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建築請負契約 アーカイブ

2007年05月18日

建築主★講座【あなたは、『ランクA』のお客様になっていませんか?】

【67時限目】                        author アーキスケット 出口

「私は、『ランクA』のお客様なの?
 もしかしたら、何か特別待遇の良いことがあるのかしら?」
と思った建築主の方、ゴメンナサイ。

『ランクA』とは、業界で『受注確度』を示すランクなのです。
会社によっては、違う表現をする場合もありますが、
ランクとしては、A?Dまであり、
その定義は、各社異なりますが、
目安として以下のとおりです。

  ランクA : 間違いなく工事受注ができる建築営業案件

  ランクB : もう少しで工事受注ができる建築営業案件

  ランクC : 受注する為には、努力を要する建築営業案件

  ランクD : 情報を得た程度の参考建築営業案件

ある程度の規模の施工会社では、
こうしたランク分けをした建築営業案件の一覧表があり、
これが、年間受注計画となっています。

もし、建築主であるあなたが計画している建物のランクが『ランクA』であれば、
施工会社にとって、オイシイ建築営業案件であり、
逆に言えば、
あなたは営業マンに、『手玉に取られている。』かもしれません。


ここで、チョット裏情報です。
これらのランクは、契約前の受注確度なのです。
民間工事では、営業がお客様にどれだけ食い込んでいるかで、
これらのランク分けが出来ます。

しかし、公共工事でのランク分けはどうなっているのでしょう?
公共工事においても受注計画があるのです。
『ランクA』にランクされた営業案件は、
すなわち、『談合』で決められているということになります。
ところが、
公共工事では、こんな受注計画表が見つかれば、
談合を疑われてしまい犯罪となってしまいます。
経営トップは、頭の中でこの表を思い描いているのです。


少し横道にそれましたが、
建築主サイドからすれば、
『ランクA』にランクされるということは、好ましい事ではありません。

「条件が合わなければ、いつでも違う施工会社に乗り換えるぞ!」
という心構えで交渉に臨むことが必要です。


次回は、【そのパンフレット、『誇大広告違反』ではありませんか?】
を予定しています。
それでは、次回をお楽しみに・・・・・・・お疲れ様でした。

建物購入★講座【検査済証のないテナントビルの代償】

【59時限目】                        author アーキスケット 出口

不動産関連の会社に勤める友人からの相談です。

「うちの会社が所有しているテナントビルがあるんだけれども、
 そこに入っている会社から、
 『耐震が心配なので、このビルの検査済証を見せてくれ。』と言われ、
 困っているんだよ。」

「検査済証はないの?」

「このビルを買った時、
 『検査済証はないんだけれど、その分安いですよ!』
 と営業マンが言うので、つい買ってしまったんだ。」

(実は、世間にある建物で検査済証を取得していないものは以外に多い。)

「それで、どうなったの?」

「『お前の所は、いつ倒れるか解らない建物を貸しているのか!』と怒り出し、
 その会社で耐震調査を行ったんだ。
 そしたら、
『安全率がぜんぜん無いじゃないか。どう保証してくれるんだ!』 
 と猛烈な抗議だよ。」

「図面や構造計算書は無いの?」

「それが、無いんだよ。」

「実際、図面が無ければ、鉄筋量や鉄骨量など解らないので、
 構造計算は出来ないと思うけれど・・・・」

「なんか計測機械を使って調べたらしいよ。」 (非破壊検査)

「計測機械を使っても、調べられる限界はあるけどね。」

「そうなんだあー」

「お前の会社としては調べないの?」

「たぶん、安全率が確保されていると思わないし、費用もかかるし・・・・」

「それじゃー、対抗出来ないよね。」


ということで、
現在、この不動産会社は、
『テナントへの営業保証と建物の建替え』に関して係争中です。


住宅も含め、建物購入される方は、
いつ、この様な争いに巻き込まれるか解りません。
また、建物の価値も変わってきます。

検査済証は、必ず取得しましょう!
そして、図面、構造計算書は大切に保管しましょう!


次回は、【セレブ達のマンション購入】
を予定しています。
それでは、次回をお楽しみに・・・・・・・お疲れ様でした。

建築請負契約★講座【実体のない悪徳工務店の生き残り戦術】

【55時限目】                        author アーキスケット 出口

「トウルルルル・・・トウルルルル・・・トウルルルル・・・ 」

 ・・・・・・ (誰も電話に出ません。)

翌日、改めて
「トウルルルル・・・トウルルルル・・・トウルルルル・・・ 」

 ・・・・・・ (やはり、誰も電話に出ません。)

この電話は、
ある建築請負契約のトラブルに巻き込まれた方から相談があった為、
建築請負契約の相手側である施工業者の事務所に電話をしたものです。

実は、このご依頼者は、
建築請負契約当事者である請負業者の担当者と会った事も無く、
仲介業者に言われるがままに、
威迫を受けながら建築請負契約をしてしまったとのことです。

仕方なく、その仲介業者の担当者に連絡をとり、
話し合いの機会を設けました。

話し合い当日、

「はじめまして。仲介業者●●の××です。」
「はじめまして。請負業者■■の△△です。」
「はじめまして。実際に工事を行う施工業者▲▲の○○です。」

と、3社、勢揃いでお迎えされました。

「ところで、請負請負契約は威迫によって行なわれたと聞いていますが?」
との問いに、

「・・・・・・・」 と無言の建築請負業者

「そんなことはありません。同意のうえで建築請負契約しました。」 と
仲介業者がフォロー。

「建築請負業者の■■さんは、建築請負契約当事者なのに、
       ご依頼者に会ったことも無いのですか?」 との問いに、

「・・・・・・・」 と無言の建築請負業者

「実際の工事管理は、施工業者▲▲さんですよね。
   これは、『一括下請け』に該当し、
     建設業法違反ではありませんか?」 との問いに、

「・・・・・・・」 と無言の請負業者

「色々、管理をしてもらっていますよ!」 と仲介業者がフォロー

「その管理とは、実際には何を行っているのですか?」 の問いに、

「・・・・・・・」 と無言の建築請負業者


こんなやり取りの後、
もらった名刺に書いてある建築請負業者の会社所在地に行ってみると、
小さな一軒家で、小さな看板は揚げているものの、
平日の昼だというのに、電気も点けず事務所の機能はしていません。


結局、この建築請負業者は、
仲介業者とツルンデ、利ザヤを抜いて『一括下請け発注』をしているのです。

金額規模により建設業法違反にならない場合がありますが、
だからと言って、
平然とそんなことをやっていること自体が、精神に反しますよね!
もちろん、『威迫』宅建業法違反です。

建設業界や不動産業界には、
残念ながらこんなことが横行しているのも事実です。

建築主のあなた、

実際に工事管理を行っている現場監督の名刺は、
        建築請負契約先の施工会社となっていますか?


次回は、【「ナイショにしてください。」と頼まれた内覧会指摘事項】
を予定しています。
それでは、次回をお楽しみに・・・・・・・お疲れ様でした。

建築請負契約★講座【標準仕様書の果たす役割をご存知ですか?】

【54時限目】                        author アーキスケット 出口

ある商社のオーナーが自社ビルを建てる計画でのお話です。

「設計図が20枚程度しか無いけれど、
 こんなので、ビルが建つのかなー?」と疑問に思うオーナー。

「500円のプラモデルでも、設計図は1?2枚は有るはよねー。」
とオーナーの奥さん。

「大丈夫です。経験豊かな現場担当者が付きますから安心してください!」
と営業マン。


ここで、規模が小さいとは言え、
設計図が20枚程度で自社ビルが建つのでしょうか?

設計図には、

  ?営業段階での提案用の図面 
  ?確認申請段階での申請用図面
  ?実際に施工するための実施設計図面

というものがあります。
しかし、枚数については規定は無いのです。
必要最低限の図面があれば確認申請も許可されてしまいます。
施工会社の中には、
実施設計図を作成せず、
確認申請用の図面だけで建物を建ててしまう場合すらあります。

やはり、設計図は多ければ多い程、実施設計図面の精度が高い程、
建築主も建物がどの様に造られるか理解できるし安心できますよね!

一方で、
建物を造るに当って、全ての内容を図面に記載することが必要かというと
そうでもありません。

例えば
「この場所に使う釘はどんな種類なのだろうか?」
「この壁の下地の桟は、どのくらいの間隔で入っているのだろうか?」

などなど、例を挙げたらキリがありません。
これらの項目は、個別の建物に限らず、
全ての建物で共通した決まりごとがあります。
そこで、これらの項目は、いちいち設計図に記載せず、
『標準仕様書』というもので、網羅することが一般的です。

『標準仕様書』には、
  
  ・施工会社やデベロッパー独自で作成しているもの
  ・社団法人公共建築協会の『建築建築工事標準仕様書』
  ・日本建築学会の『建築工事標準仕様書 JASS●●』

などといったものがあります。

「経験豊かな現場担当者」の能力に全てを頼るより、
これらの標準仕様書を採用・遵守させることをおススメします。

ちなみに、この自社ビルでは、

「そちらの会社では、標準仕様書は何を使っていますか?」の問いに対し、

「標準仕様書って何ですか?」とあきれた回答だったので、
社団法人公共建築協会の『建築工事標準仕様書』を採用し、
施工してもらう様、
『建築請負契約書』にその旨を記載してもらいました。
(一般的には、設計図の特記仕様書に記載されますが、
 この自社ビルの設計図には、特記仕様書が無い。)

あなたの建物は、
壁の下地の桟の間隔は何センチですか?


次回は、【実体のない悪徳工務店の生き残り戦術!】
を予定しています。
それでは、次回をお楽しみに・・・・・・・お疲れ様でした。

建築請負契約★講座【弁護士泣かせの建築訴訟】

【39時限目】                        author アーキスケット 出口

「建物が完成したと思ったら、いきなり追加工事の請求をされたけど、
 支払わなくてはいけないの?」

「建物の引渡しがされたけど欠陥だらけ。どうしたら良いんだろう?」

工事が遅れて予定していたお店のオープンに間に合わなかったけど、
 損害賠償請求は出来るのだろうか?」

などなど、建築トラブルはあとを絶ちません。

建築主と請負業者で和解が出来れば良いのですが、
金額も大きい為、訴訟に発展する場合も多々あります。

こんな時、建築主は弁護士に相談することとなるでしょう。
当然、訴訟ですから弁護士の力は必要となってきます。

しかし、チョット待ってください!
弁護士と言えども、ほとんどの場合、建築の知識を持っていないのです。

従って、この争いの構図は、

          建築主(素人)+弁護士(素人)
                   VS 
          請負業者(プロ)+顧問弁護士(セミプロ)
となります。

しかし、訴訟においては、
『建築の専門的知識を持って主張する必要性』が生じます。
そうでないと、有利に訴訟を進めることが出来ず、
建築主にとって100%満足する判決が得られるとは限りません。
やはり、
『弁護士だけではなく、建築の専門家にも応援を求めた方が、
結局は良い結果が得られる。』
のではないでしょうか!

現在、私はある建築トラブルの訴訟に関わり、もう3年にも及びます。
最初のうちは弁護士に、
『世間一般では非常識である建築業界の常識』
を理解してもらうのに、さんざん苦労しました。
また、解らない建築用語をひとつひとつ説明し、まるで国語の授業です。
3年経った今、少しだけ建築業界の常識が解ってきた様です。

『この争いの決着は、何時になることやら?』

長引く建築訴訟に、最近少々ウンザリしています。
ん?・・・・こんなことは言ってはいけませんね!


次回は、【内覧会立会い業者 あなたは何を基準に選びますか?】
を予定しています。
それでは、次回をお楽しみに・・・・・・・お疲れ様でした。

建築請負契約★講座【建築主の意向を無視した設計者の自己満足】

【22時限目】                        author アーキスケット 出口

建物を造ろうと決めた時、
建築主は、
『外観のデザインはこうしたい。』
『内装の仕上げはああしたい。』
『使い勝手はこんなのが良いな。』
などなど
いろんなイメージや希望があると思います。
そして、『自分で設計は出来ないし、その資格もない。』
ということで、設計者に建物の設計を依頼します。

しかし、建物が出来上がった時、
『こんなものを依頼したのではない!』ということも起こるのです。

オーダーメードの洋服くらいなら、あきらめも付くかもしれませんが、
建物という価格の大きなお買い物では、あきらめることは出来ません。

「こんな建物は頼んでいませんよ!」と怒りをぶつけても、
「この方が良いんですよ。設計図にも書いてあります。」
設計者の満足気な返事。

「自分で設計が出来ないから頼んでるんだろ!」と叫びたくなります。

「こんなこと、本当にあるの?」とお思いの方もいるかと思いますが、
答えは、「あります。」です。

建物というのは、建築主にとって100%満足することはありません。
少なからず、建築主の意向が反映されないこともあります。
何故なら、法規制や近隣との調整などの要素があるからです。

しかし、
設計者の自己満足の為に、満足度が下がることがあってはいけません。

これを防ぐ為には、
計画段階で、
『設計者との信頼関係を築き、建築主も積極的に設計に参加する。』
ということだと思います。

建築主の方にとって、100%に近い満足度が得られることを祈ります。


次回は、【ゴキブリの季節到来!】を予定しています。
それでは、次回をお楽しみに・・・・・・・お疲れ様でした。

建築請負契約★講座【設計事務所は本当に建築主の味方?】

【8時限目】                        author アーキスケット 出口

もし、素人であるあなたが建築主として建物を建てる場合、
先ず自分の味方となる設計事務所を選ぶでしょう。

しかし、その設計事務所をどういう基準であなたは選びますか?

全国には、十数万社の設計事務所があり、
その得意分野も様々あります。
設計会社自体の信頼度、過去の実績建物の評判、
関係者へのヒアリング、設計費などなど
あなたの判断基準はたくさんあります。
是非、自分の希望を叶える誠意ある設計事務所を選んでください。

ここで、私の実体験である裏話をひとつ紹介します。

設計費は、建築費全体の4?10%程度であり、設計業務の作業量からすると
大きな利益を得ることがなかなか難しいものです。
そこで、施工業者から裏金を貰うケースがあります。
数百万から時には数千万という大きな金額であることもあります。

みなさんは、施工業者にとって『何のメリットがあるの?』と
疑問に思うかもしれませんが、
施工業者にとって設計事務所を『味方にするか敵にするか』で
利益が大きく違ってきます。

首尾よく味方に出来れば、
VEやCDと称し、本来の設計図から仕様を落とすことを認めてもらい、
利益を上乗せすることが出来るのです。

建築主であるあなたが、VEやCDを認めているのであれば良いのですが、
その存在を知らないでこの様なことが行われていれば、
契約違反ということが言えます。
建築は多種多様な項目があり、
素人が知ることは、なかなか困難なことですが、
建築主としては、こういったことの無いよう目を光らせなければなりません。

こういった建築主を裏切る行為は、
『ごく稀なケース』であると信じたいのですが、
建物を計画されている建築主の方は、
こういったこともあるという認識を持っておいてください。

次回は、【マンションの出来映えは端部をチェック!】を予定しています。
それでは、次回をお楽しみに・・・・・・お疲れ様でした。

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