト枠周りは、
ガルバリウム鋼板との隙間が2cm程度あります。

懐中電灯を取り出し、その隙間から奥のほうを覗き込むと、
四方とも防水テープが貼られているのが見えます。
しかし、四隅では、
トップライトのフランジがパックリと口が開いているのが丸見えです。

これじゃー漏水するのも当たり前だよなぁー。。。。

しかも、トップライトの形状として、
立ち上がり部分が低く、
屋根下地であるルーフィングの立ち上がりが少なすぎる。
また、トップライト専用の水切り鋼板もコストダウンのためか取り付いていない。

トップライト周りが漏水多発地帯になっているのは、
ルーフィングとトップライト枠が取り合う部分の防水処理に
欠陥がある場合がほとんどなのです。

トップライト周りではルーフィングを切断し、
四方を折り曲げ、立ち上げるため、
四隅にルーフィングのジョイントができ、隙間が生じます。


この部分をいかに丁寧に防水テープやシーリングで防水処理をするかが勝負!

でも、本当はこういった劣化の早い防水材だけに頼るのではなく、

水切り鋼板などといった半永久的な防水納まりを併用するのが理想!


「で、この漏水対策としてどのように防水手直しをしますか?」

「・・・・・、どのようにしたら良いでしょうか?」

「ガルバリウム鋼板屋根をめくって・・・・
 ルーフィングをめくって・・・・
 立ち上がりの大きいトップライト形状に造り替えて・・・・
 専用の水切り鋼板を取り付けて・・・・
 結局、最初からやり直すのが良いんじゃないですか?」

私が漏水保証をするわけでもないので、
先ずは理想的な手直し方法の提案です。

「えっ?・・・・そこまでは出来ません。。。」

「だったら、売主として改善方法を考え手直しするべきですよ。」

「トップライトの四隅のフランジの隙間をシーリングするだけじゃだめでしょうか?」

解ってないなぁー。。。

質問をするな!

10年間の漏水保証をするのは売主ですよ!

で、結局、
・トップライト四隅のフランジ隙間のシーリング
・トップライト枠とガルバリウム鋼板の取り合い全てのシーリング
・散水試験で漏水の無いことを確認

今後、半永久的に
トップライト周りからポタポタと雨水が差しこまないことを祈ります。


2010年01月05日

内覧会★同行日記 【クレセントに手が届かない】

【301時限目】                              author アーキスケット 出口

今回の内覧会は、
RC造の本格的注文住宅です。

設計と施工が分離発注されており、
コンクリート打ち放しが多用されていたり、
本格的フローリングの採用などなど、
デザインに凝った注文住宅です。

リビングダイニングに入ると、
南側の壁際には特注のキッチンが配置され、
その上部から天井にかけて
連装の腰窓が取り付いています。

窓を開けてみようとクレセントに手を伸ばしますがギリギリ届かない。。。

クレセント(フック状の錠)の高さは1.9mほどなのですが、
手前に幅70cmほどのキッチンがあるので手が届かないのです。

キッチンの天板に登ってみようかなとも思いましたが、
ステンレス製の天板を凹ませてはいけないと思いとどまります。

よくよく見ると、
キッチン天板の端っこのほうに、”登らないで下さい!”の張り紙表示。

これでは、踏み台がないとクレセントを開けられないよなぁー。。。

検査時はともかくとしても、
日々の生活で窓を開け閉めするのにも大変だ!

何で、クレセントの取付高さを手の届く位置にしなかったのだろう?

内覧会同行ご依頼者の奥さんから、

「私も工事途中で気がつきました。
 改善の要求をしても、毎回毎回、回答があやふやで一向に話が進展しないんです。。。」

で、施工会社の立会い者に設計図を見せてもらいます。

さすが注文住宅だけあって(?)、
設計図に建具表姿図が記載されています。
しかし、クレセントの高さまでは記載がありません。

「クレセント取付高さは全てサッシ高さのど真ん中になってますね。
 どのような理由で決めたんでしょうか?」

「サッシメーカーで作成した施工図を設計者に承認してもらっています。」

「サッシメーカーにクレセントの取付高さの指示はしていないのですか?」

「・・・・・」

サッシメーカーでは、
窓下にキッチンが配置されることなんて解りません。
そして、指示がなければ、
クレセントの高さを標準的な高さで取付けるような施工図になってしまいます。

では、この問題の責任は設計者? それとも施工会社?

設計者からすれば、
「そんなことくらい、施工会社の方でやってよ!」

施工会社からすれば、
「設計図で細かく指示してくれなきゃわかんないよ!」

私からすれば、どっちもどっち!
両者とも、注文住宅発注者への配慮があれば気付くはず!

たまたま、キッチンとの関係に気がつかなかった?

・・・でもないんです。

実は、キッチンとは関係なく取り付いている腰窓でもクレセントに手が届かず、
リビングダイニングにあるサッシは全滅なのです。

それでもプロか!?
と言いたくなります。

で、結局、サッシ造り直し。

話が進展しなかったクレセントの高さ問題、
この注文住宅内覧会で進展です!!!


2010年01月01日

内覧会★同行日記 【祝300回!内覧会同行ブログ】

【300時限目】                              author アーキスケット 出口

祝2010年!!!
今年も、きっと良い年になますよね!
そして、
祝300回!!!内覧会同行ブログ!

この内覧会同行ブログを書き始めて5年目に突入!

当初は、いつネタ不足になるのか?
なんて思っていましたけど、
残念ながら(?)、ネタ切れすることなくここまで来ちゃいました。。。

そして、色々な方が読んでくれているかと思うと励みにもなります。


マンション購入者より

「内覧会同行ブログを読んで、内覧会同行をお願いしようと思いました!」

「ありがとうございます!」

「専門家としての見方があるんですね。素人の私たちでは無理!」

「やはり、建築は難しいものですから。」

「内覧会同行ブログは引き込まれるようで、いっきに読んでしまいました!
 でも、よくよく読んでいると怖くなってきます。
 内覧会の時の検査でも色々と見つかるものなんですね。。。
 毎回毎回、あんなことが見つかるんですか?」

「内覧会同行ブログは同行の毎には書いてはいません。
 3件から4件に1回くらいでしょうか。。。
 逆に、ひとつのマンションや住宅で複数のブログネタを提供してもらうケースもあります。」

「私たちのお部屋が、内覧会同行ブログのネタにならないと良いんですが。。。」

こればかりは内覧会検査をしてみないと解りません。。。
ブログネタになるような欠陥が発見されないことを祈るばかりです。


大手ゼネコン立会い者より

「あなたがアーキスケットさんなんですね!」

「ハイ。。。」

「内覧会同行ブログ読んでいます!」

「そうですか。ありがとうございます。」

「でも、内覧会同行ブログの内容は実話なんですか?
 信じられない施工ミスなんかがあるものなんですね!」

「全て実話ですよ!私からしても信じられないことが発見されるケースがあります。」 

「技術力や知識の少ないゼネコンなんかもあるんでしょうね。」

「確かにありますね!
 でも、マンション現場監督の知識や誠意の差がでるんじゃないでしょうか。。。」

この大手ゼネコンが施工したマンションでも、
いくつか内覧会同行ブログのネタになっています。
そしてこのマンションでも・・・・


学生時代の友人より

「内覧会同行ブログ、オモシロイね!」

「ありがとう。読んでくれているんだ!」

「でも、出口君って数学は得意だったけど国語は苦手だったよね!」

「確かに!
 でも、ブログと国語は関係ないみたい。」

「本にしたら絶対売れるよ!」

「だと良いけど。。。」

でも出版業界はそんなに甘くは無い。
オモシロイかどうかよりも売れるかどうか?
ターゲットが少ないのであればどうにもならないのです。

でも、ひとつの夢ですね!!!


2009年12月28日

内覧会★同行日記 【シーリング目地幅は問題なし!?】

【299時限目】                              author アーキスケット 出口

ここは、超高層マンションの高層階。

リビングに入ると、
ワイドスパンの連装アルミサッシから
東京下町の街並みが一望できます。

「へえー、東京スカイツリーが正面に見えるんですねー!」

「それもあって、このお部屋に決めました!」

マンション選びの重要なポイントで、
”眺望”
を挙げている方も多いのです。

さて、マンション内覧会検査。
早速、この連装アルミサッシからスタートです。

建物コーナーを隅切りしたデザインの
PC板(コンクリート工場製品)から成る外壁に取り付けられ、
幅は約4m、
中央部がFIX窓で両サイドが片引き窓タイプです。

先ずは部屋内側からの目視検査で、

ビス抜けは無いかなあー ・・・・ 大丈夫!
サッシ枠の凹みやキズは無いかなあー ・・・・ 大丈夫!
ガラスにキズは無いかなあー ・・・・ 大丈夫!
開閉するとき音鳴りは無いかなあー ・・・・ 大丈夫!

次に左側の片引き戸を開けて、
外部側サッシ周りのシーリング(防水材)状況を手探りで確認。

水切り下 ・・・・ 大丈夫!
サッシ枠上部 ・・・・ 大丈夫!
サッシ枠左側 ・・・・ 大丈夫!

引き続き右側の片引き戸を開けてシーリング状況を手探りで確認。

すると、サッシ枠右側のシーリングの手の感触が先ほどとは異なる?

これは目視検査をしなくては!
と、窓から顔を出してみると・・・

ウォーーー!!!、コワァーーー!!!

超高層マンションだった!

気合いを入れなおし、
寒風に髪を乱されながら目視確認!

すると、サッシ左側の目地幅は大きい。
スケールで計測してみると35mmほどもあります。
サッシ右側の目地幅はというと12mmほどしかありません。

下部にあるPC板ジョイント目地幅25mm程度とも考え合わせると、
施工誤差としては12mm程度といったところでしょうか。

4mもある連装アルミサッシに対して12mm程度の施工誤差なんて。。。
と思われるかもしれませんが、
25mmのシーリング目地幅に対して12mmの施工誤差は大き過ぎる!

建物の隅切り(斜め)部分の外壁であり、
PC板取付時の基準線(墨)からの追い出しも難しかったんだろうなあー。。。

こんなとき、
アルミサッシの取り付けを基準線(墨)からの追い出しで取り付けず、
PC板開口のセンター割で取り付ければ良かったのにー!?

だって、他に取り合いは無いのだから!

施工会社の内覧会検査立会い者にシーリング幅の現状を確認してもらうと、
「私には解りませんので、責任者に説明させます!」
と、回答回避。

で、内覧会場。
責任者(?)=現場副所長が登場です。

「アルミサッシの位置がPC板開口に対してズレていて、シーリングの目地幅が違いますね!」
と、先ほどの状況を細かく説明します。

「そうですか。。。。」

「もしかして、知っていたんですか?」

「・・・・・、再度確認してお答えします。。。」
と、即答回避。


後日、マンション内覧会同行のご依頼者よりのご連絡。

「施工会社は、『施工誤差であり問題ありません。』と言ってきました!」

本当に問題は無いのだろうか。。。

外観の見栄えだって違うでしょう!!!

でも、本当に問題なのは・・・・???

超高層マンションのPC板ジョイント目地幅というのは、

・地震時の建物の揺れ(傾斜) ・・・・(層間変位ムーブメント)
・PC板の性質(線膨張係数など) ・・・・(温度ムーブメント)

などの要素により算定されるべきものです。

そして、
目地幅の施工誤差許容値は±5mm
と、日本建築学会仕様では記載されているのです。

「もしかして、知っていたの?」
これは失礼。。。。
施工会社は大手ゼネコン。
言われるまでもなく知っているのでしょう。。。。

「施工誤差であり問題ありません。」
というのであれば、
技術的な見地で数値的などの理由をもって説明してもらいたいものです。

でも、きっと、きっと、問題ないのだと思います・・・・。

 


2009年12月23日

内覧会★同行日記 【サイディング検査は梯子で?】

【298時限目】                              author アーキスケット 出口

住宅内覧会お申込みメールのコメント欄です。

「サイディングが雑につけられており、購入後、欠陥等が出ないか心配です。
 住宅メーカー担当者は、
 私が指摘した欠陥については全面的に認めており、
 改善すると言ってくれています。
 内覧会当日は、
 住宅メーカーの担当者、仲介業者、サイディング業者も来てもらいますので、
 欠陥が見つかれば、どんどん指摘してほしいです。」

で、住宅内覧会当日、
ご依頼者の親子3人と駅で待ち合わせをし現地に向かいます。

すると、
住宅メーカー3名、仲介業者1名、サイディング業者1名がお出迎え。

一通りの挨拶を済ませご依頼者に尋ねます。
「サイディングで雑なところとして気付いたところは何処でしょうか?」

「このポーチ周りで、サイディングを留めてある釘周りに欠けがいくつもあります。」

サイディングの取り付け方法として、
・釘留めする方法
・金物に引っ掛ける方法
とがあります。

釘留めの場合、
よく釘周りのサイディングが欠けていることを見かけます。

「この欠けの大きいのは補修材で穴埋めし塗装のタッチアップをしてください。」

「ハイ、解りました。」

引き続き、全員揃ってぞろぞろと、建物外周をぐるっと一周。
他に釘周りの欠けなどの欠陥が無いかを18個の目で確認します。

釘周りの欠けが2、3か所発見されるものの、
大きな割れや欠けなどは見られません。

「これもタッチアップで補修してください。」

「ハイ、解りました。では・・・・」

と、おもむろに4m梯子が用意されます。

もしかして、
梯子に登って2階外壁全てを確認しろとでも言うのだろうか?
これは、住宅メーカーとしての誠意?
それとも、内覧会同行ご依頼者の指示?

「梯子に登りながら2階外壁全ての検査はできないですよ!」

「しないのですか?」

「そう言う住宅メーカーさんとしては事前に梯子で検査したんですか?」

「・・・・・」

外装の検査は、
施工途中の外部足場を解体する前に行うものです。

ピンポイントの検査ならともかく、
梯子を使って外壁全面の検査なんて危険極まりありません。

2階の外壁については、
窓から覗ける範囲で検査を行っていることを内覧会同行のご依頼者にも説明し、
やっと、通常の内覧会の検査に入ります。


「内覧業者さんの検査はどのくらいかかりますか?」

「平均的には2時間30分程度でしょう。」

「では、サイディング業者の方は帰しても良いですか?」

「良いですよ。
 でも、2階窓周りでサイディングの欠陥が発見されたら、
 指摘を挙げますので後日手直ししてください!」


住宅メーカーとして誠意を見せるのであれば最後までとも思います。
でも、職人さんの都合もあるでしょう。。。

売主側の立会い者のメンバーといい、
梯子の段取りといい、
誠意が非常に感じられた内覧会だった!・・・のでしょうか?

2009年12月20日

内覧会★同行日記 【ボッタクリ?リフォーム相談】

【297時限目】                              author アーキスケット 出口

マンション内覧会同行のご依頼者からの
事前リフォーム相談です。

「リビングと洋室の間仕切りを撤去するリフォームを考えています。
 リフォーム料金は妥当なんでしょうか?」

送付されてきた資料の間取り図を確認すると、
撤去する壁は、
高さ2.4m、延長(距離)4m程度の工事です。

リフォーム見積書で料金を確認すると、

・間仕切り撤去工事価格         1式 22万円
・解体周辺壁補修木工事価格      1式  8万円
・解体周辺クロス工事価格        1式 10万円
・解体周辺フローリング補修工事価格 1式 12万円
・コンセント移設工事価格         1式  6万円
・諸経費                   1式 10万円
・消費税                   1式  3.4万円

合計価格が、なんと71万4千円

これって、ボッタクリ?

でも、建築の素人の方が思っている以上にリフォーム料金というのは高いのです。
この程度のリフォーム工事は規模も小さいため標準価格は当てはまりません。

こんな時は、
労務費と材料費を予想してみると、
案外、料金の妥当性が見えてくるものなのです。

・間仕切り撤去工事は、搬出を含めても3人工くらいかなあー?
・壁下地の補修は大工1人工もあれば出来るはず?
・クロス取り合い補修はクロス職人1人工だろうー?
・フローリング取り合い補修だって1人工じゃないの?
・コンセント移設なんて1時間もあれば出来ちゃうよ?
・諸経費の17%は若干高めかなあー?
・消費税はお国のルールでしょうがない!

材料費なんか、どの工事もたかが知れている?
でも、廃材処理費はちょっと高いかも?

うーーん・・・、
建築の専門家から見ても、ボッタクリ?

「この程度のリフォームですと施工条件なども影響しますので、
 マンション内覧会の時にアドバイスします!」


で、マンション内覧会当日。

ご依頼者とお部屋に入ると、
「わあー、思っていたよりこのリビング広いわあー!!!」

「撤去するのはこの壁ですね!」

「ハイ。」

特段、問題は無さそーです。

リフォーム料金が高くなる要素としては、
マンション引き渡しから引っ越しまでの期間が4日間しかないことと、
材料の搬出入が、他の方の引っ越しと重なるため、階段となってしまうことくらいかな?

次に、お隣の洋室に行ってみます。

「ここにコンセントがあるので、リビングのコンセントは移設ではなく撤去で良いですね。」

「本当ですね。安くなりますよね!」

もしかして・・・・嫌な予感。。。
再び、リビングに戻ります。

やっぱり。。。
フローリングの貼り方向が、
リビングと洋室では異なっているのです。

「どちらかのお部屋のフローリングを全面貼り替えないといけないですね。」

「えっ・・・・、そうなんですか?」

「リフォーム業者は知っているんですかね?」

「お部屋にも入ったことないし、知らないと思います。」

「全面貼り替えとなると、料金が高くなると思いますよ。
 4日間でリフォーム工事が出来るかも確認した方が良いですね!」

「ハイ。。。確認します。。。」


で、後日、
「フローリング貼り替えとなると、やっぱり高いんですね。。。
 今のリビングでも広く感じましたし、
 リフォームはじっくり考えてからにします!!!」

リフォーム業者さん、
大きな利益が出るリフォーム工事の営業妨害をしてしまったかもしれません。
ゴメンナサイ。。。


2009年12月16日

内覧会★同行日記 【天井裏断熱は口頭確認 でも・・・】

【296時限目】                              author アーキスケット 出口

一戸建て住宅内覧会、
検査終了後の住宅メーカー担当者への指摘説明です。

「キッチンの天井クロスに2本の筋が見えますね!」

「確かに照明器具のすぐ横で目立ちますね。。。」

「下地処理のパテが悪いんですね。」

「クロスを剥がして手直しします!」


「ところで、キッチンの上は2階部分が無く屋根ですが、
 断熱材は敷き込まれていますよね?」

天井裏は点検口が無ければ見ることが出来ないので、
口頭確認します。

「天井裏で断熱材を敷き込んでいます!」

「すると、斜め屋根なので他の部屋境いの天井裏の壁にも断熱材はあるんですよね?」

「ハイ、あります!」

この住宅メーカーの担当者、解っているうー!!!・・・・かな?

断熱材の基本は、お部屋をすっぽりと囲むことです。
ただし、サッシのガラス面や給排気口などの開口部分は除きます。

1階部分に斜め屋根がある場合、
他のお部屋の天井裏に寒いあるいは熱い空気が流れ込まないように、
天井裏の壁境い部分にも断熱材を入れ空気の流れを遮断することが基本です。


次はリビングダイニングで、
「この範囲(窓際)の2階はバルコニーなので、
 キッチンと同様に断熱材が敷き込まれていますよね?」

「ハイ、大丈夫です!」

で、ここからが本番!
次はユニットバスに行き、天井点検口を開け指摘説明です。

「このユニットバスの上も2階が無く斜め屋根になっていますが、
 天井裏に断熱材が敷き込まれていませんよ!」

「本当だ!忘れていますね!敷き込みます!」

次に、ユニットバスと他の部屋の天井裏の境い壁を指を差し、

「この部分にも断熱材は必要ですよね!」

「えっ???、この部分にも断熱材が必要なんですか?」

さっきは天井裏の断熱について
意味も解らず調子を合わせた回答をしただけなのか?

「そんなことを言うと、
 先ほどの説明のあったキッチンやリビングダイニングの天井裏の断熱にも 
 疑問を持ってしまいますよ!」

「・・・・、大丈夫だと思います。。。。」

「キッチンはクロスも剥がすことだし、
 ついでにボードを一部めくって
 確認会のときに確認できるようにしておいてください!」

「・・・・ハイ、解りました。。。」


内覧会のタイミングでは、
見られる範囲が限られるため検査の限界もあります。

見えないところは口頭確認を行い、
矛盾点が生じたら順序立てて追及していくというのも
一つの内覧会検査の”高等”テクニックです。

2009年12月13日

内覧会★同行日記 【責任はオプション業者?】

【295時限目】                              author アーキスケット 出口

ここは東京下町、
駅前再開発の超高層マンションの内覧会です。

受付を済ませると売主の内覧レディーが、
「内覧業者の方は、ロビーで少しお待ち下さい!」

で、ご依頼者と一時お別れです。

ところが、
5分、10分、15分・・・・
待てども待てどもお呼びがかかりません。

ようやく30分くらい経ったところで、
「では、ご案内します!」
と、案内されたEVホールで、
まったく知らない方へ引き合わされます。

お互いが、”キョトン???”

「あっ!、大変申し訳ありませんでした。
 Hさんは、既にお部屋に案内してしまいました。。。」

で、案内されたのは、また別な方のお部屋。

再び、”キョトン???”

「大変申し訳ありません。。。間違えました。。。」

で、ようやくご依頼者のお部屋にたどり着き再会です。

お部屋では、インターホンの説明やらセレクトの確認など業者説明中。
一方的に内覧会検査をスタートするわけにもいかず、
手持無沙汰でお部屋を眺めます。

すると、なんとなーく・・・違和感。。。。

その原因はというと、
オプションのダウンライトの位置がバランス悪く配置されているのです。

標準で取り付いている引っ掛けシーリングやダウンライトは
壁センターに配置されているのに、
それを取り巻くオプションのダウンライト群は、壁センターになっていません。

しかも、オプションのダウンライトの一つが、
標準で取り付いているダウンライトの位置から30cm程度。

何を根拠にオプションダウンライトの配置が決められているのか?
理解に苦しみます。

施工会社の担当者に、
「オプションのダウンライトの配置はどのように決めているのですか?」

「私は施工会社の人間ではなく下請け業者なので解りません。。。」

ちょっと呆れる内覧会対応ですが、今更仕方がありません。

一通りの検査終了後に、
内覧会場で施工会社の副所長が登場します。

「オプションのダウンライトの配置はどの様に決めているんですか?」

「オプションのことは解りませんのでオプション業者を呼びましょう!」

で、現れたオプション業者は、

「うーーーん・・・・、壁の・・・・、うーーーん・・・・、天井の・・・・」
埒があきません。

「工事を行ったのは施工会社ですよね!どういう根拠で位置を決定したんですか?」

「オプション業者から”プロット図”をもらい、
 その寸法を、ぶいちで測り(三角スケールで測ること)、天井伏せ図面に落とし込みました!」

「標準の引っ掛けシーリングやダウンライトとの配置の整合をとっていないのですか?」

「オプション会社からもらったプロット図どおりの位置です。」


寸法の入っていないプロット図を施工会社に渡しただけで、
配置の考え方を伝達しない業者も業者ですが、

それをスケッチレベルのプロット図をぶいちで寸法を測り、
しかも、標準電気器具との配置の整合を取らずに図面化してしまう、
施工会社も施工会社です。


内覧レディーは、
自分のミスに対しお詫びをしてくれました。

ダウンライト配置の不整合についての責任の追及は、
施工会社とオプション業者の2社でやってください!

マンション購入者にとっては、
見栄え良く、根拠のある配置に手直しがされれば良いのです。


2009年12月10日

内覧会★同行日記 【煙感知器は目立ない場所に!】

【294時限目】                              author アーキスケット 出口

一戸建て住宅の内覧会です。

玄関から続く廊下を抜けリビングダイニングに入ると、
そこは大空間!

広さは24畳、天井はロフトにつながる斜め天井の吹き抜けで、
高いところでは3.8mほどの天井高さがあります。

ただし、入口部分だけは、
構造体の梁が通っているのか?、
巾1m程度、天井高さ2.2mの下り天井があり、ちょっと残念。。。

アレッ???

この下り天井に煙感知器が取り付いているではありませんか!

念のため、吹き抜けの斜め天井やロフトの天井を見ても、
煙感知器は取り付いていません。

煙は、下から上に上昇していくもの!

万が一、このお部屋で火事が起きたら、
煙は真っ先に斜め天井を伝わりロフトへと移動するのは明白です。

ということは、
下り天井に取り付けられた煙感知器が、
”ピーピーピー”と警報を鳴らすのは、
この大空間がほぼ煙で充満した頃になってしまいます。

内覧会検査を終了し指摘事項説明のときに
施工会社担当者に尋ねます。

「煙感知器の位置は吹き抜け天井でなくて良いのですか?」

「せっかくの吹き抜け天井なので、目立たない場所の下り天井にしました!」

「常識的に考えても、この位置ではオカシイと思いませんか?」

「・・・・・ハイ。。。」

「煙感知器の設置基準では、天井面から60cm以内にするとなっていますよ。」

「そうなんですか?、でも、役所の完了検査は通っています!」

見落としたんでしょ!


次に、洋室で内覧会検査の指摘事項を説明します。

「この壁にクーラー用コンセントがありますね!」

「ハイ、この位置にクーラーを取り付けられるようにしています。」

「でも、このクーラーのすぐ前、しかも、壁際の天井に煙感知器が取り付いていますね!」

「・・・・・」

クーラーがあるということは空気が吹き出されるということです。
ということは、

クーラーの目の前に煙感知器があっても煙が寄ってこないのです。

また、壁際の天井面に煙感知器を取り付けても、
煙が回り込みづらい(らしい)のです。

ということで、
煙感知器の設置基準では、
・吹き出しのある位置から1.5m以上離す。
・壁際から60cm以上離す。
となっています。

そして、できるだけ避難方向である出入り口付近が良いとしています。

このことを施工会社担当者に言うと、
「ここも、役所の完了検査では何も言われませんでしたよ!」

見落としたんでしょ!

「役所の完了検査で何も言われていないのに手直しする必要があるんでしょうか?」

ここで、内覧会同行のご依頼者が、
「法律的にダメなものは手直ししてください!」

「念のため、何かの理由でこの位置で許可を取っていることも考えられるので、
 設計監理者に確認してみてください!」

「ダメな場合は、今のは残しておいて、
 電池式の煙感知器を取り付ければ良いですよね?」

「・・・・・・」

電池式はともかく、
ひとつの部屋に煙感知器が2つもついていたら、
目立っちゃいますよね!

2009年12月06日

内覧会★同行日記 【コンパクトなキッチンスペース】

【293時限目】                              author アーキスケット 出口

送付いただいたマンション内覧会を資料を見ると、
専有面積31平米の1LDKタイプの間取り図です。

この間取りは単身向け?
ということは、単身女性からのマンション内覧会同行のご依頼?

マンション内覧会当日、お会いするとやはり女性お一人。
受付を済ませお部屋に入ります。

リビングダイニングはキッチンと合わせ8.3畳。
ファミリータイプのリビングダイニングを見慣れていると、
ちょっと狭い感じです。

でも、ご依頼者が納得してマンションを購入しているので、
私の感想などどうでも良い。

で、内覧会検査スタート。

お部屋の出来はちょっと悪そう・・・・
真剣な眼差しで検査を進めていきます。

すると、ご依頼者が、
「この冷蔵庫置き場、今の冷蔵庫が入るのかなあー?」
と悩んでいます。

で、早速スケールを取り出し冷蔵庫置き場の寸法を測ります。

壁と壁の間はジャスト60cm!
そして、出巾木が両サイドに1cm程度ずつ出ています。

今時、独身者でも大きな冷蔵庫を使うことが多くなってきています。
中サイズの300Lサイズの冷蔵庫でも巾は60cm以上が一般的なのです。

「今お使いの冷蔵庫のサイズはご存じですか?」

「うーーん・・・・?」

そこまで知っている人は少ないでしょうね。。。

で、これは帰宅してからの確認になります。


後日、この方から、
現在お住まいの賃貸マンションの退去立会いのご依頼があり、
感動(?)の再会です。

「冷蔵庫はどうでしたか?」

「巾がちょうど60cmで入りませんでした。」

「壁の巾木を取り外しても入らないですかね?」

「ダメみたいです。」

「では、冷蔵庫は何処に?」

「今は、”でーーん”と、リビングに置いてあります。(悲)」

「新しいのを買うというのは?」

「ハイ、新しいのを買おうと思って探したところ、
 やっと、巾が60cmを切るのを見つけたんですが奥行きが65cmくらい。
 でも、キッチン入口の三方枠の巾が60cmなので、
 キッチンにすら冷蔵庫を入れることが出来ないと業者が言うんです。(悲)」

「リビングを少しでも広くしようとキッチンをコンパクトにしすぎですね。。。」

「袖壁の方を撤去しようと思って売主に聞いてみたんですが、
 その撤去費用が、『数十万円するでしょう。』と言われました。」

それは高い!!!
たった60cmの壁を撤去するだけで・・・・

でも、撤去後、
床フローリングや天井の仕上げにも費用がかかるので、
素人の方が思っている以上に費用はかかります。

「今のままじゃあー、
 単身赴任者用のアパートなんかにあるコンパクト冷蔵庫しか置けないんです。」

「・・・・・」

「壁って、削ることはできないんですか?」

「削ることは難しいですね。
 現状の壁を撤去して薄い壁を造ることになるでしょうね。。。」

「すると、費用が・・・・考えます。。。。(悩)」


今回の件は、設計者にも問題があります。
間取り図の計画をするに当たっては、
家具などの大きさ(搬入ルートも含め)を想定しながら設計するものです。

どのようなサイズを想定していたんでしょうか?
やはり、単身赴任者用のコンパクト冷蔵庫だったんでしょうか?

と言っている私も、
今回の件で冷蔵庫のサイズをインターネットを調べ、
300Lクラスで
冷蔵庫の巾と奥行きが60cm以下のものが無い(?)ということを知りました。

2009年12月01日

内覧会★同行日記 【検査日は突貫工事、真っ只中!】

【292時限目】                              author アーキスケット 出口

内覧会検査をする一戸建て住宅に到着すると、

駐車スペースはゴミの山。
そして、まだ取り付いていない建材の山。
もちろん外構工事はまったくの手つかずです。

当初の内覧会検査予定日は1週間前だったのですが、
売主側から、
「工事が間に合いません。。。検査日の変更をお願いします。」

業務予定が詰まっており日程調整がつかず、
ご依頼者とは別な日で内覧会検査日を予定します。

先陣を切って私の内覧会検査。
その翌日がご依頼者の施主検査。
そして、なんとその3日後が引き渡し。

ご依頼者が今住んでいるマンションの引き渡しが迫っており、
引っ越し予定も変更ができない状況です。

私の内覧会検査日の3日前、
ご依頼者からのメールです。

『今週末の内覧会検査よろしくお願いいたします。
 ちなみに、この三連休も毎日、現場に顔を出したのですが、
 とても1週間後に引き渡しができる状況には見えませんでした。

 ただ、私の方の都合で今月末には完成させて欲しい・・・・と、
 お願いし無理をさせた感じなのですが、
 突貫工事のようになっていないことを祈ります。。。


で、玄関扉を開けてお部屋に入ります。

すると、クロス職人がクロス貼り突貫工事、事真っ只中!
ほとんどの壁でボード下地が丸見えです。

その横では、電気工が配線突貫工事、真っ只中!
「せーの、せーの・・・」と声を掛け合いながら配線作業中です。

続いて2階、3階に上がってみると、
電気工が器具付け突貫工事、真っ只中!
煙感知器、照明器具、スイッチプレートをドライバー片手に取り付け作業中です。

でも、
造作棚や畳敷き、木製建具の戸当たりなどの取り付けは未済で、
本日は職人すら来ていません。

内覧会検査をするべきか?やめるべきか?
悩みます。
こんな状況での内覧会検査は本当にツライ。。。

でも、引き渡しが4日後。
内覧会検査を強行するしかありません。

ここで、
役所の完成検査はどうなっているんだろう?
と疑問が頭をよぎり、
施工会社の担当者に尋ねます。

「役所の完成検査はいつ予定しているんですか?」

「今日の午前中に終えました。」

一応、検査してくれたんだ。。。ホッ!

通常、こんな状況で検査はしてくれません。
もし、検査をしてくれていなかったら、
建物を使用して良いという許可が出ないということであり、
引っ越しも出来ない状況になるということなのです。

「指摘事項にはどんなことがありましたか?」

「煙感知器取り付けとクロス貼り完了写真の提出指示がありました。」

「売主の自主検査は?」

「・・・・」


で、心に気合いを入れ内覧会検査スタート!!!

そして、予想どおりの結果に。。。。

外は真っ暗、疲れました。。。。


次の日の夜、ご依頼者からのメールです。

『お世話になっております。
 あの状況での引き渡し前検査、大変御苦労されたことと存じます。

 予想以上に未済工事の部分が多くて、
 施主検査自体も、やりようがない・・・・というのが本音でした。

 私の方は特に施主検査というよりは、
 出口様のご指摘部分を施工会社担当者と一緒に確認する・・・という作業でした。

 売主立会者が出口様に指摘事項を見て、
 「よく見ていらっしゃる。」と感心しておりました。

 私のほうも、素人には気づかない部分を多く指摘していただいて
 大変感謝しております。

 入居も12月初旬を予定しているのですが、
 おそらく、その後も工事は続きそうです。

 入居は急ぎましたが、その後は気長に完成を待ちたいと思います。
 
 誠にありがとうございました。』


2009年11月27日

内覧会★同行日記 【ユニクロマンション】

【291時限目】                              author アーキスケット 出口

ここは東京都との埼玉県の県境い近くのマンションです。
最寄駅までは少々歩くものの徒歩圏内、
都心までは30分程度の立地です。

マンション内覧会のご依頼者とともに、
玄関に入ると、

”広い!”

と、感じます。

平面計画はごくありふれた紋切り型の間取りなのですが、
玄関・廊下の幅が1.4m。
一般的な90cmと比較すれば1.5倍もの幅があります。

と、ところがです、
下足入れが無いのです。

「このマンションは下足入れは付かないのですか?」
と、ご依頼者に尋ねると、

「そういった仕様なんです。」

「下足入れ分広いだけなんですね。。。」


続いてリビングダイニングに入ると、

「このマンションのキッチンは吊戸棚も付かない仕様なんです。」
と、ご依頼者が説明してくれます。

お部屋を見渡し、
「このリビングタイニングや洋室は今時めずらしいソフト巾木なんですね。」
と、ご依頼者に言うと、

「そうなんですよ!
 この前、たまたまこのマンションの雑誌取材があり、
 私たちが取材を受けたんですけど、
 その時、取材の方が、

 『このマンションは、”ユニクロマンション”ですね!』
 なんて言ってました!」

うまい表現だなあー!!!

と感心しつつ、
改めてお部屋やテラスを見ると、

外壁はほとんどがタイルと比べれば安上がりな吹き付け塗装。
カーテンレールはオプション対応などなど、

建設費を安くするために、
徹底的に削れるものは削っている印象で、
今話題の”事業仕訳け”を連想してしまいます。

「ところで、このお部屋はいくらだったんですか?」

「80平米を超える広さなのに2900万円だったんです!」

「それは安いですね!
 その価格はクレヨンしんちゃんの街(私の学生時代のいた街)
 あたりの相場かもしれませんね。」


最近のマンションは、
年々グレードアップや新しい仕様などが備えられ完成度が高いものが多くなり、
それなりに値段も高いのが主流でした。

これからは、マンション業界でのユニクロ的発想も、
ひとつの考え方かもしれません。

しかし!!!
内覧会検査では、
売主・施工会社の立会いもなく、
検査後の内覧会場で、
「指摘はクロスのキズ程度ですかねえー。」
と、指摘事項記載表に目も通さず終了させようとした
ユニクロ的発想には賛成は出来ませんよ!!!

 

2009年11月23日

内覧会★同行日記 【仕様が違うんです】

【290時限目】                              author アーキスケット 出口

一戸建て住宅の内覧会。

内覧会同行のご依頼者と駅で待ち合わせをし、
現地までの会話です。

「お送りした図面で変更している点があります。」

「何を変更されたんですか?」

「1階の和室を洋室に変更しました。
 それと、2階と3階の洋室のコンセントの位置を使いやすいところへ移動しています。」

「そうなんですか。」

「建売なんですが、工事前の契約だったので変更ができました!」

「それは良かったですね!完成済みの住宅だと変更するにしても大変ですからね!」
 
で、目的地に到着。
早速、平面図と睨めっこしながら内覧会検査を進めます。


先ずは洋室の検査です。
天井面を見上げると、
図面では、天井付けの煙感知器となっているのですが、
取り付いていません。

壁付けに変更されているのです。(ちなみに他の部屋も全て共通)
これは、位置の変更はあるものの、
煙感知器設置基準に違反はしていません。

次に入口の木製建具のドアを見ると、
図面では、アンダーカット10mmmと記載されているのですが、
隙間は1から2mm程度。
アンダーカットが確保されていません。(ちなみにアンダーカットが必要な扉全て共通)

今度はおトイレの検査です。
図面では、床部分にフローリング貼り方向の矢印が記載されているのですが、
クッションフロアー仕上げです。(ちなみに1階・2階のトイレとも共通)

壁はというと、
図面では、壁に埋め込み収納ボックスが記載されているのですが、
取り付いていません。(ちなみに1階・2階のトイレとも共通)

今度は階段と廊下の検査です。
図面では廊下と階段の境いに三方見切なるものが記載されているのですが、
取り付いていません。(ちなみに1階・2階の階段・廊下とも共通)

今度はキッチン周りの検査です。
図面では、カウンター周りとキッチン入口周りに三方枠が記載されているのですが、
取り付いていません。

今度は洗面室の検査です。
図面では、アルミサッシ下部にカウンターが記載されているのですが、
取り付いていません。

今度は玄関周りの検査です。
図面では、玄関扉が親子タイプで記載されているのですが、
片開きの扉です。


図面とここまで違うかあー???

で、売主立会い者に、
「図面の記載と違っているところが多数ありますね。」

と、上記全てについて説明します。
すると、

「実は、この図面を書いたところは今は倒産しているんです。
 それをうちが買い取って建物を造っているんですが、
 仕様は違うんです!」

「仕様が違うというのは?」

「仕様は、”当社の仕様”で造っています。」

物が付くか付かないは、仕様とは異なるんじゃないの?
と、思いつつ、

「契約図面は、この図面ですよね!」

「そうです。でも、”当社の仕様”で造っています。」

「この変更されているのは知っていましたか?」
と内覧会同行のご依頼者に尋ねると、

「玄関ドアは知っていましたが、それ以外は知りませんでした。」


建物を造る経緯は色々あったのかも知れませんが、
基本的には、図面どおりの建物が引き渡されることが契約です。

図面と違う仕様にするならば、
契約前に住宅購入者に説明する必要があります。
そもそも、契約図面を直すべきなのです。

後は、住宅購入者の判断により協議してもらうことに。。。。

でも、24時間換気のためのアンダーカットは、
法律で定められているものであり、

”当社の仕様”
という理由は成り立ちませんよね!


2009年11月17日

内覧会★同行日記 【EVホール床勾配の理由は?】

【289時限目】                              author アーキスケット 出口

ここは東京のど真ん中の一等地。
完成済みマンションの内覧会です。

さすが高額マンションだからなのか、
竣工後半年を過ぎているにもかかわらず、
内覧会にマンション施工会社が立ち会ってくれます。

お部屋のある目的階のエレベーターホール・内部廊下は少々薄暗く、
床はカーペット敷きのホテルライク(?)な仕様です。

玄関の前まで行くと、
何となく平行感覚に違和感が・・・・

これは間違いなく床に勾配がついているな!
あとでレーザーレベルで確認しよっと!

で、ひととおりのお部屋の中の内覧会検査を済ませ。
玄関前の床勾配を測定します。

玄関ドア際の床は
設備配管のため60cm程度の幅で二重床になっており仕上げは床タイル。
その範囲は玄関ドアの沓摺り高さに合わせほぼフラットです。

ところが、
床タイルと取り合うカーペットの幅50cm程度の範囲で
12mmの段差があり床勾配がついているのです。

念のため、お隣の玄関前はどうかな?
と測定してみると、
やはり同じ床勾配がついています。

このカーペット部分の床下地はコンクリート床。

さては、コンクリートの高さを高く打設し過ぎたな!
そして、幅50cm程度の幅でコンクリートを削り取り、摺りつけたな!
と推察します。

立ち会ったマンション施工会社の担当者に、
「この部分の床に勾配がついていますね!」
と指摘をすると、
「エレベーターシャフトに雨水が入らない様にしているのでしょう。。。」

「ということは他の階でも同じようになっているんですね。
 上の階も見せてください。」

「このマンションはセキュリティーも厳しく、既に入居者もいますので出来ません。」

「では、設計図で床高さについて確認させてください。」

ということで、
ロビーに設置してあるテーブルで設計図を確認します。
しかし、図面上は床勾配をつけるようにはなってはいません。

ここで、事情を聞いていたマンション施工会社の年配者が登場!

「私がここの責任者です!
 設計図には記載されていませんが、
 エレベーターシャフトに雨水が入ってはいけないので
 床に勾配を付けています。」

確かにマンションによっては床勾配を付けています。
しかしそれは、
開放廊下型のマンションの
雨水がエレベータシャフトに入る恐れがある場合で、
床勾配を付ける場所はエレベーターの出入口部分なのです。

でも今回のマンションは内部廊下形式で雨水が入り込むことは基本的に無く、
しかも、床勾配が付いている範囲は各住戸の玄関前であり、
エレベーターホール・内部廊下全体はフラットなのです。

仮に非常階段の扉を開けた場合雨水が入り込むとしても、
相対的にフラットなので、
責任者が言うところの理由が成り立ちません。


「エレベーターシャフトに雨水が入らないように床に勾配を付けているというのであれば、
 売主も解っているのですよね。
 念のため理由書をもらえますか?」

「責任者である私の口頭説明ではダメですか?」

「売主名の文書としてもらえればと思います。」


マンションを施工するに当たって、
何が何でも施工精度をゼロにしてほしいと言っているのではありません。
そして、人間が造るものですからミスだって生じることは重々承知しています。

でも、その対処方法として、
適切な方法を取ってほしいのです。

今回の場合、
エレベーター自体の高さとお部屋の仕上げ高さに12mmという誤差が生じているため、
根本的に手直しすることは困難です。

そして手直し方法として、
コンクリートを削りとって高さを摺りつける範囲を
体感で解らない程度にしてもらいたかったということです。

果たして、どんな理由書が出てくることやら。。。。


2009年11月12日

内覧会★同行日記 【ゼネコン勤務者からの依頼】

【288時限目】                              author アーキスケット 出口

一戸建て木造住宅の内覧会同行のご依頼者から
事前に送付されてきた資料の封筒を開けるとお手紙が・・・・

『はじめまして。私は〇〇建設の積算部に勤めています。
 事務職なので建築の知識はありません。
 最初は同じ部署の人に頼もうと思ったのですが、
 受けてくれる人がいませんでした。
 よろしくお願い申し上げます。』

〇〇建設と言えば、ほとんどの人が知っている建設会社です。
で、受けてくれる人がいなかったことについて伺うと、
こんなやり取りがあったらしい。

「Aさん!一級建築士の資格をお持ちだったですよね!
 今度、うちの内覧会があるんですが、同行検査をお願いできないでしょうか?」

「いやあー。。。僕は積算一筋だから一級建築士を持ってはいるけど検査はどうも・・・・」

「Bさん!積算の前は現場施工をしていたんですよね!
 今度うちの内覧会があるんですが、同行検査をお願いできないでしょうか?」

「マンションだったら解るけど、木造住宅はどうも・・・・」

これは、体の良い断り方なのでしょうか???

内覧会検査を頼むんだったら、建築の資格を持っている人!!!

と思われてる方も多いと思います。
でも、内覧会の検査をするのに資格は必要ないのです。
この業界、
中には、本職が内装職人が行っているところ。
中には、本職がリフォーム業が行っているところ。
中には、本職がフロアーコーティング業が行っているところ。
すらあるのです。

でも、資格はあった方が良い!
それも建築施工管理技士よりは建築士!!
同じ建築士でも、二級建築士よりは一級建築士!!!

と思われている方も多いと思います。
でも、
一級建築士は何でも知っていると思われている方が何と多いことか。。。

確かに資格を持っていないより持っている方が良いでしょう。
先ずは最低限の知識あるという土俵に上がっていることに越したことはありません。

でも、一級建築士も医者の資格と同じで専門が分かれるのです。
耳鼻科医が外科手術はできないでしょう。
それと一緒で、積算専門の一級建築士が木造住宅の検査は難しいかもしれません。

住宅建物といっても、その構造や規模は千差万別。

構造体としては、
RC造、PC造、S造、SRC造、木造在来工法、ツーバイフォー工法などなど。

構造形式としては、
耐震構造、免震構造、制震構造などなど。

規模としては、
超高層、高層、低層、地下階の有無などなど。

そして、それらの組み合わせで住宅系建物の設計がされているのです。
一級建築士と言えども、
オールマイティーにこれらの知識を持っている人は、
そうそういないのではないでしょうか。。。。

内覧会同行をご依頼するときは、
その建物の規模・構造などにより、
業者名というよりはむしろ
実際に来てくれる同行者個人の知識と経験が大きく物を言うでしょう。


今回の一戸建て木造住宅の内覧会、
なかなか良い出来栄えでしたが、ユニットバスの天井裏を見ると
ボードを留めるビスピッチが不足しています。

もし、ゼネコン積算部署の方が検査していたならば、
気付かなかったかもしれませんね!

2009年11月09日

内覧会★同行日記 【こだわり住宅内覧会】

【287時限目】                              author アーキスケット 出口

住宅価格って解りづらいですねー!!!

超大手の住宅メーカーでは坪110万円前後、
良く知られた住宅メーカーでは坪80万円前後、
中堅どころの住宅メーカーでは坪65万円前後、
安さを売りにしている住宅メーカーでは坪50万円前後、
中には坪40万円前後なんていう住宅メーカーなんてものもあります。

一体何が違うんだろう???
住宅の見積書を査定・チェックしていると色々なカラクリが見え隠れします。

見積もり価格が高い住宅メーカーは、
やはりシステムキッチンや洗面化粧台、
ユニットバスなどの住設機器のグレードが良いという傾向があります。

見積もり価格が安い住宅メーカーは、
何でもかんでも徹底的にグレードが低いものを採用しています。

しかし、それだけで住宅価格がこんなに違ってくるのでしょうか?

答えはNOです。

住宅価格の違いのカラクリは、”構造体”の価格にあります。

特殊な金物を使っているとか、
工場組み立て加工するだとか、
技術開発料だとか、
何だかんだ理由を付けて価格が高くなっていることが多々あります。

でも、まだそれが理由ならまだ良い方。
ひどい住宅見積書なんかは、
ほとんど変わり映えのしない軸組み在来工法の構造体価格が、
素人には解りづらい、『一式 うん百万円』などと高額に記載している
坪80万円前後の大手ハウスメーカーだってあるのです。

で、内覧会に行ったりしてみると、
坪50万円の住宅メーカーとそんなに変わり映えしないなんてことも。。。。


余談が長くなりました。

さて住宅内覧会です。
事前に送付していただいた資料を見ると、
坪50万円程度の住宅メーカーの建物です。

そして資料には追加変更工事の見積書が山のように添付されています。

何とその総額、780万円!!!

その内容はというと、
・外装サイディングを標準仕様から重厚感あふれる最高級グレードへ。
・くつろげる空間としてバルコニーを増床。
・平天井を折り上げ天井にし雰囲気のあるリビングに。
・一般的なフローリング床をゴージャス感ある石調床材に。
・階段手摺をクロス仕上げの腰壁からデザイン性豊かな銘木を使用した洋風手摺に。
・システムキッチンや食器棚は奥さん好みのハイグレードに。
・玄関には部屋内だというのに坪庭を配置。
などなど・・・・書ききれません。

そして内覧会当日。

「それにしてもすごい額の追加変更工事ですね!」

「ハイ、いろいろと考えたんで結構楽しめました!」と、太っ腹なご依頼者。

お部屋に入ると、
「あなたのこだわっていた階段の手摺、思ってた以上に良いわねえー!」

「お前の選んだシステムキッチンも使いやすそうでデザインも良いね!」

「あなたの選んだこの石調の床なんか明るくてセンスあるわあー!」

「お前の考えた坪庭だって大正解!」

などと、思い通りの出来栄えに夫婦ともども大満足!!!

私の目から見ても、
こだわりのハイグレード注文住宅のようにしか見えません。

やっぱり、780万円の追加変更をしただけのことはあるよなあー!

でも、よくよく考えると、
坪当たり20万円程度のグレードアップ。
住宅価格全体で考えると坪70万円で出来ちゃっているんです。

大手住宅メーカー標準仕様のものよりずっと良い!

お見事!


2009年11月05日

内覧会★同行日記 【補助手摺下地はどこ太?】

【286時限目】                              author アーキスケット 出口

マンション内覧会でお部屋の検査終了後に、
私の挙げた指摘事項をひとつひとつその場所、場所に行って説明します。

そして最後のひとつ、施工会社立会者に確認します。

「カタログにある専有部分内部仕上げ表では、
 玄関、廊下、リビング・ダイニング、和室、洗面室、トイレに、
 将来用の補助手摺下地が取り付くことになっています。
 でも、どの位置に補助手摺下地があるのか解りません。。。。」

「そうですか。。。。」

「補助手摺下地の位置を示すものはマンション購入者に渡されないのですか?」

「その予定はありません。」

「それじゃー、マンション購入者はどうやってその位置を発見すれば良いのですか?」

「マンション管理組合への引き継ぎ図書として大工の造作図を渡すことになっています。
 それを見れば解ると思います。」

「補助手摺下地の位置が大工の造作図に記載されているというのは、
 マンション購入者はどうやって解るんですか?」

「・・・・・」

「大工の造作図では不親切ですよね。
 場所がちゃんと解るような説明資料が必要じゃないでしょうか?」

「売主と相談します。。。」

「ちなみに、この和室のどこに補助手摺下地があるんですか?」

「このアルミサッシの横だと思います。」

ここで、この内覧会ブログにたびたび目にする、”どこ太”くん登場!

この検査道具、針が出てきて下地がある場所が解るものです。

指示された場所に、
『プスッ』

”どこ太”くんの針は、石膏ボードを突き抜け空気層へ突入。

補助手摺下地なんかはありません。

「この位置には無いようですね。」

「内覧会場で設計図面で調べます。」

ということで、
マンションロビーに設営された内覧会場で設計図を確認します。

すると、
”手摺下地凡例図”なるものが記載されており、
平面図や展開図に補助手摺の位置が事細かに示されています。

なーんだ。この凡例図をマンション購入者に渡せば良いんじゃないの?

なんで、『大工の造作図を見てくれ。』なんて言うんだろう?

そして、その凡例図をよくよく見ると、
先ほど、”どこ太”くんで刺した場所ではなく、
アルミサッシの反対側に補助手摺下地があることになっています。

施工会社の立会者の勘違いだったんだあー。。。

と、思っているところに、
図面確認と並行して、
現地を確認しに行っていた現場所長らしき人が戻ってきて、
「リビングダイニングと和室には、補助手摺下地は入っていませんでした。。。」

「このお部屋だけではなく、このマンション全ての所帯も入っていないのでしょうか?」

「ハイ。全て共通です。。。」

この短い時間(10分程度)に、200所帯弱の全てを確認できたのだろうか?


すると、検査に立ち会った担当者の方が、
「補助手摺下地については、重要事項説明で記載されるべきもので、
 そこには補助手摺下地が記載されていません。
 ですから、カタログの、”表記ミス”だと思います。」

「補助手摺の取り付けは重要事項説明に該当するものではありません。
 追記として記載するかしないかは勝手ですが、
 マンション購入者には解らないことですよ!

 カタログにも明記されているし、
 設計図にも明記されているし、
 このマンションの設計思想ですよね!
 これは、”表記ミス”ではなく、”施工ミス”じゃないですか?」

「売主と相談し回答します。。。。」

一体、何を相談するのだろうか?

正当な理由があって補助手摺下地を取り止めているのなら、
ちゃんとマンション購入者全所帯に説明してほしいし、

施工会社の単純な、”施工ミス”なら、
デベロッパーは安易な妥協はしないでほしい。

でも、その場合、
所帯数が多いだけに大変だあー。。。

2009年11月01日

内覧会★同行日記 【継ぎ足されたアルミ手摺】

【285時限目】                              author アーキスケット 出口

マンション内覧会です。
このマンション、地下1階地上9階建ての鉄筋コンクリート造で
2棟がL字形でエキスパンションジョイントで繋がった構造となっています。

内覧会の受付を済ませ、
ご依頼者と施工会社の立会者とともに、
目的のお部屋のある3階でエレベーターを降ります。

共用廊下を歩いて行くと、
2つの棟を繋ぐエキスパンションジョイントの金物が1階から9階まで見渡せます。

でも、エキスパンションジョイント金物の大きさが階によってまちまちなのです。

施工会社の立会者に、
「エキスパンションジョイントの大きさが階によって違っているのはどうしてですか?」
と尋ねます。

「地震の時に階によってマンションの揺れる幅が違いますから、
 それに合わせてエキスパンションジョイントの大きさを決定しています!」

「そうなんですね。。。
 だからコンクリート手摺だけの階とアルミ手摺を継ぎ足したものとが混在してるんですね。」

「ハイ!」

「施工するのも面倒くさかったんじゃないですか?」

「その通りなんです!」

「でも、見栄えは悪いですね。」

「そういった設計ですから。。。」

パンフレットにある全体平面を見ても、そこまでの細かい記載はされていません。

まあー、説明としては理にかなってはいます。

さて、お部屋に入り、
本格的に内覧会の検査スタートです。

で、いつものようにバルコニーから検査を進めます。

すると、コンクリート手摺の端っこに
共用廊下と同様、
手摺子2本のアルミ手摺が継ぎ足されています。

コンクリート手摺と隣戸の壁との間は25cm程度。
この隙間に継ぎ足されたアルミ手摺が無ければ危険です。

一般的には、手摺の隙間は11cm以下に設計します。
理由は、子供が落ちないためにはこの位の隙間以下にしなければならないからなのです。

ここも、エキスパンションジョイントなのか?

でも、でも、でも、でも!

バルコニーの床を見ると、
隣戸の壁に繋がっているではありませんか。

もしかして、床だけエキスパンションジョイントにするのを間違えた?
それこそ大きな構造的欠陥となってしまいます。

そこで、間取り図をよくよく見ると、
隣戸も同じ棟であり、エキスパンションジョイントを設けるところではありません。
そして、アルミ手摺の継ぎ足しの表記もなく、
コンクリート手摺が壁際まで伸びています。

じゃー、このアルミ手摺の継ぎ足しは何なんだ?

で、手摺から外側へ頭を突き出し、
下の階の手摺を見てみます。

でも、やっぱりアルミ手摺の継ぎ足しがされています。
次に上の階の手摺を見てみます。

すると、アルミ手摺の継ぎ足しなんかされていません!

施工会社の立会者を呼び、
「このアルミ手摺が継ぎ足しされた理由はエキスパンションジョイントだからですか?」
と尋ねます。

「・・・・・」

「違いますよねえー。じゃー、理由は何なんでしょうか?」

「実は、コンクリート施工図を間違えました。。。。」

「ということは、間違いを気付いたのが最近ということですか?」

「・・・・・」

もう、足場も無いし、引き渡しも間近だし、
今更コンクリート手摺にするといった手直しが出来ないということで、
アルミ手摺の継ぎ足しといった対策を取ったということです。

「でも、上の階からはちゃんとした位置のコンクリート手摺になっているから、
 最近解ったということではないんじゃないですか?」

「・・・・・」

見え透いた言い訳はしないでほしい。

その時にきちんとした決断をしていれば、
鉄筋の接合やコンクリートの打ち継ぎ処理などの
手間暇かかる問題はあるにせよ、
適切な対処方法はあったはずです。

でも、今更です。。。

「マンション購入者に、訂正図を渡し変更理由を説明するべきではないでしょうか。」

「・・・・・」

あまりにもお粗末で恥ずかしい施工なので、
説明も出来ないということでしょうか?


2009年10月26日

内覧会★同行日記 【リビングダイニングが狭い!】

【284時限目】                              author アーキスケット 出口         

「もしもし、マンション内覧会同行の依頼をキャンセルしたいんですが・・・・」

えっ・・・と思いつつも、
「1ヵ月以上も先の予定ですので良いですよ!」と答えます。

「で、話は変わりますが、
 間取り変更についてアドバイスしてもらいたいのですが・・・・」

「何かあったんですか?」

ということで、
マンション近くのファミレスで図面を広げながら話を伺います。

「マンション内覧会前なのですが、
 お部屋を見せていただいた時、リビングダイニングが、
 ”思っていた以上に狭い!”
 と感じました。。。」


内覧会同行をしていると、
この、”思っていた以上に狭い!”といった感想を持たれる方が
なんと多いことか。。。

通常、お部屋の平米面積に0.3025を掛けた数値が坪数で、
坪数に2を掛けた数値が畳の数となります。
数値的なものは間違いないと思いますが、
お部屋の形状や家具の有無によって、
やはり、感覚的に皆さんそう思ってしまうみたいです。

でも、今回は・・・・

 
「で、お部屋をよくよく見ると、
 和室の間仕切りの位置が45cmズレているんです。
 それまでは、売主も全く気づいていなかったみたいです。」

「もともとはメニュープランで、
 和室6畳を4.5畳に変更しリビングダイニングを広げたんですよね!
 だったら、間仕切りを90cm移動するのが正解ですね。」

墨出し間違いなのだろうか?
よく、スケールの当て方の理由で、
10cmズレてしまったという間違いがあるのですが、
45cmといった中途半端な数値の間違いはなんなんだろう?

どうやら、他のお部屋でも間違いがあったらしく、
墨出し間違いではないらしい。
施工図の間違いだ!
 

「で、売主も、『直します。』ということなんですが、
 リビングダイニングが10.5畳ではやっぱり狭いので、
 この際、和室をなくしてしまおうと思っています。」

「売主が了解するかどうか解りませんよ。」

「対応してくれるそうです!!!」


で、間取り変更のご相談。
和室を無くし、リビングダイニングを広くした平面詳細図まで用意されています。

しかし、
ただ単純に部屋を広げただけではいけません。
お部屋の使い方や家具の配置を考え、
細かいところの確認や変更をしなければならないのです。

・照明器具の位置変更
・マルチメディアコンセントの位置変更
・和室だった時の襖を引き戸にする仕様変更
・和室にあったアルミサッシ額縁の仕様変更
・木製建具の開き勝手の変更
・物入れの位置の変更

などなどをアドバイス。

しかし、この中には、
無償では変更してもらえないだろうな?
といったアドバイスもあります。

この辺は、重々説明し、
交渉戦略(秘密)も練りに練ってアドバイス。

全部が全部、無償を主張するのは不当かもしれませんが、
売主には出来るだけ対応してもらいたいものです。

だって、和室を造り直すより、リビングダイニングを広げる方が
安く、早く手直し出来るはずですから。。。

ご依頼者には、
多少有償なものがあっても変更することをお勧めします。

だって、後悔しそうだったリビングダイニングの狭さを
広くすることが出来るんですから。。。

あとは交渉次第!


 

            

2009年10月21日

内覧会★同行日記 【手付金放棄だー!違約金だー!】

【283時限目】                              author アーキスケット 出口

今回の内覧会同行のマンションは、
世に言う、アウトレットマンション。

例の如くマンション売主からは、
「大幅値引きをしているので、現状引き渡しです!」

でも、内覧会同行のご依頼者は、
「キズ・汚れは重々承知してますが、構造的な欠陥がないかどうかが心配!」

ということで、マンション内覧会検査スタート!

このお部屋は、
地下1階にテラス、リビングダイニング、キッチン、水周り、
1階にバルコニー、洋室
があるメゾネットタイプです。

さすが、アウトレットマンション!?

検査を進めていくと、
テラス外周の擁壁は、各所に錆び汁が流れ出し、
バルコニーの床は乾燥収縮によるひび割れが数か所、
また、水勾配が無く、壁際の長尺シートが端から端まで大きな水溜り跡、
極めつけが、
洋室に火災報知機が付いていない。
などの不具合が発見されます。

さすがにマンション売主も、
「火災報知機はすぐに取り付けます。その他の指摘は検討します。」


マンション内覧会同行のご依頼者に、
「その他、気になったことや質問はありませんか?」
と尋ねると、

「24時間換気の排気音が気になります!」

「???」 

このお部屋の24時間換気は付けていないのですが、
どうやら、お隣の排気音らしい。
ちなみに、窓を閉め切っても気になるとのこと。

耳を澄ましたのですが、私には聞き取れるかどうか程度の音です。

「私は音にスゴイ敏感で、だからこそ閑静な場所にあるこのマンションを選びました。
 でも、これって仕方のないことかしら。。。」


で、翌日、マンション内覧会同行のご依頼者から電話連絡が入ります。

「色々と不具合が見つかったこともありますが、
 やっぱり音が気になるので、マンション購入の契約解除をしようと思っています。。。」

「音は一度気になりだしたら、ずうっと気になってしまうかもしれませんね。
 いずれにしても、後悔のない決断をする必要がありますね。」

「でも、マンション売主に100万円の手付金放棄で契約解除の申し入れをしたら、
 『代金20%の700万円の違約金が発生します!』と言われました。。。
 あきらめるしかないのでしょうか。。。」


この段階で、本当に違約金となるのだろうか???

違約金が発生するのは、
相手方が契約の履行に着手した時からです。

ここで、”契約の履行に着手”とは何ぞや?

ということがポイントになります。

一般論で言うならば、
『客観的に外部から認識しうるような形で履行行為の一部をなし、
 または履行の提供をするために欠くことのできない前提行為をした場合』

うーん、難しい。。。

”外部から認識しうるような形”
の具体例としては、

・鍵の引き渡しがされた。
・所有権の移転登記(新築の場合は保存登記)がされた。
などで、これは明らかに、”契約の履行に着手”でしょう。

でも、悩ましいのが、”前提行為”

・契約から建物引き渡しまでの期間で解約申し入れのタイミングといった時間的経緯
・デベロッパー社内での業務進捗度
などで、ケースバイケースの諸事情が勘案されるのでしょう。

そして、当事者間で合意に至らない場合は、

最終的には裁判所の判断

マンション購入者にとって、
裁判にするか?しないか?悩みどころになってしまいます。


2009年10月18日

内覧会★同行日記 【外張り断熱は難しい!】

【282時限目】                              author アーキスケット 出口

外張り断熱って何?

読んで字のごとく、
外壁躯体(コンクリートなど)の外部側で断熱することです。
この外張り断熱は、
外部側で熱を遮断してしまうため、
お部屋の結露対策や温度環境を保つうえでは理想的です。

でも、一般的には、
外壁躯体(コンクリートなど)の部屋側でウレタン吹付などの断熱が行われます。

何故、外張り断熱が流行らないのか?


さて、マンション内覧会。
今回は、世にも珍しい外張り断熱マンションです。

で、早速、検査するお部屋のバルコニーに出ててみます。

構造断面としては、
コンクリート壁の外部側に、
断熱材が貼られたパネル(アスロック)が横張りされ、
タイル貼りで仕上げられています。

立ち会った施工会社担当者に、
「外張り断熱は、施工上、色々と納まりが難しかったんじゃないですか?」
と尋ねます。

「外張り断熱マンションを造るのは初めてです。。。
 でも、設計者が外張り断熱マンションを得意としているので問題ありません!」

と、挨拶がてらの会話から、
マンション内覧会検査スタート!

先ず気になってのが、
外張り断熱のパネルで全体の壁厚が大きいため、
AW(アルミサッシ)の水切りの出寸法が大きくなっていることです。

先端部分は床との隙間20mm程度にシーリングがされているのですが、
這いつくばって、パネル下部の隙間からAW水切り小口を覗きこんでみると、
奥の方でシーリングがされていないのを発見です。

これは、
外張り断熱パネルで邪魔をされ、
奥の方までシーリングが届かなかったのだろうと推察できます。

「AW水切り小口にシーリングがされていませんよ!
 これでは、雨が部屋に浸入する危険がありますね!」

「ウレタン防水を立ち上げているので大丈夫です。。。」

「AW水切り先端はシーリングがあるのに
 小口部分でシーリングがされていないことに矛盾がありますよね。
 しかも、ウレタン防水だって、
 水切り下20mm程度の隙間から奥行70mm程度のところを施工するのも、
 非常に難しいですよね!」

「・・・・・」

「そもそも、施工順序が違うんじゃないですか?」

一般的な内断熱マンションでは、
最後の最後にAW水切り下のシーリングを行えば良いのですが、
この水切り小口をシーリングするためには、
外張り断熱パネルを取り付ける前に、
ウレタン防水を行い、長尺シートを貼り、シーリングをしなければなりません。
これは、非常に無理のある施工順序です。

ということで、目をつぶってしまったのか?

「今更、外壁パネルを取り外すこともできないので、
 AW水切り小口際の外張り断熱パネル下部を15cm程度シーリングするなどで、
 AW水切り小口下がら雨水が浸入しないような対策をしてください!」


次に、外壁面を見ると、
バルコニーの天井と床部分で、
当然のごとく外張り断熱のパネルは遮断されています。

施工会社の担当者に、
「スラブ部分のヒートブリッジに対する断熱折り返しは見受けられませんが、
 部屋側の天井で折り返し断熱はされているのでしょうか?」
と、尋ねます。

「このマンションでは断熱の折り返しはされない設計仕様になっています。」

やっぱり。。。。


次に、共用廊下に出てみます。

「この共用廊下の外壁は、外張り断熱がされていませんが?」

「ハイ、ここは内部廊下で空調もしてありますので問題ありません。」

「そうですか。
 先ほど、ユニットバスの天井から洋室の横にあるエレベーターシャフトの壁を見ましたが、
 断熱材は無く、コンクリート壁が見えていました。
 エレベーターシャフト内も空調がされているのでしょうか?」

「・・・・・」


マンションでは、
本当に外張り断熱にするのは難しい!

ところどころで、ウレタン吹付けなどの内断熱を併用しなければ、
納まりきらないところがたくさんあるのです。

でも、併用するくらいだったら内断熱にしてしまったほうが良い。
だって、手間もコストもかかるから。。。。

だから、マンションで外張り断熱は流行らない!?

2009年10月14日

内覧会★同行日記 【防火区画に給排気口?】

【281時限目】                              author アーキスケット 出口

前回の内覧会ブログで記載した、
欠陥マンション検査の話題をもうひとつ。

界壁(戸境い壁)の遮音仕様の検査を終え、
玄関扉を開けお部屋の外に出ます。

そこは、ALCの壁に囲われた階段室。

ふと、お部屋側の壁を振り返ると、
玄関ドアの上に150Φの給気口や排気口が取り付いています。

でも、FD(ファイアーダンパー)が無い!

FD(ファイアーダンパー)とは、
2枚半円の鉄板が兆番で繋がれ合わさったもので、
火災の時、
ヒューズが溶け鉄板が開くことによって給排気口の穴を塞ぐものです。

建物内部で火災の広がりを防ぐために定められた防火区画や、
隣家などの火災の延焼を防ぐために定められた範囲に取り付けられます。

そして、ここはALC壁に囲われた階段室。
竪穴区画という防火区画なので、
各住戸と階段室では
火災の延焼を防止する措置が講じられていなければならないはずです。
そもそも、給水以外の設備配管の防火区画貫通があること自体がNGかも?

念のため、防火区画図を確認しようとしても、
防火区画図もありません。

これまた、建築基準法違反!?
さらに、消防法違反!?

だから、
中間検査も完成検査も受けられなかったのか?
だから、
完了報告もできず検査済証も未発行なのか?


でも、でも・・・・・
そもそも給気口や排気口が、
何でALC壁に囲われた壁に取り付いているの?

だって、
給気は外気から取り入れるものでしょう!
排気は外気に排出するものでしょう!

それとも、壁に囲われた内部階段でも外気というのだろうか?

では、図面ではどうなっているのだろうか?
ということで、
平面図や設備図を確認してみます。
すると、
当然のように外気に面したバルコニー側に取り付けることになっているのです。
しかも、延焼範囲に入っているのでFD(ファイアーダンパー)付きと明記。

これまた、建築基準法違反!?


界壁(戸境い壁)の仕様変更といい、
給排気口の位置の変更といい、
しかも、建築基準法や消防法の違反を犯してまで、

何で仕様や位置を変更したのだろうか?

今後、協議や法的手続きになる可能性のある相手に対し、
今の段階では確認のしようがありません。

2009年10月10日

内覧会★同行日記 【変更された界壁遮音仕様】

【280時限目】                              author アーキスケット 出口

「賃貸マンションを建設したんですが、
 どうも隣同志の部屋で音が気になります。
 設計仕様と異なるんじゃないか?と思うんですが検査してください。」

と、マンションオーナーから検査依頼です。

今回は、内覧会というタイミングではなく、
引き渡し後のマンショントラブル検査なのですが、
参考になるかと思いブログにしました。

この賃貸マンションは鉄骨ALC造で、
界壁(戸境い壁)の構造を図面で確認すると、
ALC厚さ100mm、両面モルタル15mm塗りとなっています。

検査当日、ひとつめのお部屋に入り界壁(戸境い壁)を見ると、
一見して、『ありえない!』ものが目に飛び込んできます。

それは、コンセント!

「コンセントなんて、壁にあるのは普通じゃないの?」
と、疑問に思われるかも知れませんが、
いえいえ、普通じゃないのです。

建築基準法では、
政令で定める遮音仕様の技術的基準を満たす、
国土交通大臣が定めた構造方法
または、
国土交通大臣の認定を受けた構造方法
としなければなりません。

このマンションの界壁は、
図面上、ALC厚さ100mm、両面モルタル15mm塗りであり、
国土交通大臣が定めた最低限の構造方法なのですが、
コンセントを埋め込むなど、
この壁に穴を開けたり切り欠いたりしては遮音性能が低減してしまいます。

で、
この壁を拳骨でコンコン、コンコン。
アレッ?
モルタルではなくボードだ!

設計図と界壁仕様が違うのです。

ユニットバスに行き、天井裏から点検してみると、
先ほどの部屋から遮音シートがはみ出てきているのが見えます。
モルタルの代わりに遮音シートに変更したのか?

でも、この遮音シートは、国土交通大臣の認定を受けた構造方法ではありません。
ということは、
建築基準法違反???

と、今だにユニットバスの天井裏に頭を突っ込みながら考えていると、
さらに、『ありえない!』ものが目に飛び込んできます。

それは、ALC素地!

このユニットバス部分の界壁は、
ALC壁にモルタル塗りどころか遮音シートすら貼られていないのです。
ということは、
建築基準法違反!!!


でもでも、
工事中の役所による中間検査や完了検査では気づかなかったのだろうか?

でも、見落とすことなんてよくあること!?

で、マンションオーナーに、
「これで、検査済証がよく降りましたね!」
と確認すると、

予想すらしていなかった、『ありえない!』回答がされます。

「検査済証は受け取っていません。。。」

「えっ!!!」

これは、
間違いなく建築基準法違反!!!


この賃貸マンション、
まだまだ、建築基準法に抵触する欠陥工事や手抜き工事、
コストダウンのための勝手な仕様変更が発見されていきます。

それらを含め、
今後、弁護士とも相談し、法的手続きへと続くのかもしれません。。。。

2009年10月07日

内覧会★同行日記 【内覧会キャンセル】

【279時限目】                              author アーキスケット 出口

マンション内覧会同行のお申し込み者から、
事前の電話相談が入ります。

「内覧会当日にご相談しようと思っていたんですが、
 事前にお伺いしておいた方が良いかと思ってご連絡しました。。。」

「ハイ、どんなことでしょうか?」

「家族の事情で、入居前にマンションのおトイレを2つに改修しようと考えています。
 簡単に出来るものなのでしょうか?」

「おトイレを2つにですか・・・・」

「リフォーム業者に見積もりを取ろうと思ったんですが、
 『トイレは2つには出来ないんじゃないの?』と言われて心配になりました。」

「そうですね・・・・
 どういうふうにトイレを設置するかにもよりますが、
 トイレの排水縦管や部屋内にあるパイプスペースの壁を壊したりすることとなると、
 簡単ではないと思いますよ。」

「そうなんですか。。。」

「排水縦管やパイプシャフトは共用部といって、
 居住者が勝手にいじって良いものではないんです。
 これは、区分所有法に定められているもので、
 もし、その共用部をいじるのであれば、
 マンション管理組合の総会決議による過半数の承認が必要ではないでしょうか。」

「そうなんですか。。。」

「その場合、個別の問題なのでマンション管理組合の承認が取れるとも限りません。」
 しかも、マンション管理組合の設立もだいぶ後になると思いますよ。」

「えーーーーー、それは困ります!
 マンション購入契約前に売主からは、『出来ますよ!』と聞いているんです!
 おトイレを2つに出来るということでマンション購入契約をしているんです!」

「本当に売主は、『出来ますよ!』と言っているんですか?
 もしかしたら、何か方法があるのかもしれませんね。
 でも、念のため確認しておいた方が良いですよ!」


今回はごく稀なケースではありますが、
マンション購入契約時のトラブルをよく耳にすることがあります。
その原因のひとつに、
マンション販売の営業マンはマンションを売りたいがために
マンション購入者の質問に安易に回答してしまっているケースがあります。

営業マンにとっては受け流してしまいそうな質問でも、
マンション購入者にとっては、
それはそれは重要な問題ことだってあるのです。
ですので、
『絶対に間違いのない回答』をしてほしいものです。

そして、今回のケースは・・・・


マンション内覧会1週間前、
マンション内覧会同行のお申し込み者から改めて電話連絡が入ります。

「売主に確認したところ、
 トイレを2つにするのは技術的には出来るということらしいです。
 これは、施工会社に聞いてそういう回答だったからだそうです。
 でも、
 それはあくまでも技術的にということで、
 後はご自身で、
 マンション管理組合の承認を取ってくださいということです。」

「やっぱりそうでしたか。。。
 この売主担当者は、区分所有法は頭になかったのでしょうね。」

「今ごろになってこんな回答されるなんて・・・・
 家族会議をした結果、マンション購入の契約解除をしようと考えています。
 直前で申し訳ありませんが内覧会同行のキャンセルをお願いしたいんですが・・・・」

「やむを得ない事情ですので、それは結構ですよ。」

「約1年もの間、いろいろと準備をしてきたのにやりきれません。。。
 精神的苦痛なんかで損害賠償請求はできるものなのでしょうか?」

「それは、私がどうのこうの言えるものではありませんので
 弁護士に相談された方が良いです。
 でもその前に、
 契約解除ができるかどうかが心配です。」

「えっ?」

「トイレを2つに出来ることが条件という書面はあるのでしょうか?」

「ありません。」

「これまでのやりとりから、売主の誠意ある対応をしてもらえると思いますが、
 先ずは、契約解除して手付金が戻ってくるのか確認した方が良いですよ!」

「早速、確認します!」


まだまだ戦いは続きます。
それこそ、手付金放棄による契約解除なんてことになったら、
踏んだり蹴ったりです。。。

2009年10月03日

内覧会★同行日記 【使えないマルチメディアコンセント】

【278時限目】                              author アーキスケット 出口

一戸建て住宅の内覧会で、
平面図を片手に2階の洋室に入ります。

この平面図、
住宅メーカーによって記載内容の密度にかなり差があるのですが、
今回は、マンションなんかで言うところの総合図レベルで
詳細に図面が作成されています。

そこには、
マルチメディアコンセントの位置やクーラー用コンセントなどなど、
取り付けられるべき器具の表記はもちろんのこと、
ベッドや家具の配置までを想定し破線で示してさえあるのです。


入口の扉を開けると、
正面にはバルコニーに出られる大きな掃き出し窓、
右手には街並みの景観が眺められる腰窓、
左手には隣の洋室と一体に使用できるための3連引き戸、
そして入口側は木製扉の横にウォークインクローゼットの扉があります。

そして、さっそく内覧会検査スタート!

キズや汚れをチェックしていくとともに、
平面図とにらめっこしながら相違点や仕様の確認を行っていきます。

なかなか良い出来栄え!

キズ・汚れなどの類でいうと、
指摘事項は壁クロスにブツ(ゴミクロスの下に噛んでニキビ状に膨らんだもの)が一つだけ。

図面との相違も見つからず、
住宅メーカー担当者の誠意が感じられます。

そして、この洋室の検査の最後に、
各壁面を1面ごとに、全体として眺めていきます。

最後の一面、
入口の扉とウォークインクローゼットの扉がある壁を眺めていると、
その扉間90cm程度の壁にマルチメディアコンセントがあるのに違和感を感じます。

改めて平面図を確認してもその位置に表記されており、
施工上のミスではありません。

しかし、
こんなところにテレビやパソコンを配置することは絶対にありえません。
せいぜい、掃除機の使用で電気コンセントが使えるくらいです。

「このマルチメディアコンセントの位置では実際に使えませんね!
 常識的に考えれば、
 掃き出し窓がある壁と、腰窓がある壁の入隅部分に取り付けるますよね。」

と、住宅メーカー立会者に指摘すると、

「確かに、使いづらい位置ですね。。。設計者に確認します。」

と、携帯電話で即刻確認です。

で、
「設計者に確認したところ、
 掃き出し窓と腰窓の間の壁入隅部分にはベッドが置かれることを想定しているので、
 その他のところでマルチメディアコンセントが取り付けられる位置としては、
 現況のところしかないとのことです。」

確かに、平面図には破線でベッドの位置が示されており、
そこにマルチメディアコンセントを取り付ければベッドの下に隠れてしまいます。

しかし、
絶対にテレビやパソコンデスクを置くことができない2つの扉に挟まれた90cmの壁に
マルチメディアコンセントがあっても仕方がありません。
延長コードを扉下の床に這わせなければならないのです。

だったら、まだベッドの下の方が良い。
そもそも、ベッドだって置くかどうかも解りません。

「マルチメディアコンセントの位置は変更してもらえるんでしょうか?」

「図面どおりですので・・・・」

ここで、内覧会同行ご依頼者から、
「この部屋にはテレビやパソコンを置く予定はありませんので、
 今の位置で良いですよ。」

この一言に、住宅メーカー立会者も胸をなでおろします。


今回は、たまたま結果オーライ(?)。

想定したベッドの配置が優先か?
使えるマルテメディアコンセントの位置が優先か?

設計者には、
限られたスペースで悩みどころと思いますが、
優先順位を間違えないでほしいものです。


2009年09月29日

内覧会★同行日記 【エコカラットの厚さにご注意!】

【277時限目】                              author アーキスケット 出口

エコカラットを貼られる方が多くなってきました。

結露の軽減、消臭効果などがエコカラットの謳い文句ですが、
最近では、豊富なデザインが魅力的で、
お部屋のアクセントとして考えられる方も多くなったからではないでしょうか。。。。

そして、今回の内覧会同行のご依頼者も、
玄関とおトイレの壁にエコカラットをオプションとして貼っています。

さて、内覧会検査で、
そのエコカラットが貼られているおトイレに入ります。

見た目には、なかなか良いデザイン!

そして、そのエコカラットの壁には、
またまた、
デザインの良いタオルリングとペーパーホルダーが取りついています。

先ず、タオルリングを掴んでみると、
カクカク、カクカク・・・・
と、ガタつきがあるではありませんか!

施工会社の立会者に、
「このタオルリング、掴んでみるとガタつきますね。」

「そうですね・・・・」

「下地補強はしてあるんでしょうか?」

「ハイ、スタッドの間にベニヤ下地を入れてあります。」

「外れてしまうかも知れませんが、少し引っ張ってみても良いでしょうか?」

「それは、チョット困ります。。。」

「では・・・・」
と、今度はペーパーホルダーを掴みます。
すると、ほとんど力も入れていないのに、
スルッと壁から抜けてしまいます。

「アッ!!!」
と、これを見ていた内覧会同行のご依頼者。

ここで、スケールを取り出し、ビスの長さを確認します。

ビス長さは20mm、
ペーパーホルダーから出ているビス山は17mm程度。

エコカラットの厚さはいくつでしょうか?」

「さあー???」

で、エコカラットの小口で厚さを計ると5mm程度。
そして、壁の石膏ボード厚さは12mmが使用されています。

エコカラットと石膏ボードの厚さを足すと17mmあります。
 このビス長さではベニヤ下地まで届いていないですよね!」

「ペーパーホルダーに付随したビスですから。。。」

エコカラットの厚さを考慮したビス長さにするべきだったですね。」

「・・・・・」

「タオルリングの方も同じ状況でしょうね。」

「たぶん。。。」

「手直しをお願いしますね。」

「ボードアンカーで取り付け直します!」

「ボードアンカーじゃ、時間が経てば石膏ボードもボロボロになるんでダメですよ!
 本当にベニヤ下地が入っているんなら、長いビスにすれば良いだけですよ!」

「そうですよね。。。。」

「念のため、ベニヤ下地が入っていることも確認してくださいね!」

「ハイ。。。でも、エコカラットが貼られてしまっているので、
 どうやって確認したら良いのか???」

何とも世話が焼けます。

ここで、検査道具の”どこ太”君を取りだし、
エコカラットに開いたビス穴に針を刺してみます。

すると、17mm程度のところで針が止まるので、
ベニヤ下地は入っているようです。

「後は、ビスを交換すれば大丈夫ですね!」

「ハイ!」

2009年09月25日

内覧会★同行日記 【オプションだらけはミスだらけ】

【276時限目】                              author アーキスケット 出口

オプション・グレード変更、”46項目!”

マンション購入者が、
自分に合ったマンションライフを送るために、
真剣に間取り図と向き合ってきた様子が伺えます。

マンション施工会社の方も見落としや間違いが無いよう、
真剣にオプション・グレード変更工事を管理しなくてはなりません。

しかし、マンション内覧会でいくつかのミスが発覚します。。。

ミス その1.
南側バルコニーに面するリビングと洋室の間仕切りを撤去し、
全開放できるガラス引き戸に変更してあります。

「外壁側にあるガラス引き戸の縦枠すぐ横(20cm程度)のリビング側に
 クーラースリーブはありますが、クーラーコンセントがありません。
 この位置は、クーラーを取り付けない変更をしていますよね。」

「オプションを受付けた時期はコンクリート工事が終了しているので、
 クーラースリーブは残ります。」

「外壁側のクーラーキャップの取り付けは解ります。
 しかし、仕上げ工事では、
 部屋側は穴にロックウールを詰めボードで塞げたんじゃないですか?
 だって、クーラーコンセントは取り付いていなんですから・・・・」

「クーラースリーブだけは残す仕様にしています。」

何とも理解できない言い訳です。

「では、ガラス引き戸の縦枠すぐ横(20cm程度)の洋室側に
 クーラーコンセントはありますが、クーラーキャップがありません。」

一瞬、施工会社の立会者は顔色が変わります。

バルコニーに出て外壁側を覗くとクーラーキャップがあり、
コンクリート壁は穴が開いているようです。

「当然、部屋側にもクーラーキャップが必要ですよね!」

「ハイ。。。取り付けます。。。」


ミス その2.
洗面室で、壁に将来用手摺下地を取り付けるオプションになっています。

「この壁に将来用手摺下地がありませんよ!」

すかさず、施工会社立会者はすぐ横にある点検口を開け確認します。

「ここは、ユニットバスの操作盤があるので横型の手摺は取り付きません。
 壁の出隅部分で縦型の手摺を取り付けられるように変更してあります。」

「でも、手摺下地はありませんよね。」

「壁出隅部分のスタッドに手摺を留められます。」

「オプションの追加請求はされていますよね!」

「・・・・・」


ミス その3.
洗面化粧台が巾1.5mから巾0.9mのものに変更になっています。

「洗面化粧台の上にある2つのダウンライトが、
 洗面化粧台のセンター振り分けになっていませんね。」

「当初の洗面化粧台の巾に合わせた位置なっています。」

「巾が0.9mに変更になっているんですから、
 それに合わせるべきじゃないんですか?」

「ダウンライトの位置までは変更指示を受けていません。」

「当初1.5mの洗面化粧台の時のダウンライトの位置はどういう考えで決めていますか?」

「洗面化粧台のセンター振り分けです。」

「だったら、洗面化粧台の巾が変更されればそれに合わせるのが基本的な考えですよね。」

「・・・・、手直しします。」


オプション・グレード変更46項目に対し、
明らかなミスが3項目。

あなたは、この数を少ないと思いますか?

2009年09月21日

内覧会★同行日記 【車椅子の父親との同居住宅】

【275時限目】                              author アーキスケット 出口

今回の内覧会検査は、
ご依頼者夫婦と車椅子生活をされているお父様が同居する注文住宅です。

現地へ行ってみると、
住宅自体は完成しているものの、外構工事は全く手つかず。
別契約で請け負ってくれる業者を選定中とのことです。

内覧会検査前、ご依頼者より、

「今まで細かい打ち合わせをしながら進めてきましたが、
 色々と問題がありました。」

「どんなことがあったんですか?」

「2階の窓の位置は間違えるし、
 バルコニーのFRP防水が不良で1階の父親の洋室に雨漏れするし、
 父親用の洗面室引き戸は、実際、車椅子が通らない大きさのものを付けるし・・・・」

その他たくさん、工事中の経緯の説明があります。
その後ろでは、注文住宅メーカーの担当者が憮然とこのやりとりを聞いています。

「現段階では、解決しているんですか?」

「一応、手直しはしてもらっています。。。」


何とも雰囲気の悪い中、内覧会検査のスタートです。

「このウォークインクローゼットの天井高さが図面と違いますね!」
と、注文住宅メーカー担当者に尋ねます。

「意匠図と構造図で整合性が取れていませんでした。
 〇〇さんには説明し了解をとりましたが、
 その代わりといって、洋室間の間仕切りに遮音仕様をサービスさせられました。。。」

「・・・・・・」

その他、指摘を挙げるたびに一言があり、
注文住宅メーカー担当者も、
色々と言い分が溜まっているようです。

お部屋の中の検査を終え、住宅の外観検査のために外に出ます。

玄関扉と道路との高さの差が60cm程度。
建物外壁と道路までの幅が50cmから70cm程度(斜めな形状)。
車椅子用のスロープが可能な長さは2m程度(車椅子の幅がぎりぎり確保できる幅)。

外構工事は契約外というものの、
これでは、車椅子用のスロープは出来ないんじゃないの?

バリアフリー設計では、
・スロープ勾配 1/12
・スロープ幅 80cm
程度が必要なのです。

「お父様が車椅子を使用されているのは知っているんですよね。
 これでは、スロープが出来ませんよ!」
と、注文住宅メーカー担当者に尋ねます。

「ハイ、知っておりました。
 でも、建物の位置を指定したのは〇〇さんで、
 スロープは現況で造れるもので造るから良いという指示です!」

「そういった指示はしたんでしょうか?」
と、ご依頼者に尋ねます。

「・・・・・、でも、車椅子で通行は出来ると思っていました。。。」

「設計者や住宅メーカーは専門家なのですから、
 例えご依頼者の指示があったとしても、十分な説明義務がありますよ!」

「でも、これまでの経緯の中で決めたことですから!」

ご依頼者も自分が指示した手前なのか?あまり強気ではありません。

どうしてなの?

その後、話を聞いていると、
隣の家の塀が越境しているので、
それに合わせた位置でスロープを造るつもりだったらしいのです。

「違法なスロープをそちらの住宅メーカーで請け負いますか?」

「当然、請け負いません!」

私からご依頼者に、
「違法なことは絶対にしないでください!」
と説得。

結局、現況でできるスロープということで、
手摺も取り付かない急勾配な車椅子用スロープを造るとのこと。。。。

お父様は、自力ではスロープを上がることは出来ず、
大人2名の手を借りなければ外出できません。

日中はご依頼者の奥さんしかいないというのに・・・・・

改善策が見つからない、
何とも後味の悪い検査結果となりました。


2009年09月17日

内覧会★同行日記 【ドレーン排水2重溝】

【274時限目】                              author アーキスケット 出口

マンション内覧会で、
ご依頼者と施工会社の立会者とともにエレベーターを降ります。

正面にはご依頼者のお部屋、
左側には屋外階段、
右側にはT字型の共用廊下が続きます。

このエレベーターホール床の水勾配は複雑だよなあー。。。

見た目の感覚では、どうも水勾配が確保出来ているのか、チョット怪しい。。。

お部屋の内覧会検査が終わったら、レーザーレベルで水勾配を確認しよっと。。。


そして、ひととおりのお部屋の内覧会検査が終わって、
レーザーレベルを抱えエレベーターホールに出ていきます。

エレベーター扉の前には排水溝がないため、
エレベーターホール、共用廊下、外階段の踊り場がからみあった床の水勾配を、
一層、複雑なものにしています。

クーラーのドレーン排水溝はというと、
廊下からエレベーターの扉へ進み、
そこで直角方向へ右に折れ曲がり、
途中から、”への字”に再び折れ曲がり、
外階段の排水溝へ放流する形状になっていて、
その水勾配の複雑さを物語っています。


レーザーレベルをセットし、
50cm間隔程度でドレーン排水溝にスケールを当てていき、
水勾配が確保されているのか確認していきます。

うーん・・・、なんとも、ビミョー。。。

逆勾配にはなっていないようですが、
ほぼフラットな個所もあり、
『水が本当に流れるのだろうか?』
と、なんとも怪しい。

と、思っていると、
この長尺シートを3cm程度の幅でカットしただけのドレーン排水溝の中に、
幅5mm程度の排水溝があるではありませんか!

これは、
ハンディータイプのダイヤモンドカッターで溝を作った痕跡。

さては、水がうまく流れなかったんだなあー。。。

と、内覧会のプロなら見抜きます。


施工会社の立会者に、

「このドレーン排水は2重溝になっていますね。」

「あっ、ハイ。。。」

「水がうまく流れなかったんですね。」

「実は、水を流してみると、長尺シートの方へ水が広がってしまったんです。」

「これでは、一見して、”水勾配を失敗した!”と解ってしまいますよね。
 溝全体を削り取って少し下げれば良かったんじゃないですかね?」

「売主とも相談したんですが、
 溝を下げると歩行中につまづいてしまう危険もあるので、
 ダイヤモンドカッターで2重溝にしました。。。」

うーん。。。それも一理あります。

となると、根本的な手直しするには、
この広いエレベーターホールや外廊下、階段踊り場の床全体を造り替えるしかありません。
しかも、同じような失敗が合計3フロアーあるとのこと。

でも、それでは”大変!”と、
売主も2重溝で妥協したのでしょう。


今後、ここを通る人達に、
「このドレーン排水溝は水勾配を失敗しているぞ!
 どこの施工会社だったっけ?」

なんて思わせるような失敗作が、
半永久的に披露されることになりました。

2009年09月14日

内覧会★同行日記 【解っちゃいたけど面倒くさい】

【273時限目】                              author アーキスケット 出口

最近、
ミョーに、ある住宅メーカーの内覧会同行のご依頼がダントツに多い。

この1か月でも3件目。
調べると、この1年でも14件目。

そして、内覧会同行のご依頼をいただく時にほぼ共通していることが、

「インターネットを見ていると、評判が悪い業者みたいで心配なんです。。。。」


私自身、インターネットで
その業者の評判を見ることはあえてしないのですが、
これまでに、この住宅メーカーの内覧会に同行をした印象としては、

担当者の態度や口のきき方に問題が・・・・

全員が全員ということではありませんが、
社員教育で、
『あえて、そういった対応をするように教育されているんじゃないの?』
と、勘ぐってしまいたくなるほどです。


で、その住宅メーカーの内覧会検査です。

「ポーチの階段側面部分がモルタル仕上げになっていますが、
 立面図ではタイル貼りになっていますよ!」

「現況渡しですよ!」

「駐車スペースの照明器具が壁付けになっていますが、
 電気図では天井付けになってますよ!」

「現況渡しですよ!」

確かに図面には、

”現況と図面が異なる場合は、現況を優先とします。”
と明記はされています。

でも、それって正当な理由があって、
変更せざをえなかった時の場合のことを言うんじゃないの?

何でもかんでも、
水戸黄門様の印籠のように、
”現況渡し”をふりかざしてほしくない!

でも、内覧会同行のご依頼者は納得し(妥協?)、
現況のままということに。。。


次に、”現況渡し”を理由にできない指摘です。

「リビングにあるアルミサッシのビス締めが甘いですね!」(3mm程度浮いている。)

「そうですね。締め付けますよ!」

「洗面室にあるアルミサッシのビス忘れが6箇所もありますよ!」

「本当ですね。ビス締めしますよ!」

「この玄関ドアにもビス抜けが4箇所ありますね!」

「ビス抜けがあるのは解ってましたけど、
 どうせ内覧会検査をすれば指摘が挙がるだろうし、
 ”面倒くさい”から、後でやれば良いやと思ってましたよ。。。」

面倒くさい???

なんという言い草だろう!

しかも、内覧会同行のご依頼者もいる前で!


このビス忘れは、
内覧会同行のご依頼者は全く気付かなかった指摘です。

もし、私が指摘を挙げなかったならば、
この”面倒くさい”手直しがされたのかどうか???

その対応や口の聞き方が、
インターネットでの悪い評判になっているのかも知れません。

2009年09月09日

内覧会★同行日記 【壁タイル下地はALC?】

【272時限目】                              author アーキスケット 出口

マンション内覧会同行のご依頼者から送付されてきた間取り図を
事前にチェック。

バルコニー部分の構造体の表記を見ると、
柱は鉄筋コンクリート、
梁も鉄筋コンクリート、
壁はALC、
そして、外装仕上げはすべてタイル貼り。

でも、この柱ヨコの袖壁は、本当にALCで良いの?

で、マンション内覧会当日、
早速、バルコニーのチェックを行います。

先ず、見た目で袖壁はALCでないことが解ります。

タイルで隠れているのに何で解るの?

と聞かれそうですが、
コンクリートとALCの取り合い部分では、
タイル目地の替わりにシーリングがされるはずなのです。
しかし、この柱と袖壁の取り合い部分にシーリングはされていません。
ということは、柱も袖壁もコンクリートなのです。

念のため、
検査道具の”打診棒”で壁を叩いてみると、
音感でコンクリートに間違いなし!

図面と違うぞ!


施工会社の立会者に質問します。

「間取り図では、この袖壁はALC表記ですが、実際はコンクリートですよ!」

「袖壁は20cm程度なので、ALCにすることはできません!」

その通り!!!

ALCは、製品として巾600mmなのですが、
切断加工して使用する場合でも強度上巾を300mm以上にしなければなりません。
この壁は、もともとコンクリート壁でなければならなかったのです。

「では、間取り図の表記が違うということですね!」

「ハイ・・・訂正します。。。」


次に、リビングのアルミサッシと洋室のアルミサッシの間にある壁に目を移します。

「この壁は、タイル縦目地60cm以内ごとにシーリングがされ、
 梁下と壁の取り合いにもシーリングがされているのでALCですね!」

「ハイ、これは間取り図どおりALC壁です。」

「でも、壁の下部は長尺シート水上端部のシーリングだけですね。」

「そうですね。。。」

「ALCを乗せるコンクリート基礎はないのですか?」

「・・・・・」


このALC基礎コンクリートというのは、
バルコニー床のウレタン防水を立ち上げるためのものです。

再び、
タイルで隠れているのに何で解るの?

と聞かれそうですが、
もし、コンクリート基礎があれば、
そのコンクリート基礎天端とALC下部の取り合いで、
タイル横目地にシーリングがあるはずなのです。


「まさか、ロッキング工法のALC壁に
 ウレタン防水を立ち上げているなんてことはありませんよね!」

「・・・・・」


ここで、ロッキング工法のALCとは。

簡単に言うと、コンクリートの梁からALC壁を吊って、
コンクリートの柱や梁と縁を切っている構造であり、
地震の時などは、
コンクリートの柱、梁、床とALC壁は違った動きをさせるためのものです。
ということは、
ウレタン防水をコンクリート床からALC壁に立ち上げてしまうと、
防水が切れてしまい漏水してしまうということになりかねません。

ここで再び、検査道具の”打診棒”登場!

そして、壁の下の方を叩いてみると、
音感でコンクリートに間違いなし!

10cm程度、ALCコンクリート基礎があることが解ります。

施工会社立会者の説明とは違うものの、
常識ある施工がされています。

んっ!待てよ!

ならば、基礎天端とALC下部の取り合い部分(床から10cm程度の高さ)で、
タイル横目地がシーリングになっているはずです。

でも、シーリングにはなっていない!

「この部分のタイル横目地は撤去し、シーリングにする必要がありますよね!」

「ハイ、手直しいたします。。。」

2009年09月06日

内覧会★同行日記 【対応は大工さんにお任せ!】

【271時限目】                              author アーキスケット 出口

一戸建て住宅の内覧会。
場所は東京郊外。
この地域での内覧会同行は初めてで、
売主、仲介会社ともにジモティー業者です。

「よろしくお願いします!」
と、売主担当者の女性が挨拶しながら名刺を差し出します。

肩書きは、”2級建築士”!!!

「よろしくお願いいたします!」

「私は何にも解りませんので、
 この建物を造った大工さんにも内覧会検査に立会いしてもらいます。」

第三者による内覧会検査が初めての経験ということで、

”自分だけでは対応の自信がありません。”

と言っているかのように大工さんを紹介してくれます。

「よろしくお願いします!」
と、年配の大工さんに挨拶します。

先ずは、屋根裏収納からの内覧会検査スタート。

梯子を上がり屋根裏収納部屋に入ると、
”ムッ”と、蒸し厚さを感じます。
この夏の暑いさなかで仕方がありません(?)。

壁に取り付けてある点検口を開け屋根裏の状況を確認します。

すると、屋根裏収納外周の壁裏に断熱材が施されていません。
この、”ムッ”とした蒸し厚さはこれが原因か。。。

今どき、屋根裏収納の壁の断熱材は一般的になってきていますが、

「そちらの仕様では屋根裏収納の壁には断熱材を取り付けない仕様なんですか?」
と、女性2級建築士さんへ確認します。

「屋根裏収納はオプションなので、
 その仕様は大工さんに任せています!」

何を言っているのだろう?
仕様を決定するのは売主でしょっ!
オプションかどうかは関係ないでしょっ!

「基本的には、生活空間を断熱材で囲う必要があると思いますよ。
 屋根裏収納の壁に断熱材を入れていないと、
 外部 → 屋根裏 → 屋根裏収納部屋 → 洋室 
 との間に断熱材が存在しません。」

ここで、大工さん登場!
「ごもっとも!断熱材は簡単に取り付けられるし、やりますよ!」
と、女性2級建築士さんを、
すかさずフォローです。

さすが!年期の入った大工さん。
この一言で、一件略着!

でも、この女性2級建築士さんはうかぬ顔。
暑さのせいか?冷や汗か?
顔中、汗だらけになっています。


次におトイレの検査です。

「このトイレの壁は構造壁ですよね!
 収納ボックスが埋め込まれていますが問題はありませんか?」

「この収納ボックスもオプションです。
 取付位置は大工さんが決定しています!」

やはり、的外れな女性2級建築士さんの回答です。

「大きなボード開口は問題はありませんか?」

これは、女性2級建築士さんが設計者に電話連絡で”問題なし”との回答を得ます。

「では、この壁にブレースが入っているはずですが、
 収納ボックスとの取り合いは大丈夫ですか?」

ここで理解の早い大工さんが、
スケールを定規に、
「ブレースはだいたいこの位置に入っています!
 ぎりぎりですが、収納ボックスを避けています!」

実際に建物を造った大工さんが、
ここまでして証明してくれたので安心です。

「でも、壁を見ながら、そんなことまで考えて検査しているんですか?」

「ハイ。。。!!!」

ここでも、女性2級建築士さんは蚊帳の外で、うかぬ顔。


次にリビングダイニングの検査です。

「このフローリングの隙間が大きいと思います。」と指摘します。
実際、隙間は2mm程度、下地が僅かに顔を出しています。

「この程度は許容範囲ではないでしょうか?」
と反論しつつ、大工さんの顔色を伺います。

「確かに隙間が大きいですね!直しますよ!」
と、大工さんのきっぷの良い返事。

「少し厳しい指摘かも知れませんが、よろしくお願いします!」


内覧会検査はここで終了。

その後、この女性2級建築士さんは、
内覧会同行のご依頼者と、
契約上のやり取りで本領発揮!

顔の汗もひき、活き活きした顔で説明しています。

でも、それって大事な仕事ではありますが、
2級建築士の仕事というより事務処理的仕事です。

建築士の知識というものは、
机上の知識も大事ですが、
”経験工学”と言われるほど、実践の勉強が大切です!

是非、是非、
”2級建築士”の資格をペーパードライバーにしてほしくはないものです。
だって、資格試験の時は、
必死に頑張って合格したのでしょうから。。。。

2009年09月02日

内覧会★同行日記 【給気口は三位一体が必要】

【270時限目】                              author アーキスケット 出口

マンション内覧会で共用廊下に面した洋室の検査です。

お部屋に入ると、
共用廊下側の壁中央にカウンター付きの腰窓。
その左側の壁には、
上下に2個、点検口が取り付けられています。

そして、上側の点検口の上にはクーラーキャップ。
上下2個の点検口の間には換気レジスター。
ということで、
ここは、クーラー配管用のパイプシャフトになっています。

パイプシャフトの奥行は50cm程度。
室外機置場の確保に合わせた寸法になっています。

さて、このパイプシャフトの中の状況はどうなっているだろうか?
と、点検口を開けてみます。

外壁ALCに断熱材のウレタン吹付けがされています。
ウレタン吹付けの厚さや吹付け範囲は問題なし!

次に、クーラー配管用の穴に目をやると、
クーラーキャップはあるものの、
スリーブ(塩ビパイプ)は取り付いておらず、
そして、ALCの切断小口に補強筋が露出しています。

錆び止めくらいしてほしいよな!

出来れば、断熱・遮音・延焼防止のためにロックウールを詰めてあれば良いのですが・・・・
しかし、『どうせ、クーラーを取り付ければ撤去するのだから。』と、
そこまで配慮されているマンションはめったにお目にかかりません。

次に、換気用の穴に目をやると、
クーラー用の穴と同じ状況。

ベントキャップはあるものの、
スリーブ(塩ビパイプ)は取り付いておらず、
やっぱり、ALCの切断小口に補強筋が露出しています。

でもでも、これではNG!

給気口は、
ベントキャップ(外壁側)+スリーブ(外壁からボードまでの間)+レジスター(部屋側)と、
三位一体が必要なのです。

施工会社の立会者へ、

「クーラースリーブと給気口のALC穴のところで補強筋が露出してます。
 錆び止めをお願いします。」

「そうですね!解りました!」

「でも、給気口の方はALC穴の小口自体が見えることがオカシイと思いますよ!」

「???」

「スリーブでベントキャップと換気レジスターを繋ぐ必要があるんじゃないですか?」

「このパイプシャフトは奥行が大きいのでガタつくので取り付けていないかもしれません。」

この施工会社の立会者、
スリーブの必要性の意味が解っていない!

「これでは、外気がパイプシャフトに入ってしまい、
 ALCに吹き付けたウレタン断熱の意味がなくなりますよ!」

ここで断熱材とは、
外部温度と内部温度の差を断熱材で遮断し、
結露を防いだり、温度環境を良くするためのものです。

しかし、ウレタン断熱材の外側(廊下側)も内側(部屋側)も、
同じ外部温度にしてしまっては、
断熱材を行った意味がなくなります。

しかも、
パイプシャフト内では空気の対流も少なく、
結露してしまう可能性も大きいのです。


この説明を受けて施工会社の立会者も納得。

「スリーブを取り付けます!」

「ここのお部屋だけではなく、他の所帯でも同じような状況ではないでしょうか?」

「他のお部屋は大丈夫です!」


この、「他のお部屋は大丈夫です!」の即答、
皆さんは信用できますか?

2009年08月30日

内覧会★同行日記 【床下は切断クズがプーカプカ】

【269時限目】                              author アーキスケット 出口

建売住宅の内覧会検査です。

土台の防蟻処理、断熱材の敷き込み状況、設備配管の接続状況などを検査しようと、
キッチンにある床下点検口を開けてみます。

すると、
断熱材のウレタンフォームを切断したクズが、
水溜まりの上に、プーカプカと浮いているのです。

まるで、沼に浮かんで漂う水草の様です。

汚い! もうちょっと丁寧に掃除してほしいよな!

改めて、頭を床下に突っ込み、懐中電灯を照らして確認。

すると、見渡せる限りの床一面、
ウレタンフォームの切断クズがプーカプカ浮いているのです。

んっ、待てよ!何で水溜まりが???

深さ、5mmから1cm程度はありそうです。

もしかして、給水管や配水管からの漏水?
で、
キッチンの水道を全開。

しばらく、頭を床下に突っ込みながら状況を確認します。
だんだん頭に血が上り、もう限界。
でも、設備配管からの漏水は確認できません。

そうなると、
床下に水が溜まっている原因として考えられるのは、
雨によるものか?地下水によるものか?


建売住宅メーカー立会い者にこのことを告げると、

「もしかしたら、床下を水洗いしたのかもしれませんね!」

「この段階で床下を水洗いなんかしませんよ!」

ここで建売住宅内覧会同行のご依頼者。
「私たちも水が溜まっているのを見ましたが、
 ”乾けば良いのかな?”と簡単に考えていました。」

「床下で水が溜まっている状態ですと、
 結露によるカビの発生、水が腐っての臭気、虫が湧くといった可能性が高くなります。」

「実際にはそんなことが起きるとは思えませんが・・・・」
と、建売住宅メーカー立会い者の無責任な発言。

「トラブル事例を見たことが無ければそう思うかもしれませんが、
 実際に見てみると、ヒドイものですよ!」

「・・・・・・」

「先ずは、漏水の原因と場所の特定が重要ですね。
 その上で対策を立て、水溜まりができないようにしてください。
 もちろん、ウレタンフォーム切断クズの清掃もお忘れなく!」

「ハイ。。。。」


後日、建売住宅内覧会同行ご依頼者からのメール。

『建売住宅メーカー立会い者が別な棟を検査したところ、
 やはり、床下は同じ状況だったそうで、
 先日のゲリラ豪雨のせいということです。
 ネットで調べてみると、
 床下に水漏れがあると、カビが発生する等の重大な問題であることを認識しました。
 建売住宅メーカーの手直しも、
 ただ水を拭き取り乾燥させて完了となるような気がして心配です。』

建売住宅メーカーの立会い者は、
”ゲリラ豪雨だから仕方がない。”
ということを言いたいのだろうか?

でも、内覧会の前日は普通の雨だったよなあー。。。

いずれにせよ、
雨による漏水ということを認めているということであり、
漏水しないよう手直しがされなくてはなりません。

でも、
床下に溜まった水を乾かし、
雨が降りだしたジャストタイミングで床下を検査し、
そして漏水箇所を特定し、
防水手直しを行うのは大変だろうなあー。。。。


以下余談。

今回の原因は、
基礎耐圧盤(床)と基礎立上り壁のコンクリート打ち継ぎ部分からの
漏水ではないかと考えられます。
(もしかしたら、仮設の水抜き穴からの逆流による漏水?)

コンクリート工事というのは、
1回で全てのコンクリートを造るということができず、
数回に分けて行われます。(今回は、基礎耐圧盤と基礎立上り)

その時、
固まったコンクリートの上に新しいコンクリートを流し込むため
肌別れしている箇所(隙間)がある可能性が大きく、
外部に面するところでは
漏水する可能性のある危険個所となります。

マンションなんかでは、
地中内では止水板、地上ではシーリングなどといった
防水処置を行うのが当り前なのですが、
一戸建て住宅の基礎コンクリート打ち継ぎ部分では、
防水処置をすることがほとんど見受けられません。

過去において漏水事故が少ないということかもしれませんが、
やはり、
外部に面するコンクリート打ち継ぎ部分には防水処置が望まれます。


2009年08月26日

内覧会★同行日記 【内覧業者の評判】

【268時限目】                              author アーキスケット 出口

大手デベロッパーが売主のマンション内覧会です。

お部屋の検査の立会いは、
施工会社に任せっきりということも多いのですが、
このデベロッパーのマンション内覧会では、
必ず売主として検査立会いが行われます。

お部屋の検査も進み、
途中、内覧会同行のご依頼者がトイレ休憩に入ったのを機に、
売主担当者が声を掛けてきます。

「この数年、内覧業者さんが増えましたねえー。
 そのお陰で、お部屋の出来栄えも以前と比べると本当に良くなりました!
 我々の方も、売主検査を厳しく行うようにもなりましたし。。。」

「内覧業者も、少しはマンションの品質向上に貢献しているということでしょうね。」

「我々の中で内覧業者の情報を交換していますが、
 評判の良いところ、評判の悪いところ、いろいろありますね。」

「そうなんですかあー。。。」

「内覧業者Aなんかは評判が悪く、
 自分が偉いと思っているのか、わずかなことでも怒鳴りながら指摘するんですよ。」

「へえー。。。怒鳴ることはないですよね。」

「内覧業者Bはとにかく検査時間が長い。私なんか9時間付き合わされましたよ!」

「へえー。。。そんな長い時間検査をするんですか。」

「内覧業者Cは、ありゃー知識がない!キズ・汚れしか指摘できない。」

「へえー。。。内覧業者といっても実力は様々でしょうね。」

悪い評判ばかりが出てきます。

ドキドキ、ドキドキ・・・・
目の前にいるのは内覧業者ですよ!!!

でも、話が続きます。

「我々の中で評判が良いのは、内覧業者D、内覧業者E、内覧業者Fですね。」

あー良かった!

「内覧業者Dは、人によって実力は様々みたいですが、
 業界大手らしく話し方など対応は良いですね。」

「へえー。。。社員教育がしっかりしているんでしょうね。」

「内覧業者Eは、年配者が多く、大きな指摘がないので対応が楽です。」

「へえー。。。でも、それってマンション購入者にとっては問題ですよね。」

次は・・・・・
ドキドキ、ドキドキ・・・・・
一体どんな評判になっているんだろう・・・・・

「内覧業者Fは、・・・・・・・・・・・・・・・」

と、・・・・・・・・・・な評判にホッとします。

「その内覧業者Fというのは、私なんですが。。。。」

「へえー。。。そうだったんですか!!!
 でも、検査姿や話のやり取りを聞いていて納得しますよ!!!」


でも、もし私が内覧業者AかBかCだったとしたら・・・・・
噂話は身内内だけで行った方が良いですよ!


検査終了後、
このデベロッパーのマンションとしては重たい指摘事項がいくつか挙がります。

この売主担当者は、
ひとつひとつの指摘事項に頷き、
「我々としても納得する指摘ばかりですね!勉強になります!」

でも浮かれている場合ではなく、
「手直しはしてくれますよね!」と厳しい念押し。

「ハッ、ハイ。。。」


2009年08月23日

内覧会★同行日記 【露見したビスピッチ】

【267時限目】                              author アーキスケット 出口

ツーバイフォーの一戸建て住宅の内覧会検査です。

いつものように2階から内覧会検査スタートです。

主寝室に付随したウォークインクローゼットの扉を開けると、
枕棚の下の壁ボードが目に飛び込んできます。

枕棚の下はクロスを貼らないのだろうか?
いやいや、
このボードはしっかりとパテ下地処理がされているので
クロス貼りは間違いない!
何か問題でもあったのだろうか???

後で確認することとし、再び内覧会検査を進めます。

2階の各洋室 → 1階リビング・キッチン → 洗面室 → ユニットバスの天井裏・・・・

ん?、ん?、ん?、この一戸建て住宅の耐力壁、大丈夫だろうか?


一通りの内覧会検査を終了し、
ご依頼者と施工担当者へ指摘事項の説明です。

先ず、主寝室ヨコのウォークインクローゼット。

「この壁のクロスが貼られてませんが何かあったんでしょうか?」

ご依頼者
「私たちも気付きましたが、当り前すぎて指摘すらしませんでした。。。」

施工担当者
「???、クロスが貼られていないことすら知りませんでした。。。」

と、予期せぬ回答。

真下のフローリングのキズには施工会社の自主検査の付箋が貼られているのに。。。
壁クロスが貼られていないことを気付かないとは。。。

木を見て森を見ず。

「ところで、クロスが貼られていないのでビスが見えていますが、
 ボードビスピッチが150mm程度で良いのでしょうか?
 貴社の耐力壁のビスピッチの基準は何でしょうか?」

「耐力壁のボードビスピッチは75mmピッチです。
 しかし、ここは耐力壁ではありません。」

特記仕様でビスピッチを確認し、図面で耐力壁の位置を確認し、
「そうみたいですね。」

ここで、ツーバイフォーのボードビス留めピッチのお勉強。

一般的に木造住宅で採用されている仕様書『住宅金融公庫基準』では、
耐力壁の1枚貼りボードは外周部100mm、中間部200mmとなっています。

売主仕様の耐力壁ボードのビスピッチ75mmは、
施工誤差等を考慮した仕様なのでしょう。。。

では、
「次はユニットバスの天井点検口から見えるボードを見てください。
 片面の壁ボードのビスピッチは150mm程度。
 もう一方の壁ボードのビスピッチは200mm程度。
 ここは、図面を確認すると耐力壁となっていますが。。。」

「・・・・・・、確かにビスが不足していますね。。。」

「この壁ボードのビス増し打ちをするとなると、
 ユニットバスのパネルを解体しないとできませんね。」

「パネルを解体してでもビスを打ち増しします。。。」

「見えるところでビスが不足しているとなると、
 クロスが貼られているところは『大丈夫なのか?』と不安を持ってしまいますよね。」

「・・・・・・、他の耐力壁部分のクロスを全部剥がして確認します。。。」

施工会社の担当者も相当ショックを受けている様子。

ここで、
「早急な回答ではなく、
 貴社の技術担当者や構造設計者に相談し、
 ユニットバス周りの壁が、
 本当に100mmのビスピッチが必要な箇所なのかどうかの確認と、
 もし、必要な個所ならば、
 どのような対策を取るのかを検討してから回答してください。」

「そういたします。。。」

「他の耐力壁部分の確認についても、
 全部クロスを剥がすということではなく、
 先ずは抜き取り検査(30%程度)で確認するといった対策も考えられます。
 いずれにせよ、これについても相談したうえで、
 貴社としての対応の見解を出してください。」

「そういたします。。。」

大きな手直しとなるような指摘については、
他の者のチェックも必要です。
だって、
限られた内覧会検査時間
限られた内覧会検査資料
なので、
大きな勘違いすることだってあるんですから!

ユニットバス周りの壁は、
もしかしたら、ボード2枚貼りとなっているかも・・・・
あるいは、
ボード端部に見えているのが実は直行方向の壁に隠れて中間部なのかも・・・・

などなど。
その場合、ビスピッチの基準が異なってきます。

でも、この一戸建て住宅を実際に監督した施工担当者が、
「確かに、ビスが不足していますね。」と認めていることが、
やっぱり不安ですが・・・・

2009年08月19日

内覧会★同行日記 【住宅性能評価 等級ダウン】

【266時限目】                              author アーキスケット 出口

マンション内覧会同行のご依頼者から送付されてきた資料を確認すると、

≪設計住宅性能評価書についてのご案内≫

  プレミアムグレードの各住戸で、
  設計住宅性能評価書記載の「高齢者等への配慮に関すること」の中の
  「高齢者等対策等級(専用部分)の等級が「3」から「1」に変更となる予定です。

といった内容の案内文が添付されています。

この等級の数値が大きいほど、
その項目に関しての設計配慮が大きいのですが・・・・

等級ダウンということは、
高齢者等への配慮の度合を下げた!
ということで、
「何で?」といった疑問が浮かびます。

ここで、住宅性能評価書とは、

マンションや住宅の以下の項目に対し、
建築の素人の方に解り易いように
通信簿を付けているようなものです。

 ・構造の安定に関すること
 ・火災時の安全に関すること
 ・劣化の軽減に関すること
 ・維持管理、更新への配慮に関すること
 ・温熱環境に関すること
 ・空気環境に関すること
 ・光、視環境に関すること
 ・音環境に関すること
 ・高齢者等への配慮に関すること
 ・防犯に関すること

ただし、
住宅性能評価を取っているから”良いマンション(住宅)”
と勘違いされている方も多いのですが、
あくまでも通信簿を付けてもらったということで理解してください。


さて、マンション内覧会当日、

「プレミアムグレードのお部屋では住宅性能評価の等級がダウンしているんですね!」

「そうみたいですね!でも、うちはプレミアムグレードではないですから・・・・」

「えっ? プレミアムグレードのお部屋では???」

「うちは、Pタイプだから・・・・、あっ!プレミアムグレードでした。。。」

「仕様変更で等級ダウンしたとのことですが、どんな仕様変更をしたかご存じですか?」

「さあー???」

「では、後で直接売主・施工会社に確認しましょう!」


で、マンション内覧会検査終了後に、

「住宅性能評価の高齢者等への配慮の等級が下がった理由は何でしょうか?」

「ユニットバスの扉の仕様で、
 ポリカーボネイト折り戸を強化ガラスの方開きにしたところ、
 枠の床段差が出たためです。」

この説明と現物を見て納得!!!

でも、・・・・

「マンション購入者の中には、
 グレードよりも性能を優先したいと思われる方もいるのでは・・・・
 途中変更に対し何か言われる方もいるんじゃないですか?」

「ご契約時に説明していますので大丈夫です!」

「そうだったんですか!」と、

再び納得!!!

 (マンション内覧会同行のご依頼者は、
  自分とは無関係のお部屋と勘違いして説明を受け流していたのでしょう。)

でも、マンション購入者の中には、
”やっぱり、高齢者等への配慮を優先してほしかった!”
と思われる方もいるかもしれません。

グレードを取るか、等級を取るか、
売主として、悩ましい決断だったと思います。


2009年08月14日

内覧会★同行日記 【L字溝切り下げ逆転現象】

【265時限目】                              author アーキスケット 出口

この暑い時期、
最寄駅から徒歩15分ほどの一戸建て住宅の内覧会に向かいます。
検査道具の入った重たいキャリーケースを
コロコロ、コロコロ・・・
バス通りの狭い歩道を引っ張って行きます。

この歩道、まっ平らと思いきや、
道路との段差が20cmで、
家ごとに歩道切り下げがされているので結構凸凹。
チョット気を抜くと、
キャリーケースが倒れそうになることもあるのです。

で、ようやく目的の一戸建て住宅に到着。
タオルで汗を拭きながらご依頼者を待ちます。

この間、
建物外観、外構の仕上がり具合などを何気なくチェック。

すると、
駐車スペースの乗り入れのL字溝の切り下げがされておらず10cmの段差です。

駐車スペースの横は植栽のスペースなのですが、
フェンスなどは何もなく、
L字溝の高さに合わせて土が盛られています。

で、こちらのL字溝、
切り下げ用の高さ5cmのものが使われています。

これじゃー、
L字溝切り下げの逆転現象!

しばらくすると、
売主担当者、一戸建て住宅内覧会同行のご依頼者が到着。
早速、売主担当者に尋ねます。

「このL字溝の切り下げは、駐車スペース入り口と植栽部分で反対ではないでしょうか?」

「このL字溝は既存のものですし市の所有のものです。当社はいじっていません。」

「でも、通常は新築に合わせてL字溝のやり替え申請をするのではないでしょうか?」

「この地域だと、申請してから3か月から6か月かかります。
 当社では新築の工期が短いのを売りにしているので対応していません。」

確かに、確認申請・許可から3か月で建物が完成しています。
でも、優先順位が違うんじゃない???

「ここから見える範囲の他のお宅はすべてL字溝が切り下げられていますよ。」

「他はどうか知りませんが、当社では全ての物件でL字溝切り下げはしていません!」

ここで、一戸建て住宅内覧会同行のご依頼者から、
「今からL字溝切り下げの申請しては遅いのでしょうか?」

「申請はいつでも出来ますが、
 駐車スペースの土間コンクリートが高いL字溝に合わせているので、
 土間コンクリートのやり替えも必要になってきてしまいます。」

「当社では、現況でのお引渡しです。
 ホームセンターなんかで売っている乗り入れブロックを使われればいかがでしょうか。」

「そうするしかないんですかねえー。。。。」


一戸建て住宅の図面では、
L字溝の切り下げまでは記載されていないことがほとんどです。
このようなケースだけには限りませんが、

住宅購入者は、図面に記載されていないことは、

”当然、こういうふうになるんだろうなあー。。。”

と売主の常識を信頼しています。

しかし、実際出来上がったものを見て、

”思っていたものと違うじゃないかあー!!!”

と不満のやり場の無いことに悔しい思いをするケースが多々あります。
売主には、常識ある施工をしてほしいものです!

でも、常識って何???
永遠のテーマのような気がします。。。。

2009年08月10日

内覧会★同行日記 【ハツリ仕上げ爆裂リスク】

【264時限目】                              author アーキスケット 出口

内覧会のご依頼者とともにマンションに向かうと、
そこには、
15階建てのコンクリートの打ち放し化粧がふんだんに採用された
デザイナーズマンションが現れます。

外壁はよく見かけられるベニヤのコンクリート打ち放しだけではなく、
バラ板という昔ながらの型枠手法を使ったものや、
ハツリ仕上げという電動ハンマーとノミでコンクリート表面を目荒らしした手法が
雰囲気よくデザインされています。

マンション内覧会場で受付を済ませると、
先ずは共用部分からの案内順序です。

ゴミ置き場 → 駐輪場 → 駐車場と見学しますが、
どの部屋の壁もコンクリート打ち放しで、
東京お土産名物の雷おこしのようなジャンカやコールドジョイントといった
コンクリートの不具合は見られず、
見事な出来栄えであり、
細心の注意を払ったコンクリート打設であったことが伺えます。

さて、お部屋の中に入りバルコニーから検査スタート。

このバルコニーの隣戸境いにもコンクリート打ち放しの袖壁が採用され、
しかもその袖壁はバルコニーより出っぱており、
その先端は0cmから30cm程度のランダムに出っぱり・引っ込みのある
ハツリ&壊しのデザインとなっています。

この部分をよくよく見ると、
微細ながらも多数のクラックが・・・・

しかも、
ハツリ部分には撥水剤の塗布もされていません。

上下階との境を見ると、
打ち継ぎ目地がハツリ取られてシーリング防水の処置は何処へやら・・・・

これでは将来的に、
クラックやコンクリート打ち継ぎの肌別れ部分から雨が浸入し、
中の鉄筋を錆びさせコンクリートの爆裂に繋がりかねません。


チョット待てよ!!!

この袖壁の先端部分が、
0cmから30cm程度ハツリ取られているということは、
この部分に縦に通っているはずの鉄筋が無い!

せめて横筋は入っているんじゃないかと再確認しますが、
横筋を切断した痕跡も見られず、

もしかして、”無筋” だあー!!!

検査に立ち会った売主担当者に、

「ここの袖壁先端部分には鉄筋が入っていないんじゃないでしょうか?」

「そうですね、この形状からすると入っていないと思われますね。。。。」

「コンクリートの打ち継ぎ目地もハツリ取られているので
 シーリング防水もされていませんね!」

「こういった形状だと打ち継ぎ目地の入れようもありませんね。。。。」

「今すぐどうにかなるということではありませんが、
 10年後、20年後、コンクリートが爆裂して落下するリスクがあるかもしれませんね!
 しかも、下は人の通る駐車場ですし。。。」

「大丈夫だとは思いますが・・・・・検討します。。。」

でも、今更どうしようもない???
駐車場の上にネットでも張るしかないのだろうか?
それともリスクを冒してでもそのままとし、デザインを優先させるのだろうか?


設計者の中には、
何が何でもデザイン優先という考え方をする者、
施工というものが全く解っていない者、
本当に大勢います。

最優先すべきことは構造や防水などといった基本的性能であるべきです。
そして、施工を理解し、
そのうえで最大のデザイン力を発揮してもらいたいものです!!!

2009年08月08日

内覧会★同行日記 【雪止め金物は何のため?】

【263時限目】                              author アーキスケット 出口

夏真っ盛り!
世間一般的には夏休みスタートです。
今回は、
季節ハズレの雪のお話で少しでも涼んでいただければと思います。

一戸建て住宅の内覧会もいよいよ終盤。
建物外観の検査です。

切り妻屋根を見ると、
一方の屋根には雪止め金物が設置されているのですが、
もう一方の屋根には設置されていません。

総勢6名もいる売主立会者の中の施工担当と思しき人に、
「立面図どおりではあるんですが、
 何で片側の屋根には雪止め金物が付いていないんですか?」
と尋ねます。

すると、私ではなく内覧会ご依頼者に向かって、
「あの金物は工事中の足場の為ですので必要のないものですよ!」

「・・・・・・・」
工事中の足場の為のもの???

ご依頼者も、その他大勢売主立会者も
ただただ呆然。。。。


ここで、私事余談。

昔、新潟県の豪雪地帯で有名な越後湯沢で
超高層リゾートマンションを造っていたときのことです。

夜、大雪になって、
宿泊や料理でお世話になっていた宿のご主人が、

「ログハウスの方が心配だから、ちょっと見てくるわ!」
と宿を飛び出します。

豪雪地帯では雪降ろしなんて日常茶飯事なのです。

ところが、このご主人がなかなか戻ってくる気配はありません。
大雪で道路が通れなくなってでもいるのかな?

で、翌日の早朝、
ログハウスの屋根から落下した雪の下敷きになり
亡くなっているご主人が発見されます。。。


雪止め金物とは読んで字のごとく雪を止める金物であり、
屋根からの落雪事故を防ぐためのものなのです。

首都圏では大雪が降る機会も少なったため仕方のないことなのか、
若手施工担当者の雪止め金物に対する認識不足。


「雪止め金物とは落雪事故を防ぐものであり工事用の足場ではありませんよ!」

「・・・・・だから雪止め金物と言うんですね。。。」

「で、片側の屋根に雪止め金物が付いていない理由はなんでしょうか?」

「南面の屋根はすぐに雪が溶けるからじゃないですか。」

と、懲りずに思いつきだけの回答。

「この屋根は東面ですよ!」
まるで、漫才のやりとりのようです。

他の大勢いる売主立会者にも答えられる者はおらず、
「設計者に確認してください!」
と再内覧会までの宿題です。

で、再内覧会での回答。

「東面の屋根の面積の方が西面の屋根より小さいからです!」

確かに屋根面積は若干異なるものの大差はありません。

「設計図に書き忘れただけではないのでしょうか???」

2009年08月02日

内覧会★同行日記 【畳の常識・非常識】

【261時限目】                              author アーキスケット 出口

昔ながらの本格和室、良いですよねー!

天井には杉柾、竿縁天井に廻縁、
壁には長押、鴨居にジュラク塗り、
床の間には床柱、床框に落し掛け、
開口部には障子、襖に天袋、
そして床には板の間、畳寄せに本畳。

しかし今時、
マンションどころか一戸建て住宅でも見かけません。

今回、その和室の畳のお話です。

昔ながらの日本家屋では、
畳の形状は長方形であり切り込みなんてなかったのですが、
マンションの柱形や壁段差に対応せざるを得なく、
切り込みされた畳を見ることも多くなりました。

最近の畳はスタイロ畳などといった化学畳であり、
工場加工も容易なのが
安易に畳に切り込みをしている原因とも思えます。

今時、畳の切り込みも常識!?

さて、マンション内覧会で和室の検査です。

そこには開いた口が塞がらないほどの非常識が・・・・・

入口の引き戸枠や押入れの襖枠の縦枠が
壁面や敷居より20mm出っぱている(専門用語でチリ)ため、
畳が枠の出っぱている部分の大きさで切り込みがされているのです。(4箇所)
しかも、枠を境に
畳が敷居部分と畳寄せ部分で10mmの段差になっています。

この畳の切り込みは工場加工の成せる技!

と感心している場合じゃありません。

あまりにも複雑で細かい畳形状のため、
縦枠周りには大きな隙間が生じています。

しかも、その歪みが原因なのか、
壁のあちらこちらの畳寄せとの取り合い部分で
4mm程度の隙間が生じています。

ついでに、無理やり畳を押しこんで敷いたのが原因なのか、
ところどころで畳が浮いています。

さすがに、マンション内覧会同行のご依頼者も
この隙間や浮きに気づき指摘を挙げますが、

そもそも、こんな切り込みだらけの畳が非常識とは知りません。

検査に立ち会った施工会社の若手担当者に指摘をしても、
和室の知識は持ち合わせておらず、

検査後の内覧会場で所長の登場!

でも、この所長も結構若い。。。

「和室の畳が隙間だらけですね。
 畳が切り込みだらけで、こんなの見たこともありません。
 本来、縦枠の出、畳寄せ、敷居を同面にするべきじゃないですか!」

「ハイ、やはり売主からも指摘がされており、どうするか検討中です。。。」

「本来の姿にするためには、
 引き戸枠や襖枠の造り替えになるんじゃないですかね!」

「・・・・・」

「いつから検討しているんですか?」

「・・・・・」

「内覧会のタイミングでは、現実造り替えは難しいですよね!」

「見栄えは良くするつもりです。。。」

一体、どんな手直しがされるんでしょう???

その手直しが非常識なものとならなければ良いのですが・・・・


2009年07月30日

内覧会★同行日記 【?な洗面室床下地】

【260時限目】                              author アーキスケット 出口

次は、洗面室の検査だ!と洗面室の扉を開くと、
先ず目に飛び込んできたのが、
床のクッションフロアーに1本の筋。

洗面室の床は、
設備配管をするために二重床になっているのですが、
その床がまっ平らでなく、
クッションフロアー床下地のベニヤに段差がある場合の現象です。

ここを担当した大工さん、下手だよなー。。。。

そのまま床に目を凝らしていると、
次に目に飛び込んできたのが、
ユニットバスの扉下枠とクッションフロアーの取り合い部分の汚さ。

扉下枠よりクッションフロアーの方が2mm程度高くなっており、
しかも、その取り合い部分をシーリング材でねたくってあります。

床下地の高さ調整が雑だよなー。。。。

床下地を見るために、
洗面化粧台収納内の床下点検口を開けると、

壁入隅部分の束材が1本ものでなく、
斜め切りされた2つの桟木を木工用ボンドで接着されたものになっているが見えます。

まさか、材料をケチったの???

ここで施工会社の担当者に来てもらい、

「このクッションフロアー、段差がありますね!」

「本当ですね。。。少し悪いですね。。。」

「ユニットバスの扉下枠と床の取り合いの高さが合っていませんね!
 しかも、クッションフロアーの小口切断面をユニットバス下枠に擦りつけるために、
 凸凹にシーリングがされていますよ!」

「ここはお風呂上がりに水が滴るためシーリングをしています。」

「本当ですか?通常はこの部分でシーリングはされませんよ!
 他のお部屋かモデルルームを見せてもらっても良いですか?」

「・・・・・」

「洗面化粧台収納内の床下点検口から床下を覗くと、
 壁入隅の束材が接着材で接合されたものになってますが何でしょうね?」

「???・・・・・、もしかしたら、斜め切りにされているので高さ調整のためかも。。。」

ということは、他の四隅の束材も?

で、洗面化粧台下の床点検口から、
懐中電灯と点検鏡を駆使しながら反対側の壁入隅部分の束材を確認してみます。

すると、やはり斜め切りされている束材が見えます。
(その他2箇所の入隅は確認できません。)

「高さ調整のためのものとは別に束材が必要ではないでしょうか?」

「私もそう思います。。。大工にはそんな指示もしていませんし。。。」

ということで、
この洗面室の床を下地ごとやりかえることに。

施工会社担当者より、
「床下地はやり替えますが、洗面化粧台部分はそのままで良いですか?」
と煮え切らないお願いがされます。

実はこのお願い、洗面化粧台を動かすことが大変だからなのです。

ここで私から、
「洗面化粧台を動かさなければ、床下地はどこかで歪みが出てしまいます。
 また、先行貼りされているクッションフロアーと洗面化粧台の取り合いはどうするんですか?」

「クッションフロアーは切断してシーリングをしますし、
 歪みはヘルスメーター置場のところにしますから目立ちませんよ!」

ここで、怒りに満ちたご依頼者が、
「何を言っているんですか!他のお部屋と同じようにするべきでしょ!」

この怒りの発言に施工会社担当者もタジタジ。

「解りました。洗面化粧台も移動し全てをやり替えます。。。」


2009年07月27日

内覧会★同行日記 【痛っ!!!何このカーペット】

【259時限目】                              author アーキスケット 出口

ここはマンションの洋室です。
この洋室の床は流行りのフローリングではなくカーペット敷きです。

歩行していてもカーペットは柔らかく、
フローリングに慣れた足には優しく感じられます。

カーペット敷きもやっぱり良いよな!

さて、このカーペットの検査です。

ギュッ、ギュッ・・・・ギュッ、ギュッ・・・・
洋室の壁際を右足のつま先で10cm間隔くらいで強く踏みしめていきます。

「痛っ!!!」

まるで画鋲でも踏んでしまったかのような痛みが走ります。

予想以上に大きな声だったらしく、
「大丈夫ですか?」とご依頼者が駆けつけてくれます。

そして、売主担当者も施工会社担当者も
「何があったんですか?」と後に続きます。

裸足になり、
痛みを和らげるために親指と人差し指でその部分を強く摘みながら
「どうやらグリッパーの針を踏んでしまったようです。。。」

ここで、グリッパーとは?

カーペットを敷き込む方法のひとつとして、
幅25mm程度のベニヤに多数の針(ピン)を斜めに埋め込んだグリッパーというものを
壁際に固定し、
ニーキッカーといった道具でカーペットをシワやヨレがないように引き伸ばしながら
端部をグリッパーに引っ掛けていきます。

私が壁際をギュッ、ギュッ・・・・と踏みしめていたのは、
このグリッパーの針が上向きになっていないかどうかの検査だったのです。

そして、不幸にも(?) 検査の効果があったということです。

施工会社の担当者は、
カーペットのパイルを
猫の蚤取りでもするかのように指で押し広げながら上向きの針を見つけ出し、
マイナスドライバーで押しつぶします。

売主担当者は、
ご入居者に怪我でもされてはいけないと思ったのか、
私と同じやり方で、
壁際のカーペットを右足のつま先で10cm間隔くらいで強く踏みしめていきます。

しばらくすると別な洋室から、
「ここにも針が出ているところがありますよ!!!」

施工会社の担当者は、
「そっちもですか?」
と、マイナスドライバーを持って駆けつけます。

この針の出ていた箇所は偶然にも2箇所とも、
洋室の入口の扉下にある床見切りの際です。

ここは人が頻繁に出入りするところです。

危ない!危ない!

赤ちゃんが這い這いして怪我をしてしまうことを考えるとゾッとしてしまいます。

それからしばらくの間、皆でギュッ、ギュッ・・・・

後は大丈夫そうでしたが、

「もう一回、カーペット敷きの洋室全てを確認しておいてください!」
と、施工会社の担当者へ宿題です。


2009年07月23日

内覧会★同行日記 【GLボードの怪現象】

【258時限目】                              author アーキスケット 出口

「もしもし、入居して半年ほど経つんですが、欠陥マンションなんです!」

「どんな欠陥マンションなのでしょうか?」

「洋室の梁下のボードがだんだん下がってきているんです!
 他にも、リビングや和室の壁のクロスの隙間がどんどん広がってきているんです!
 もう、心配で、心配で・・・・をとおり超えて恐いんです!」

「内覧会の時には無かったんですね?」

「しっかりチェックしましたけど、その時はありませんでした!」

ということで、
入居後の欠陥マンションを検査することに。。。。

この検査にはご依頼者の他に
売主担当者、施工会社の建築部長、現場所長、現場主任、職人と待機しています。

廊下側にある洋室に入って確認すると、
なるほど、梁下のGLボードが全体に2cmくらい下がっています。

そして、リビングと和室のバルコニー側の壁の入隅部分全てに
クロスの隙間が出てきています。
よくよく見ると、
全ての壁の中央部でGLボードが5mmくらい湾曲しているではありませんか!

原因は何だろう???

欠陥が生じている部分は外壁に面するGLボード部分ということで共通。
そして原因を解明するために、
職人にGLボードを剥がしてもらいます。

すると、
・GLボンドと石膏ボードに隙間は無い。
・GLボンドとウレタン断熱に隙間は無い。
・ウレタン断熱とコンクリート壁に浮きは無い。

何なんだ?この怪現象は!!!

建築部長   「?????」
現場所長   「?????」
現場主任   「・・・・・・・」 
売主担当   「・・・・・・・」

この現象からすると、
ウレタン断熱が膨らんでいるとしか考えられません。

もしかしてウレタン2次発泡?

このウレタン2次発泡というのは、
施工中に完全発泡せず、
後々に再発泡してウレタンが膨らむ現象で、
寒い時期でのウレタン吹付け施工や、
ウレタン吹付けの厚さが大きいときに生じるケースがあります。

ちなみに、ここのウレタン吹付け時期は11月後半とのこと。

とりあえず、
この発泡ウレタンの小片を切り取って、
試験場にて高温多湿および高温ドライといった悪条件での
寸法安定性の物性試験を行ってもらいます。

後日の報告書では、『寸法変化は基準値以内』

ということで、
今後のウレタン2次発泡の可能性は低く
発泡ウレタンのやり替えまでは必要なしと判断し、
ボードおよびクロスの復旧をお願いします。
ただし念のため、
『後日、同じ現象が確認された場合は、瑕疵担保期間を過ぎても手直しする。』
との覚書を交わすよう提案です。

余談ですが売主担当者と現場主任に、
「もしかして、
 他のお部屋でもこのウレタン2次発泡が起きているところがあるんじゃないですか?」

売主担当  「・・・・・・・」
現場主任  「・・・・・・・」


 

2009年07月20日

内覧会★同行日記 【動く壁石膏ボード】

【257時限目】                              author アーキスケット 出口

マンション内覧会で、
今は室内廊下の検査進行中。

このお部屋、
玄関を入ると奥の方へと廊下が伸び、
正面にはリビングダイニング、左右には洋室が配置されている
ごくごく一般的なマンション平面計画の間取りです。

廊下とリビング間のWD(木製ドア)を検査していると、
WD枠と直角方向に取り合う壁のクロス端部に
わずかながら隙間があります。
それもWD枠の上から下までスウッーと。。。

これはWD枠に取り合うクロス端部の接着剤が剥がれた現象で、
扉が”ガチャン”と閉まった時など、
枠の振動で生じてしまうケースがあります。

まさか、WD枠のLGSへの固定が不良なのでは?
と、WD枠を手掴みし動かして確認しますが
特段問題は無いようです。

では、壁ボードの固定方法に問題は無いかと、
WD枠際の壁ボードを指で押してみます。

すると、壁ボードは簡単に動き、
5mm程度WD枠との間に隙間が生じてしまいます。

再度、天井に近い部分、床に近い巾木上部分も指で押してみますが、
やっぱり、5mm程度WD枠との間に隙間が生じてしまいます。

もしかして、この位置にLGS(骨組)が入ってないの?

ここで、
内覧会検査の七つ道具である下地探査の”どこ太”君登場!

この”どこ太”君、
石膏ボードを針で刺すことによりLGSの場所が解るものです。
ちなみに、石膏ボードの厚さも解ります。

そして、先ほど指で押さえた壁ボード部分を
”どこ太”君を使って針で刺してみると、
やっぱりLGSはありません。

LGSは壁に30cm以内の間隔かつ壁端部に入っているはずなのに。。。

では、何処にLGSがあるのかを、”どこ太”君で探します。
するとWD枠から20cm程度離れたところで針がLGSに当たります。
ちなみにそのLGSは洋室入口のWD枠補強材です。(壁の延長25cm程度)

ということは、
壁ボードの端部はリビングのWD枠に差し込んでいるだけ!
ボードは洋室WD枠際にある1本のLGSにビス留めされているだけ!

これでは、壁ボードを指で押すと動いてしまうのも当然です。

内覧会検査の本当のプロは、
こんな僅かな現象からも原因を追及し欠陥を見抜くのです。


ここで、施工会社の検査立会者に来てもらい、

「この壁を指で押さえる動いてしまいますよ!」
と、実演してみせます。

「オッ!本当ですね。」

「”どこ太”君で確認すると、この部分にLGSがありませんよ!」

「LGSの取付間隔は30cm以内ですから、ここにはLGSは無いかもしれませんね!
 リビング側にLGSがあると思いますよ!」

と、技術屋とは思えない発言。

「WD枠で壁ボードは途切れるんですからWD枠際でLGSがなくてはいけないですよね!」

「・・・・・」

この施工会社の検査立会者、
『LGSは30cm間隔以内』といった初歩の知識はあったのですが、
LGSを入れなくてはいけない場所や開口補強方法などの知識が不足しています。

故意にLGSを省いたとは思いませんが、
自分の知識に自信が無い場合は、
「後で確認して回答します。」
で良いと思います。

誤った言い訳をされると、余計に不安になってしまいますよ!

当然、
クロスと壁ボードを撤去してLGSを入れる手直しになりました。


          

2009年07月16日

内覧会★同行日記 【タオル掛けは仕上表どおりだけど】

【256時限目】                              author アーキスケット 出口

内覧会のご依頼をいただくと、
事前にいくつかの資料を送付していただいてます。

一戸建て住宅の場合、
配置図、各階平面図、東西南北の立面図、矩計図(断面詳細図)、
そして仕上表。

仕上表には、各部屋の天井・壁・床・巾木の材料が示されているのですが、
その横に備考欄があります。
そこには、
収納棚、手摺、ペーパーホルダー、タオル掛けなどの備品の取り付け有無が記載されてます。

さて、一戸建て住宅の内覧会。

洗面室の隣に配置されているトイレの検査です。
仕上表の備考欄と見比べながら、
収納棚OK、手摺OK、ペーパーホルダーOK、
そしてタオル掛けOK。

次に、便器にキズや割れは無いか?などの検査を進めます。
この便器、
最近流行りのタンクレストイレ。
狭いトイレの空間が広く感じられます。

検査の一貫として、
便器の蓋を上げ、大便をする振りをし(ズボンは降ろしません。)、排水をし、
手を洗おうとしますがタンクレス。
そして、ここには手洗いはありません。

ということは、隣の洗面室で手を洗えということなのでしょう。。。

ん??? このタオル掛けは何のためにあるのだろう?

でも、トイレ仕上表の備考欄には、”タオル掛け有り”
後で施工会社の担当者に確認することにして洗面室へ!

そして洗面化粧台で手を洗う振りをした後、タオルで手を拭こうとしますが・・・・

え??? ここにはタオル掛けが取り付いていません。

洗面室仕上表の備考欄を確認すると、”タオル掛け”の記載はありません。

ということは、
トイレも洗面室もタオル掛けの有無については仕上表どおりなのです。


全ての検査を終了し、ご依頼者と施工会社の担当者に指摘事項の説明です。

「このトイレの壁にタオル掛けが取り付いていますが、手洗いはありませんよね。」

「トイレ仕上表の備考欄に記載があるので取り付けています!」

「この洗面室にはタオル掛けが取り付いていませんが、
 この洗面化粧台で手を洗うんですよね。」

「洗面室仕上表の備考欄に記載がないので取り付けていません!」

まさに図面どおり!

施工会社の担当者が言っていることは正しい!?
そんなことはありません。
設計者だって間違いはあるのです。
そして、
施工担当者は設計者の間違いを是正する役目だってあるのです。

結局、使えないタオル掛けでは仕方がないことを認め、

「トイレに取り付いているタオル掛けを洗面室に移動します!」
と手直しを快く了解してくれます。

「念のためですが、トイレの壁クロスにビス穴が開いているはずなので、
 クロスの貼替えもしてくれますよね!」

「ボンドコークの穴埋めではダメでしょうか?」

「ダメです。」

「ハイ、解りました。。。。」

「念のためですが、洗面室の壁にタオル掛けを取り付けるんですから、
 ベニヤでの補強下地は入れてくれますよね!」

「そこまでは考えていませんでした。。。。補強下地を入れないとダメですよね。。。。」

「ダメです。」

2009年07月13日

内覧会★同行日記 【拳骨の穴?】

【255時限目】                              author アーキスケット 出口

またまた完成済みマンションの内覧会です。

このところ多いですね・・・・・
ご時世でしょうか・・・・・
デベロッパーも大幅値下げしてでも
売れ残りマンションの在庫処分に苦労しています。

いつものように、
ご依頼者と最寄駅で待ち合わせし、
駅から徒歩1分の再開発超高層マンションまで向かいます。

売主営業担当者にお部屋に案内してもらい、
「検査が終了したら販売事務所へ来てください。」
と、
『後は勝手に検査して!』
というスタンスです。

完成済みマンションでは仕方がない(?)。

後は、私とご依頼者で検査をスタートします。

すると、
出るは出るは指摘のオンパレード。

今回はその中のひとつをご紹介です。

お部屋の中央部に配置計画されている洋室の壁に
クーラースリーブが取り付けられています。

そして、その蓋を回転させ取り外すと、
先行冷媒配管やドレーンパイプが見えません。
ということは、どこかに点検口がなければなりません。

ということで、この洋室の隣にあるおトイレへ。

すると、何と600角の点検口が、”でーん”と壁に取り付けられています。
この点検口はクーラーの冷媒配管やドレーン配管の作業をするためのものなのですが、
せめて450角程度の点検口でも良いのでは・・・・

パイプシャフトの中の作業性が悪いのかなあー?
と600角の点検口を開けてみます。

で、開けてビックリ!

正面に見える(作業性は悪くない。)
クーラースリーブ周りの壁プラスターボードが
洋室側から拳骨でぶち抜いたようにボロボロになっています。

通常、クロスを貼る前に、
ホールソーといった道具で
プラスターボードに丸い穴を綺麗に開けます。
まさか拳骨でぶち抜いていることはないはずですが・・・・

それほど酷い!

改めて洋室側からクーラースリーブ周りのクロスの仕上がり具合を見ると、
一見してはこのボロボロ状況は解りません。
しかし、クーラースリーブ周りを指で押して見ると壁が動きます。

もし、ここに施工会社の担当者が検査に立ち会っていれば、
赤面してしまうこと請け合いです。

こんなことでは、
点検口内部の
施工会社の自主検査や売主検査をしていないことが明らかです。
それとも、
マンション購入者は点検口の中までは見ないからいいや!
ということなのでしょうか?

手直しをするには、
洋室側のクロスを剥がし、
プラスターボードを貼り替え、
改めてカットソーでクーラースリーブの穴を開け、
クロスを貼り、
クーラースリーブを取り付けなければなりません。

売主営業担当者は、
「建築担当者に伝えます。。。」
と言うだけに留まります。

まさか、「現状引き渡しです。」
なんて回答は無いと思いますが・・・・


2009年07月09日

内覧会★同行日記 【石錆びは仕方ないのかー?】

【254時限目】                              author アーキスケット 出口

今回は一戸建て住宅の内覧会同行です。

最寄駅でご依頼者ご夫婦とご両親と待ち合わせ、
待ちに待った夢のマイホームに向かいます。

目的の一戸建て住宅の前では、
仲介業者と施工会社の担当者がお待ちかね。

「本日はよろしくお願いいたします!」
とご挨拶します。

すると、施工会社の担当者が、

「お部屋に入る前に、ご説明したいことがあります。」

一体何だろう?

「この玄関ポーチの床石なんですが、
 見ての通り石錆びが発生しています。
 石は自然のものであり鉄分が含まれていますので仕方のないものです。」

その玄関ポーチの床石を見ると、

これはヒドイ!

石と石の間の目地から錆汁が染み出し、
ポーチの床から階段部分の石目地まで流れ出しています。

確かに花崗岩などには鉄分が僅かながら含まれているものがあり、
石錆びが発生してしまうといったこともよく聞きます。

しかし、何でもかんでも、
『石は自然のものなので仕方がない・・・・』
といった理由を許してしまって良いのでしょうか。。。

自然のものでも不良品であればハネられる(使用しない)べきなのです。

また、施工不良が原因だって考えられます。
石の加工段階で何らかの鉄粉が紛れ込んでいるケースや、
石の施工中、目地の中に釘などの鉄製建材が埋め込まれてしまっているケースです。


「内覧会の前にはクリーニングしなかったんですか?」
とご依頼者。
「2日前にクリーニングはしております。」

「それでもこうなっちゃうんだ・・・・」

「ご入居後、1週間に1度程度はクリーニングしてください。」

「仕方ないんですかねー・・・・、それにしても毎週クリーニング???」

と私の方を振り返ります。

「このポーチで錆びが発生しているのはこの1枚の石だけです。
 ここ以外の棟で錆びが発生している石はあるんですか?」

「・・・・・」

ということで、
向こう三軒両隣のポーチの床石の見学会。
しかし、錆びが発生している石は1枚もありません。

で、
「もし、あなたが一戸建て住宅の購入者として、
 『毎週、ポーチの床石をクリーニングしてください。』と言われたら
 どう思いますか?」

「・・・・・」

「自然石といっても、度を越える不具合があるのであれば貼り替えるべきでしょう!」

「解りました。貼り替えします。」


当日の感想のご報告(メール)

私たちでは絶対に見つけられない不具合を発見していただき、
とても助かりました。
また、玄関前の石の錆びも出口さんがいなければ、
「そうか、仕方ないのか・・・」
と納得させられていたはずです。


後日、確認会のご報告(電話)

「もしもし、確認会に行ってきたんですが、
 ポーチの床石は貼り替えていませんでした。」
 
「内覧会の時、貼り替えを約束したんですから、強く主張した方が良いですよ!」


再後日のご報告(メール)

先日は玄関の石錆びの件、電話で教えていただきありがとうございました。
先方はできれば清掃又は塗装で済ませたいと考えていたようですので、
とても助かりました。
おかげさまで無事、交換がなされました。


2009年07月06日

内覧会★同行日記 【カウンター塗装仕上げ】

【253時限目】                              author アーキスケット 出口

最近のマンションでは、
リビングダイニングとキッチンとが対面式となっており、
奥様が料理をしている間でもカウンター越しに
楽しい(?)会話ができるプランが多くあります。

さて、今回のマンション内覧会の検査で、
カウンターにガタ付きはないか?
カウンターにキズは付いていないか?
とチェックをします。

カウンターの下にあるステンレス製のブラケット(カウンターを支えるもの)の固定も良く
ガタ付きはありません。
では、キズは無いかと天板を目を凝らして見ると、
何だか変。。。

このカウンターは白色のメラミン化粧合板のはずなのですが、
その光り具合が曇っているのです。

よくよく見ると、何と全体的に白色の吹き付け塗装がされているのです。

でも、遠目から見れば吹き付け塗装がされているとは解らず、
塗装職人の腕もなかなか上手だなあーと、
変なところで感心してしまいます。

検査終了後の指摘事項の説明で、

「このカウンターは塗装仕上げの仕様なのですか?」

「いえ、メラミン化粧合板を使用しています・・・・」

と、施工会社の立会者は私に目を合わせず回答です。

「でも、どう見ても塗装がされていますよね!」

「そんな風合いのメラミン化粧合板ではないでしょうか・・・・」

と、何とか言い逃れできないかと説明です。

ここでマンション内覧会同行のご依頼者も改めてカウンターを覗き込み、

「私達の検査では気づきませんでしたが、確かに塗装しているように見えますね!」

「・・・・・」

ここで、言い逃れができないように私から一言。

「カウンター裏のブラケットを見てください。
 養生テープのズレによりブラケットに塗装が付着しているのが解りますよ。」


多少のキズなどの場合、
樹脂や色合わせで本当に解らないように補修することがありますが、
カウンター全面を塗装してしまう補修なんて初めてです。

よほど大きなキズだったんではないでしょうか?

カウンターごと取り替えるとなると、
カウンターに取り合うクロス・ボード・キッチン側のタイル・シーリングなどの
やり替えも生じてしまいます。

その手間や費用が施工会社の頭をよぎり、
全体を吹き付け塗装で補修する方法を選択したということなのでしょう。

でも、非常識!

で、結局はカウンターの取り替えをしてもらえることに。

補修か? 取り替えか?
その判断は、
施工会社の常識意識の格差が現れます。

2009年07月02日

内覧会★同行日記 【その土間コン ちょっと待った!】

【252時限目】                              author アーキスケット 出口

一戸建て建売住宅の内覧会です。

内覧会同行のご依頼者とは現地で待ち合わせ。
お約束の時間より30分ほど前に到着してしまいます。

ちょっと早すぎた!

現地では、
工事行程がかなり遅れているらしく外構工事が全盛期。

本来、一戸建て建売住宅の内覧会検査では
外構工事も完了しているべきなのですが、
往々にしてこんなケースがあります。

そして本日は、駐車場などの土間コンクリートを打設しようと生コン車が待ち構え、
職人たちは今にもコンクリート打設作業を行おうとしています。
しかし、現場監督はまだ来ていません。

「もうコンクリートを打設するんですか?」

と職人に尋ねます。

「そうだよ!」

「もうすぐ現場監督が来ると思いますので、それまで待ってもらえませんか?」


というのは、
このままの状況でコンクリートを打設するのはちょっとマズイ。。。

・ひび割れ防止用のメッシュ筋の重ね代がまったく無い。
  
 本来、一枚一枚のメッシュ筋どうしで、
 メッシュ筋の間隔かつ10cm以上の重ね代がなければなりません。

・メッシュ筋が砕石の上にただ置いてあるだけ。

 これでは、ひび割れ防止の役にたちません。
 本来、スペーサーといったものでメッシュ筋を持ち上げ
 所定の位置にセットしなければなりません。
 (※コンクリート天端からかぶり厚さを確保しながらも出来るだけ上部)

でも、直接私から職人に手直しの指示するのもちょっとマズイ。。。


しばらくすると、ようやく内覧会同行のご依頼者と若い現場監督がほぼ同時に現地に到着。
そして、内覧会検査に入る前にその現場監督と協議です。

「メッシュ筋の重ね代が不足(全く無い)していますよ!」

「えっ、メッシュ筋って重ねないといけないんですか?」

「・・・・」 唖然!

「メッシュ筋の下にスペーサーをセットしないんですか?」

「コンクリートを打設しながらメッシュ筋を持ち上げるから大丈夫です!」

メッシュ筋敷きの場合、よくこんな言い訳を聞きますが・・・・

「でも、左官屋さんがコンクリート表面を仕上げるとき、
 踏んづけてしまい下がってしまいますよね!」

「・・・・・」 言い訳が続きません。しかし・・・

「そんなことをしていたら、生コン車のコンクリートが固まってしまいます。。。」

確かにその通り。
生コンは、工場を出荷してから所定の時間内(外気温25℃未満で120分、以上で90分)
で打設をすることになっています。

「で、どうするんでしょうか?」

選択肢は2つ。
素早く対応するか。生コン車を返すか。

一戸建て建売住宅の購入者もこの話しを聞いている手前、
現場監督も前者を選択。
そして、テキパキと職人たちに指示を与えます。

職人たちも協力的で、
また、材料も持ち合わせていたこともあり、
30分ほどで手直し完了。

そして無事、土間コンクリー打設をスタートです。

2009年06月29日

内覧会★同行日記 【ボードパテ処理(?)の良否】

【251時限目】                              author アーキスケット 出口

マンション内覧会で、
私とは別なお部屋で検査している
内覧会同行のご依頼者と施工会社の立会者が
何やら大きな声で話し合いをしています。

『何事かなあー』と、
そのお部屋に顔を出して見ると、
ご依頼者は、
内覧会検査道具の秘密兵器である懐中電灯を片手に、
高さ1.8m程度の壁クロスを
横からサーチライトのように照らしています。

この内覧会検査方法、
検査前に私が教えていたもので、
クロスのキズ、ニキビ状の膨れ、壁クロスのパテ処理の良否などを
一目瞭然に発見することができます。


「この壁一面横方向にずうーっと、クロスが膨らんでいますよ!」

すると、施工会社の立会者が説明。

「クロスの下は、1.8m×0.9mの石膏ボードが縦張りされており、
 その位置はボードジョイントのところですので、
 パテ処理で膨らんでいます!」

「そうなんですか?でも、こんなに膨らんでいるなんて普通なんでしょうか?」

私の検査でも、
いくつかのお部屋の箇所で、
クロス下地であるこのボードパテ処理の余りの雑さに、
指摘事項として挙げています。

「パテ処理ですから、まっ平らという訳にはいきません。
 どのお部屋を見てもらってもこんなものですよ!」

と、
施工会社のいつもの言い訳。

でも、職人の技量の良し悪しというものがあります。
しかし、その判断基準というのは感覚的なものであり非常に難しいケースがあります。

施工会社の立会者も、自身の常識的な判断で、

「ここは、少しパテ処理が悪いですねー。。。」

と言ってくれれば良いのですが、
なかなか施工会社の非を認めないケースも多いのが現実です。

ここで、私から。

「サンドペーパーの掛け方が丁寧ではないと思いますよ。
 懐中電灯を照らさなくても目で見て目立ちます。
 もう少し目立たなくできるのではないでしょうか。」

「こんなものだと思いますが・・・・」

「ところで、この膨らんでいる幅は4cm程度ですが、
 パテ処理の範囲として適正なのでしょうか?」

「・・・・・」

さすがに、「こんなものですよ!」と、いつもの言い訳できません。

通常は、
50cm程度の幅で全体になだらかにパテ処理およびサンドペーパー掛けを行い、
目立たなくするようにするのです。
(日本建築学会標準仕様書内装工事によると、50cmから65cm程度)


「他にもいくつか同じような膨れがありますよ。
 ちなみにお隣のお部屋を見てもらえますか。」

「ハイ。。。」

で、お隣のお部屋の壁を懐中電灯で照らしながら(照らさなくても解りますが・・・)、

「ここでは、床から20cm程度の高さで横方向にクロスが膨らんでいます。
 この位置でボードをジョイントしていることがあるのでしょうか?
 もし、そうならばボードの切れっぱしを使っているということでしょうか?」

「・・・・・ちょっと解りません。。。
 他のお部屋も含めてクロスを剥がし、確認したうえで手直しします。」


2009年06月25日

内覧会★同行日記 【クロスの破れの原因は何?】

【250時限目】                              author アーキスケット 出口

「もしもし、2年程前にマンション内覧会でお世話になりました〇〇です。」

「ご無沙汰しております。その後いかがですか?」

「マンション内覧会で指摘を挙げていただきました内容は
 施工会社に全て手直ししていただきました。
 ところが、1年、2年と経って、何度も壁クロスが破れてしまう箇所があるんです。」

「通常は、瑕疵担保期間がありますので、
 売主・施工会社に言えば手直ししてもらえると思いますよ。」

「ハイ、マンション1年点検時に手直ししてもらったんですが、
 また同じ現象が出てきました。
 再び、手直ししてもらったんですが、やはりダメです。
 現在、マンション2年点検を行っていますので、
 根本的な対策を取ってもらおうと思っています。」

「今までは、どのような手直しをしたんでしょうか?」

「1度目は、クロスをめくってみたら隙間があったのでパテを埋めてクロスを貼りました。」

「2度目はどうでしょうか?」

「その時は、何の意味があるのか解りませんが、
 ボードを30cm角程度切り取って貼り直しました。
 しかし、その切り取った部分のところも新たにクロスが破れてきました。」

「そうですか。。。クロスが破れる原因が何か判断して、
 根本的な対策をする必要がありますね。」


ということで、
原因調査およびその対策を協議するためにマンションにお伺いします。

クロスが破れているお部屋は、
バルコニーに面する30畳近くもあるリビングの外壁側。
2つの5m近くあるワイドアルミサッシの間にある壁で、
下地は、LGS下地+ボードです。

そして、クロスの破れている位置はというと、
木製下地のカーテンボックスとLGS+プラスターボードの境目です。

一見して、原因は、
5m近くもある木製カーテンボックスの乾燥・温度収縮と思われます。

『隙間のパテ埋めだけでは、再発してしまうのも当然だよなあー。』


で、施工会社の担当者と、手直し方法について協議。

「クロス下地としてプラスターボードの替わりにべニヤ板とし、
 かつ、カーテンボックスを加工し表面に貼り合わせましょう。」

「その方が良いですね。。。」

「念のため、LGS下地の裏側で2つのカーテンボックスを桟木で繋ぎましょう。」

「ベニヤで繋ぐんですから、そこまでは・・・・
 ねえー大工さん、どう思う?」

「手間もそんな掛からないし、やった方が良いと思うよ!」

と、賛同してくれます。

「効果はどの程度か解りませんが、やれることはやりましょうよ!」

「解りました。。。」

で、クロス貼り以外の下地の改良手直しを完了。
それを見た、ご依頼者は、

「これだと、隙間が開くということが考えられませんね!」
と、納得。

「でも、現況で考えられる最善の手直しをしたということで、
 絶対ということではありませんのでご了承ください。
 今後、やはりクロスが破れるようなことがありましたらご相談ください。」 

「ハイ、ありがとうございます!」
 でも、最初からその場しのぎの対策ではなく、
 根本的な対策をしてもらえていたら苦労は無かったんですけどねえー。。。」


2009年06月22日

内覧会★同行日記 【蚊の通り道】

【249時限目】                              author アーキスケット 出口

蚊の出没シーズン到来です。

マンション内覧会で、
検査終了後に行われた内覧会場での協議の場で、

内覧会同行のご依頼者である奥さんが、
「このマンション、蚊がいっぱいいるんですね!」
と、周りに蚊が飛んでいるのを気にしながら独り言。

私も、右手に2箇所ほど蚊に刺されていたので、
かゆみを堪えながら頷きます。

そして、蚊に刺された跡も消えぬまま、
本日2件目の完成済みマンションの内覧会です。

梅雨時期で雨もシトシトと降っており、
気温もかなり高く、
お部屋に入ると、すぐに汗が噴き出してきます。

この蒸し暑さに堪りかねて、
リビングのワイドスパンアルミサッシを全開。
少しは、涼しい風が入り込み蒸し暑さも解消します。

このアルミサッシ、左右両側が大きなガラスのFIX窓。
そして、中央部分で召し合わせの左右に開く両片引きタイプです。

再び蚊に刺されては堪らないと網戸を閉め、
ついでに、網戸とアルミサッシの縦框(タテカマチ:縦方向の枠)に
隙間はないかとチェック。

すると、網戸と片引きサッシの縦框とは隙間はないのですが、
片引きサッシの縦框とFIXガラスに
上から下まで1cm程度の隙間があります。

これでは、この隙間から蚊が入り込み、
ガラスとガラスの間を通って
お部屋に入り込んでしまいます。

念のため、
他に正しい位置があるのではないかと、
パズルのように、片引きサッシや網戸を動かしみますが、
やっぱり、ダメです。

このタイプのアルミサッシは、
片引き戸の縦カマチ部分にゴムが取り付けられ、
ガラスとの隙間をなくすのが一般的です。

しかし、そのゴムも取り付いていません、
アルミの型材がゴムを取り付けられる形状にもなっていません。

アルミサッシの製品自体の設計ミスなんてことがあるのだろうか?

でも、そうとしか考えられない。

すると、他のお部屋でも・・・・
もしかして、他のマンションでも・・・・

売主立会者に、
「施工会社を通して、アルミサッシメーカーに確認してもらってください!」

「アルミサッシ自体に問題があるのであれば、対応します!」

「このお部屋だけではないと思いますよ!」

「ハイ・・・・」


実は、この蚊の通り道のあるアルミサッシ、
半年ほど前に、別なマンションでも発見したことがあります。

2009年06月16日

内覧会★同行日記 【移動されたパイプシャフト】

【248時限目】                              author アーキスケット 出口

マンション内覧会のご依頼者から、
事前のお悩み相談のメールが送られてきます。

『マンション内覧会を前に心配な点があります。
 以前、パイプシャフトの場所が変更になる旨の書面と間取り図が送付されてきました。
 変更に伴い、クローゼットの収納力低下や、見た目が悪くなっているのです。
 入居説明会では、変更理由について説明もありませんでした。
 訂正図に押印を求められたのですが、
 想像を超える変更だったため、保留して帰宅しました。
 どう、対応したら良いのか悩んでいます。』
 

で、事前に送付されてきた資料の訂正図を確認すると、

 ・洋室にある2連の両開きクローゼットだったのが、
  パイプシャフトで分断され、収納力も当初の75%に小さくなっています。
 
 ・システムキッチンの右側にあったパイプシャフトが左側に変更になっています。

一体、どんな理由でパイプシャフトの位置が変更されたんだろうか?

事前に、いくつか考えられる変更理由に対する想定問答を用意し、
マンション内覧会に臨みます。


マンション内覧会当日、施工会社とのやり取りです。

「パイプシャフトの位置が変更になった理由は何でしょうか?」

「実は、パイプシャフトの位置に地中梁があり、移動せざるを得ませんでした。」
と、間取り図と構造図を見比べながら説明があります。

確かに、洋室もキッチンも、パイプシャフトの位置に地中梁があります。

「意匠設計と構造設計で整合が取れていないということですね。
 しかも、2箇所も同じ間違いがあるなんて信じられませんね。」

「ハイ、お恥ずかしい限りです。。。」

「スラブや地中梁の鉄筋開口補強はどうしたんですか?」

「地下工事の時に判明したので、現況の位置で鉄筋開口補強は入れてあります。」

「そんなに早い段階で解っていたのなら、
 地中梁の位置を50cm程度移動すれば良かったんじゃないですか?」

「えっ、?????」

「この地中梁は、大梁の転び止めの梁か、
 あるいは1階床スラブを受けるための梁と思います。
 その場合、この地中梁を移動することで対処できたんじゃないでしょうか?」

「確認します。」

しばらくした後、(きっと、構造設計に確認?)
「地中梁を移動することもできたそうです。。。。」

ミスの後の対処方法の選定ミス (と思う。)
でも、今更、どうしようもない。。。

「ところで、これまでのお話ですと、
 マンション購入契約時には、このことが判明していたことになりますが、
 重要事項の説明と変更図等の書面を交わすことはなかったのですか?」

ここで、売主登場。
「重要事項の説明はしてあります。この訂正図の書面もお渡ししております。」

で、マンション購入者が対抗。
「契約時には、そんな話も聞いていないし、その訂正図も見たことありません!」

「記憶違いではないでしょうか。契約時の書類をもう一度探してみてください。」

と、言った言わぬの押し問答。

でも、マンション契約時に訂正図があったのであれば、
売主側も押印された書類があるはずです・・・・

これについては、
お互い、後日の確認会までの保留となります。


今回の出来事は、
もとをただせば、施工会社の設計ミス、対策ミスから始まったものです。

そして、この変更事項は、
マンション購入者にとってはデメリットでしかありません。
また、説明すれば済むという問題でもないはずです。

デメリットの代償は・・・・
マンション購入者に、”泣き寝入り”を強いる現状が残念です。


 

  

2009年06月11日

内覧会★同行日記 【給気口を開けると、そこには・・・】

【247時限目】                              author アーキスケット 出口

「もしもし、完成済みのマンション購入を検討しているんですが、
 素人なりにお部屋をチェックしてみると、
 給気口の蓋(レジスター)が外れてしまったんです。
 やっぱり、内覧会のプロに見てもらってから、
 安心してマンション購入を決定しようと考えています。
 契約前にお部屋のチェックをしてもらえますか。。。」

「給気口のレジスターが外れてしまったのは、
 コンクリート壁を貫通しているスリーブに
 レジスターが接着されていないことが原因だと思います。
 それも含め、内覧会のプロとして、
 しっかりとお部屋をチェックさせていただきます!」

ということで、後日、お部屋のチェックへ向かいます。

完成済みマンションということで、
施工会社の立会者はありません。
販売代理店の担当者は、お部屋の鍵を開けただけで、
「お部屋のチェックが終わったら、声をかけてください!」
と、撤退します。

そして、お部屋のチェックスタート!

ご依頼者の心配されていた給気口のレジスターに手をかけ引っ張ると、

”パコッ” と簡単に外れます。

これだけなら、接着材を塗って再固定すれば良いはずと思っていたのですが、

給気口を開けると、そこには・・・・


給気口を開けると、その1.
スパイラルダクトが塩ビ製のスリーブに5cm程度継ぎ足しされています。
これまた、”パコッ”と簡単に外れてしまいます。
ということは、スリーブの長さ不足。
それにしても、何故スパイラルダクトなの?


給気口を開けると、その2.
コンクリート壁を貫通しているスリーブ外周に2cm程度の隙間があります。
よくよく見ると、
スリーブは外壁側2cm程度の範囲のモルタル詰めで固定されているだけです。
ということは、スリーブのコンクリート打ち込み忘れ。
それにしても、何故モルタルをしっかり詰めていないの?


給気口を開けると、その3.
スリーブ下部のウレタン吹付けはヘドロ状に汚れています。
やっぱり、スリーブの打ち込み忘れによるコア抜きだ!
それにしても、ヘドロ状の汚れは掃除するべきでしょ!


給気口を開けると、その4.
スリーブ周りの隙間を懐中電灯で照らしてみると、
壁の鉄筋が切断されてしまっています。
コア抜きでは、鉄筋の開口補強もできません!
それにしても、切断された鉄筋に錆び止め塗装くらいするべきでしょ!


給気口を開けると、その5.
スリーブ周りには、断熱材であるウレタン吹付けがされていません。
モルタル詰めもされていないので当然(?)なのでしょうが・・・・
それにしても、ウレタン断熱材を吹き付けることは頭に無いのだろうか?


この給気口の状況は、
外壁も、お部屋の中の仕上げも完了してしまってから、
「アレッ、給気口が無い!」
と気付き、
知識も誠意もない担当者が秘密裏に、
取って付けた様な対処を行ったとしか考えられません。


失敗した時こそ、細心の注意を払い、適正な対処が求められるのです。


お部屋のチェックでは、
・テラスにあるトランクルームSDの水切り下のシール忘れ
・LDのカーテンボックスと壁の取り合いが全長に渡って”への字”に曲がっている
・大型FIX窓ガラスにカッターキズがある
・テラスの天井部分の塗装忘れの箇所がある

などなど、大きな指摘も挙がります。

「やっぱり、内覧会のプロに見ていただいて良かったです!」

と、言っていただいたものの、
これで、
”安心してマンション購入を決定”
できたのでしょうか?
答えは・・・・


2009年06月08日

内覧会★同行日記 【石施工図の知識・配慮不足】

【246時限目】                              author アーキスケット 出口

マンション内覧会検査も終盤を迎え、
玄関周りのチェックです。

造作家具である下足入れの扉にキズは無いかなあーと隈なくチェック。
両開きの扉間の隙間は上下で均一かなあーと目視でチェック。
そして、扉相互の擦れ(干渉)は無いかなあーと開閉してチェック。

すると、
扉を開け、しゃがんだ時に見える、
石で出来ている下足入れの天板先端の裏側(3cm程度)が、
本磨きに仕上がっていないのを発見。

施工会社担当者に、
「この下足入れ天板の石裏側が本磨きに仕上げられていませんね。」
と尋ねると、

「扉を閉めた時に見える範囲だけ、石を本磨きに仕上げています。」

と思いもよらぬ回答が・・・・

「扉を開けた時でも、目の届く範囲で石を本磨きにするのは常識ではないでしょうか?」

「そんな仕様にはなっていませんし、常識でもありません!」

そこまで設計図や仕様書に記載されていないことは百も承知です。
それを逆手にとった回答をするとは・・・・
それとも、私の常識が非常識なのだろうか???


どうして、こういった事が起きてしまうのか。。。。

マンションを造るに当たっては、色々な職種があります。
そして、
石工事、造作工事、フローリング工事、クロス工事など、
それぞれの工事担当が
現場監督である施工会社社員に割り当てられます。

この程度の石工事だと、工事担当は若手社員でしょうか???

そして、石工事の施工図というものがあるのですが、
手慣れた石業者であれば、
この天板裏側も目の届く範囲は本磨きで書いてきます。
しかし、そうでない石業者もあり、
その場合は、石工事の担当者がそのことに気づき、
石業者に手直しの指示を与えなければ、
そのままになってしまいます。

従って、担当した若手社員の知識と配慮次第なのです。

所長、主任である上司も施工図に承認印を押しますが、
詳細なチェックは現実的には行えません。

でも、一人の若手社員の施工図チェックミスが、
何百所帯もあるマンションの仕上げに影響を及ぼすのですから、

上司も、ポイントを押さえたチェックや若手社員への指示はしてほしいものです。

今回、
売主検査か施工会社の自主検査で発見されており、
万が一の指摘に対し
想定問答を考えていた形跡があります。
最後まで、「仕様にはありません。」で押し通してきました。

マンション購入をされた方には、
「そんな細かいことは気にしませんわ!」
と、言われる方もいるかと思います。
今回のマンション内覧会同行のご依頼者もそうでした。

でも、マンションを造るに当たっては、
こういった細かい所まで配慮されて造られていることも知ってほしいのです。


2009年06月04日

内覧会★同行日記 【(一部除く) の理由とは?】

【245時限目】                              author アーキスケット 出口

マンション内覧会検査で、
お部屋の壁を拳骨で、”コンコン、コンコン”

この外壁側は、GL工法によるボード貼り ヨシ!

この戸境い壁は、耐火遮音間仕切り壁 ヨシ!

この間仕切り壁は、ボード貼り ヨシ???

ここは、洋室と洗面室の間仕切り壁だよなあー。。。
拳骨の感触音では、ボード1枚だよなあー。。。
確か、カタログ仕様では、
居室と水まわりの間仕切り壁は遮音仕様だったよなあー。。。

で、念のためカタログを取りだし確認します。

【間仕切り壁】
 専有部内の間仕切り壁は
 厚さ約9.5mmのプラスターボード貼りとしていますが、
 居室(LD・洋(和)室)が直接水まわりと接する場合は、
 遮音に配慮し、
 厚さ約9.5mmのプラスターボードを片側に1枚増し貼りし、
 二重貼りとしています。
 (一部除く)

やっぱり、ボード二重貼りだ!

念のため、拳骨の感触音だけではなく、
下地検査道具(針の出で厚さを確認するもの)を取り出し、
ボードの厚さを確認します。

やっぱり、現状はボード1枚貼りだ!

売れ残りマンションなので施工会社は撤退しており、
立ち会った売主担当者に、

「この洋室と洗面室の壁はボード1枚貼りですね。
 カタログでは、壁の片面はボード二重貼りとなっています。
 洗面室側は、洗面化粧台や三面鏡でボードの厚さが確認できないので、
 施工図を確認し、後日、回答願います。」
とお願いします。

「ハイ、施工会社に確認し回答します!」


後日、
直接この売主担当者から電話で連絡があり、

「施工会社に確認したところ、
 洋室2の壁ですが、洗面室との間仕切り壁は、
 プラスターボード9.5mmの一枚貼りで設計図どおりとのことです。」
との回答。

「カタログでは、片面の壁はボード二重貼りとなっていますよ!」

「ハイ、ここは、(一部除く)に該当します。」

確かに、カタログには、(一部除く)と記載があります。
しかし、
 ・本当の意味で、その仕様にする必要性が無い
 ・設計上、施工上、役所指導などの理由
など、
(一部除く)とは、何か理由があるべきものです。

で、
「この間仕切り壁が、(一部除く)に該当する理由は何ですか?」
と尋ねます。

「・・・・・施工会社に確認します。。。」


それにしても、
どうして、いつもいつも、『施工会社に確認します。』なんだ!
設計施工でマンションが建てられるにせよ、
仕様を最終決定あるいは承認して、
マンションを販売しているのは売主でしょう!

これじゃー、
売主として、販売するマンションに対する信念が感じられませんよおー!

ちょっと、横道に逸れてしまったかもしれませんが、
いずれにせよ、
売主として、
(一部除く)の理由を十分把握して(当然ですが・・・)、
回答および対応をしてほしいものです。

2009年05月31日

内覧会★同行日記 【異なる壁下地 それはVE?】

【244時限目】                              author アーキスケット 出口

今回の内覧会は、
総所帯数1000戸を超える超高層ツインタワーマンション。

1棟目と2棟目で竣工引き渡し時期も異なるため、
半年以上も内覧会が継続されており、
私も長いお付き合いとなっています。

さて、
外壁側にあるパイプシャフトの点検口を開けると、
壁下地が木製です。

本当、久し振りに木製壁下地を見たような気がします。

壁下地とは、
壁の骨組であり、
スタッド(縦枠)といったものが、
基本的には、
ボード1枚貼りの場合はピッチ30cm、ボード2枚貼りの場合はピッチ45cmで
入っています。

種類としては、
木製壁下地と軽量鉄骨(LGS)壁下地があり、
コンクリート造のマンションでは、
軽量鉄骨製(LGS)が今どき主流です。

ただ、木製壁下地が悪いということではなく、
軽量鉄骨(LGS)壁下地とともに認められた工法であり、
それぞれに、その工法の施工基準が定められています。

施工会社の立会者に、
「ここのマンションの壁下地は木製を採用しているんですか?」
と、尋ねると、

「ハイ。」

「でも、1棟目のマンションを何度か内覧会検査をしましたが、
 木製壁下地ではなかったですよ!」

「ハイ、この2棟目のマンションから木製壁下地を採用しています。」

「その理由は何でしょうか?」

「経済情勢が変化している中、材料価格の変動が理由だと思います。」


これを、” VE (ヴァリューエンジニアリング) ”というのでしょうか。。。。

 ※ VE : 同等の性能を確保しながら仕様変更しコストダウン(CD)すること

この規模のマンションだと、
そのVE・CD効果は、数千万円(?)。もしかしたら億単位(?)

『百年に一度と言われる不況』の中、
ゼネコンの苦しい台所事情や、したたかな利益確保の取り組みが垣間見えます。


でも、マンション契約後の仕様変更ということではないのだろうか???

「壁下地の仕様について、設計図書や仕様書で明記されていることはありませんか?」

「ないと思います。」

「念のため、再度、設計図書やカタログ、デベロッパーの仕様を確認して、
 『軽量鉄骨(LGS)壁下地を使用することにはなっていない。』ということを、
 確認会の時に説明してください。」

「ハイ、解りました!」

その後、検査を再開し、
ユニットバスの天井点検口から壁下地を確認すると、
見える範囲では、軽量鉄骨(LGS)壁下地になっています。

先程の説明とは異なっているのです。
ということは、
このお部屋では、
木製壁下地と軽量鉄骨(LGS)壁下地が混在していることになります。

改めて、施工会社の担当者に、

「ユニットバス周りの壁下地は軽量鉄骨(LGS)ですよ。」
と、尋ねると、

「・・・・・、木製壁下地のはずなんですが???
 これについても、確認会の時に説明いたします。」

VE・CDが徹底されていないということなのでしょうか?

2009年05月26日

内覧会★同行日記 【寸法線の謎】

【243時限目】                              author アーキスケット 出口

マンション内覧会で、
次は、共用廊下に面する洋室の検査です。

事前に送付いただいたパンフレットの間取り図とにらめっこしながら、

・コンセントの位置 OK
・エアコンの取り付け想定位置 OK
・煙感知器 OK
・引っ掛けシーリング OK
・給気口およびクーラースリーブ OK
・点検口 OK
・カーテンボックスの止まり位置 OK
・下がり天井の位置 OK
・壁下地の種類 OK
・断熱材の折り返し状況 OK

などなど、現況との整合性を確認しながら、
間取り図の各記号に、チェックマークの”レ”を記載していきます。

さらに間取り図とにらめっこしていると、
廊下側の壁の位置を示す寸法線が壁の中にあるのではなく、
部屋の中を示しているのを発見!

通常、この寸法線は壁芯を示すものであり、
基本的には、コンクリート壁などの構造躯体のセンターを示します。
ただし、フカシなどにより、若干偏芯する場合もあります。

でも、部屋の空間部分を示すことはありません。

お部屋の検査を終え、
マンション内覧会場で、売主と施工会社との協議の場です。

「この間取り図で、寸法線の引き出し線を延長すると、
 壁ではなく室内の中になっています。何を示しているんでしょうかねえー。。。」

すると、売主担当者が間取り図を覗きこみ、
「確かに、壁芯を示していないですね。誤記でしょう!」
と、簡単に答えます。

「すると、この間取り図の左上に記載してある専有面積との整合性はどうでしょうか?」

ここで、
売主担当者の顔が一瞬、青くなります。
慌てて、電卓を用意し、”パチパチ、パチパチ・・・・”
専有面積を計算していきます。

そして、その電卓の計算結果を見て、
さらに顔が青くなります。

「記載の専有面積と、計算結果が違っています。。。」

専有面積が違うということは・・・・・

・重要事項である建物形状説明のミス
・管理費、修繕積立金の算出根拠が崩れる
・土地の持ち分割合の根拠が崩れる
・マンションの延べ床面積や容積率が違ってくる

などなど、大変なことになります。

で、
何を勘違いしたのか解りませんが、
青くなった売主担当者を横目に、
施工会社担当者に、
「設計図を持ってきてもらえませんか!」
と、お願いします。

そして、その設計図の詳細平面図を確認すると、
寸法線の位置と数値は、
パンフレットの間取り図に記載のものとは異なっています。

改めて、売主担当者は、電卓を、”パチパチ、パチパチ・・・・”

で、
電卓の計算結果を見て安堵の表情。

そうです。
結果は、パンフレットの間取り図寸法線の誤記だったんです。

うーん、良かった、良かった!

???
パンフレットの間取り図に誤記があることを素直には喜べませんよね!

でも、あの寸法線は一体、何を示していたのでしょうか?
未だに謎です。

2009年05月22日

内覧会★同行日記 【エレベーターの使用方法に?】

【242時限目】                              author アーキスケット 出口

マンション内覧会の受付を済ませ、
お部屋に向かうエレベーターでの会話です。

「このエレベーター、本当に9人乗れるのかしら?」
と、ご依頼者はエレベータの籠内に掲示してある、
”定員9名”という表示を眺めながら独り言。

エレベーターの広さは、
実際、定員の数から考えると、狭いと感じてしまいます。
表示には、
”積載荷重600kg”との表示も併記されており、
当然、太った方ばかりが乗れば、
定員に満たなくても、
ブザーが鳴り出します。

「ところで、このマンションのエレベーターの台数は何台なんですか?」

「6基あります。」

「朝なんか、渋滞なんかしませんよね。。。」

「しないと思いますよ。」

このマンションは、400所帯を超える超高層マンションです。
エレベーターの設置計画では、

・マンションに住む想定人数
・エレベーターの定員
・エレベーターの速度
・エレベーターの輸送距離
・マンション階床数

などを考え合わせ、
使用ピーク時(マンションでは朝の通勤時)に対する
5分間の輸送能力及び平均待ち時間を指標としています。

ざっくりとした目安としては、
50から80所帯に1基といったところでしょうか。。。

「ところで、あちらにある非常用エレベーターを使用することは出来ないんですか?」

「ハイ、通常は、ペット専用とさせていただいています。
 でも、非常時は避難用としてお使いできます。」

「広いエレベーターはペットが使い、
 狭いエレベーターは人間が使うんですかーーー。」

と、腑に落ちない感想が漏れます。

非常用エレベーターをペット専用として使用するのは、
マンション管理規約などで決めれば良いことであり、
変更することも可能だと思います。

しかし、
非常用エレベーターは住民の避難用なの???

非常用エレベーターは、
基本的に、31mを超える建物に設置義務があります。
目的は、31mを超える場所では消防ハシゴ車が届かないためであり、
原則、消防隊員の消化活動のためのものです。

また、地震時なんかでは、
万が一のこともあり、避難用として非常用エレベーターを使用することは避けるべきです。

従って、非常時の避難経路は階段なのです。


マンション購入者の中には、
”非常用エレベーター”を、
非常時の避難用と思われていた方もいるんではないでしょうか。。。

しかし、
マンションを造るプロであるゼネコンの技術者ですら勘違いしているとは。。。

きっと、
”非常用エレベーター”という名称が悪いのかもしれません。

でも、でも、
自力避難ができない人達のための、
”非常時避難用エレベーター”というものがあるべきではないでしょうか。。。。

2009年05月18日

内覧会★同行日記 【施工図どおり だから・・・】

【241時限目】                              author アーキスケット 出口

マンション内覧会で一通りの検査を終え、
ご依頼者と施工会社の立会者に、
私の指摘事項を説明していきます。

すると、この施工会社の立会者、
不明な点や疑問点など、
何を聞いても、”テキパキ、テキパキ”と答えてくれます。

マンション内覧会での施工会社の立会い者で、
建物を造っているのに良く解っていない人、
内覧会の時だけの応援部隊が多いなか、

若いけれど、本当に気持ちがイイ!

もしかして、施工図担当者???

マンションというのは、
当然、設計図があるのですが、
それだけでは建てることはできません。
実際に職人たちに指示ができるような、”施工図”といったものを作成します。

躯体図、建具図、造作図、住設機器図、電気図、給排水衛星設備図、空調設備図・・・
などなど、様々な種類のものがあり、
大規模マンションなんかでは、
何千枚もの数になるんではないでしょうか。

そして、施工図担当者とは、
これらの各種施工図作成の指揮者であり、
”総合図(建築、設備を含めた平面詳細図)”のまとめ役です。


さて、マンション内覧会の指摘事項の説明で、
トイレの扉を開けます。

「このL字型手摺の位置だと、5cm程度タオルが手摺に被ってしまいますね。」

「そうですか?、手摺は奥の壁から1m、タオル掛けは50cmの位置で設定しています。」

位置を明確に記憶しているとは、たいしたものです。

「では、計ってみましょう!」

ということで、スケールを取りだし、
それぞれの位置を確認します。

「確かに、施工図どおりですね。
 でも、タオルが手摺に被ってしまいます。
 では、手摺が1m、タオル掛けが50cmにした根拠は何ですか?」


こういった細かいことまでは設計図に記載されておらず、
施工図担当者が、
色々な取り合いを熟慮し、その位置を決定して、
総合図に反映させていきます。

ということで、総合図に記載されている、
ひとつひとつの線、寸法、記号は、
何らかの理由付けがされたものでなければなりません。

で、この施工会社の立会者(施工図担当者)、
「私のミスです。ご希望があればタオル掛けを移動します。」

後は、マンション購入者の判断に委ねると、
「是非、手直しをお願いします!」

「承知しました!」


施工図はマンションを造るうえで非常に重要です。
特に、”総合図”

この総合図に記載されている内容は緻密です。
それ故に、
ミスだって起きる場合があります。
そもそも、設計図にミスがある場合すらあります。

「施工図どおりだから・・・・」
あるいは、
「設計図どおりだから・・・・」

ということが、必ずしも理由付けになるとは限りません。

しかし、一方で、
ノーミスでマンションを造ることも現実困難です。

一度、この総合図を見せてもらうと、
マンション施工会社の苦労も解るかもしれませんよ。

2009年05月13日

内覧会★同行日記 【手直し未済を発見。さすがです!】

【240時限目】                              author アーキスケット 出口

マンション内覧会に行くと、
売主検査や施工会社の事前検査で指摘の挙がった箇所に、
付箋が残っているケースがあります。

まだ、完了合図である、”レ印”があるものは良いのですが、
せっかく指摘が挙がっているのに
手直しが放置されていることもあります。


本来、売主検査や施工会社の事前検査での指摘事項は、
内覧会前に手直しが完了されているべきですが、
何らかの理由により未済工事ということであれば、
事前に説明してほしいものです。

もし、内覧会の時に、
売主・施工会社が貼った付箋が貼られていたら、
念のため、内覧会シートに改めて記載してもらいましょう!
だって、
もしかしたら、永遠に放置されるかもしれませんから・・・・


さて、マンションの内覧会検査で、
ユニットバスの天井点検口を開け、
水周りと居室の間の壁遮音仕様はどうなっているかと確認すると、
グラスウールが貼られています。

しかし、壁を貫通する設備ダクト周りのグラスウールが貼られていません。
これを、施工会社の立会者に指摘をすると、

「ダクト配管工事のときに外れてしまったんですね。手直しします!」
との回答。

一見して解るこの不具合、
売主・施工会社の事前検査で発見できなかったのだろうか???

「ところで、
 LGSの上部ランナーの上にコマがあり5cm程度隙間がありますが、
 この部分にはグラスウールを貼らないのですか?
 これでは、せっかくの遮音仕様が半減していますよ!」

「さすがですね!
 実は、事前の設計監理者検査で指摘が挙がっているんです!」

”さすがですね。”と言われることは悪い気はしないのですが、
設計監理者の指摘事項の手直しが完了していないということであり、
また、付箋が貼られているわけでもなく、
未済工事の説明も無いことに、???です。

これでは、設計監理者の指摘事項が
確実に手直しされるのだろうかと疑問が残ります。


「ということは、ユニットバスの天井裏に入り、
 グラスウールを貼ってもらえるということですね!」
と、念を押します。

「ハイ、手直しさせていただきます!」

「他の所帯でも、こういった状況になっていると思いますが、
 すべての所帯も手直しをするということでしょうか?」
と、さらに念を押します。

「ハイ、手直しさせていただきます!」


このマンション、
400所帯を優に超える規模。
手直しといっても大変な作業です。

でも、内覧会に立ち会った施工会社の一係員が即答で言い切ったのです。
おそらく、
内覧会で指摘が挙がった場合の想定問答を用意していたのでしょう。。。。

”さすがです!”

でも、事前説明なりをしてほしかったです。
だって、ほとんどのマンション購入者は解らないことなんですから・・・・


2009年05月11日

内覧会★同行日記 【このガラス、ちょっと恐い】

【239時限目】                              author アーキスケット 出口

ここは、
中央部が大きな吹き抜けとなっている、
超高層マンションの上から3番目の階のお部屋。

お部屋の検査を進め、
吹き抜け部の廊下に面する洋室の窓を開けると、
風がビュー・・・と入り込み、
お部屋のあちらこちらから、
不気味な音が鳴り出します。
まるで、大きな口笛の音のように・・・・

やっぱり、超高層マンションの上の階は風が強く、
吹き抜け部分では、風が渦巻いているのでしょう。。。

さて、お部屋の検査を終え、
吹き抜けに面する廊下を検査していきます。

手摺形状は、アルミ枠のあるガラス手摺です。
そして、そのガラスを手で押してみます。

すると、わずかながらガラスのガタツキが・・・・

原因は何だ???

と、ガラス周りをよくよく見ると、
ガラスを留めてあるシーリングが押しつぶされたように変形しています。

そして、ガラスの裏側はどうなっているかを確認すると、
グレイジングビード(やはりガラスを留めるもの)が波打っていて、
2mm程度の隙間が生じています。

隣のガラスを見ても、その隣のガラスを見ても、同じ現象。
これは、シーリングがまだ固まっていない時に、
強い風がガラスを動かしてしまったとしか考えられません。

シーリングを行う前にガラスを仮固定するバックアップ材すら、
強風が押しつぶしているということです。

これは、ちょっと恐い!!!

多少の隙間があるからといって、ガラスが落下するということはありませんが、
やっぱり、
ガラスの四方がしっかりと固定されていないというのは、
不気味なものを感じます。

施工会社にこの状況を指摘すると、

「本当ですね。。。
 でも、共用部分は、社内検査も途中ですから。。。」

施工会社の社内検査や売主検査で発見できるかは不確実。

「共用部分ですが、念のため、内覧会シートには記載してください。」

「ハイ、解りました。」

後は、このお部屋の範囲だけではなく、
全てのガラス手摺のチェック・手直しについては、

施工会社を信用しますよ!
ヨロシクお願いします!

2009年05月04日

内覧会★同行日記 【アウトレットマンション】

【238時限目】                              author アーキスケット 出口

今、流行のアウトレット。
意味はというと、
”訳あり商品”、”キズもの商品”、”B級”、”在庫処分品” 
といったものでしょうか。。。

それでは、アウトレットマンションとは?

”売れ残り値下げ物件”、”他デベによる一括購入再販物件” 
といったものでしょうか。。。


さて、こんな、”アウトレットマンション” をご契約しようとしている方から、
「格安マンションなので購入しようとしているんですが、
 もともとは、ヒューザー物件といった情報も聞くので見ていただけませんか。。。」

といったご依頼。

価格はというと、
半年ほど前の新築時には、4700万円だったマンションが2350万円!
何と、50%値引きの格安マンションです。

ご依頼者と最寄駅で待ち合わせをし、
マンション現地販売事務所を訪れると、

「いらっしゃいませ。お待ちしておりました。」
と、販売員が出迎えます。

で、ご依頼者の後ろに控えていた私にそっけない視線を向け、
「お宅はどなたですか?」

「お部屋の検査で来ました。」

「何の検査ですか?」

「通常の新築時の内覧会で行うような検査です。」

「そんなことをするんですか?」

ここで、この不快な販売員に対し、ご依頼者から後方支援。
「前もって、内覧業者よる検査の申し入れをしていますよね!」

「ああー、そうだったですね。」


で、お部屋に入り検査スタート!

すると、出来の悪さが一目瞭然。

壁、天井のクロスは、
下地パテ処理の大きな不陸、
あり得ないほどのブツや浮きが多数、(たぶん何百個)
クロスジョイントの隙間、などなど、
全滅だ!

その他、
・テラスの床タイルは各所浮いている
・この階だけ、バルコニーの伸縮目地の入れ忘れ
・サッシ枠のビス抜け
・ベントキャップの取り付け忘れ
・トイレと廊下の床見切り部分で、床段差が8mm
・アルミサッシ水切り下のシーリングがされていない
などなど、
あり得ない指摘があっと言う間に50か所を超えていきます。
クロスのキズやフローリングのキズなど含めると数え切れません。


こんな状況では、
売主検査も、施工会社の自主検査も行っているようには思えません。

検査結果を知ったご依頼者は困惑顔。
本当に、契約前で良かったのですが、
でもでも、この格安マンションに未練が残っているようです。

それにしても、今回のマンション、

マンション価格      : 売れ残り値下げ物件
販売経緯         : 訳あり商品
マンションの出来栄え : キズもの商品
売主・施工会社検査  : B級
販売員          : B級

と、名実ともに、”アウトレットマンション” でした。 


2009年04月24日

内覧会★同行日記 【手直しも結果が全て!】

【237時限目】                              author アーキスケット 出口

ここは、東京都心の一等地。
超高級マンションの購入者からのご依頼です。
でも今回は、内覧会ではなく、
引き渡し後の検査です。

「地下にあるトランクルームでカビが発生しているんです。
 一度、施工会社に手直ししてもらったんですが、
 ただ、ペンキを塗り直しただけなんです。
 その後もカビが発生し、もう施工会社を信用できません。
 一度、現地の検査をしてもらえないでしょうか。。。」

ということで、超高級マンションに向かいます。

道路から半地下にあるエントランスロビーに降りる階段で、
踏面のタイル目地から何やら水が浸み出しています。

エントランスロビーで待ち合わせしていたご依頼者に、
「階段で漏水していますね。。。」
とお話すると、

「ハイ、みっともないですよね。。。
 ここは、共用部分ですので、マンション管理組合から申し入れします。」

ついでということで、地下駐車場に案内されると、
そこには、高級車がズラリ。

「この床の塗装は手直ししてもらったばかりなんですが・・・・」

高級車から視線を床に落とすと、
手直しされてピカピカの塗装が、あちらこちらに水膨れ。
指でその膨らみを押すと、
水が、”ピュッ”と飛び出します。

「床表面を十分に乾燥させないで手直しした結果、同じ現象が出たんでしょうね。。。」

「ここも、共用部分ですので、改めてマンション管理組合から申し入れします。」

続いて、廊下を通り目的のトランクルームへ!

廊下を進んでいると、ご依頼者が、
「この廊下も湿気で”ムウッー”としていてカビ臭いんです。」

「本当にそうですね。」

そして、6畳ほどあるトランクルームに入ると
廊下以上に、”ムウッー”としています。
そして、あちらこちらの壁にカビが・・・・

施工会社の調査報告書では、

原因の推定
・据え置きの除湿器が適正に機能していなかった。

 そもそも、引き渡し前から、
 家電量販店で販売されている除湿器が置いてあること自体が???

・二重壁上部が開放状態にあり、この部分から湿気が浸入した。

 天井裏から二重壁内を覗くと漏水は見られません。
 排水溝も乾いています。
 
対策工事
・二重壁上部の開放部分を塞ぐ。

 本当に、こんな対策でカビは抑えられるのだろうか???
 トランクルームに限らず、地下部分の換気が不十分なんじゃないの?

今後の維持管理
・十分な居室環境が確保された空間ではないため、
 貴重品を収納することはお勧めしません。

 貴重品って何?
 カビが付いてよい品なんか無いと思いますよ!


今回の問題は、施工会社も想定外だったと思います。
換気計画や法的基準はクリアーしていたとしても、
マンション購入者にとっては、
結果が全て!

何度も何度も、同じ過ちを繰り返していては、
名だたる施工会社の信用失墜に繋がりますよ!


 

2009年04月19日

内覧会★同行日記 【検査目標は指摘100項目だ!】

【236時限目】                              author アーキスケット 出口

今回のマンション内覧会は、
モデルルームとして使用されていたお部屋です。

不動産不況のこのご時世、
こういった売れ残りマンションの内覧会検査のご依頼が増えています。

事前の打ち合わせで、

「売主から現状渡しと聞いていますが、指摘はできないのでしょうか?」

「マンション購入契約のこれまでの経緯もあるかと思いますが、
 明らかに、施工中の不具合は指摘として挙げられると思っています。」

「キズや汚れといったものは、判断が難しいですね!」

「とりあえずは、ご自身で気になるところは指摘を挙げ、
 後で売主と協議されれば良いと思います!」

さて、マンションに到着すると、
マンション販売代理店の担当者がお出迎え。

「いらっしゃいませ。お待ちしておりました!」

続いて、
施工会社の担当者2名が待機しており、

「本日、私達が内覧会検査立会いをさせていただきます!」

完成後6か月が経っているのですが、
わざわざ、この日のために来てくれたとのことです。

ここまでは良かった・・・・・

ご依頼者と施工会社担当者2名で内覧会検査を進め、
私は、別行動で内覧会検査を進めます。

クロスやフローリングは思いのほか綺麗なのですが、
やはり、施工ミスや経年劣化と思われる指摘事項は色々と出てきます。

 ・テラスの排水溝のウレタン防水がかなりの範囲で浮きが生じている。

 ・テラスの擁壁(半地下による土留め)に、大きな白華が生じている。

 ・誘発目地の入れ忘れにより、コンクリート手摺にクラックが生じている。

 ・アルミサッシの開閉時に大きな異音が生じる。

 ・ペアガラスにキズがある。

 ・トイレの便器が、かなり使用されていたようで汚れやキズがある。

そんな指摘事項を当社内覧会シートに記載しながら検査を進めていると、

ドタ、ドタ、ドタと足音が近づいてきて、
「出口さーん!出口さーん!」
と、顔に怒りを表しながらご依頼者がやって来ます。

「この施工会社の立会者、指摘を挙げてもウンザリ顔で、やる気が無いんです!
 一泊して検査してでも、目標は指摘100項目だ!
 いくらでも支払いますから、出口さんも付き合ってください!」

施工会社の担当者はというと、もうオドオドしてご依頼者の後を追って来ます。

よほど、施工会社立会者の対応が悪かったのかな?

「指摘が挙がったものは、とりあえず内覧会シートに記載してください。
 協議が必要なものは、こちらで売主と協議しますから。。。」

と、施工会社立会い者に耳打ちします。

「解りました。。。」

そして、内覧会検査を再開。

ご依頼者も、だんだん冷静さを取り戻ししたものの、
指摘事項はあっと言う間に100項目を超えていきます。

ちなみに、私の指摘および確認事項は25項目。

内覧会検査終了後に、
「今回、指摘させていただいた項目で直せないものはありますか?」
と、施工会社の担当者に尋ねます。

「全て手直しします。。。」

検査時間は約3時間。
もちろん、一泊二日にはなりませんでした。


  


2009年04月14日

内覧会★同行日記 【偽装された?防火区画写真】

【235時限目】                              author アーキスケット 出口

超高層マンションの構造体は、
柱、梁、床はコンクリート造が一般的。
しかも、そのほとんどがプレキャストで工場製品です。

バルコニーや廊下側の壁はというと、
そのほとんどがALCや耐火遮音間仕切りボードが一般的。
構造体工事の完了後、後付け工法で施工です。

理由は簡単。
工期を早くするためと、建物の重さを軽くするためです。

しかし、厄介ごとが・・・・

後付けするということは、どうしても隙間が生じてしまいます。
そして、防火区画といった理由から、
その隙間を有効に塞ぐことが法律上、義務付けられています。

さて、超高層マンションの内覧会。
内廊下にあるメーターボックスの扉を開け、
その防火区画処理がちゃんとされているか確認です。

この超高層マンション内廊下の壁はALC。
そして、隙間を埋め易いように、
コンクリート構造体と敢えて2cm程度の隙間を設け、
ロックウールという綿みたいなもので隙間を埋める設計になっています。

しかし、このお部屋のメーターボックス内を覗くと、
上部の床コンクリートと壁ALCの隙間に、
ロックウールが顔を出していません。
非常に狭く、しかも配管が多いため覗きこむことが困難なのですが、
点検鏡や懐中電灯を駆使しても、
やっぱり確認することができません。

他のお部屋のメーターボックス内ではどうなっているかと、
向こう三軒両隣を確認すると、
一目瞭然!
ロックウールが綺麗に顔を出しています。

それではと、
ユニットバスの天井点検口から覗きこみ、
もしかして、廊下の照明の光がもれていないかと確認してみますが、
残念!
ユニットバス回りの壁に遮られ確認できません。

そこで、施工会社の立会い者に、
「このメーターボックス内のALC上部の隙間にロックウールが見えません。
 防火区画は大丈夫でしょうか?」

「確かにロックウールが見えませんね。
 でも、消防中間検査を受けていますから大丈夫です!」

「消防中間検査だって見落としはありますよ!」

「そんなことはありません!」

「向こう三軒両隣では、ロックウールを確認できますよ!」

「本当ですね。。。」

「ALCの奥のほうにロックウールが入っているのかもしれませんが、
 所定の厚さの確保だって必要です!
 改めて確認しておいてください。」


そして、後日、
マンション内覧会のご依頼者より写真添付の転送メールが届きます。

『内覧会でご指摘のありましたメーターボックス内の防火区画につきまして、
 当社(施工会社)で確認いたしました。
 写真にあるように、
 間違いなくロックウールを詰め込まれ、防火区画がされておりました。』

で、その添付写真を見ると、
一目瞭然!
ロックウールが綺麗に顔を出しているのが解ります。

そして、私が撮影しておいた写真と見比べると、
明らかに異なった写真。

もしかして、偽装写真?

いやいや、ロックウールを詰め直して写真を撮ったのでしょう。。。。

2009年04月09日

内覧会★同行日記 【内覧レディーのイラダチ】

【234時限目】                              author アーキスケット 出口

”マンション内覧会のご案内”

1.マンションロビーの内覧会場で受付
2.変更・訂正事項のご説明
3.お部屋内、住設機器(インターホン等)のご説明
4.お部屋の内覧
5.手直しについての確認
6.共用部分のご説明
7.カーテン採寸など

こんな流れが一般的です。

さて、マンション内覧会。
開始時間は、午後2時ジャスト。
受付を済ませ、
内覧会場で、他のマンション購入者と合同で変更・訂正の説明があるとのことで、
テーブルに着席。

すると、担当の内覧レディーが、
「カーテンの採寸業者は何時にくるんですか?」

「4時30分から5時の間に来るようにしています!」

「えっ!そんなに遅いんですか?」

「内覧会の検査が終了してからと思いまして。。。」

「検査時間はそんなにかからないでしょう!!!」

「はあー???」

「今から、カーテン業者に電話して、もっと早く来るように話してください!」

私も、”4時30分から5時の間”というのは、
遅すぎではないと思いましたが、
内覧レディーの迫力に思わず傍観してしまいます。

マンション内覧会同行のご依頼者が、
カーテン業者に電話をすると、

「あっ、そうですか。」
と電話に出たカーテン業者が担当者に連絡を取るとのことで一旦電話を切ります。

ここで、
合同の変更・訂正の説明開始と思いきや、

トルルルル・・・・トルルルル
と、携帯の呼び出し音。

で、
「カーテンの採寸時間の変更をお願いしたいんですが・・・」

「でも、売主側がそう言っていますし・・・」

「ご都合はあるかと思いますが、何とかお願いします・・・」

このやり取り時間が思いのほか長く(?)、5分程度。

この間、内覧レディーを見ると、
両腕をテーブルの上に挙げ、
両手の人差し指を、
トントントントン・・・・トントントントン・・・・

表情はあからさまに、
待っているんだから、早くしてよーーー!!!

そして、たまりかねて、
「再内覧会もあるんですから、その日に変更してもらえば良いんじゃないですか!」

さすがに相手の都合もあるので、
出来るだけ早く来るということで決着した模様。

で、ようやく30分遅れで、
変更・訂正の合同説明会開始!

開始時間が遅れた原因をつくったのが自分であるとも気にせずに、
他のマンション購入者の冷たい視線もどこへやら。

内覧レディーは、説明者の話に合わせ資料をめくっていきます。

そして、ようやくお部屋のチェック。

出来栄えは非常に良く、
指摘事項も少なかったので、検査所要時間は約1時間30分。
そして、その後の協議等で30分。

で、なんだかんだで、
カーテン業者とのご対面が5時近く。

きっと、このカーテン業者は、
いらだちながら待っていたのに間違いありません。


2009年04月05日

内覧会★同行日記 【壁の穴・穴・穴・穴】

【233時限目】                              author アーキスケット

マンション内覧会検査もいよいよ終盤。
最後のお部屋の洋室に入ります。

バルコニー側のコンクリート壁には穴が開けられ、
このお部屋の為の換気口とクーラースリーブが取り付けられています。

続いて、
パイプシャフトの壁にある点検口を開けると、
お隣の洋室の為のクーラー実装配管がされ、
やはり、コンクリート壁には穴が開けられクーラースリーブが取り付けられています。
ここまでは、ごくごく普通。

しかし、
このパイプシャフト内のコンクリート壁に、
10cm程度の円形で、補修用スプレーで吹き付けられたウレタン跡があります。

『一体、何の理由でウレタン補修がされたんだろう?』
と、そのウレタン補修跡に針金を刺してみます。

すると、その針金が10cm程度の深さで入り込みます。
どうやら、クーラースリーブの位置を間違え、
コンクリート壁に穴をあけてしまったんだなあーと解ります。

本来、間違えたコンクリート壁の穴は、
モルタルで完全に塞ぎ、
その後からウレタン吹付けをするべきなのです。

しかし、
穴が開いたまま外壁にウレタンを吹き付けをしてしまい、
その後に間違いに気が付き、
わずかなモルタル埋めでウレタン補修を行っているのです。


引き続き、洋室の検査を進めます。
同じ洋室の壁を、懐中電灯で横から照らしてみると、
今度は、クロスに10cm程度の円形の跡がくっきりと浮かび上がります。

『なんじゃーこりゃ?』

施工会社の立会者を呼び、
先ずは、先ほどのパイプシャフト内のウレタン補修跡を見てもらいながら、

「この跡は、クーラースリーブの位置間違いでもしたんでしょうか?」
と尋ねます。

「うーん・・・・、予備スリーブだと思います。」

次に、懐中電灯を照らし、
壁に浮かび上がった円形の跡を見せると、
施工会社立会者も、マンション内覧会同行のご依頼者も、

『なんじゃーこりゃ?』

という顔をしながら唖然としています。

「ここのクロスを破って良いですか?」

「どうぞ。。。」

ということで、このクロスを破ってみると、
壁のプラスターボードは円形に穴が開いており、
外壁には、10cm程度のウレタン吹き付けのスプレー補修跡が見えます。

「これも、予備スリーブですか?」

「だと、思います。。。」

「そもそも、クーラースリーブの予備スリーブなんか聞いたこともありませんよ!」

必要なクーラースリーブの穴は、
このお部屋とお隣のお部屋の分で2箇所のはずです。
それが、
合計4か所の穴・穴・穴・穴

それを、予備スリーブと答えるなんて非常識。

間違いは間違いで仕方がありません。

しかし、
その間違った穴の処理として、
・確実なモルタル埋め
・外壁側の防水処理
・所定の厚さのウレタン吹付け
・穴の無いプラスターボード貼り
を、ちゃんと行ってもらいたいものです。


2009年03月25日

内覧会★同行日記 【言い訳は、やっぱり誤記】

【232時限目】                              author アーキスケット 出口

覚えていますかあー?
219時限目で触れた
超高層マンション内廊下側の断熱材未施工。
続報です!

言い訳は、やっぱり、”パンフレットの誤記”でした!

しかし、このパンフレットに記載の断熱仕様は、
どう見ても、このマンションとしか思えません。。。

「誤記となった経緯はどうなんですか?」

「他のマンション物件のパンフレットを転用したので・・・・」
と、売主担当者の歯切れは良くありません。

「念のため、設計図を見せてもらえませんか?」
と、施工会社の立会者にお願いします。

しばらくすると、少々古く使い込まれた製本された設計図を持ってきます。
ということは、図面では誤魔化しはしていないということです。。。

特記仕様書の断熱仕様を確認。
しかし、明確に内廊下の断熱仕様については記載されていません。

続いて、共用部分各室の仕上げ表を確認。
しかし、表面の仕上げのみで、下地までは記載されていません。

続いて、断面詳細図を確認。
しかし、内廊下の断面図が見当たりません。

「設計図では、内廊下の断熱仕様について記載されているところはありませんか?」
と、施工会社の立会者に尋ねます。

「記載されているところはありません。」

その他の図面もひととおり確認しましたが、
どうも、記載されていないということは本当のことのようです。

「この図面で建物を造る施工会社としては、
 内廊下に断熱材があるとは解りませんね!」
と、施工会社の立会者に言うと、

「ハイ!私たちは認識していませんでした!」

「パンフレットを監修しているのはどこですか?」
と、売主担当者に尋ねると、

「設計事務所です!」

「すると、パンフレットも設計図も設計事務所が監修しているのであれば、
 設計事務所が設計図に明確に断熱仕様を記載しなかったことが原因ですね。」

「・・・・・」

「この件は、このマンション全体の仕様に関わることですが、
 他のマンション購入者に対しての説明はどうするんですか?」

「”確定・変更事項説明書”を、各マンション購入者に送付しております。」

「送付しただけですか? 説明もしないんですか?」

「ハイ・・・・」

送付された”確定・変更事項説明書”なるものを拝見すると、
押印欄すらありません。
そして、その内容は、

『空調システムを導入した計画であり、内廊下側の断熱については、
 当初より計画されていませんでした。
 パンフレットに一部誤記がございました。ここにお詫び申し上げます。』

なるものです。

現実問題、
今更、ウレタン断熱材を施工することはできないでしょうし・・・・

内廊下に空調システムがあるので、結露といった被害の可能性は低いでしょうし・・・・

マンション購入者も、諦めた(?)ようですし・・・・

人間だれしも間違いはありますし・・・・

それ以上の追及はしません。
しかしです。

「これって、宅建業法の重要事項説明の、
 未完成物件の完成時の形状・構造に関する変更事項なので、
 口頭による説明義務があるんじゃないですか?
 もしかしたら・・・、宅建業法違反になる?、かも???」
と尋ねます。

この最後の一言に、”ドキッ”

「確認して、必要であれば全マンション購入者に説明します。」

必要であれば・・・・・

いずれにしても、
当初から計画されていないということで、
パンフレットの誤記ならば、
正々堂々と、説明責任を果たしてほしい変更内容です。


2009年03月21日

内覧会★同行日記 【コンクリート収縮のウソ?ホント?】

【231時限目】                              author アーキスケット 出口

ここは、超高層マンションのバルコニー。
PC(コンクリートの工場製品)の梁や柱やスラブが
ふんだんに使用されています。

そのPC梁は、センタージョイント方式。
梁の中央部分で鉄筋をつなぎ、
その部分だけが現場でコンクリートが打設されます。

「逆梁外側タイル部分では、PCジョイント部分にジョイント目地がありますが、
 逆梁天端とバルコニー側の吹き付け塗装部分には
 ジョイント目地を設けなかったのですね?」
と、施工会社の立会者に確認します。

「見栄えを優先し、ジョイント目地を設けませんでした。」

確かに、この部分に目地を設けると
『いかにも、この位置でPCをジョイントしているぞ!』
という感じで見栄えとしては良くありません。

ただし、2年後、5年後、10年後・・・・はどうなるのでしょうか。。。。

「この部分は、PCと現場打ちコンクリートの打ち継ぎ部分であり、
 後々、肌別れする可能性もありますよね!」

「そういった仕様で売主や設計事務所が決めています。」

「それでは、肌別れについての見解書を後日いただけますか?」

「解りました!」


後日、送付されてきた見解書

『構造部材を重くしないため為、
 シーリングをするのに必要なフカシ(構造体の断面欠損を無くす)は
 行っていません。
 また、打ち継ぎ部は高強度コンクリートを使用しているので、
 収縮も少なく肌別れはないと考えている。』

へえーーー。。。。
コンクリートのフカシをしていないんだあー。。。。
フカシをしていないんだったら、断面欠損になるため目地棒は入れられないよなあー。。。。
でも、それって、構造計算のことしか考えていないよなあー。。。。

しかし、マンションに要求されるものは、構造計算だけではありません。
肌別れするのを防ぐ、あるいは、
肌別れしても、雨水の浸入を防ぐといったことも重要なんじゃないの!

そういえば見解書では、
『高強度コンクリートを使用しているから肌別れはしない。』
と書いてあるんだった!

でも・・・・・本当に・・・・・
高強度コンクリートって収縮が少ないの???

逆でしょっ、逆!
高強度コンクリートって、
セメントの水和反応に起因した自己収縮によるひずみ量が大きくなるんですよ!

と、日本建築学会の本に書いてあります。

まあー、しかし、肌別れするかしないかは結果論。

「後々、肌別れが生じた場合は、手直ししてくれるんでしょうか?」
と、改めて見解書を求めます。


改めて送付されてきた見解書。

『アフターサービス業務基準表により、
 柱のコンクリート躯体の亀裂・破損については10年の保証となります。
 但し、構造耐力上影響のあるものに限ります。』

この但し書きの、
『構造耐力上影響のあるものに限ります。』
というのが曲者。
逆に言えば、
ほとんどの肌別れについては直さないと言っているようなもの。


内覧会以降、
こんなやり取りを、売主・施工会社vsご依頼者・私で行っていました。

そして、1か月半後の再内覧会。

「この逆梁の天端に濡れた跡のようなものがありますが・・・・」

「肌別れが発生していたので、エポキシ注入をした跡です。。。。」

内覧会以降、
設計事務所と施工会社で全所帯を検査したら、
相当な数の肌別れが発見されたそうです。

もっと、見栄え良く手直ししてください!


2009年03月17日

内覧会★同行日記 【段々マンションの断熱落とし穴】

【230時限目】                              author アーキスケット 出口

マンション内覧会のご依頼者から、
事前に送付いただいた資料を見ると、
間取り図のほか、立面図が添付されています。

このマンション、
1フロアー毎に1住戸分セットバックしている段々マンションです。
妻側にあるお部屋は全てルーフバルコニー付き。
しかし、今回のお部屋はそのお隣です。

間取り図を見ると、
外壁面に直行するコンクリート戸境い壁には、
全ての方角で断熱の折り返し表記がされています。
そして、住宅性能評価の断熱評価も等級3.

さて、マンション内覧会の検査で、
見た目には解らない壁の断熱折り返し部分を拳骨でコンコン。

すると、しっかりと断熱材が外壁から45cmの範囲で、
コンクリート壁に埋め込まれているのが解ります。

引き続き、戸境い壁の上にある梁も拳骨でコンコン。

アレッ???

確かに、
外壁から45cmの範囲には断熱材がコンクリート壁に埋め込まれているのが解るのですが、
しかし、このお部屋のお隣の上はルーフバルコニー。
ということは、この梁はルーフバルコニーを受けている梁であり、
全ての梁の範囲が外部に面するので、
外壁から45cmの範囲だけではなく、
全ての梁の範囲でヒートブリッジ(熱橋)になっているのです。

梁の全ての範囲で断熱材が埋め込まれていなくてはいけないんじゃないの?


で、内覧会検査終了後の確認・協議の場で、

「このマンションの断熱仕様はどうなっていますか?」

「外部に面するところは、全て45cmの範囲で断熱材の折り返しがしてあります!」
と、現場所長が説明してくれます。

段々マンションの立面図を見せながら、
「では、このお部屋の梁は、全て断熱在が埋め込まれていないとおかしいですよね!」

一瞬、顔が青ざめたように見えた現場所長、
慌ててお部屋を確認しに向かいます。

しばらくすると、あわてて戻って来て、
「どうやって、梁に断熱材が埋め込まれていないのが解ったんですか?」

「拳骨でコンコンと叩けば解りますよ!」

一瞬、謎が解けたような顔になった現場所長、
改めてお部屋を確認しに向かいます。

そして、しばらくした後、
「確かに、梁に断熱材が埋め込まれていませんでした。」

「段々マンションなので、こういったお部屋がたくさんありますが、
 他のお部屋は大丈夫なんでしょうか?」

「他の部屋は全てに断熱材が埋め込まれています!」
と、確認もせずに即答。
とりあえずは、信用するしかありません。。。

「このお部屋の断熱材の埋め込みについては手直ししてもらえるんでしょうか?」

「責任を持って手直しします!」

「リビング、キッチン、クローゼット、洋室と、
 天井も下地から壊さないと施工ができませんよね!」

「ハイ。。。」

「手直し方法としては、コンクリートを削り取るのも現実的ではないので、
 断熱ボードを現況の梁に貼りつけることになるのでしょうか?」

「申し訳ありませんが、その方法で手直しさせていただきます。」

「当初の予定より梁形が大きくなってしまうので、圧迫感が出るのが心配ですね。」

梁形が大きくなることについては、
マンション内覧会同行のご依頼者も了承し、この方法で手直しすることに。。。

引き渡しも間近なので、
施工会社の現場所長には、大変失礼かと思いましたが、
「スラブの断熱折り返しも必要ですのでよろしくお願いします。」
と、念を押しておきます。


後日、その確認会にも同行。

仕上がって見えなくなってしまう部分の確認のために、
お願いしておいた、手直し工事中の写真を見せてもらいます。

・リビングの天井を壊し、壁のクロスが剥がれ、断熱材が梁・スラブともに貼られています。

・キッチンのレンジフード周りも断熱材が貼られ、幕板も加工をし直しています。

・クローゼットの上の部分も間違いなく断熱在が貼られています。

・洋室もリビング同様に手直しがされています。

写真を見ると、
本当に大掛かりな手直し工事ということが見てとれます。

心配していた、梁形が大きくなることによる圧迫感もほとんど感じられません。
施工会社には、誠意をもって対応してもらえたと感じます。

でも、マンション内覧会のご依頼者は、
「本当に他のお部屋は大丈夫なのでしょうか?」
と、不信感が今でも残っているようです。

段々マンションでは、こんな断熱材施工範囲の落とし穴があるので、
ご注意を!!!

2009年03月14日

内覧会★同行日記 【理由なき訂正】

【229時限目】                              author アーキスケット 出口

マンション内覧会検査および協議終了後、
当初契約図からの訂正について
売主側から説明があります。

「管理用の扉を追加しました。」
「ここに扉があることが当然ですので改善になりますね!」

「階段の回る方向が反対向きとなります。」
「単純な図面記載ミスですね!」

こういった内容で、
・当初図面から改善するためのもの
・役所指導により訂正となるもの
・明らかな図面表記ミス
などといったものは理解できます。
しかし・・・・

引き続き、
「このロビーに自動販売機を設置しました。」

「念のためですが、その自動販売機の管理はどこが行うのですか?」
「当社関連会社の管理会社が行います。」

「自動販売機から得られる利益はどうなるのですか?」
「管理会社のものとなります。」

「えっ?マンション管理組合のものとならないのですか?」
「ハイ。。。。」

「人の土地・建物内で、無償で商売をするということですか?」
「・・・・・」

「マンション管理委規約や契約書に記載はされているのですか?」
「いえ、記載はされていません。」

ここで、急遽、後ろでこのやりとりを聞いていた上司と思しき人が、
「自動販売機の利益は、マンション管理組合のものとさせていただきます。」

引き続き、
「2箇所ある階段下の扉を中止しました。」

「扉を中止したら、その階段下の倉庫(?)には、どうやって入るのですか?」
「入ることはできません。デッドスペースとなります。」

「扉を中止した理由は何ですか?」
「・・・・・、私には解りませんので、設計者を呼びます。」

で、設計者が登場。

「理由は・・・・、このスペースがあると容積率がオーバーするからです。」

「確認申請時の図面では、この扉は無かったのですか?」
「確認申請時の図面からありました。」

「それでは、承認されているのですよね。」
「・・・・・」

「扉を中止にする必要が本当にあったんですか?」
「面積がオーバーしますので。。。。」

「では、設計者である”あなた”のミスなのですね!」
「・・・・・」

引き続き、
「この植栽を中止し、砂利敷きにしました。」

「植栽を中止した理由はなんでしょうか?」
「上部に庇があって日陰になり、植栽が枯れてしまうからです。」

「では、このエントランスの庇の下やバルコニーの下の植栽部分も
 植栽を中止する必要があるんじゃないですか?」
「・・・・・」

「日陰になるという理由で植栽を中止するというのでは、矛盾しますよね!」
「・・・・・」


マンションでは、
当初図面から変更・訂正がされる場合が多々あります。
そして、その理由が妥当なものであれば良いのですが、

理由なき訂正がされる場合があります。

そんな時、
売主のミス、設計者のミス、施工会社のミス
が、見え隠れしています。

2009年03月12日

内覧会★同行日記 【クローゼットの棚は何枚?】

【228時限目】                              author アーキスケット 出口

マンション内覧会で、
洋室にあるクローゼットの扉を開けます。

すると、予想に反し、
クローゼットの下部の棚板が取り付いていません。

上部棚板は有り、その下側にはハンガーパイプ。
そのハンガーパイプにロングコートを掛けても、
下部の棚板が取り付くスペースは十分にあります。

「このクローゼットには、下部の棚板は取り付かないのでしょうか?」
と、施工会社の立会者に尋ねると、

「現況が正しいです!」
と、即答。

パンフレットや間取り図には、
クローゼットの棚板の数までの詳細情報は記載されていることが少ないため、

「モデルルームのクローゼットも下部の棚板は取り付いていないのですね?」
と、尋ねます。

ここで、
「モデルルームはどうだったかしら・・・・あったような気もしますけれど・・・・」
と、マンション内覧会のご依頼者。

「モデルルームのお部屋はこのタイプと異なるので比較はできません。」
と、かたくなに言い訳(?)。

こうなると、何が正しいのか確認ができません。

「他のお部屋でもクローゼットに下部の棚板は取り付いていないのでしょうか?」

「ハイ。取り付いていません。」

他のお部屋に勝手に入るわけにもいかず、
とりあえずは、施工会社の立会者を信用します。。。。

で、お部屋の検査を終了し、
マンションロビー内覧会場で協議を終え、
ひととおりのマンション内覧会同行を終了。

そして、私は、
引き続き、マンションロビーに留まり、
次のご依頼者を待ちます。

実は、この一日で、
偶然、同じマンションの内覧会同行のご依頼が3件たて続けなのです。

そして、
お部屋に入り、洋室のクローゼットの棚板を確認すると、
2件目も、3件目も、
全てのお部屋のクローゼットに下部の棚板が取り付いているではありませんか!

念のため、デジタルカメラで、”パシャッ”

内覧会検査終了後の協議・確認の場で、
現場所長に、
「このマンションの洋室にあるクローゼット棚板の取り付け枚数の仕様は
どうなっていますか?」
と尋ねます。

「基本的には、棚板2枚(上・下)+ハンガーパイプ1段です。
 主寝室で、クローゼットが2つ並び(扉4枚)の箇所は、
 片方が、棚板2枚(上・下)+ハンガーパイプ1段。
 もう片方が、上部棚板1枚とハンガーパイプ2段です。」

と、明確な回答をしてくれます。

「実は、午前中に他のお部屋も見させていただいたんですが、
 クローゼットには、下部の棚板がありませんでした。
 立ち会った施工会社の人の説明では、それが正しいと言っていましたよ!」

「立ち会った者がすべてを把握しているとは限りませんので。。。。」

「把握していないのならば、『確認します。』と回答するべきじゃないですか?
 『現況が正しい。』と、その場しのぎの言い訳をすることが問題ですよ!」

「・・・・・」

「ちゃんと、伝達して対応してください!」

「ハイ、解りました。。。。」

で、早速、1件目のマンション内覧会同行のご依頼者に、
携帯電話でその旨を伝達します。


***後日、1件目の方からのメール***

お伺いしたいことがあります。
内覧会後、ご連絡いただいた洋室のクローゼットの棚板の件です。
あの後、確認の電話を入れたのですが、
折り返し回答を頂いたところ、
やはり棚板は1枚の仕様とのことでした。
これはしょうがないですかね?

***返信メール***

現場所長の説明した仕様どおりになっている、
他の2件のお部屋のすべての洋室のクローゼット棚板の写真を
添付ファイルで送付します。

2009年03月09日

内覧会★同行日記 【販売代理人は敵?味方?】

【227時限目】                              author アーキスケット 出口

最近、完成済みマンションの内覧会同行のご依頼が増えています。
この1週間でも4件。
不動産不況による値下げラッシュで、
割安感が出ているのかもしれません。

で、完成済みマンションの販売事務所に行くと、
どこの販売代理人も、
お決まり文句の一言。

「現状有姿での引き渡しです!」

でも、この”現状有姿の引き渡し”という意味は、
一体どんなものなのでしょうか?


完成済みマンションの内覧会検査を終え、指摘事項の説明です。

「トランクルームの壁の薄塗りモルタルが剥がれていますね。」
「経年劣化によるものですので現状有姿での引き渡しです。」
「竣工1年でモルタルが剥がれるのは、経年劣化ではなく施工不良ですよ!」

「このガラス、火花による焼けが無数(百個以上)にありますね。」
「キズ・汚れは現状有姿での引き渡しです。」
「こんなのは、明らかに施工時のものですよ!」


ここで、指摘の内容にたまりかねた販売代理人、

「現状有姿での引き渡しなので、
 サッシの作動確認や設備の運転確認といったものだけにしてください。」

「通常のお部屋の使用(ここはモデルルームとして使用)での、
 ある程度のキズ・汚れといったものは理解もできますが、
 明らかに、施工による不具合は手直しされるべきではないでしょうか!」

「しかし・・・・」

「販売代理人は、施工会社の味方なんですか?
 本来、マンション購入者の味方であるべきではないんでしょうか!」

「・・・・・」
と、どうも納得いかない様子。

「明らかに施工のミスによる内容のものは、
施工会社も誠意をもって手直ししてくれるはずですよ!」


ということで、引き続き指摘事項の説明を再開。

「このアルミサッシ枠のビスが抜けていますよ。」
「・・・・・」

「バルコニーの排水溝のモルタル補修部がウレタン防水されていませんね。」
「・・・・・」

「縦樋支持金物周りのタイルが割れてしまっていますね。
 しかも、ワッシャーを外してあるので手直し途中だったみたいですね。」
「・・・・・」

「縦樋が外壁塗装材でベタッと汚れていますね。」
「・・・・・」

「バルコニーのアルミ手摺の下桟が大きく凹んだうえに曲がっていますね。」
「・・・・・」

「このクロゼットのボックスの補修跡が悪いですね。
 しかも、社内自主検査の印であるテープも残っていますよ!」
「・・・・・」

「押入れのフスマ下枠が大きく割れてしまっていますね。」
「・・・・・」

「洗面室の壁タイルが割れてしまっていますね。」
「・・・・・」

「玄関ドア枠の塗装で、ツヤ有りとツヤ無しが混在していますね。
 これは明らかに補修時の塗装材料の間違いですよ!」
「・・・・・」

その他、出るは出るは、45項目。
中には、経年によるクロスジョイントの隙間などの指摘もありますが・・・・・
この販売代理人も驚いたのではないでしょうか?


そもそも、
こんな内容の指摘が山ほど出るなんて、
施工会社の自主検査、デベロッパーの売主検査が
まともに行われていないとしか言いようがありません!

販売代理人の責任ではないのです。

それでも、”現状有姿での引き渡し”と言うのでしょうか?

是非、マンション購入者の味方になって、
施工会社との交渉をしてほしいものです。

それにしても、
あのお部屋がモデルルームだったということは・・・・・